カーツーム "KHARTOUM" | 1966年/イギリス ユナイテッド・アーティスト カラー映画(137分) | |
スタッフ | ○監督:ベイジル=ディアデン○脚本:ロバート=アードリー○撮影:ハリー=ワックスマン/エドワード=スケイフ○音楽:フランク=コーデル○製作:ジュリアン=ブラウスタイン | |
キャスト | チャールトン=ヘストン(ゴードン)、ローレンス=オリヴィエ(マフディー)、リチャード=ジョンソン(スチュアート大佐)、ラルフ=リチャードソン(グラッドストン)ほか | |
ストーリー | 1883年、スーダンで狂信的なイスラム教徒マフディーが「救世主」を名乗って蜂起した。その鎮圧に手を焼いたグラッドストン首相率いるイギリス政府は、以前スーダンを平定し太平天国の乱鎮圧にも活躍した「チャイニーズ・ゴードン」ことゴードン将軍の派遣を決定する。任地スーダンに赴いたゴードンだったが、マフディー軍は強大で孤立無援の戦いを強いられる。一方のマフディーはゴードンに対して奇妙な親近感を抱いていく。 | |
解説 | イギリスの神格的軍人・ゴードン将軍の最期を描く砂漠のスペクタクル大作。当初の主役はバート=ランカスターが予定されていたそうだが結局「歴史スペクタクル映画の顔」ヘストンが登板。名優ローレンス=オリヴィエがマフディー役で顔合わせの妙はあるのだが、物量戦闘スペクタクルの一方で両雄がちょくちょく顔をあわせて個人対決?するシナリオはちょっと変。ヘストン演じるゴードンのキャラクターもただ真面目なだけで面白くない。 | |
メディア | DVD発売:20世紀フォックス・エンタテインメント・ジャパン |
サハラに舞う羽根 "The Four Feathers" | 2002年/アメリカ・イギリス ブリンディング・エッジ・ピクチャー レイクショー・エンタテインメント マンデヴィル・フィルムズ カラー映画(132分) | |
スタッフ | ○監督:シェカール=カプール○脚本:マイケル=シファー/ホセイン=アミニ○撮影:ロバート=リチャードソン○音楽:ジェームズ=ホーナー○原作:A=E=W=メイソン○製作:ポール=フェルドシャー/ロバート=ジャフェ/スタンリー=R=ジャフェ/マーティ=カッツ | |
キャスト | ヒース=レジャー(ハリー)、ウェス=ベントリー(ジャック)、ケイト=ハドソン(エスネ)、ジャイモン=ハンスゥ(アブー)マイケル=シーン(トレンチ)ほか | |
ストーリー | 1884年、ヴィクトリア朝イギリスはスーダンのマーディーの乱を鎮圧するべく軍隊を派遣、これに加わることになった若き士官たちだったが、父親の意向で軍人になっただけのハリーは直前に除隊してしまう。怒った友人達は彼に「臆病者」を意味する白い羽根を送りつけ、ハリーの婚約者エスネもまた白い羽根を贈って彼から離れる。ハリーは友人たちの後を追って戦乱のスーダンに潜入、黒人のアブーとともに危険な旅を続ける。 | |
解説 | 原作はA.E.W.メイスンの有名な小説だそうで、過去に5度も映像化されている作品(2014年にもなんと7度目が製作されている)なんだそうだが…正直いま見ると物凄く無理のある話としか思えなかった。主人公のハリーの甘ちゃんぶりと無計画ぶりが目に付くばかりで困ったときはスーパーマンのアブーが助けてくれるという随分安手な冒険話。インド出身のカプール監督(「女盗賊プーラン」「エリザベス」)が帝国主義時代イギリスをどう描くのか興味があったのだが、迫力の戦闘シーン以外見るべきところがない。 | |
メディア | DVD発売:ショウゲート |
ズール戦争 "ZULU" | 1964年/イギリス ダイヤモンド・フィルム カラー映画(138分) | |
スタッフ | ○監督:サイ=エンドフィールド○脚本:ジョン=プレブル/サイ=エンドフィールド○撮影:ステファン=デード○音楽:ジョン=バリー○原作:ジョン=プレブル○製作:スタンリー=ベイカー/サイ=エンドフィールド | |
キャスト | スタンリー=ベイカー(チャード)、マイケル=ケイン(ブロムヘッド)、ジェームズ=ブース(フック)、ジャック=ホーキンズ(ウィット宣教師)ほか | |
