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シアネス・コアール 《Seanes Qualle》
 
  データ 
全長162.4cm 
     備考・・・ 
頭部 
重量61.3kg 
座高78.1cm 
arm81.6cm(部品長)  
leg104.3cm(部品長) 
B76 W59 H82 
平均歩行速度3.8km/h±3km/h
平均走行速度26km/h±5km/h
大脳
小脳
皮膚
《記憶誘導・感情・思考・創造・通信》           
《ユニット46改》 
《視覚センサー》 
《聴覚センサー・慣性航行装置》 
《嗅覚センサー》 
《味覚センサー・音声発振装置》 
《触覚センサー》 
 耐久性能     胴体及び肢体 
対加速度〜14.6G   
対気圧〜840kg/cm2 
対水圧〜64kg/cm2    
対温度−140℃〜2000℃
動力装置
駆動形態
骨格
皮膚
その他
《恒温分子再構成型核式採電炉》 
《恒温リニア駆動装置》 
《SECRET》 
《触覚センサー》 
《非常用バリアー多種 etc.》
              

 備考
 ユウロスが魔王に頼まれて製作したちゃんと名前の付いている汎用のロボット(仮称) 頭のてっぺんから足の先まで人間の女性の姿をしている メインフレームはツァイルとほぼ同じ 設計の都合上足の付け根から膝までより膝から足までの方が15センチ長い・・・ 背中には数種のオプションパーツを装備できる

 作者より
登場人物として影は薄いが『メイドさん』である 親もしくは制作者であるユウロスを心から慕っておりその様子はバルキリーと並べられるほどである ただしシアネスは個人の仕事としてクライアントである魔王より賃金をもらってサードキャッスルの管理をしているので まるで兄姉のように寄り添って生活していたバルキリーとはかなり違うのだ どちらもかなわぬ恋をしているのは変わらないと思う 相手がユウロスだもんなぁ


 ヘルテーブルのウラリスクの町の外れ 断崖絶壁の崖っぷちに建つサードキャッスルの窓からエプロンドレスを着た女性が窓の外に輝く星空に向かって・・・
「ああ ユウロス様」

 ガルフブリーズ内部 ユウロスのハンガー内にあるユウロスの家 但し現在はユウロスとナッキャの家である
「へぇっくしょぉんっ ・・・ 風邪かな?」
「大丈夫? ユウロス」
「ああ たぶん大丈夫だと思うけど」
「そう・・・」
 しばらく個々の作業をしている二人
「ユウロスいますか?」
 ナッキャの目の前にパネルが開いた そのパネルには中年のおやじ・・・もとい バルジ・エルの姿があった
「いるよ ユウロス バルジさん」
「UAIこっちに回してくれ」
 「了解」
「ユウロス さっきのくしゃみの訳を教えてやろうか?」
「はぁ?」
「さっきのくしゃみは 君の造った例のロボットの思念が君に届いたんだよ」
「お前なぁ ・・・ シアネスの事だな」
「そうだ まあくしゃみは冗談としても 彼女はあれで結構寂しがりだからな」
「それは 気がつかなかったなぁー」
 これはしたりと頭をポリポリとかくユウロス
「どうだ 前回会いに行ってからもうかれこれ1万年は経ってるぞ」
「そうか・・・ 分かった サンクス」
 ユウロスの目の前のパネルが消えた 直後彼の背後に人の気配を感じる
「ユウロス βに降りるの?」
「そうだよ ・・・ UAIバルキリーも呼んでくれ ハンガーで待ってると」
 「はい」

 数分後ユウロス ナッキャ バルキリーを乗せたホワイトバード
 「ホワイトバードMark.2 システムオールグリーン ハッチ閉じます」
「そのままヘルテーブルの空港に向かってくれ」
 「了解」

 リディアの自室
「なにぃーっ ユウロスがまた逃亡したぁ」
 「でも 今度はナッキャも付いてますから大丈夫でしょう」
「全然大丈夫じゃなぁーーーーーい!」
 自室で一人吼えるリディア・フェイルであった

 ヘル・テーブル・エアポート管制塔
「はいこちら ヘル・テーブル・エアポート」
 「こちらホワイトバードMark.2 着陸許可をもらいたい」
「位置を確認 先に定期便を着陸させるので 上空で待機されたし」
 「こちらホワイトバードMark.2 了解」
「UAI魔王に連絡を入れておいてくれ」
 「分かりました」

 領主の居城であるウスチィリムスク城内の領主の寝室
「だんな様 だんな様」
「何だ この夜中に騒々しい」
「ユウロス様が 到着されます」
「ユウロスか この夜中に・・・ 会いに来たら朝になってからにするように伝えてくれ いつも道理の処理をするように それからサード・キャッスルに連絡を入れておくように」
「はい だんな様」
「下がっていいぞ」
「では 失礼します」

 サードキャッスル(日本ならば迎賓館みたいな物である そ)のシアネスの自室の電話にて
「ユウロス様が来られるの?」
「そうだ じゃあ頼むよ」
「はい!」
 受話器を置いたシアネスは急いで準備をするべく部屋から出る軽やかに踊るように

