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#1400
サヤ・オリノ 2013/04/25 21:51
はじめまして
こんにちは。サヤ・オリノです。
史劇的伝言板では時々お邪魔していましたが、今度こちらにも
お邪魔させていただくことになりました。
これからも、どうぞよろしく。
それにしても三國連太郎さん、惜しい方がお亡くなりになられましたね。
皆さんのおっしゃられる通り、まさに「名優」と言うべき方で、
日本映画界は、これから大丈夫なんかいな、という印象です。
(後進はちゃんと育っているのだろーか)
他にも書き込みしたいことはいろいろありますが、
今日のところは、とりあえずこれだけ。
では、これから、どうぞよろしく。
#1399
リトルバスターズ少年 2013/04/23 12:59
泣きゲー映画?
近年、泣けるゲームがヒットしているそうで、その元ネタ(ゲームスタッフの見解は不明)の感動映画が論争される事があるそうです。特に、山田洋二監督の映画が元ネタだと言われるゲームは多いんだとか。尚、この泣けるゲーム、通称泣きゲーはアニメ化された作品はかなり多く、自分がプレイした作品もアニメ化されており、プレイおすすめは「リトルバスターズ」と「クラナド」です。(リトルバスターズ少年というハンドルネームの元ネタ)リトルバスターズの元ネタと目される映画「海峡」はいかがですか?
#1398
バラージ 2013/04/18 23:30
追悼・三國連太郎
三國連太郎というと、物心ついたときから名優で(世代的に当然なんですが)、しかも現役で活躍されていた方でした。子供心にも、「スター」といった印象の三船敏郎(こちらは物心ついたときには半リタイア状態だったような)に対して、演技派・性格俳優という印象の人だなあと感じてました。リアルタイムに劇場で観た映画は『息子』『夏の庭』『美味しんぼ』。他にリアルタイムではないものの、ほぼ同時代的に観たのが『三たびの海峡』。『釣りバカ日誌』はテレビで1〜2本観た程度でしょうか。『息子』では東京に出ながら仕事が長続きしない息子が気がかりな田舎の父親。『夏の庭』では悪ガキ小学生3人組と交流を持つ少々偏屈な老人。『三たびの海峡』では戦時中に日本に強制連行され数奇な運命をたどる朝鮮人。『美味しんぼ』は説明不要の海原雄山。『釣りバカ日誌』も説明不要のスーさん。それらの映画での役柄の印象もあって、個人的には悪役・怪優といった印象はないんです。物心つく前から子供の頃の映画で後にビデオやDVDで観たのは『飢餓海峡』『座頭市牢破り』『戦争と人間』『金環蝕』『野性の証明』『セーラー服と機関銃』といったあたり。こうして見ると本当にいろいろな映画に出てますね。90歳ですから大往生でしょう。ご冥福をお祈りします。
新聞記事で見たのですが、三國が「このまま続けたら自分自身ダメになるんじゃないか」と『釣りバカ日誌』の降板を真剣に考えていた時、松竹大船で会った渥美清に「いいね、連ちゃんは幸せもんだね、好きなことやってて」と言われ、その一言でもうちょっとやってみようかという気になったんだそうです。渥美も(三國とはまるでタイプは違うものの)また名優。先日、光本幸子(この人自身はあまり知らない)が亡くなった時、初代マドンナを演じた『男はつらいよ』第1作が放送されていたのですが、渥美清の演技は見始めると本当に見入ってしまうというか、もちろん山田洋二の演出も素晴らしいんでしょうが、渥美の演技だけでずっと見ていられるんですよね。本当に上手い。その渥美もまた今はなく、時代はどんどん過ぎ去っていきますね。
#1397
徹夜城(支配人) 2013/04/17 23:11
三國連太郎逝く
いささかタイミングが遅れた感もありますが、やはり三國連太郎のことなども。
なんだかんだでシリーズ全部ですから本数では圧倒的に出ていることもあり、最近までやってたからということでワイドショーなどでは三國さんの追悼特集は圧倒的に「釣りバカ日誌」のスーさんを取り上げてました。しかし僕はこのシリーズはほとんど見てなくって(番外編の「花のお江戸の釣りバカ日誌」だけなぜか見た)、三國連太郎と聞いてスーさんとは来ないんですよね。やはり三國連太郎と言えば「怪優」であり、「怖い」演技で本領をはっきしてた印象が強いです。
とくに山本薩夫監督作品。「戦争の人間」の、次々と謀略を実行する大陸浪人みたいな人とか、「金環蝕」の暴露好き国会議員、「皇帝のいない八月」の自衛隊幹部役など、いずれもアク(悪)が強くて強烈。ワルがギラギラしてしまう山本作品の代表みたいな人でした。伊丹十三作品の「マルサの女2」なんかもその路線でしたね。小林正樹監督の「切腹」でも悪役側ですし、「八甲田山」も悪役を一手に引き受けてた感があります。主演したものでは「飢餓海峡」が代表作に挙げられますが、あれも犯人役です。もちろんそう単純なワルってわけじゃないですが。吉田喜重監督の「戒厳令」での北一輝役では、そのエキセントリックな存在感は三國以外考えられなかったほど。
映画から離れると、TBSドラマ「関ヶ原」の本多正信役が忘れ難い。森重久彌の家康の懐刀の参謀役で、二人でひそひそと絶妙の掛け合いで「悪だくみ」している様子は絶品で、「こりゃあ三成には勝てんわ」と思うしかなかったです(笑)。秀吉の死を聞いた家康が「死んだか…」とつぶやくと、「はい、死にました」とニタ〜とする正信の顔なんて、まさに三國の本領という印象でした(笑)。ドラマのラストシーンも正信のつぶやきで実はほとんど主役みたいな(ただし原作ではあのシーンは黒田如水がやってるんですよね)。
息子さんの佐藤浩市さんの名前、「稲垣浩」と「市川崑」から一字ずつとってつけたんですってねぇ。
#1396
バラージ 2013/04/14 21:52
スポーツ映画
思い出してみるとスポーツ映画は僕も結構観てます。『メジャーリーグ』『ミスター・ベースボール』『炎のランナー』『ロッキー』は観ました。『炎のランナー』は前にも書きましたが、個人的にはスポーツ映画の最高峰ですね(実話映画でもある)。『ロッキー』も前に書いた通り4まで観ましたが、1はすごく面白く、2はまあまあ面白く、3はつまらなくて、4はなんだかなあでした。『メジャーリーグ』は2まで観てて、最初のは面白かったけど2はいまいち。『ミスター・ベースボール』は当時流行っていたロバート・ホワイティングの本あたりを参考にしたと思うんですが、90年代にもなってるのに相も変わらず勘違い日本描写がひどくて……。
他に面白かったスポーツ映画を列挙すると、ケビン・コスナーがマイナーリーグの捕手を演じた『さよならゲーム』(同じコスナー主演で大ヒットした『フィールド・オブ・ドリームス』は個人的にははいまいちでした)、文化的慣習や社会的偏見に負けずに女子サッカー選手を目指すインド系イギリス人少女が主人公の青春映画『ベッカムに恋して』、以前にも紹介した青春映画『おっぱいバレー』、これまた以前にも紹介した伝記映画『リトル・モー』、モスクワ五輪のボイコットにより選手としてのピークを過ぎながら次のロス五輪を目指したボート選手の実話映画『栄光と狂気』、そして架空のスポーツが出てくるジャッキー・チェンのアクション映画『ドラゴンロード』といったあたりです。こうして見ると個人的に好きなジャンルの青春映画と実話映画・伝記映画が多いですね。だからスポーツ映画を意外と観てるんだな。
#1395
徹夜城(支配人) 2013/04/08 12:51
実録系映画
「アポロ13」は僕も大好きでしてねぇ、ドキュメンタリーも入ったDVDを持ってます。
これ、いずれはこちらのコーナーでも入れたいと思っているのですけど(そういうのはやたらあって追いつかないのですが)、これもどこに入れるのかハタと困る作品。SFに分類されちゃうこともあるのですが、ありゃ実話ベースですからねぇ。似たジャンルに「ライトスタッフ」がありますね。社会派・ヒューマン系というのもどうかと思うので、実録系映画って枠でも作った方がいいのか、と以前から考えてもおります…そうすると「仁義なき戦い」なんかは完全にそっちに入るんですが(笑)。
他にも実は「スポーツ映画」枠を作りたいなぁ、と思ってもいます。「勝利への脱出」「メジャーリーグ」「クールランニング」「ミスターベースボール」「ミスタールーキー」「炎のランナー」「ロッキー」「少林サッカー」などなどなど、「割と好き」という映画で挙げていくと結構出てきます。もう「社会派」枠で入れちゃってる「インビクタス」だって基本的には立派なラグビー映画です。映画という演技・演出ありのメディアでスポーツの試合をどれだけリアルに見せられるかがポイントなんですが、野球ものなんかはなかなかうまく撮れてる作品がありますね。まだ見てないけど三船敏郎&志村喬でかつてのスワローズを描いた日本映画もあるそうですが…
野球と言えば「ドカベン」も実写映画があるんですよねぇ。もっとも原作の序盤の柔道部分しか描かれず、続編で野球編に入ろうとして結局作らなかった、ということで事実上柔道映画になってしまった、というヘンな一本。しかしオーディションで選ばれた山田と岩鬼のソックリぶり(特に岩鬼)には驚愕します(笑)。
#1394
リトルバスターズ少年 2013/04/07 22:43
ジェームズ、ホーナーの音楽
音楽家のジェームズ、ホーナーが音楽を担当した映画に関して書きましたが「パーフェクトストーム」は彼が海を舞台にしたオペラを目指した音楽になっており、結構盛り上げてました。
「アポロ13」では打ち上げのシーンの音楽に注目して下さい。(書き忘れた映画に「ディープインパクト」がありました。彗星の脅威を描いた、「妖星ゴラス」に近い映画。震災を思わせる場面がクライマックス。本作の音楽は「タイタニック」並におすすめ。)
#1393
リトルバスターズ少年 2013/04/07 22:28
ドキュメンタリー映画のおすすめ
ドキュメンタリー映画「ザ、ムーン」いかがですか?この映画はアポロ計画を追ったドキュメンタリー映画で、故ニール、アームストロング船長や先程おすすめした「アポロ13」にも登場するジム、ラベルアポロ13号の船長も登場します。月面着陸40年を記念して製作した映画でした。
#1392
リトルバスターズ少年 2013/04/07 22:13
実話映画
実話映画のおすすめは「アポロ13」(スペースシャトルの奇跡の生還物語。トム、ハンクス主演映画)、「マリと子犬の物語」(中越地震の際に起こった実話を描いた絵本の映画化。サスペンスの帝王、船越英一郎主演)、「パーフェクトストーム」(史上最大のハリケーンに直面し、遭難した漁師達を描いた、言わば海洋版「八甲田山」といった映画)です。「アポロ13」は音楽家のジェームズ、ホーナーが好きだったので観たんですけど、この音楽家は意外にも歴史ネタ映画の音楽も多いです。(「エイリアン2」、「タイタニック」「グローリー」「デビル」「スターリングラード」等々。近年では「アバター」もやってます。一方の「マリと子犬の物語」は劇場で観ました。原作は知りませんが近年の映画ではよかった方かと思います。
#1391
バラージ 2013/04/07 21:14
そういえば
『エイリアン』は3まで観たと書きましたが、逆に言えば3までしか観てないんですよね。ハリウッドのアクション大作シリーズは、最初のほうは観てたけど最近は観てないってのが多くて……。『ロッキー』は4まで、『ランボー』は1だけ、『ターミネーター』は2まで、『ダイ・ハード』は3まで、『ミッション・インポッシブル』は2までしか観てません。
最近面白かった映画はウッチャンこと内村光良監督の『ボクたちの交換日記』。TSUTAYA専用レンタルのスピンオフDVDドラマ『ひとり交換日記』(こっちは別の人が監督)も面白かったです。内村監督は前作『ピーナッツ』もよかった。
#1390
バラージ 2013/04/06 10:39
エイリアンは
僕は3まで観ましたが、個人的に1番面白かったジェームズ・キャメロン監督の2はホラーというよりアクション映画でしたよ。同じキャメロンの『ターミネーター』なんかに近いテイストというか。
ローランド・エメリッヒ監督作は『インデペンス・デイ』と『ゴジラ』を観ましたが、僕もあんまり……。
#1389
徹夜城(支配人) 2013/04/04 23:38
まだまだ執筆中…
もう少し書きためてからまとめてアップ、という形にしたいと思います。