ストーリー | 1872年、南アフリカ征服を進めるイギリス軍に対しズールー族は優れた戦士を擁する大軍で抵抗する。ローク砦に立てこもったわずか110人のイギリス軍部隊は、4000人のズールー軍相手に必死の戦いを繰り広げる。 | |
解説 | 史実に基づき南アフリカで本物のズールー族の大量出演によるロケーションで製作された孤立無援籠城戦もの。帝国主義や侵略の是非はおいといて110対4000の激闘の二日間を詳細に描き出すことに専念している。基本的にはイギリス兵士の奮戦を称える内容だが、ズールー戦士たちの優れた戦いぶりもしっかり描かれていて、ズールー戦士たちがイギリス兵士らの奮闘を称えてカッコよく去っていくラストはスポーツマンシップにも似て結構さわやか。当時アパルトヘイト全開だった南アにおける撮影事情の中では頑張ったほうではないかと思う。 | |
メディア | DVD発売:パラマウント・ホームエンタテインメント・ジャパン |
シャカ=ズールー "Shaka Zulu" | 1986年/南アフリカ SABC TVミニシリーズ(全10回) | |
スタッフ | ○監督:ウィリアム=C=ファウレ○原作・脚本:ジョシュア=シンクレア○撮影:アレック=ミルズ○美術:ハンス=ネル○音楽:デヴィッド=ポールカット○製作:レオン=ローテンバック | |
キャスト | ヘンリー=セレ(シャカ)、エドワード=フォックス(フェアウェル)、ロバート=パウエル(フィン)、フィオナ=フラートン(エリザベス)、クリストファー=リー(バサースト)、トレヴァー=ハワード(サマセット)ほか | |
ストーリー | イギリスによる統治が進む南アフリカ。その中のズールー族に「シャカ」という英雄が誕生する。彼は革命的な戦術で部族間戦争を一変させ、周囲の部族を次々と征服、「冷酷さはチンギス=ハンに勝り、征服領土はナポレオンに勝る」と言われた。彼の実態を探るべくイギリス人らが派遣されるが、彼らもシャカ王に魅入られていく。しかしそこへイギリスの近代的軍隊が侵攻してくる。 | |
解説 | 以前、今は潰れてしまった近所のビデオレンタル店から借りて観たシリーズ・ドラマの一本。それっきり確認していないので内容の記憶はかなり曖昧。しかし非常に珍しいネタなのでここに取り上げてみた。ところでシャカの「革命的な戦術」って何かというと「戦争で殺人をすること」なんですね(笑)。つまりそれ以前の部族間戦争って事実上「スポーツ」だったわけ。それでも指揮者は「将軍」って呼ばれてたな。無論、セリフは全編英語。シャカ王を演じた俳優さんはどうやら元プロサッカー選手とのこと。 | |
メディア | 以前コロンビア・ミュージック・エンタテインメントから「闘神伝説シャカ・ズールー」のタイトルで全5巻のVHSソフトが出ていた。DVD以降のソフト化はない。 |
ズールー大戦争 "Shaka Zulu: The Citadel" | 2001年/アメリカ カラーTVドラマ (179分、日本ビデオ版91分) | |
スタッフ | ○監督:ジョシュア=シンクレア/マリー=ルイス=シンクレア○脚本:ジョシュア=シンクレア○撮影:ジャンロレンツォ=バッタリア○音楽:マーク=ライダー/チャールズ=オーウェンズ○製作総指揮:グイド=デ=アンジェリス | |
キャスト | デビッド=ハッセルホフ(プレンティス)、カレン=アレン(キャサリン)、ヘンリー=セレ(シャカ)、ジェームズ=フォックス(フェアウェル)、グレイス=ジョーンズ(シャカ王妃)、オマー=シャリフ(サルタン) ほか | |
ストーリー | イギリスが植民地支配を進める南アフリカで、ズールー族の王シャカがイギリスの強敵としてたちはだかった。 | |
解説 | アメリカで製作されたTV用映画で、15年前にシャカ王を演じたヘンリー=セレが再びシャカ王を演じ、監督も上記のミニシリーズの原作者である。しかし話は自由奔放というか行き当たりバッタリで(笑)、どうしてわざわざこんなの作ったのか首をかしげた。 | |