 20分後ヘル・テーブル・エアポートからサードキャッスルへ向かう農道
「ユウロスぅ なにも夜中に来ることなかったんじゃないの?」
「しかし 私は2時間ほど前に起きた分けで・・・」
「・・・ ・・・」はぁー まったくいつも 行き当たりばったりなんだから・・・ まあ いいか
 明かりもなく星と月の明かりだけで農道を歩く3人
「ナッキャ これから会いに行くのは 私が造ったシアネス・コアールと言う・・・ えぇーとツァイルと同じタイプのロボットで女性だ 彼女には君の事を既に話してある ほとんどな それからこれは・・・ 非常に言いづらいのだが・・・ モチーフ 君なんだ・・・」
「そう」
「ごめん」
「謝らなくでも いいのに 待つには長すぎたもん」
「うん」
 雰囲気に飲まれて何も言えずに二人の後をついてゆくバルキリーであった

 サードキャッスル前
 門柱の明かりがつき 扉が自動的に開く そこにはシアネスが立っていた
「お待ちしておりました ユウロス様 そちらは・・・」
「ああ バルキリーと私の妻のナッキャだ」
「では お部屋の準備ができておりますので 案内します」
 ユウロスらはシアネスの後に着いて行く

 サードキャッスル内客室
「では ごゆっくり」
 そう言ってシアネスは退室した
「ユウロス あまり完全に似ている分けじゃないんだね」
「資料が無かったから」
「ふーん」
「二人とも 私が戻って来るまで部屋から出ないでほしいんだけど いいかな?」
「行ってらっしゃい」
「良いですよ」
「じゃあ ちょっと行ってくる」
 ユウロスは客室を出てシアネスの自室へと階段を降りる 彼女の部屋の前で立ち止まり 一呼吸置いてノックした
「はい 今行きます」
 扉が開きユウロスの前にシアネスの姿が
「入っていいかな?」
「あっ はい」
 ユウロスは部屋の中に入り後ろ手に戸を閉めた
「シアネス 今回は君に会いに来たんだ 君が寂しがってたから・・・」
「あたし なんかに」
「おいで」
 抱きつくシアネス ユウロスはシアネスを抱きしめる
「ユウロス様 あたし あたし・・・」
 涙声のシアネスにユウロスは言った
「いいよ 思いっきり泣いても」
 堰を切ったように大声で泣きじゃくり すさまじい力でユウロスを締め上げるシアネス
「くっ うぅっ」
 耐えるユウロス

 サードキャッスル客室の外のベランダ
 ベランダに置かれている椅子に座って星空を二人で眺めている
「あのナッキャぁ」
「なに?」
「ユウロスのどこが好きなの?」
「そうねぇ あの人の弱いところかな」
「ユウロスが弱いの? 私は怖いぐらいなのに・・・」
「そうじゃないの あの人はね・・・ あの人は自分であの大きな力を恐れているの 多分自分では気が付いていないと思うけど それがもし違うとしても あの大きな力の影が あの人の弱い心なの誰かが支えてあげないと いつか・・・」
「そう 確かリディアも同じ事を言っていたような気がするな」
「あの人は医者だもの 私の事も知ってるわよ 多分あなたの全ても」
「うっ・・・」

 シアネスの自室
 ユウロスが泣いているシアネスに凄じい力で抱きしめられているために脂汗をかきながらシアネスを抱きしめている 彼女には苦痛を悟られまいと やがてシアネスは泣きつかれたのか ユウロスを力一杯抱きしめていたことに気づき
「あっ ご ごめんなさい あたし気づかなくて・・・」
 シアネスはとっさに謝る がユウロスは
「いいんだ」私には・・・
 そう言ってシアネスの額に口づけをしほほ笑みかけた
「ユウロス様」大好き
「・・・・・・」うーむ 様は つけてほしくないんだが・・・
 しばらく抱きついたままの二人
 さらに数分
「すー すー」
「・・・ 」寝た? 寝たのか?
 そっとシアネスの顔をのぞく 幸せそうなシアネスの寝顔が寝起きの顔に変わる
「あっ あたし寝てしまってたの?」
「ああ 少しだけど・・・ もう寝る時間?」
「はい」
「じゃあ 私は部屋に戻るよ」
「あっ あのユウロス様 一緒に寝てくださいます?」
 顔を真っ赤にして言ったシアネス
「ごめん 今は妻と来てるから・・・ おっと それから」
「はい」
「私の事をユウロス様なんて呼ぶな 私は白馬の王子様じゃない どちらかと言えば君の親だ しかしお父さんと呼ばれても困るしなぁ」
 真剣に悩むユウロスに 苦笑するシアネス
「分かりました ユウロス ・・・ これで良いですか」
「うん 前回来たときはそう呼んでたでしょ」
「はい」
 笑顔で答えるシアネス
「じゃあ お休み」
「はい」
 ユウロスは部屋の外に行ってしまった
「ああ」愛しのユウロス様ぁ・・・
 明かりを消し ベッドに入り少したった頃には部屋の中には寝息だけが広がっていた

 サードキャッスル内客室
「ふうー」・・・
 ユウロスは部屋に帰ってくるなり大きくため息をつき二人に目をやる 既にナッキャとバルキリーは寝間着に着替えていた
「どうしたの?」
 ナッキャがユウロスに訪ねた
「ああ 無精者の親を愛する娘に思いっきり泣き付かれた」
「ユウロス本当に不精だもんね」
「ナッキャぁ そんなにはっきり言わなくとも・・・」
「じゃあ私たちは寝るから おやすみ」
 二人は寝室へ入っていった
「私も寝るとするか」
 ユウロスは部屋の明かりを消しソファーに横になり暗がりを見上げていた・・・ しばらくの間


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Ende