それにしても最近「仁義なき戦い」シリーズのページによく人が来るなぁ。
>リトルバスターズ少年さん
今回もいろいろとオススメ、ありがとうございます。見てるもの、見てないものといろいろですが。
「きけ、わだつみの声」は未見。終戦50年企画でリメイクもされてて、こちらは部分的にTV放映時に見てます。最初に作ったものは後に東映の社長となった岡田茂氏の第一回プロデュース作品だったりもしますね。
ローランド=エメリッヒ監督作品だと、僕は「ユニバーサル・ソルジャー」が最初ですね。B級扱いでなんか他の映画と二本立て興行されてた記憶があります。B級ながら意外に出来のいい作品で、だからあとでシリーズ化もされました。そのほかの作品については…うーん、ただ商売になってる、って点は認めざるをえないんですよね。この監督がアシモフの「ファウンデーション」の映画化権をとってる、という事実はどっちかというと原作ファンとしては不安の方が大きいわけですが、商売になる作品にはしちゃうかもしれないな、と。
「タワーリングインフェルノ」は僕も何度か見てますが、これは分類的にどこに入れたものか?と悩みます。アクションでもないし、SFとも言えないし(特撮ではあるけど)、社会派と言えば言えなくもないけど…「パニック映画」ってのが一番ぴったりなんですけど、それでジャンルを作っちゃうとあんまり本数がないという問題が(笑)。
そういえば「エイリアン」シリーズは1作目しか見てません。理由の一つが「ホラーが苦手」というものでして、一応一作目だけは見たわけです。ま、確かによくできてる作品だとは思いますけど、2作目以降まで見る気にはなかなか…というところでして。
#1388
リトルバスターズ少年 2013/03/31 01:16
ゴジラ、スペル間違えてました。RとLを間違えてしまいました。
#1387
リトルバスターズ少年 2013/03/31 00:47
ローランド、エメリッヒ映画の思い出
ローランド、エメリッヒ監督の映画で最初に観たのは「デイ、アフター、トゥモロー」だと記憶にあるんです。観た当時は異常気象が話題になってたのでちょい怖かった記憶がありました(笑)その後にあの「インデペンデンスデイ」、「GOZIRRA 」だったかな?ちなみに、「インデペンデンスデイ」は続編製作が決定しており、ウィル、スミスの出演は未定だと聞いてます。
SF映画で初めて観たのは「エイリアン3」の記憶があるんです。(兄が言っていた)シリーズ全部観たのは中学の頃で時折DVDで観ています。そういえば、このコーナーにホラー映画が無いのはSFファンながら気になりました。おすすめは「ロボコップ」のピーター、ウェラー主演の「リバイア
サン」とカート、ラッセル主演の「遊星からの物体X」かな。特撮が凄かった映画ではSF映画じゃ無いけど「ポセイドンアドベンチャー」(リメイクじゃない方)とスタッフがほぼ同じの「タワーリングインフェルノ」です。ポセイドンの方は大津波の場面、豪華客船の転覆は凄かったし、タワーリングの方はCG無しで撮影した火災シーンが迫力でした。こちらもおすすめです
#1386
リトルバスターズ少年 2013/03/31 00:25
関川秀雄監督映画
少し記憶がおぼろげな映画ですが、反戦映画「戦没学徒兵の手記きけ、わだつみの声」という映画
をぜひ観てください。関川秀雄監督は自分の住んでる新潟県佐渡島の出身の映画監督です。町の主催の昭和映画の上映で観たことがあったのがこの映画でした。関川秀雄監督の映画は社会派映画が多いそうで、他には「爆音と大地」「ヒロシマ」があるそうです(自分はこの二作は未鑑賞。すいません)どれも評価がいいと聞いてます。
#1385
徹夜城(支配人) 2013/03/30 21:44
ただいまいろいろ執筆中
>リトルバスターズ少年さん
「沈まぬ太陽」は劇場公開時にも見ましたし、TV地上波放送時も録画して改めて見ています。原作が同じせいもあってか山本薩夫監督の山崎豊子ものと雰囲気が似てますよね(監督自身も意識せざるを得なかった、と言ってたような)。原作を全部読みとおしたことはないんですが(連載時に部分的に読んでます)、映画はかなり大胆にざっくりとまとめ、映画的にはうまく編集したと思ってます。
さてこの映画主演に自ら志願し、実質プロデューサー的存在でもあった渡辺謙さんですが、現在カナダで「GODZILLA」の撮影に入っているとの報道が…詳細不明ですが、とうとう製作してたんですね、ハリウッド版ゴジラ新作。一部の報道で宝田明も出るとか出ないとか…エメリッヒのやつよりは原作リスペクトがあるのでは?との憶測も。
あ、それで「沈まぬ太陽」につきましてはいずれ追加します。今もチビチビといろんな映画の文章を書いてはおりまして…先日TV放映した「美女と野獣」も実に20年ぶりに鑑賞したんで、これも書いておきたいな、と思ってるところです。
#1384
リトルバスターズ少年 2013/03/30 10:51
社会派映画のおすすめ
「沈まぬ太陽」をぜひ取り上げて下さい。渡辺謙が主演しており、日本アカデミー賞を受賞した作品でした。(作品賞も)原作は「不毛地帯」等の山崎豊子のベストセラー。山崎豊子の小説にハマったきっかけの映画でもあります。三時間半の映画なので予備知識無しでは観づらいかも。
#1383
バラージ 2013/03/14 22:31
前回のコメントの続き
『ラドン』は昔ビデオで観ました。『ゴジラ』と比べると、やっぱりちょっと落ちますね。ミステリー風なんですが、怪獣映画とミステリー映画はちょっと合わないし、ラドンが出てくるまでがちょっと引っ張り過ぎ。最後、ラドンが噴火口に落ちて死んじゃうってのも、オキシジェン・デストロイヤーという超兵器でやられたゴジラや、最後まで生き残ったモスラと比べて、なんか盛り上がらないんですよね。ただ、メガヌロンがお茶の間に侵入してくるところは、日常への非日常の侵入って感じで、悪夢みたいで怖かった。メガヌロンの成虫が出てこなかったのは残念というかもったいないというか。後のメガロやメガギラスにメガヌロンの影響があるらしいですが。
『野生の証明』と『ホビット』については以前書いたので省略。
『ウォーロード 男たちの誓い』も以前にちょっと書いたんですが、オリジナル作の『ブラッド・ブラザーズ 刺馬』(未見)では、金城武の演じる役が主人公で、ジェット・リーが演じる役は出世すると堕落して裏切る敵役らしいんですよね。それをジェットが演じる役を主人公に変え、悪役じゃなくしたため、かなり無理のあるお話になってしまったように思います。ピーター・チャン監督は特に好きでチェックしてるわけではないのですが、気づいたらよく観てる監督で、初期の少女マンガチックなライト・ラブコメディ映画(『君さえいれば』『月夜の願い』)、その後のしっとりとした大人のラブストーリー映画(『ラヴソング』『ウィンター・ソング』)、そして本作と作風を変えてきましたが、個人的には『ラヴソング』と『ウィンター・ソング』が好きです。どちらもすごくいい映画でした。これらの作品のマギー・チャンやジョウ・シュン、初期のラブコメ作品のアニタ・ユンやカリーナ・ラウなど、女性(女優)の描きかたが秀逸だったんですが、『ウォーロード』ではシュー・ジンレイ演じるヒロインが図式的で今一つなのはリメイクゆえでしょうか。
去年の個人的ナンバーワン映画『桐島、部活やめるってよ』が、先日の日本アカデミー賞で最優秀作品賞と最優秀監督賞を受賞しました。話題賞をとったのは不思議じゃなかったんですが、最優秀作品賞をとるとは思いませんでした。そういうのを受賞しない(選ばれない)タイプの映画だと思ってたんで。
それにしても、過去ログを読むと昔は多くの方がいらしてたんですねえ。
#1382
バラージ 2013/03/09 23:14
ジャッキー映画
今回追加された作品には観たものが多かったです。
まずはジャッキー・チェンの『酔拳』と『ベスト・キッド』……ですがジャッキーについては以前にも書いてましたね。繰り返しになっちゃいますが、僕もジャッキー劇場初体験は『プロジェクトA』でして、それ以前の『酔拳』とかはテレビで観てましたが、同じくテレビで観てたブルース・リーのほうが面白いと思ってました。最高傑作はやはり『プロジェクトA』と『ポリス・ストーリー 香港国際警察』だと思うんですが、90年代前半あたりまでのジャッキー映画のDVDには、ビデオに収録されていた日本劇場公開バージョンではなく、国際版という世界共通バージョンしか収録されてないんですよね(テレビ放送は確か最初からこの国際版だった)。作品によってはかなり編集が違っていて、特に最高傑作の1つと言われる『ポリス・ストーリー』が大きく異なっており、ファンの間ではかなり問題になっていました。つい最近、ブルーレイに特典映像という形で収録され、ようやくその問題も解決し、僕もVHSを処分することができました。
『ベスト・キッド』は、オリジナルのほうは大まかなあらすじは知ってるものの1作も観てません。ジャッキーは以前から、無鉄砲な熱血漢キャラから年相応の役への移行を模索してたようで、最初にそれを感じたのは『ゴージャス』のとき。ジャッキーには珍しいラブ・コメディで、当初はプロデューサーのみで出演の予定はなかったらしく、特に前半は相手役のスー・チーが実質的な主役なんですが(この映画の彼女は素晴らしく、お気に入り女優の1人になりました)、この作品のジャッキーはそれまでにない大人のムードを醸し出しており、新たな可能性を感じさせてくれた作品でした(ジャッキー作品なのでアクションもちゃんとあります)。ところがジャッキーはその後ハリウッドに進出してしまい、日本を含めたアジアの古くからのジャッキー・ファンにとっては駄作・凡作を連発(ジャッキー本人も気に入らない作品ばかりだったらしい)。この2000年代前半が僕にとっては最もジャッキーから心が離れた時期でした。しかしその後、香港に戻ってきたジャッキーは『香港国際警察 New Porice Story』で、それまでのヒラ刑事から一転、刑事部長役という年相応の役に再び挑みます。初の悪役という触れ込みだった『プロジェクトBB』は中途半端に終わったものの、ハリウッド作品『ドラゴン・キングダム』ではジェット・リーとの初共演に加えて、2人そろって主人公の少年の導師役。そして『新宿インシデント』ではついにジャッキー・アクションなしのシリアス・バイオレンス映画に挑戦。その後、『ラスト・ソルジャー』『ベスト・キッド』『1911』を経て、最後のアクション大作という触れ込みの『ライジング・ドラゴン』が来月に公開です……ってジャッキー話がすっかり長くなってしまいました。他の作品についてはまた後日。
最近観た映画は『ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝』。面白かったです。中国(香港?)映画の3Dってどうなんだ?と半信半疑でしたが、すごかった。手裏剣みたいなのがピュンピュン飛んでくるたびに「うおっ!」「うおっ!」みたいにビクッ、ビクッとなっておりました。さすがかつて『蜀山奇傳 天空の剣』でワイヤーアクションを始めた新し物好きのツイ・ハーク。役者陣も豪華でみんな素晴らしかったです。ただ、ストーリーにどんでん返しが多く物語が二転三転、お話が要り組んでてちょっと複雑なので、そういうのが苦手な人はちょっと混乱するかも。個人的には、そういうところが面白いんですけど。
#1381
徹夜城(支配人) 2013/03/02 23:10
栄耀映画徒然草を更新しました。
去年の8月以降更新がストップしておりましたが、ようやく受験産業も多少ヒマができたので、昨年来書いたままほったらかしだったものも含めて一挙10本をアップしました。まだ最近見ても書いてないのが同じ数くらいありますが、ひとまず今回はこの10本で。早ければ来週くらいには次のアップになるかも。
あとためこんだままだったこの伝言板の過去ログも1001〜1200までアップしております。史劇的伝言板ほどの書き込みペースではありませんが、結構この伝言板もいろんな歴史をたどってきたよな、と読み返して思わされました。
こういう作業をする気になったのも、最近この映画コーナーへのアクセスが多くなっていたからです。それこそ「仁義なき戦い」のアクセスが多くって(ま、そう凄い数ではないのですが以前に比べれば着実)。これもアイドルマスターのせいなのか?
