昼 ガルスブリーズ市・・・・・・・・・・
の 郊外のとある社長宅 の正面玄関前に駐在さんはバイクを止め インターホンを押した
はい エィトゥル・ストラフィーネです 御用の方わぁーっ お待ちください
と インターホンから流れて来た
これに 駐在さんはたじろきながら
「留守番電話みたいな インターホンだな」流行なのかな?
言った顔は引きつりかけていた
しばらくしてそのエィトゥル・ストラフィーネは正門の上に顔を出し
「やあ 少し早かったな」
「ちょっと 飛ばし過ぎたから・・・」
「今開けるよ」
と エィトゥルは正門の片側の戸を開く
駐在さんがバイクを押して正面玄関を通り抜けると
「いつもどうり あの車庫のほうへ・・・」
と エィトゥルは言った
駐在さんはバイクを正面玄関近くの車庫に入れた
「エィトゥル 今日はなんだい」
「とりあえず家の中へ」
同時刻 駐在所・・・・・・・・・・
ミリアンは1/15アルテミナの個々の最終調整をしている
「ラダーよしと・・・ エンジンスタートとっ」
駐在さんのデスクに無断で瞬間接着剤による固定をしたスクラムジェットエンジンがアフターバナーを吹き出す ガタガタとゆれる外向きのデスク
『おいおい 火事になるぞ・・・』
「こんなものかな」
と スクラムジェットエンジンを止めるミリアン
『ふうーーっ』
しばらくエンジンの冷えるのを待つミリアン
まだスクラムジェットエンジンを覆う放熱板は真っ赤になっている・・・
夕方 エィトゥル・ストラフィーネの家の前・・・・・・・・・・
「じゃあ 次の休みに」
「ああ」
駐在さんはバイクを村へと走らせる
「しかし どうも彼奴の考えていることは分からないなぁー」
悩むエィトゥル
『ふっ 悩めエィトゥル』
同時刻 駐在所の前・・・・・・・・・・
1/15アルテミナの両翼にある1対のローターは次第にその回転速度を速めた
「浮上」
ミリアンはそう言うとプロポのスイッチでローターの回転速度を更に速めた
木の葉のように浮き上がる1/15アルテミナ
しかしローターの回転する速度が著しく落ちアルテミナは地に着いた
「あーあ やっぱり充電が足らなかったなぁー」
心の底では悔しがるミリアン
「まあいいか あとAパーツと付けて遠隔操作しちゃえ」
と 言いながらミリアンは1/15アルテミナを駐在所の中に運ぶ
そうして駐在さんのデスクの上においてある1/15アルテミナAパーツと書いてある箱を開けた
「ふっ ふっ ふっ」
ミリアンはその説明書を読む
夜 駐在所・・・・・・・・・・
駐在さんのバイクの音がミリアンの耳に入った
ふと我に返るミリアンの目の前には瞬間接着剤やハンダのこびりつきがびっしりと駐在さんのデスクを覆っていた そして バイクを車庫に置き駐在さんが戸を開けて中に入っ来た 彼はデスクをみるなり白目を向いて重力の力任せに 倒れるのであった
「ああーーっ 大変」
ミリアンは駐在さんをそのままにしてデスクの上を片付け 彼女の赤い小型車に全てを積み込み駐在所を後にした
次の日・・・・・・・・・・
バァン
保安所の扉を蹴破って入って来たのは私服の駐在さん
「駐在さん どうしました?」
駐在さんは怒りに引きつる顔を押さえながら
「ミリアンは?」
と 尋ねる
「ああ あいつなら 今仮眠所で寝てるよ」
「そうか・・・」
駐在さんは保安所の仮眠室に殴り込みをかける
『止めようとする 保安官達 しかし 年に数回ある一種の行事にだれも本気で止めようとはしない むしろ 所長も交じってどっちが勝つか賭けをする有り様』
数分後・・・・・・・・・・
騒ぎはおさまり 軍配は・・・
仮眠室から出で来た駐在さんとミリアンは保安官達の前に同時に倒れ込んだ
「何だ? 珍しいな 引き分けか」
「ふふふっ ふふっ 取ったぞ引き分け・・・」
所長は歓喜の絶好調
「しっしまったぁー 破産だぁー」
仮眠室・・・・・・・・・・
ミリアンが目を覚ましデスクにつくと 隣の保安官に
「駐在さん 保安所から出て行くときに 今度は勝つって宣言してぞ」
『じつはそのあと保安官達は駐在さんに拍手を送ったのであった』
「ふっ 面白いじゃない・・・」
ミリアンは不敵に笑みを浮かべるのであった
時代考証に御意見無用
製作著作 しまぷ