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■第142回 2025.11.21 フィルムカメラ
その昔、写真というのはある程度撮影テクニックやカメラ操作の知識がある大人が使うものであり、子供の頃は科学雑誌付録の日光写真などを撮って喜んでいたものです。小学生くらいの頃には写真&カメラに興味を持っていたのですが、じきにプロの人たちが使う一眼レフカメラに憧れるようになりました。既にコンパクトカメラは何も考えずに自動で撮れるようになっていたはずですが、一眼レフはAE(Auto
Exposure:自動でシャッター速度や絞りを調整する機能)が搭載されるようになった程度で、それでも絞りを優先するのか、シャッターを優先するのかを考え、また目視でピント合わせをする必要がありました。
1985年、ミノルタから突如登場したAF機能付きの一眼レフカメラα7000に衝撃を受け、近くの北星堂という写真屋さんに足げく通っては眺めまわし、さらに1988年にはデザインを一新させそのAF機能を進化させたα7700iには一目惚れしたものです。そしてその改良版が1990年に出たこのα8700iなのです。
しかし当時はお金もなく(貯めることを考えず好きなことに使っていたような)、カメラを買うには至らず、一眼レフカメラを買う頃には、αの後継モデルが今一つだった上に他社の性能が追い付くようになり、結果安価なキヤノンの入門機を買い、それなりに使っていました。
社会人になりデジタルカメラが登場してからは性能向上がめざましく、新機種が出るたびに買い替えるようになりますが、たまたま高田馬場の中古カメラ店を覗いたところ、ピカピカ(に見える)α8700iが鎮座しており、かつて憧れていた頃を思い出し金4万円也を出して購入したのがこのカメラです。何度か使ってはみたものの、やはりデジタル時代の流れには逆らえず、使わずに放置したままお蔵入りとなりました。
最近はフィルム自体が高価&希少になり、この先フィルムで撮影する機会がなくなることを考えると、せめてもう一度フィルム写真を撮ってみたいと思うようになり、このα8700iを試してみることに。一応カメラケースには保管していたものの、30年以上も前の機械なので動くかどうかさえ怪しかったので、まずは専用電池を買ってきて投入、最初は微妙な反応でしたが、レンズを軽く回してみたところ、シャキっと動くように。そしてお試し用のフィルムも挿入、巻き上げ・撮影・巻き戻しともに正常で、フィルムも問題なく現像できました。精密機器な上に電子制御なので使い続けるうちに不具合が出てきそうですが、動作OKなうちに、こんどは高級なポジフィルムで撮影してこようと思っています。
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