そんなわけで来客が多いとなればあまりコンテンツが少ないのも、と思い、ドカドカ追加しているわけです。見た映画ならそれこそ山のようにあるんですが、ずいぶん前にみたものと最近見たものとをとりまぜて今後も一定のペースで増やしていきたいと思います。
あと実はひそかに「パロれるワールド」の復活(といってもかつてあったことも知らない人が大半でしょうね)も計画しております…
#1379
バラージ 2013/02/17 16:10
最近観た映画
最近観た映画で面白かったのは日本映画『つやのよる』。艶(つや)という女性と関わった男たちの妻・恋人・娘などの女たちを描いた群像劇映画で、艶自身はあんまり出てこないという、桐島不在の『桐島、部活やめるってよ』とちょっと似た映画でした。中心人物の不在が周辺に不安な波紋を広げていき、自明のものだった世界を不安定なものに変えていく。そういう物語が相次いで作られることは興味深いですね。女性向けの映画かと思ってたんですが、男の僕が観ても面白い映画で、とにかく女優陣がみんな素晴らしかったです。
あとは『DOCUMENTARY of AKB48 少女たちは涙の後に何を見る?』。東日本大震災というテーマが大きかった前作と比べてAKB内部に話が限定されているのと、すでにAKBが有名になりすぎて描かれてる出来事のほとんどが知ってることのため、去年に比べるとインパクトはやや落ちますが、それでもなかなか面白かったです。卒業していく前田敦子の尋常じゃない輝きに、子供の頃のキャンディーズの解散や山口百恵の引退を思い出しました。
ふと気がついたんですが、去年個人的に面白かった日本映画『僕達急行』『アフロ田中』『桐島、部活やめるってよ』の主演俳優(松山ケンイチ・松田翔太・神木隆之介)が、なぜかみんな『平清盛』の主要俳優。ま、だからどうしたって話ですが(笑)。
#1376
KMnO4 2013/02/11 23:24
時代を超える名作
仁義なき〜のWikipediaを閲覧しました.いやあ実に濃いですね.それにしてもこの作品,実際に起きたことをベースにして人間の業の深さを描いた作品であり,日本映画史に残る一品だと受け取りました.ぜひ見てみます.3月にはBD BOXが出るそうで,ちょっと注文してこようと思います.
でも結局Wikipediaで一番笑ったのは,高校野球チームのネタで,
>(監督は)決勝戦に向かうバスの中で監督が選手達に「仁義なき戦い」の
>ビデオを見せた。選手達を鼓舞させるのに最適との判断で見せたのだが、
>ヤクザ映画を見せた、と大きな問題となった。監督は「いや〜こちらでは
>ポピュラーな映画なのですが…」と説明した。
あたり(笑)
アイドルマスターはあと5年もたてばみんな忘れているかもしれませんが,仁義なき戦いはこうして40年たってもまだ日本映画の金字塔として聳え立っている.アニメのスタッフも仁義なき戦いへの尊敬をこめてあのニセ予告編を作ったのかもしれませんね.
「実際にあったこと」という重みは,やはりすごいものがあります.
彼女が国文学の学生で,歴史的名作は時代性を色濃く帯びながら時代を超えた普遍性をもつなんて言ってます.具体的には源氏物語なんですけど.彼女が紹介するのは鎌倉・室町のおびただしい数の源氏物語二次創作.今ならコミケの「薄い本」ですねこれ.
ところが彼女は,ぼくがアニメの二次創作をにやにやしながら見ていると怒るんだよなぁ.ブンカテキではないとのことで.
それなら「弁慶×建礼門院」の薄い本(注:江戸時代の作です.もちろんR18)をわくわくして読んでいるキミはどうなんだキミは? アレはブンカなのか,そうなのか?
#1375
徹夜城(支配人) 2013/02/11 00:20
「仁義」フリークではあったかな、あれを思い出せば(笑)
>KMnO4さん
「つくる会仁義なき戦い」を持ち出されてしまっては…(^^;)。あれ、実はよそでもちょこっと話題になってるのを見かけてひそかに嬉しくなっちゃったこともある、僕自身「史点」中の異色作(にしてたぶん手間が一番かかった?)として忘れえぬ一本だったりします。ちょうどあれを書いてる頃ハマったんじゃなかったかな。
ただ僕も「元が史実」だということに興味を持って「仁義なき戦い」を見たわけでして、ヤクザ映画そのものはそんなに見てないんです。いわゆる「任侠映画」は一本も見てないといっていいほどですし、「仁義〜」から始まった実録系でも何本か、という程度。「沖縄十年戦争」だったかな、あれは結構史実が入っててその点から面白く見ましたが。あと最大の大物である田岡一雄の自伝を原作とした「山口組三代目」も見ましたけど、あれは途中からただの任侠映画になっちゃうもんなぁ。
アイドルマスターの方の世界はまるっきり知らんので、なんとも言いようがないのですが、ご紹介のその裏設定はいちいち「凝ってるなぁ」とは感心しました。特に「映画化の経緯」のあたりは「仁義なき戦い」の事情を知る者にはいちいちピンとくるものが…というより、ウィキペディアの記述をコピペ改造してるな、とわかっちゃうのが何とも(笑)。
「仁義なき戦い」はやはり見ておくことはお勧めしますよ。ヤクザ映画としては実のところ正統派ではなくむしろ異色作(外道、ってやつ?)なのですが、その影響力はやはり多大でした。ジョン=ウーの香港ノワール「男たちの挽歌」なんか完全にその影響下にありますし、タランティーノの出世作「レザボア・ドッグス」なんて日本語版ビデオの邦題が「仁義なき男たち」にされてたほど(笑)。映画ファンには一つの「教養」としておさえておくべき古典といっていいのかもしれません。
少なくともNHK教育がヤクザ映画でありながらその特番を作ったというだけでその凄さがわかるというもの。
#1374
KMnO4 2013/02/10 22:48
正直,ヤクザ映画を見たくなりました
史点でもって新しい教科書をつくる会の内紛劇をやくざ映画のモチーフで語ったころから,
徹夜城さんはヤクザ映画フリークだと思っておりました.
ニコ動にも載っているのですね(これって,公式流出もの?).と思ったらニコ動の事典がものすごいですね
http://dic.nicovideo.jp/a/%E6%9E%9C%E3%81%A6%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%8F%E4%BB%81%E7%BE%A9%E3%81%AA%E3%81%84%E6%88%A6%E3%81%84
よくぞここまでデッチアゲ設定を作り上げられるものだ.それがまた説得力200%なのもすさまじい.まさにヤクザ映画愛にあふれています.
これを読んで腑に落ちなかったことが解消.なんで組長の三浦あずさがファイナルバトルに出てこなかったのか,などです.なるほど大きな組の中の内紛と考えればいいのですね.組の内紛が大きな映画になるというのは,ヤクザ映画ではありうるのでしょうか.わたしは思いつきもしませんでした.
あと,わたしの間違いが二つ.最初に白い息を吐いていたのは,ナンバー2の千早ではなくて鉄砲玉の響ですね.ナンバー2が寒空の下でじっとこらえているわけがない.あと,パトカーの刑事は田中律子(まったくの別人だ)じゃなくて秋月律子ですね.
それから,高槻「腕っ節」やよいがもやしにまみれて事切れているのも芸が細かい.
わたしは,徹夜城さんの仁義なきシリーズと紹介文とこのニセ予告編を見て,すっかりヤクザ映画を見たくなりました.なんとも最高の宣伝です.
ところで,上記ニコ動事典のコメントにあったこれが面白かったです.
>千早:菅原文太 あずさ:金子信雄
>貴音:成田三樹夫 真 :松方弘樹とか梅宮辰夫とか
>亜美真美:川地民雄とか志賀勝とか
>響 :福本清三 やよい:田中邦衛
>春香:川谷拓三 雪歩:梶芽衣子
>美希:渚まゆみ 伊織:池玲子
>律子:該当なし
>
>実際の「仁義〜」の役者に当てはめてるとこんな立ち位置っぽい?
実はあまり知っている役者さんはいないのですが,しかしあのチンケ度300%な小物のくせに大ヒロインを最後刺殺してしまうチンピラ役(演:天海春香)が川谷拓三とは,たしかにぴったりくるように思います.
#1373
徹夜城(支配人) 2013/02/07 23:32
仁義なき?アニメ
>KMnO4さん
これはどうも。いきなりの話でしたのでちょっと驚きましたが…そんなに僕って仁義フリークだったのかな?などと思いもしましたが、このところ妙に当サイトの「仁義なき戦い」五部作の感想ページにアクセスがあったのもそのせいだったのかな?
