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抑圧との闘い/違法警察/逮捕とは

《目次》

抑圧との闘い

 闘いの報告

 違法警察と闘おう

  逮捕とは

  逮捕制度の現状

  違法捜査に
    反撃するために

 弾圧のための法

 管理と監視

 その他


 法律上の制度や条文を分かりやすく解説しようとすると多くの場合、厳密な正確さを犠牲にしなければなりません。以下は、正確さより分かりやすさを目的にした解説です。また、令状の会の主張も含むものです。したがって、法律上の厳密な正確さが必要な方は法律専門書を利用して下さい

● 逮捕とは

 逮捕とは、犯罪を行ったという疑いのある者(被疑者)の身体の自由をはく奪(拘束)し、引き続いて最長72時間、拘束を続けることです。その間に起訴するか、勾留を請求しない場合には、釈放しなければなりません。

● 逮捕の種類

 逮捕には次の3種類があります。

1、通常逮捕(逮捕状の請求書 、逮捕状

 裁判官があらかじめ発付した逮捕状による逮捕のことです。被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由(「逮捕の理由」)が存在するだけでなく、次の3つの条件(「逮捕の必要性」)のある場合に限って、逮捕状が発付されることになっています。
《逮捕を可能とする3条件》
 1) 住所不定
 2) 罪障隠滅(犯罪の証拠を隠すこと)のおそれ
 3) 逃亡のおそれ
 しかし、実際には「罪障隠滅のおそれ」がとても広く解釈されているので、「逮捕の理由」が存在するだけでほとんどの場合に逮捕状が出されているのが現実です。

2、緊急逮捕(逮捕状 )

 刑訴法21条は、「死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる」とあります。この条文にしたがって行われる逮捕が緊急逮捕です。
 例えば、職務質問で所持品を調べたところ、鞄の中から盗んだ物が出てきて、本人もそれを認めた場合などです。
 緊急逮捕をした場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければなりません。そして逮捕状が発せられないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならないことになっています。
 憲法33条は、現行犯逮捕をのぞいて、「権限を有する司法官憲が発し、かつ理由となっている犯罪を明示する令状によらなければ(注、通常逮捕のことです)、逮捕されない」とされているので、緊急逮捕は違憲という主張がありますが、最高裁判所は合憲としています。

3、現行犯逮捕

 犯罪を行っている最中の者、犯罪を行い終わった直後の者(現行犯)に対しては、誰でも逮捕令状なしに逮捕できます、
 また、ある人が
 1) 犯人としておいかけられているとき
 2) 盗んだ物や明らかに犯罪の使ったと思われる兇器などを持っているとき
 3) 身体又は衣服に犯罪の顕著なあとがあるとき
 4) 誰何(すいか)されて逃走しようとするとき
で、犯罪を行ってから間もないと明かに認められるときも同様です。

● 逮捕された後はどうなるか

 逮捕された後は、どのような手続きが行われるのでしょうか。

1、刑訴法の規定では、警察官が被疑者を逮捕した場合、留置の必要がなければ直ちに釈放しなければなりません。そうでなければ、48時間以内に身柄を検察官に送致しなければなりません。

2、被疑者を送致された検察官は、留置の必要がない時は直ちに被疑者を釈放しなければなりません。また留置した場合、身柄を受け取った時から24時間以内に勾留請求 をするか、起訴しなければなりません。

3、勾留請求を受けた裁判官は、次の要件がある場合にのみ、勾留状 を発付して勾留を認めます。

 1) 犯罪の高度な嫌疑
 2) 住所不定、証拠隠滅のおそれ、逃亡のおそれという勾留理由
 3) 事件の重大性など勾留の必要性・相当性

4、検察官は勾留を認められてから10日以内に起訴するかどうか決定しなければなりませんが、「やむを得ないとき」はさらに10日間の勾留延長を求めることができます。また、特別の重大犯罪の容疑の場合はさらに5日間の勾留の延長を求めることができます。
 このように、制度的には逮捕・勾留の各段階で拘束の必要性が検討され、必要なければ直ちに釈放されることになっています。どれほど犯罪の容疑が濃厚でもそれだけで勾留することはできません。確定した裁判所の有罪判決のみが自由はく奪刑を科すことができるからなのです。
 ところが現実には、警察官などが請求した逮捕令状の99%が発付されており、勾留請求も99%認められているのが現状です。警察がいったん逮捕しようと決めたら、たとえ無実で結果的に起訴されなくても、少なくとも72時間プラス10日間、場合によってはさらに10日間の拘束を覚悟しなければなりません。

● 逮捕の目的

 逮捕は何のために行われるのでしょうか。
 逮捕は、勾留の必要性を裁判官が調べる(勾留質問)ために被疑者を裁判官の前に連れて行くためのものです。
 では、勾留とは何のために行われるのでしょうか。
 勾留とは、その自由を強制的に奪うことで、被疑者や被告人が将来確実に法廷に出頭することを確保し、また証拠の隠滅を防止するために行われます。
 したがって、逮捕も勾留も、犯罪の取調べの手段ではありません。被疑者・被告人には、捜査に協力する義務や自白する義務はありません(黙秘権)から、被疑者・被告人の自由を奪って強制的に捜査に協力させることはできないのです。
 ところが、現実には「取調べ受忍義務」という言葉で自白が強制され、多くの冤罪が生み出されています。
 この人権を保障するという法律上の建前とそれを踏みにじる現実の大きなギャップが、戦後の日本の刑事手続き、特に逮捕・勾留制度の特徴となっています。

● 逮捕状請求できる者と逮捕できる者

 通常逮捕の場合、逮捕状を請求できる者は、検察官と司法警察員(警察官は警部以上)です。
 その逮捕状を使って逮捕できる者は、検察官と検察事務官、司法警察員(警察官は警部補以下も含む)、司法巡査です。
 緊急逮捕の場合は、逮捕できるのは、検察官と検察事務官、司法警察職員(司法警察員と司法巡査)です。逮捕後の令状請求については通常逮捕のような制限はありません。
 なお、司法警察職員には、警察官のほか、麻薬取締官、労働基準監督官などがいます。

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