メディア | DVD発売:アットエンタテインメント |
ルムンバの叫び "LUMUMBA" | 2000年/フランス・ベルギー・ドイツ・ハイチ カラー映画(115分) | |
スタッフ | ○監督:ラウル=ペック○脚本:ラウル=ペック/パスカル=ボニゼール○撮影:ベルナール=リュティック○音楽:ジャン=クロード=プティ○製作総指揮:ジャック=ビドゥー | |
キャスト | エリック=エブアニー(ルムンバ)、アレックス=デスカス(モブツ)、マカ=コット(カザヴブ)ほか | |
ストーリー | ベルギーの植民地となっていた中央アフリカのコンゴ。パトリス=ルムンバはビール会社の宣伝担当をきっかけに弁舌の才能を発揮、いつしか独立運動の中心人物となる。1960年、紆余曲折を経てコンゴ独立は達成されルムンバは初代首相となるが、直後に人種間・部族間対立が激化、さらにコンゴの資源を狙うベルギーやアメリカなど外国の干渉から内戦が発生してしまう。その混乱の中で政権を追われたルムンバは歴史の闇へと葬り去られていく。 | |
解説 | アフリカ独立運動の中でも有名なルムンバの悲劇的生涯を、彼を描いたドキュメンタリー映画も製作しているハイチのペック監督が劇映画化したもの。コンゴ現代史の知識が多少はないと展開がわかりにくいという難はあるが、欧米諸国に翻弄されたブラック・アフリカ地域の歴史の暗部を淡々とえぐり出すあたりはかなりの迫力。単純に善悪二分論に走らず一歩引いた姿勢を貫いた描写となっている点も評価したい。 | |
メディア | DVD発売:エスピーオー 「暗殺前夜・ルムンバの叫び」という字幕・吹き替え版VHSソフトも発売されていた。 |
ラストキング・ オブ・スコットランド "The Last King of Scotland" | 2006年/イギリス DNAフィルムズ/フィルム4 カラー映画(121分) | |
スタッフ | ○監督:ケビン=マクドナルド○脚本:ジェレミー=ブルック/ピーター=モーガン○撮影:アンソニー=ドッド=マントル○音楽:アレックス=フェッヘス○原作:ジャイルズ=フォーデン○製作:アンドレア=カルダーウッド/リサ=ブライヤー/チャールズ=スティール○製作総指揮:テッサ=ロス/アンドリュー=マクドナルド | |
キャスト | フォレスト=ウィテカー(イディ=アミン)、ジェームズ=マカヴォイ(ニコラス)ほか | |
ストーリー | スコットランドで大学を卒業、医師となった青年ニコラスは自分を生かせる場を求めて母国を飛び出した。アフリカのウガンダで医療活動にたずさわるうち、ニコラスはひょんなことから政権を掌握したばかりのアミン大統領に気に入られその側近となってしまう。初めアミンのカリスマ性とチャーミングさに親近感を覚えるニコラスだったが、次第にアミンは凶暴な独裁者の姿を露にしていく。大混乱に陥ったウガンダにハイジャックされたイスラエル機がやって来て… | |
解説 | 「人食い」のニックネームまでついてしまった悪名高い現代の暴君アミンを、架空のスコットランド人の目線から描いた小説を原作とした半ドキュメント・ドラマ。どことなくチャーミングだが恐ろしいまでの暴君となるアミンを怪演したウィテカーはアカデミー賞はじめ主演男優賞を総なめにした。1970年代のアフリカを描いているがアミン自身は2003年まで存命で、その死後に小説・映画が作られている。なお、タイトルはアミンがなぜかスコットランドを非常に気に入っていたことに由来する。 | |
メディア | DVD/BD発売:20世紀フォックス・ホームエンタテインメント・ジャパン |
遠い夜明け "Cry Freedom" | 1987年/イギリス マーブル・アーク・プロダクション カラー映画(158分) | |
スタッフ | ○製作・監督:リチャード=アッテンボロー○脚本:ジョン=ブライリー○撮影:ロニー=テイラー○音楽:ジョージ=フェントン/ヨナス=グワングワ○製作総指揮:テレンス=クレッグ | |
キャスト | デンゼル=ワシントン(スティーブ=ビコ)、ケヴィン=クライン(ドナルド=ウッズ)ほか | |