で、その「予告編」は「ニコニコ動画」で見られました。まさにKMnO4さんが詳しくご紹介の通り(いやぁ、これ書くの、大変だったでしょ)の内容で。
雰囲気的に「仁義なき戦い」の予告編を思わせる部分も多いのですが、結構いろんなヤクザ映画から集めたんじゃないかな、と思えました。僕でも出典不明なのがありましたし。もちろん全部パロディってわけでもないのかもしれませんが…明白に「仁義」そのものだったのは冒頭の銃撃シーンとか、「とるかとられるかしかない」といったセリフに見られました。まぁそこまでやるなら広島弁にせんといかんがのう、と思っちゃったりもして(笑)。
途中で「キル・ビル」もありましたね。まぁあれも深作フリークの監督が作ったやつですからつながりはあるわけですけど。
>映画関係近況
このところHDDレコーダーの残り容量に追い詰められてて(やたら長い韓国時代劇を毎日二本も録画してるせいですが)、一気呵成に見てます。「シラノ・ド・ベルジュラック」とか「隠し剣鬼の爪」とか「拝啓天皇陛下様」とか。
そして先週ですが、「ヱヴァンゲリオンQ」を今頃になって劇場で見まして。いつも使ってるシネコンでは1月末から始まったせいなんですけどね。劇場にアニメ映画を見に行く機会はそうそうないのですが、「ヱヴァ」だと一応チェックしておこうか、という気にはなるわけでして。
#1371
KMnO4 2013/02/06 00:00
仁義なきアイドルの戦い 予告編
背景をまともに書くとえらく長くなりますのではしょってかきます.始めまして.
要するにアイドルプロダクションを描いたアニメなんですけど,そのTV放映されなかった特別編です.アイドル演じる「仁義なき戦い」.
TV放映された中のシーンでは,劇中劇(アイドル達が出演したという設定のロボット特撮実写映画)の予告編があり,これはあまりの気合いの入りまくりと元ネタ愛ゆえに(アイドル,ロボットアニメ双方界から)絶賛を受けました.
http://i-mas.at.webry.info/201110/article_16.html
で,また,今回の特別編でやらかしました.今度はヤクザ映画です.もうスタッフはやりたい放題ですね.
以下,固有名詞が多いですが,3分程度の内容を紹介です.徹夜城さんには何とか手を打って見ていただきたいです.仁義なき戦いファンならばぴんと来るところがかなりあるのではないでしょうか.たぶん,ほとんどのシーンは元ネタがあるのだろうと思います.
真っ赤なマジックで書いたような手書き文字(以下「血文字」)「緊急速報!」
血文字「765プロ[アイドルが所属するプロダクション]総出演 劇場映画 第二弾!」
(以下,書き込み者の追加説明は[]で囲んで書きます)
雨の中白い息を大きく吐く,三浦組の実力者[副会長あたり?]如月千早
お屋敷から出てくるある組の実力者四条貴音,それを隠れて待ち受ける鉄砲玉の我那覇響.
響「うぁぁぁぁぁ!とったる〜〜〜っ!」襲撃
血文字「一発の凶弾が」
胸を撃たれて倒れた響 白文字「鉄砲玉の響 殺害事件」
古い住宅街に響く銃声の連発.
四条貴音の組に属する小心者のチンピラ天海春香が,自分のうった銃弾に怯えて慌てて走り去る.脇役春香はのちに重要な役を担う.
血文字「血で血を洗う泥沼の戦いへと」
荒野で真剣に討論する二人.一人は三浦組第二代若頭菊地真[注・女の子です].もうひとりは,身分はよく分からないが真を兄と慕い,真が率いる組の未来を信じている高槻やよい.
やよいが真にすがりついて叫ぶ「うっうー[実際のアニメでのやよいの口癖]!もう血ぃ見んことには,収まりつかんですよ!」
困ったような表情の真は,しかし部下の言葉に何とか応えようとする雰囲気.
怜悧な知性派も,腰を上げざるを得なくなった.本来暴力は好まないようなのだが.
再び住宅街の袋小路.チンピラの双海亜美・真美姉妹[双子です]がやよいをどついている.
亜美真美「こん三下があ!」殴る蹴るの暴行.
血文字「広域関東圏 アイドル抗争 二年間の記録」
腹を刺され,ゴミまみれで倒れているやよい.白文字「腕っぷしのやよい・刺殺事件」
菊地真はどう出る?
場所はかわってどこかの事務所[アニメ中の765プロ事務所がモチーフ].寝台の上で半裸の女性がうつぶせになって,モンモン[765プロのマーク]の背中にマッサージを受けている.三浦組のトップ,三浦あずさ.見守るのは懐刀の如月千早.
あずさ(京言葉に近いなまりで)「なんか手ぇ打たんと,話つける糸口もなくなってまぁう」
決然と顔を上げる千早「アイドルの闘いは,とるかとられるか[なんとも漢字にしづらかったのでひらがなです],二つしかないんです」
また場所が変わって豪華な日本家屋の一間.決戦に立ち上がった若頭菊地真が銀髪の女王・四条貴音と対峙する.アニメと同様に萩原雪歩がお茶を運んできているあたりが細かい.
真「たとえ叔父貴さんじゃろうと[ここで強烈な一睨み],遠慮のう首もらいますけえ」
その睨みを受け取ったのかかわしたのか,ただ傲然と真を見下ろす貴音.しかしその表情にも,わずかな変化が.両者,全面戦争へ.
葬式の場.祭壇の前で二人の女が向き合っている.星井美希と萩原雪歩.妙に化粧の濃い美希が雪歩に平手打ち.「泥棒猫なの!」[なの,は美希の口癖]
花屋さんの前.若頭菊地真と,カタギなのかどうかわからないがどこぞのお嬢様である水瀬伊織[アニメ中でも,財閥令嬢].百合の花束を前に,なんかいい雰囲気.
しかしそれは長くは続かなかった.四条貴音のチンピラ二人組双海姉妹「死にさらせぇぇぇぇっ!」
想い人だけは助けようと伊織を突き飛ばした真は,マシンガンの餌食になり「お嬢…様」と息絶える.
伊織「いやあああああああ!」
白文字「三浦組二代目若頭 菊地真 銃殺事件」
暴力団追放のための市民デモ.先頭に立つのは恋人を惨殺された伊織.その決然とした表情が印象的.真はもしかしたら,自分の本意でなくヤクザに入れさせられたのだろうか.
赤文字「立ち上がる市民」
鳴り響くパトカーのサイレン.風に髪を乱しながら無線に叫ぶ田中律子[765プロのプロデューサーの一人].「現場では,血が流れてるんですよ!」
血文字「そして警察も」
決戦の場へ.胸にさらしを巻く三浦あずさ組長[アニメでは巨乳キャラ]の後ろ姿.銃に実弾を込める.
血文字「主なき戦場に」
四条組のチンピラ双海姉妹が路地裏に追いつめられている.横でふるえているのが小物脇役天海春香.冷徹に獲物をしとめる三浦組の千早.亜美も真美も餌食となる.そこでじたばたと逃げ出す春香だが,ここで出番は終わらないところがミソ.
血文字「今も若きアイドル達の命が」
ラストシーンは雪景色の和風庭園.吹雪の中最後の闘いだ.銀色の女王四条貴音vs氷の歌姫如月千早.貴音は鉄球つき鎖,千早は真剣が得物.火花の散る命がけの勝負.
BGMは名曲「蒼い鳥」[千早の代表曲].おお,前回に続いて「名曲の無駄遣い」だ[もちろんほめ言葉です].
血文字「その行き着く先は」
決着はついた.安堵したようにも見える表情で力尽きた貴音.勝った千早は,うれしさのカケラもなく雪中に立ち尽くし呆然とつぶやく.「群れを離れた鳥のように,明日の行き先など…知らない」・・・っておい!「蒼い鳥」歌詞のセルフパクリではないか!
でもその印象的な表情のままエンドとならないのがヤクザ映画か.兄貴分のカタキウチとばかりに走ってきたチンピラ天海春香に背中から刺される千早.こけつまろびつという感じで逃げ出す春香.春香は春香なりに,兄貴のかたきをとることで組内で自分が認められようとしたのか?真っ白な雪に鮮血を残す千早のシーンは美しいのだが,こんなチンケな脇役に命を奪われるとはなんと無意味な人生だったのだろう.
この瞬間,BGMの歌詞は「でも昨日にはかえれない」と,まさにぴったり.わざと合わせたのか?
血文字「果てしなく仁義ない[ママ]戦い 頂上ねらいM@S!」[M@Sはこのアニメの常套句]
ちなみに同時上映は萩原雪歩主演作.雪歩の父は土建屋社長.明言はされていないがヤクザの親分とも言われている.このあたりもアニメ制作者の芸の細かさが見える.
〜〜〜〜〜
前回はロボットアニメ愛にあふれたニセ予告編がロボット界で大評判となりましたが,今回はヤクザ映画ファンから見るとどう映るでしょう?
#1369
バラージ 2013/01/26 00:05
そういえば
僕の去年面白かった映画ベスト3を書いてませんでしたね(いやまあ別に書く必要があるわけではないんですが・笑)。今頃ですが1月が終わる前に書いておこう。
僕の去年1番面白かった映画は『桐島、部活やめるってよ』。その次が『DOCUMENTARY of AKB48 少女たちは傷つきながら、夢を見る』。3番目が難しい。1つに絞れないんですよねえ。順不同に『僕達急行 A列車で行こう』『アフロ田中』『ミッドナイト・イン・パリ』『さらば復讐の狼たちよ』『ホット・サマー・デイズ』『ハッピーイヤーズ・イブ』といったところです。
#1368
徹夜城(支配人) 2013/01/20 22:36
大島渚作品というと…
>バラージさん
僕も大島渚についてはちょこっと「ニュースな史点」で書きましたが、こちらでも少し書いておきたかったのです。
大島渚監督作品は劇場で観たのは「御法度」のみ。ビデオやその他の媒体で「戦場のメリークリスマス」「忍者武芸帳」を見たことがあります。「戦メリ」はとにかく音楽がやたらに有名になり、「忍者武芸帳」は劇画をそのまま画面に映して俳優によるセリフを入れるという他にあまり例が思いつかない映像表現でした。
それにしても予想はしたけどTV各局で崔洋一監督出ずっぱりだったような。助監督でついたのは一回きりながら、濃厚な「師弟関係」でもあったわけですね。「御法度」じゃ近藤勇になってたし。
ここんとこバタバタといそがしいんですが、ようやく「野性の証明」を見ました。
3分の1まではえらく面白く、次の3分の1で話の破綻が見え始め、終盤はもうグチャグチャ(笑)。一つには盛り込みすぎでしょう、これは。そのせいもあってか終盤になると場面転換や登場人物の行動変化がチグハグすぎます。やたらに「ワンシーン出演者」が多いところも含めて、同じく佐藤純弥監督&高倉健主演の「君よ憤怒の河を渉れ」によく似ていた気がします。どーも佐藤純弥という監督は脚本次第でえらくレベルが変わるひとだなぁと。そのまんま撮っちゃう職人気質、ってことなのかもしれませんが。
ともあれ、これで薬師丸ひろ子が映画デビューしたんですねぇ。それは確かに新鮮でした。
#1367
バラージ 2013/01/20 16:35
メリークリスマス、ミスター・ローレンス!
