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突発ショートショートL2「じぇりーずと希亜」


「こんな所まで、じぇりーずが」
 指先で突っついて、目の前の宙に浮くクラゲ"じぇりーず"の感触を楽しむ希亜。
 ここは男子寮の廊下、その天井付近で逆さまの希亜は、同じく宙に浮いているじぇりーずを突っついている。
「ぷにぷにしてて、柔らかい〜」
 今度は手で触れてみる。
「冷たくて気持ちいい〜」
 そして…
 

「誰だ、俺のじぇりーずを捕まえている奴は」
 魔樹はじぇりーずを通して、先ほどから何かにのしかかられているような、そうでないような妙な感覚を覚えていた。
 そんな彼がじぇりーずの元へと、寮に入る。
「こっちか?」
 階段を上った先には。
 

「すーすーすー…」
 ふよふよと浮いているじぇりーずを、クッションにでもするかのように、希亜は同じくふよふよと浮いたまま、うたた寝の中に…
「ええい起きろ!! 俺のじぇりーずを枕にするな!!」
「あと五分…」
 うたた寝のままに返事を返した希亜に、魔樹はじぇりーずを手元に呼び寄せる。 が、まるで紐で括り付けているかのように希亜もついてくる。
「ええい 起きろ!」
 眠そうな希亜の碧眼が開き、一度目を細める
 ごそごそと眼鏡を取りだし掛けると、魔樹の方を向き。
「あ、隼さん」
「あじゃない! はやく俺のじぇりーずから離れろ!」
「はひ!」
 魔樹の剣幕に驚いたのか、希亜は飛び退くようにさっとじぇりーずから離れる。
「全く」
「でも、冷たくて気持ちよかったです」
 そう言った希亜に、魔樹の刺すような視線が向けられる。
「ごめんなさい」
 しゅんとして深々と頭を下げる希亜に魔樹は。
「次からは、気を付けてくれよ」
 そう言うと、じぇりーずを伴って行ってしまった。
 誰もいなくなった廊下で希亜は。
「ウォータークッション、欲しいな」
 そんな事を呟いて、この場から離れて行った。
 
 
 

そんな訳で(どんな訳だ?)突発ショートショートLの二つ目です
いや 本当に唐突に浮かんだネタで 短いのを書く と言う程度の物ですけどね
 
 
 

キャスト(登場順)

じぇりーず
隼 魔樹
 


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Ende