ストーリー | アパルトヘイトが敷かれた1970年代の南アフリカ。リベラル系新聞の記者ウッズはつてを頼って黒人運動家ビコに接触、黒人差別の実態を知りビコにも友情を感じて行くが、間もなくビコは警察に捕えられ、拷問により虐殺される。ビコの死の真相を世界に伝えようとするウッズにも官憲の監視の目が光り、ウッズは危険を冒して隣国への亡命を決行する。 | |
解説 | アッテンボロー監督が「ガンジー」に続いて製作したヒューマンドラマで、当時現実に進行していたアパルトヘイトに強い批判をぶつけた力作。「遠い夜明け」という邦題ながら、この3年後にはアパルトヘイトは廃止された。 | |
メディア | DVD発売:ジェネオン・ユニバーサル |
マンデラの名もなき看守 "Goodbye Bafana" | 2007年/ドイツ/フランス/ベルギー/南ア イタリア/イギリス/ルクセンブルク カラー映画(118分) | |
スタッフ | ○監督:ビレ=アウグスト○脚本:グレッグ=ラター/ビレ=アウグスト○撮影:ロベール=フレス○音楽:ダリオ=マリアネッリ○製作:ジャン=リュック=ファン・ダム/イラン=ジラード/アンドロ=スタインボーン○製作総指揮:カミ=ナーディ/マイケル=ドゥナエフ/ジミー=ド=ブラバン/クウェシ=ディクソン | |
キャスト | ジョゼフ=ファインズ(グレゴリー)、デニス=ヘイスバート(マンデラ)ほか | |
ストーリー | 1968年代、刑務官のグレゴリーは黒人の「コサ語」が話せることからロベン島に赴任させられ、収監中の黒人指導者ネルソン=マンデラの手紙や会話を監視する任務にあたる。初めはマンデラをテロリスト扱いし、自身の出世につながると考えたグレゴリーだったが、マンデラと接するうちにその人柄に魅了され、次第にアパルトヘイトそのものに疑問を抱いてゆく。やがて内外の圧力により政府はマンデラの待遇を改め、グレゴリーはより対等の関係でマンデラと接するようになる。 | |
解説 | 実在した看守の自叙伝「さよなら、バファナ」の映画化で、「バファナ」とは著者の少年時代の黒人の友人の名前で、彼はこの少年からコサ語を学んでいる。看守と囚人、しかもアパルトヘイト下での白人と黒人が友情を結べたという事実が映画化されるだけの感動を呼ぶのだが、ロベン島のくだりが史実なのかはマンデラの方は何も言っていないため疑問もあるみたい。 | |
メディア | DVD発売:ポニーキャニオン |
インビクタス 負けざる者たち "Invictus" | 2009年/アメリカ・南ア レヴェレーションズ・エンターテインメント マルパソ・プロダクション スパイグラス・エンターテインメント カラー映画(132分) | |
スタッフ | ○監督:クリント=イーストウッド○脚本:アンソニー=ペッカム○撮影:トム=スターン○音楽:カイル=イーストウッド/マイケル=スティーヴンス○原作:ジョン=カーリン○製作:ロリー=マクレアリー/ロバート=ロレンツ/メイス=ニューフェルド/クリント=イーストウッド | |
キャスト | モーガン=フリーマン(マンデラ)、マット=デイモン(ピナール)ほか | |
ストーリー | アパルトヘイトは廃止され、ネルソン=マンデラが大統領に就任した南アフリカ。マンデラは人種間の融和を掲げ、大統領府スタッフの警護担当も黒人白人混合とした。そして黒人たちから「白人のスポーツ」と目の敵にされていたラグビーナショナルチームを人種融和の象徴として支援し、1995年に自国で開催されるラグビーワールドカップでの優勝を実現するよう激励する。 | |
解説 | 1995年に南アラグビーチームがワールドカップに優勝した実話の映画化。モーガン=フリーマンのマンデラ役は本人のご指名であり、フリーマンの友人イーストウッドが監督、ラグビーを通して人種間の垣根を超えた一体感が生まれて行く過程を描いてスポーツ映画らしいさわやかな感動作に仕上げた。事実としてはそこまで綺麗事にはいかなかったみたいだけど。 | |
メディア | DVD/BD発売:ワーナー・ホーム・ビデオ |