大島渚監督が亡くなられましたね。といっても僕は『戦場のメリークリスマス』ぐらいしか見てないんですが。臨床心理学者の河合隼雄の本でヴァン=デル=ポストの原作小説『影の獄にて』を知り、それを読んでから映画にという流れでした。早川雪舟を描く『ハリウッド・ゼン』が実現しなかったのが惜しまれますね。ご冥福をお祈りします。
#1365
バラージ 2013/01/11 00:28
THE★BEST
日本映画専門チャンネル公式サイトの中の「THE★BEST」の2月のテーマをクリックすると鉄道作品の一覧表が見れますよ(アドレス載せてリンクしていいのかわからないので)。『駅 STATION』は表にありますが、『遥かなる山の呼び声』は載ってませんね。
『駅』は未見ですが、『遥かなる〜』と『野性の証明』は昔ビデオで見ました。どちらもなかなか面白かったという程度の記憶しかありませんが……。
僕より一足先に去年『ホビット』を見た友人(彼も原作は読んでない)は長くてだれると言ってました。ただ続きは見たくなるとも。確か原作は『指輪物語』の3分の1ぐらいの長さでしたっけ? 僕もそこは大丈夫かな〜とちょっと心配ですが、1作目は面白かったです。
『007 スカイフォール』も観ましたが、こちらも面白かったです。前2作『カジノ・ロワイヤル』『慰めの報酬』は見てないんではっきりとしたことは言えませんが、『スカイフォール』はこれまでの定番から外れた新機軸という感じでした。ただ定番から外れた分、後を続けていくのはちょっとしんどいかも。
テレビ録画で観た今年初映画は3が日の深夜に地元地方局で放送していた『台北カフェ・ストーリー』という台湾映画。観たいと思ってた映画ですが、地元では公開されずDVD化もまだだったので、これはラッキー。映画自体は雰囲気はいいんですがお話のほうはまあまあといったところ。ま、グイ・ルンメイが見れればそれでいいんです(笑)。
#1364
徹夜城(支配人) 2013/01/10 22:04
今年の映画初め
ようやく今日になって、「ホビット」を見てきました。うーん、面白いっちゃあ面白いのですけど、原作を知る者としてはいささか無理に話を延ばしたり、映画的にかっこよくまとめてみたり、アクションが少々過剰に見えたり、「前作」である「ロード〜」とのつながりをやたらに入れてみたりと、正直「そこまでせんでも」と思うところもありました。帰宅後、原作を引っ張り出してみましたが、やっぱり結構いじってますね。
まぁそれでも原作の名場面は押さえておりますし、原作を十分尊重はしてると思うのです。ただ「ロード〜」に比べると文句が出そうだな、とは予想できます。当初二部作と言っていたのが三部作にされちゃったし、間延びしないかとちと心配。
劇場ではなく、TVからの録画ですと「遥かなる山の呼び声」が今年の映画初めになりました。なるほど、「シェーン」なわけですねぇ、これ。
この映画、中標津の酪農地帯が舞台で、今は廃止されてしまった標津線がしばしば出てきますし、当時実在した駅が重要な場面で使われてます。映画の冒頭、高倉健が線路を歩いて去ってゆき、また歩いてやってきて、「列車はこないのか?」とツッコんでしまうのですが、この標津線、この当時でもえらく本数が少なかったようで、この映画からそれほど経たぬうちに廃止されちゃってますから、一応こういう描写にも一定の根拠はあるみたい(笑)。
ラストで七両編成の列車が映るんですが、これは釧網本線の急行なんですね。健さんが網走に行くというわけで他の映画といろいろとリンクが出来ちゃうわけですが、ハナ肇と倍賞千恵子がどうやってその列車に乗ってることを知って駅に駆けつけられるのか、ここもツッコミどころであります。
>バラージさん
そういうわけで、上記のこれも「鉄道映画」になっちゃうわけです。NHKの元旦の一連の高倉健特集ではずばり「駅STATION」もやってたんでこれから見ます。
その60本の鉄道映画リストちゅうのは見てみたいですね。ウィキペディアでも「鉄道映画」のカテゴリがあったりします。
#1363
バラージ 2013/01/10 00:55
まさかの
日本映画専門チャンネルに「THE★BEST」という、毎月あるジャンルのベスト映画は何かということをゲスト出演者があーだこーだ言い合うオリジナル番組があるのですが、2月のテーマがなんと「鉄道」。ここで以前、徹夜城さんが「鉄道映画」という話題を書かれてましたが、同じことを考える人がいたんですねえ。例として60作品以上の日本映画が列挙されてます。いや、すごい。
#1362
バラージ 2013/01/03 21:32
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。年末年始はNHK-BSで放送された『おっぱいバレー』(3年前のマイ・ベスト映画)を観たり、買ったまま放置していたブルーレイの『ノルウェイの森 エクステンデッド・エディション』(セル版ブルーレイのみに収録)を観たり、映画館で『ホビット』を観たりしておりました(いや、別に年末年始に映画ばっかり観てたわけではないんですが)。『ホビット』はちと長いですが、十分に面白かったです。
去年DVDで観て面白かったけど、ここには書いてなかった映画があったので、正月からその感想をば。
『ハッピーイヤーズ・イブ』
北京・シドニー・宇宙ステーション(!)にいる3姉妹の恋模様を描いた香港・中国合作の恋愛映画。好きな台湾の女優グイ・ルンメイ目当てに観たんですが、こんなにおしゃれで洗練された恋愛映画だったとは予想外。故エドワード・ヤン監督の映画をエンタメ寄りにしたような感じ。最近の中華圏恋愛映画はいい意味で中華圏映画っぽくなくていいです。なんでこれが劇場未公開なんだろなあ? ただ邦題はひどいですね。パッケージデザインともども完全に『ニューイヤーズ・イブ』のパクり。しかも内容とは全く関係ないし。原題は『全球熱恋』、英語題が『Love in space』。中国で大ヒットした『ホット・サマー・デイズ』(原題『全城熱恋』、英語題『Hot summer days』)という映画の姉妹編です。
『ホット・サマー・デイズ』
というわけで観た『ハッピーイヤーズ・イブ』の姉妹編。作品内容は『ハッピーイヤーズ・イブ』と関連性はなく、オムニバス的恋愛群像劇という部分のみが共通していて、こちらは香港と北京の5組の男女の恋愛群像劇。いやこちらも面白かったです。これが映画祭公開のみで劇場公開されなかったとは……。バービー・スー演じるバイク少女が個人的にはお気に入りでした。
#1361
徹夜城(支配人) 2013/01/01 19:52
謹画新年
あけましておめでとうございます。
結局昨年内には更新ができませんでした…ちびちび書いてる映画日記とか、構想だけでなかなか実行に移せない企画とかいろいろ抱えつつ新年になってしまいました。
昨年末は映画もろくに見てなくって。「エヴァQ」とか「ホビット」とか「007」とか、見るつもりでまだ見てないのがいっぱいある…下手すると劇場公開を見逃してしまうなぁ…
NHK衛星では高倉健特集で昨日から今朝まで怒涛の勢いでやってましたね。そのうちまだ見てなかった「駅」「野生の証明」「遥かなる山の呼び声」を録画はしましたが、いつ見られることやら。
#1360
バラージ 2012/12/14 21:50
ようやく
森田芳光監督の『家族ゲーム』を観ました。放送されたのは森田監督が亡くなられた時だから、もう1年も前ですね。同じ時にCSの日本映画専門チャンネルで放送された森田監督の初監督映画『の・ようなもの』もこれまたようやく観ました。
『の・ようなもの』は、二ツ目の若手落語家を主人公に、落語家仲間や、彼とつきあうようになる風俗嬢や落研の女子高生を描いた青春群像劇。オリジナル作品だからか『僕達急行』に雰囲気が似てますし、原作つきの作品ではありますが『間宮兄弟』とも似た感じ。ところどころ実験映画のようなシュールなシーンが出てくるんですが、さすがに処女作だけあってちょっととんがってる感じですかね。時代的なものかちょっとピンク映画っぽいシーンもありました。いい青春映画でした。面白かったです。
『家族ゲーム』も面白かったんですが、こっちは原作ものだからか『の・ようなもの』に比べると森田っぽさがやや弱いような気がします。個人的にはどっちかっていうと『の・ようなもの』のほうが好きですね。
そういえば昔、長渕剛主演のテレビドラマ版も見てたのを思い出したんですが、ずいぶん話が違うな〜と思ったら、僕が見てたのはどうやらテレビドラマのパート2でオリジナル・ストーリーだったみたいです。
最近観た映画で面白かったのは、DVDで観た『DOCUMENTARY of AKB48 少女たちは傷つきながら、夢を見る』。AKB48のドキュメンタリー映画第2弾で、1作目はつまらなくて途中で観るのをやめたんですが、こっちはすごくいい映画でした。輝く少女たちの舞台裏、青春の光と影を描く群像劇で、誤解を恐れずに言えばテレビ番組『笑ってこらえて』の部活企画をものすごく壮大にした感じ。作品全体の中で大きなテーマになるのは東日本大震災(監督は岩手県出身)。仙台市で被災した後に加入したメンバーや、AKB48による被災地訪問の様子など、震災の記録としても価値がある作品でした。劇場公開は今年初めなんで「今年の映画」なんですが、今年ベスト3に入る出来でしたね。
#1359
バラージ 2012/11/25 11:26
『野生の王国』なら知ってますが……
『野望の王国』は知らなかったので調べてみたんですが、マンガなんですね。1977年に始まったマンガとのことで、『野望の系列』は1965年日本公開ですから、パクり邦題ということはなさそうです。
『ネバー・エンディング・ストーリー』は原作・映画ともに観てないんです(ついでに同じ原作者の『モモ』も原作・映画ともに観てません)。これまた映画の邦題がなあ。なんで『終わらない物語』とか、原作通りの『果てしない物語』にしなかったんだろ。そういや『指輪物語』の映画邦題も『ロード・オブ・ザ・リング』だった。こっちの原作は昔読んだものの途中で挫折しちゃいました。
小説やマンガの映画化って難しいですよねぇ。原作者が納得しててもファンが納得しない場合もありますし。僕も好きな小説が映画化された作品を観て、「う〜ん、これはちょっと……」と思った覚えが何度かありますからね。
『のぼうの城』はどうしようかなあ。犬童一心監督の作品は、映画『ジョゼと虎と魚たち』『死に花』『ゼロの焦点』、テレビドラマ『アザミ嬢のララバイ』、Webドラマ『手を握る泥棒の物語』を観ていて、どれも面白かったんですが(特に『ジョゼ〜』は傑作)、『のぼうの城』はこれまでの作風とはかなり違うエンターテイメント大作なんで、ちょっと二の足を踏んでおります。
#1358
徹夜城(支配人) 2012/11/22 23:45
そろそろ映画の方も更新しないと…
だいぶ止まっておりますが、ぼちぼちと映画の方も更新しようと思ってます。
今日は「のぼうの城」を見てきましたし、「天地明察」ともども「歴史映像名画座」に加えられますしね。「栄耀映画徒然草」にしても見たまんま感想書いてない映画がたまってきました。
>バラージさん
ファンタジー映画といえば、昨日NHKBSの昼間に「ネバーエンディングストーリー」をやってました。原作者が激怒して訴訟まで起こしたアレ。僕も原作は読んでいるので原作者の怒りは分からんではなかったですが、映画としてはあれはあれで…と割り切るしかないような。終盤以外はかなり原作に忠実ですし、CG以前の時代と考えるとあの特撮はなかなかのものでしょう。音楽はいまだにあっちゃこっちゃで流用されてる名曲ですし。
久々に見たら、これって95分しかないんですねぇ(バージョン違いがあるかもしれないけど)。基本的に映画はお子様映画として作られちゃった感じです。
「ホビット」は僕も楽しみです。これも子供の時からずいぶん読んだ原作ですから。「ロード・オブ・ザ・リング」も一作目の冒頭のホビット荘が映ったとたん、「わぁ!まんまやないかー」と涙が出そうになったもんです。
「ザ・インターネット」は未見ですが、公開当時でも原題「The NET」が二重の意味をかけていてよかったのでその邦題は…と思ったもんです。もっとも当時は「インターネット」自体が最新流行語といった感じで、「ネット」だけではピンと来なかったろうな、とは思います。
「野望の系列」は「野望の王国」からいただきの邦題かな…?「沈黙の戦艦」の例もありますから。
#1357
バラージ 2012/11/15 22:09
久方ぶりの
『ネットワーク』以来超久々の、こんなのもあるよ社会派映画。
『ザ・インターネット』
原題『The Net』。ネット社会の盲点を描いた1995年のサスペンス映画。サンドラ・ブロック主演。娯楽映画としても非常に面白いんですが、コンピューター上の個人データを消されてしまうと自分の存在を社会的に証明できなくなるなど、ネット社会に警鐘を鳴らす社会派映画としても示唆に富んだ作品で、意外な拾い物でした。そういえばパソコン通信をテーマにした森田芳光監督の恋愛映画『(ハル)』や、同じく韓国の恋愛映画『接続 ザ・コンタクト』が作られたのもこの映画と同じころだったなあ。
『野望の系列』
かっこいい邦題に惹かれて、いつか観たいと思っていた映画。NHK-BSで観ました。米国政界における熾烈な権力闘争をサスペンス・タッチで描いた社会派映画の傑作です。一応、ヘンリー・フォンダが主演となってますが、実際にはフォンダの役は狂言回しというかお話のきっかけになる人物に過ぎず、後半はほとんど登場しません。赤狩りや同性愛など1962年の映画としてはかなり進んだ描写が盛り込まれており、米国の政治構造もよくわかります。
#1356
バラージ 2012/11/09 18:26
1/2の神話
僕も『スター・ウォーズ』は1作目が1番面白かったですね。『帝国の逆襲』は僕の友人SFファンの間で評価が高いんですが、僕は途中から始まって途中で終わるという3部作の第2作特有の部分が今一つ。『ジェダイの帰還(復讐)』については全くの同意見です。
『2001年宇宙の旅』は確かNHK-BSで観ました。普通に面白かったという感じですね。
さて、SFに隣接するジャンルにファンタジーがありますが、その中でも最近なぜかよく作られてるのがギリシャ神話もの。僕はこのジャンルが結構好きでして。それ系映画の感想をいくつかご紹介。
まず『タイタンの戦い』。旧作のほうは昔ビデオで観てなかなか面白かったです。ハリーハウゼンの人形アニメが素晴らしかったですね。リメイク版のほうも期待してたんですが、3Dを意識した不自然な映像が多く(僕が観たのは2D)、何よりも作品の雰囲気というか空気にギリシャ神話っぽさが希薄。普通のファンタジー・アクションという感じで期待外れでした。映画としての出来もまあまあ。よって続編『タイタンの逆襲』は未見。
対照的に当たりだったのが『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』。児童文学の映画化で舞台は現代です。半神半人の少年たちが主人公で、現代の社会問題も巧みに織り込まれており、若干ポリティカリー・コレクト臭もするのですが、リメイク版『タイタンの戦い』よりもよほど上手くギリシャ神話的世界観を組み込んであって、娯楽映画としてもこちらのほうが数段面白かったです。続編が楽しみ。
もう1作、『インモータルズ 神々の戦い』。こちらも3D作品ですがリメイク版『タイタンの戦い』のような映像的不自然さは感じられず(僕が観たのはやはり2D)。技術の進歩か、監督の力量か? またギリシャ神話的世界観の空気も上手く醸し出せており、映画的面白さも上出来で、これまた満足作でした。ただ若干凄惨な描写があるので、そこはちょっと万人にはおすすめしづらいかも。
しかし突然のギリシャ神話映画ブーム、いったい何なんだろう?
ファンタジーといえば、『ホビット』が年末に公開されます。これも楽しみ。
>過去ログ
すいません。この間、過去ログをずっと読んでて日付が飛んでるなあと気づいたんですが、別に必要だとかではありませんので、お急ぎにならずとも大丈夫です。
#1355
徹夜城(支配人) 2012/11/08 00:00
SF映画談議
>バラージさん
僕も「スターウォーズ」は旧三部作を民放吹き替えで見たクチです。一作目、つまりエピソード4を最初に見たのは公開からずいぶんたったころで、我が家にビデオが入って間もなくくらいでした(笑)。ああ、平成に入って間もなくくらいじゃなかったかな。
2時間枠にCMこみでおさめるために若干カットされたバージョンだったんですが、いやもう面白いのなんのって、冒頭からすっかりのめりこんでしまい、「こんな面白い映画があるのかー!」ってな感じでしたよ。そのせいもあっていまだに吹き替え版のイメージが強烈です。
「帝国の逆襲」はレンタルビデオで最初に見たはずですが、これもまた盛りだくさんすぎちゃって参ってしまった。そこいくと「ジェダイの帰還(かつては「復讐」でしたね)」は面白いっちゃあ面白いけど、小さくまとまってしまった印象もありました。
そして新三部作。一作目は素直に面白いと思いましたけど、やはり過去作ほどの熱狂はないんですね。2作目は僕の周囲ではボロクソに言われてまして、かえって擁護したりしておりました。「シスの復讐」は結末が悲劇になることが最初からわかってましたから、作りにくそうだな―と思ったのですが、意外とこれが高評価で。結局ダースベイダーとチューバッカがいないとスターウォーズじゃない、ってことなのか。
今後ルーカスの手を離れるのは若干心配ですが、そのルーカスもジャージャーのキャラとか大失敗もしてますからねぇ。適度に他の人に任せた方がいいのかもしれません。
SF映画、ということでは僕も「ブレードランナー」がベストのお好み。一度見て何度も見る気になる映画というのはそうそうありません。とにかくカッコいいなぁ、と思ったものです。あともちろん哲学的内容もね。
「2001年宇宙の旅」もテレビでの吹き替え版で最初に見たんですが、見終えたときに混乱というか、なにかとんでもないものを見てしまったという感じで、ラストの解釈を考え込んでしまい夜も寝られなかった覚えが。その意味ではいちばん「SF」してたんだなぁ、と思います。
僕はアシモフファンサイトもやってるわけですが(更新は全然してないけど)、アシモフ作品も「ファウンデーション(銀河帝国興亡史)」や「鋼鉄都市」の映画化の話が流れては消えていくのですけど、ファンとしては期待より不安のほうが多くって。「ファウンデーション」なんかは「ロード・オブ・ザ・リング」なみにやってくれないと、と思ってますが、実際のところ難しいでしょうねぇ。
#1354
バラージ 2012/11/03 23:36
SとF
僕はスター・ウォーズは最初の三部作(エピソード4〜6)しか観てないんです。しかも民放テレビの日本語吹替で。リアルタイム世代じゃないもんで。リマスター版だかは最初のだけ劇場で観て、あとの2つは未見ですね。新しいほうの三部作(エピソード1〜3)は、最初の三部作と矛盾しないように作らなきゃならない上、着地点を第1作(エピソード4)につなげなきゃならないんで、作る人も窮屈で大変そうだな〜と感じてました。それに比べればエピソード7以降はわりと自由に作れるんで、作品の出来としては期待してもいいんじゃないでしょうか。下手したら『スター・トレック』みたいに無限に続いちゃったりして(笑)。
個人的にはルーカス監督作では『アメリカン・グラフィティ』のほうが好きなんですよね(もちろんリアルタイムで観たわけではありません)。あれは青春映画の金字塔。この間、午前十時の映画祭という企画で劇場では初めて観たんですが、やっぱり何度観てもいいです。
僕の友人にはSF映画好きが多く、『ブレード・ランナー』とか『時計じかけのオレンジ』(これは未見)を絶賛してますが、僕自身はそこまでのSF映画好きではなく、個人的SF映画ベスト1も子供の頃に民放テレビの日本語吹替で観た『猿の惑星』。同じくテレビで観た『続〜』はつまらなく『新〜』はまあまあ。『〜征服』『最後の〜』とリメイク2本は未見です。
あと、ゴジラ映画の『怪獣大戦争』も良かった。前にも書いたけど、怪獣たちは超兵器扱いで実質SF映画なんですよね。ま、怪獣映画は全部SF映画なんじゃないかとか、逆にコアなSFファンのSF定義とか、くわしくはよくわかんないんだけども。
最近観たSF映画で面白かったのは一昨年観た『第9地区』。あと、さらに古いけどDVDで観た『K-PAX 光の旅人』(劇場公開題『光の旅人 K-PAX』)もすごく良かったですね。もっとも『K-PAX 光の旅人』はSF映画コーナーにあるんだけど、実際にはヒューマン映画、もしくはぎりぎりファンタジー映画って感じ。でも実はそこがミソで面白いところなんですけどね。ネタバレになっちゃうから言わんけど。
#1353
徹夜城(支配人) 2012/11/02 12:47
結局スターウォーズは作られる
騒ぎになっておりますが、ディズニーがルーカスフィルムを買収し、2015年に「スターウォーズエピソード7」を公開する予定と発表しました。まぁ予想通りあっちゃこっちゃで賛否両論。
よく知られてることですが、ルーカスはもともと「9部作」構想を公表してました。しかしエピソード1を作ったあたりで「6作で打ち止め」と明言。確かに全部が出来上がってみると「ダースベーダー一代記」になっていてちゃんと大団円になってるんですよね。しかしそれでも「また作るんじゃないか」との憶測はずっとありました。こういう形になるとは予想しませんでしたけど。
ルーカスは「クローン戦争」のアニメを作ったりテレビシリーズの構想を打ちだしたりしてましたが(そういやあれは幻になるのかな?)、こちらももうあの辺はいいよ、という気分ではありました。ただ今後ディズニーで(一応ルーカスも原案にはタッチするしスタッフのキャスリン・ケネディが参加し続けるといいますが)続きが作られるとなると、あの大団円のあとまた銀河は戦乱になるのかとガックリくるところもあります。
ダースベーダーはもう出せませんしねぇ(霊魂で出てくるか)。年取ったルーク・ハンソロ・レイアを出すという趣向も考えられますが、いずれにしてもよほどうまく話を作らないとブーイングを受けるでしょうな。ルーカスはもう楽隠居を決め込んでるようなのでいい売り物をしたというところじゃないでしょうか。
しかし今後のスターウォーズはオープニングに「20世紀フォックス」のファンファーレが流れなくなるのか、と思うとかなり寂しい(笑)。
>バラージさん
1000〜1100のログは手元にとっておいてありまして、まだアップしてないだけです。史劇的伝言板のログともども近日中にアップしておきます。
#1352
バラージ 2012/10/30 02:11
あれ?
今気付いたんですがこちらの掲示板(および過去ログ)も1001〜1100が抜けとりますね。
#1351
バラージ 2012/10/21 22:49
今年観た映画
今年観た映画で特に面白かった作品の、ややくわしめの感想を書かせていただこうかなと思います。すでにくわしい感想を書いた『僕達急行 A列車で行こう』と『ミッドナイト・イン・パリ』は省略。
『アフロ田中』……おバカ系青春コメディ映画。原作マンガもちょこちょこ読んでるんですが、映画は原作を上手くアレンジしてて、さほど期待してなかったわりには意外や意外、すごく面白かった拾い物の1本。若い男子のバカっぽさがいかにも「あ〜、あるある」って感じで、気楽に楽しめました。主演の松田翔太がかなりのはじけっぷりで田中役を好演。
『桐島、部活やめるってよ』……今年観た中で今のところナンバー1の映画。現代の高校生が抱く漠然とした不安感、モヤモヤした言語化できないストレスが、桐島という生徒の不在によって徐々に顕在化していく姿を描いた青春群像劇。前半では1つのシークエンスを異なる視点から何度も描き、それがラストに向けて収斂していく構成が素晴らしい。登場人物の一人一人がすごくリアルで、神木隆之介と大後寿々花を初めとする若手俳優陣も皆それぞれに好演でした。
『さらば復讐の狼たちよ』……一言で言えば中国版西部劇。監督・主演のチアン・ウェンと、グォ・ヨウ、チョウ・ユンファの3人がメイン・キャスト。1920年、辛亥革命後の混乱する中国を舞台とした痛快アクション活劇でした。アクションばかりでなく、三者の駆け引きと腹の探りあいなどストーリーも面白い。中国本国では、中国革命史および現在の社会状況に対する暗喩を読み込んだ観客が多いらしく、パンフレットや公式サイトにも解説が載ってますが、我々日本人はそこまで深読みしなくとも単純に娯楽映画として楽しめます。邦題やポスターデザインやキャッチコピーをギャング映画っぽくしたり、ユンファが主演っぽく見せたりしていますが、日本の配給会社はそうしないと客が入らないと考えたんだろうなあ。
#1350
バラージ 2012/10/20 17:18
追悼など
若松孝二の映画は『キャタピラー』しか観てないんですよね。僕の嗜好とはちょっと違うラインの作品が多くて……と思って監督作品を調べてみたら、テレビドラマにいくつか観ているものがありました。テレビドラマでは映画とはかなり違うタイプの作品を手掛けていたみたいですね。大滝秀治はなんといってもテレビドラマ『特捜最前線』の印象が鮮烈です。子供の頃によく観てました。他にもいろいろ観てるんですが、いざ何に出てたと考えると脇役が多かったせいかどうもよく思い出せない。映画についてもあまり記憶にないんですが、今公開中の『あなたへ』(まだ観てない)が遺作になりました。金鳥のCMの「お前の話はつまらん!」てのも印象深いなあ。あれ、市川準監督の作品なんですよね。そして、シルビア・クリステルも亡くなりました。子供の頃に、親が寝静まったのを見計らって、深夜にテレビでやってた『チャタレイ夫人の恋人』をこっそり観た記憶が……。皆さん、ご冥福をお祈りします。
忠臣蔵は映画もテレビドラマも山ほどありますよね。僕もどうしようか迷ったんですが、他の日テレ時代劇も紹介したのでついでに入れちゃいました。映画の有名どころでは戦中に溝口健二が監督した『元禄忠臣蔵』(観てないです)ってのもありましたね。やたら映像作品が多いといえば新選組もですが(BS時代劇『新選組血風録』が落とされてるのも同じ理由かな? 僕も入れませんでしたが。これも観てないし)、どっちも集団ものでオールスター作品に向いてるということと、チャンバラ時代劇の延長で作れるってことが映画やドラマにちょうどいいんでしょう。同じ集団ものでも白虎隊は、チャンバラものじゃなく戦争もので人物も若者に偏っているのがネックなのか、あまり映像作品になってませんね。日テレ時代劇の他には、つい先年作られた山下智久主演のテレ朝ドラマぐらいでしょうか(これまた観てない)。そういえば来年の大河『八重の桜』に白虎隊が出てきますね。綾瀬はるかが白虎隊に「あなたたち、私のおっぱいを見るためにがんばりなさい!」(by『おっぱいバレー』)とか言い出したら面白いんだけどなあ(笑)。
確かに『禁じられた遊び』は戦争映画じゃないし、ましてや歴史映画じゃないですよね。大戦初期のドイツ軍の侵攻を描いた映画がなかったんで無理矢理入れてしまいました。他に太平洋戦争で『地上(ここ)より永遠(とわ)に』(この邦題は傑作)なんかも迷ったけど、こちらはさすがに外しました。フェリーニ監督の『道』は僕も観てます。面白かったです。2度観てまではいないけど。リアルタイムで観た映画以外で2度以上観たのはブルース・リーと『アメリカン・グラフィティ』ぐらいかなあ。『パール・ハーバー』のようなトンデモ日本軍描写といえば、これまた歴史映画でも戦争映画でもないんで入れなかったんですが、『オーストラリア』(観てない)という映画の太平洋戦争シーンにもあるらしいです。そういえばオセアニア史の映画もないなあ。カナダ史の映画もないですね。というかそれ以前にそもそもオセアニア史やカナダ史はくわしく知らないんですけど。
#1349
徹夜城(支配人) 2012/10/18 23:51
不慮の死
いきなりのタイトルをつけましたが、若松孝二監督の突然の事故死にはぴったりの表現になってしまうのではないかと…そういえばテオ=アンゲロプロス監督が交通事故死したのも今年の話でした…
最近日本の映画監督で一番のペースで作ってるんじゃないかという勢いでしたし、かついずれも話題作ばかりでもあり、つい先日カンヌがらみでしゃべってるのも見てましたから、この突然の訃報には驚きました。つい昨日までは命に別条なさそう、という話が近い人たちからも流れてただけに…ただ原因に関して言えば当人にいささか責がありそうな。落ち着いてきて若松監督が実際に死んだのだと認識できてくると「らしい死に方」という気もしてきます。
などと書きつつ、作品で観たのはつい最近の「連合赤軍」やら「三島由紀夫」の2作だけ。ですがこれら現代史シリーズ(というより70年代シリーズか)はこうした素材もすでに「歴史物」の範疇に入ってきたな、と思わされましたし、とくに「連合赤軍」については本人がシンパ的立場で関係していただけに(だから多少甘いとの意見もあるにはあった)えぐりだすような迫力の一作になってたと思います。登場人物の何人かは僕の両親が直接知ってたりしまして(メインキャラに大学の同級生がいまして)、僕自身もいろいろ考えさせられたものです。
それに先立つ大滝秀治さんの訃報も映画ファンにはいろいろと思い起こされるものがありました。あの「黒部の太陽」にもトンネル掘りの現場指揮官みたいな役で出てましたっけね(宇野重吉の劇団が協力したからですが)。老人役でないのがもの珍しかったものです。
70年代から80年代のドラマや映画にはいつもいるんじゃないかという勢いで出てましたし、それは割と最近までそうでした。市川崑の「犬神家の一族」のオリジナル・リメイク2作に石坂浩二ともども同じ役で出た人でもありました。
>バラージさん
いやいや、こちらも大いに楽しんで読ませていただきました。挙げられてる作品には見たものも結構ありました。「名画座」に入れるかどうかは結構微妙なラインでありまして…ただ「愛の勝利を」は早く見ておかないといかんなぁ。
ご紹介リストを見ていて「火の鳥」のアニメ作品は一切入れてないことにいまさら気づきました(笑)。確かに映画「鳳凰編」やOVA「ヤマト編」なんかは入れといていいはずでした。「鳳凰編」はすっかり入れてるような気がしてました…それでいて未見の実写版黎明編をリストに入れてますが。「火の鳥」ではNHKで放送したTVアニメシリーズもありますけど、あれ、あんまり見てないんですよね。
「天平を駆け抜けた男と女たち」も見てましたが、ドラマ部分があるとはいえ、ちょっと「名画座」入りはためらわれました。「源氏物語」の映画作品はいずれも恐ろしさのあまり手を出してません(笑)。
「鶴姫伝奇」は見ておこうと思いつつ、まだ手を出してないやつでして…放送当時、僕は倭寇研究が専門なものですから、周囲から「見ておかないと、専門でしょ」と言われたのがかえって手を出しにくくなっちゃったみたいで(笑)。あれはあくまで瀬戸内水軍の話なんですけどね。あれで日テレ時代劇は最後になっちゃってるんだよなぁ。
その日テレ大型時代劇の端緒となった里見版「忠臣蔵」は当時見ていて、結構面白く思ったのですが、「名画座」入りしてないのはテレビの「忠臣蔵」を網羅しようとするときりがなくなるからです(笑)。なんだかんだで結構討ち入り場面だけはチェックしたりするんですが。ビートたけし主演の変わり種もありましたね。
戦争映画の中では「戦争のはらわた」は見てます。ひどい邦題のなかで有名になっちゃってるものですね(笑)。レンタルビデオで見つけてみたんですけど、かなり画質が悪かった覚えが。DVDも出たらしいですが、本数が少ないらしく、なんだか知られてる割に不遇な作品みたい。
「禁じられた遊び」も見てますけど、あそこまで来ると「歴史映像名画座」には入れにくい感じですね。あれは一度見てすっかり参ってしまい、それっきり見てない(悲しすぎるというのもあるけど、ある意味完成度が高すぎる)作品の一つです。フェリーニの「道」と並んで僕にとってはそういう映画で。
「パールハーバー」も見よう見ようと思いつつ、恐ろしさのあまり見てない一本ですね(笑)。
#1348
バラージ 2012/10/13 16:25
フィニッシュ!
歴史映像名画座の映画感想の最後は、毎度おなじみ世界大戦映画の紹介です。
第一次世界大戦
『ジョニーは戦場へ行った』……未見。人間の尊厳を描いた反戦映画。
『ブルー・マックス』……未見。ドイツ空軍のパイロットが主人公の空戦映画。
『レッド・バロン』……未見。ドイツ空軍の撃墜王リヒトホーフェンの伝記映画。昔、同名の米国映画も作られましたが、新しいのは本家本元のドイツ映画。
第二次世界大戦(欧州)
『カティンの森』……未見。第二次大戦中のポーランドで起きたカティンの森事件を描いた映画ですが、序盤で独ソのポーランド侵攻が描かれてるらしい。
『禁じられた遊び』……戦争映画ではありませんが、ドイツ軍のベルギー侵攻を背景とした映画で冒頭に戦闘シーンあり。ビデオで観ました。戦争で負った子供たちの深い心の傷を描いた名作。
『ビスマルク号を撃沈せよ』……未見。ドイツ海軍の戦艦ビスマルクとイギリス海軍の海戦を描いた映画。
『僕の村は戦場だった』……未見。独ソ戦におけるソ連軍の少年兵を主人公とした映画。
『戦争のはらわた』……独ソ戦を舞台としているが、どちらかというとドイツ軍内部を描いている映画。かなりハードな描写が散りばめられてます。昔、民放テレビで観ましたが、よくこんなの放送したなあ。
『戦火のかなた』……未見。イタリア戦線を描いたオムニバス形式のネオ・レアリズモ映画。
『アンツィオ大作戦』……未見。連合軍によるイタリア半島のアンツィオ上陸作戦を描いた映画。
『遠すぎた橋』……未見。マーケットガーデン作戦を描いた映画。
第二次世界大戦(アジア太平洋)
『パール・ハーバー』……未見。開戦前からドーリットル空襲までを描いているとのこと。かなりトンデモな日本描写があるらしい。
『少年義勇兵』……既述。
『日本戦没学生の手記 きけ、わだつみの声』……未見。学徒兵の書簡集『きけ、わだつみの声』を原作とした映画で、インパール作戦が描かれる。1995年の『きけ、わだつみの声』(こちらは観た)は同じ書簡集を原作としているものの内容は全く別のお話で、フィリピン戦と沖縄戦が舞台でした。
『ひめゆりの塔』(1954年版)……以前紹介した1995年版はDVD化されてないので、こちらをご紹介。昔NHKで(確か途中から)観たんですが、突き放したようなラストが鮮烈で、とても印象に残ってます。
『鬼が来た!』……中国近代史編で紹介しましたが、時代的には太平洋戦争末期が舞台なんでこっちに入れてもいいかも。ただ戦闘シーンはほとんどありませんが。
これで栄燿映画徒然草に続き歴史映像名画座の映画感想も終了。長々とすみませんでした。でもこれだけ映画感想を話す(書く)機会はなかなかないので楽しかったです。
#1347
バラージ 2012/10/13 10:36
世界大戦編
前回の紹介で書き忘れた映画を追加紹介。
明治〜戦中
『丘を越えて』……昭和初期を舞台に、文藝春秋社の菊池寛と、その私設秘書の女性、朝鮮人編集者・馬海松を描いた映画。秘書役の池脇千鶴目当てで観たのですが、意外な拾い物だった1本。昭和初期の雰囲気がよく出ていました。
というわけで歴史映像名画座感想の最後は世界大戦編(タイムスリップ映画には観たものがありませんでした)。
『連合艦隊』……昔、民放テレビで観ました。まあまあでした。しかしこの頃の日本の戦争映画のエンディング・テーマって、いつも高らかに歌い上げる泣かせソングですね。なんか感動を押し付けられてる感じがして、ちょっといや。じゃあどんなのならいいんだって言われたら、それはそれで困っちゃうけど。
『ミッドウェイ』……これも昔、民放テレビで観ました。でももうほとんど覚えてないなあ。
『硫黄島からの手紙』……最近、民放テレビで観ました。なかなか面白かったです。終わり方がちょっと唐突な感じもしましたが。日本描写もおかしなところは見受けられなかったですね(テレビ放送でカットされたのかもしれんけど)。
『マッカーサー』……昔、民放テレビで観ました。マッカーサーがかなり美化されてましたね。まあ、グレゴリー・ペックは激似だけど。
#1346
バラージ 2012/10/08 14:42
ご紹介
映画感想も残すところは第一次世界大戦&第二次世界大戦の歴史映画のみとなりました。その前に今回は一休みして日本史映画のご紹介でございます。既述以外の今回新たに紹介する作品は全て未見、かつ基本的にDVDレンタルのある作品です。
原始〜平安
『火の鳥 鳳凰編』……既述。
『天平を駆け抜けた男と女たち』……唐招提寺建立をテーマにした番組で、ドキュメント部分とドラマ部分が半分ずつあるらしい。ドラマの主人公は鑑真の弟子の如宝で、天皇家の人々や藤原仲麻呂・道鏡なども登場。
『千年の恋 ひかる源氏物語』……光源氏が天海祐希、紫式部が吉永小百合、藤原道長が渡辺謙。
『源氏物語 千年の謎』……光源氏が生田斗真、紫式部が中谷美紀、藤原道長が東山紀之。しかし、なんで作者とパトロンが必ず出てくるんだろ?
鎌倉〜室町
『虎の尾を踏む男たち』『親鸞 白い道』『TAJOMARU』『里見八犬伝』……既述。
戦国
『鶴姫伝奇』『伊賀忍法帖』……既述。
『若き日の北條早雲』……1970年頃にテレビ朝日が作った連ドラらしい。未ソフト化。古い大河みたいに映像がもう残っていないかも。
安土桃山
『明智光秀 神に愛されなかった男』『忍者武芸帖 百地三太夫』……既述。
『火天の城』……安土城築城をテーマにした映画。西田敏行主演。
『天下を獲った男 豊臣秀吉』……TBS大型時代劇。柳葉敏郎主演。
『豪姫』……『利休』の続編的映画。宮沢りえ主演。
江戸前期
『あずみ』『あずみ2』『女帝 春日局』『大奥 第一章』『天地明察』『大奥 華の乱』『大奥 劇場版』……既述。『天地明察』はまだDVD化されてません。
『忠臣蔵』……日本テレビ大型時代劇。里見浩太郎主演。
『最後の忠臣蔵』……生き残った赤穂浪士を描く映画。役所広司・佐藤浩市主演。
『大奥』……柴咲コウが徳川吉宗を演じた映画。いわゆる男女逆転大奥。女性漫画(レディース・コミック?)が原作で、フジの『大奥』シリーズとは無関係。好評だったのか10月からTBSで連ドラ化(時代は別の時代)。映画の第2弾も製作中らしい。
江戸後期
『武士の家計簿』『大奥』『幕末純情伝』『壬生義士伝』……既述。
『歌麿をめぐる五人の女』……溝口健二監督映画。
『北斎漫画』……新藤兼人監督映画。
『三姉妹』……架空の三姉妹を主人公として幕末を描いた大河ドラマ。未ソフト化。映像がほぼ現存せず。
『獄に咲く花』……吉田松陰の獄中での恋を描いた映画。近衛はな主演。
『勝海舟』……日本テレビ大型時代劇。主演は田村正和だったが病気降板し、途中から弟の田村亮に交代。
『坂本龍馬』……TBS大型時代劇。真田広之主演。
『竜馬がゆく』……TBS大型時代劇。上川隆也主演。
『ええじゃないか』……今村昌平監督映画。
明治〜戦中
『北の零年』『竜馬の妻とその夫と愛人』『李香蘭』『海と毒薬』……既述。
『華の乱』……深作欣二監督映画。名画座に大正ものがなかったんでご紹介。大正の文人群像が描かれますが、創作エピソードである与謝野晶子と有島武郎の不倫描写に遺族からクレームがついたらしい。
『帝都物語』……これも大正もの映画。どっちかっていうとSF映画かもしれませんが。大ヒットして続編『帝都大戦』も作られました。
戦後〜現代
『金環蝕』『初恋』……既述。
タイムスリップ
『JIN 仁』……既述。
#1345
バラージ 2012/10/04 21:31
日本史テレビドラマ編
録画しておいた『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』をようやく観ました。第一次世界大戦頃からムッソリーニが権力を掌握する頃までの時代が舞台となっており、いかにもヨーロッパ映画という雰囲気の映画でした。面白かったです。
前回までの日本編は正しくは日本映画編で、テレビドラマは飛ばしておりました。今回は大河ドラマ(及び新大型時代劇)を除くテレビドラマ編。
『風林火山』(テレビ朝日)……好きな女優の星野真里さんが出てるので観たドラマ(脇役で出番はあまりありませんでしたが)。北大路欣也と加藤あいだと年齢差がありすぎて、老いらくの恋にしか見えません。
『おんな風林火山』……初回だけ観ました。大映ドラマでお馴染みの面々が出てるので、観てて違和感が強すぎでした。
『大友宗麟』……原作が遠藤周作の『王の挽歌』(これ自体は未読)ということで観ましたが、単発ドラマにするのはやはりちょっと無理がありましたね。話の筋を追うので精一杯という感じでした。
『巌流島』(NHK)……観た記憶はある、という程度。
大河ドラマは史劇的伝言板のほうでよく話題が出るので、あちらのほうに書こうかと思います。
#1344
バラージ 2012/09/28 22:20
江戸後期〜現代編
『天地明察』を観てきました。珍しい題材で興味深かったんですが、映画としてはまあまあ面白かったという程度。劇中で時間が十数年経ってるのに人物の外見が変わらないなど、詰めの甘いところが見られました。どう考えても史実ではないだろうという場面もあり、最後に「一部、史実とは異なる部分があります」みたいな字幕が出てました。『鍵泥棒のメソッド』は、同じ監督の『アフタースクール』が面白かったので期待してた通り、なかなかに面白かったです。そしてもう1本、『さらば復讐の狼たちよ』という中国映画も観ました。これは面白かった! 『グッド・バッド・ウィアード』が韓国版西部劇なら、こちらは中国版西部劇。痛快作でこれはおすすめです。そういえば『黒部の太陽』の完全版が地元の映画館で1週間上映されるようです。個人的には短縮版とはいえテレビで1度観たからいいかなって感じですが。
それでは江戸後期〜現代編。
『写楽』……化政文化の有名人たちという着眼点が面白かったですね。写楽の正体については真面目な推理ではなく娯楽性優先ですが、映画としてはそれでいいと思います。
『ラスト・サムライ』……これは面白かったですね〜。勘違い日本描写も全くないわけではないんだけど(反乱軍が鉄砲を全く使わず弓矢を使っているのはさすがにどうかと思ったけど、サムライ性を強調するためや、政府軍と区別しやすくするためには仕方ないんでしょうね)、それまでの日本を描いた外国映画に比べればはるかに許容範囲内でしたし、芸術性も娯楽性も高かったです。
『激動の昭和史 軍閥』……昔、民放テレビで観ました。面白かったです。変な話ですが、反戦映画なんでしょうが戦争映画としても楽しめました。そういう意味では、一筋縄では行かない映画と言えなくもない、ような気もする。確か小学生か中学生のときに観たんですが、日記だったか何かの課題だったかで感想を書いたような記憶があります。
『小説吉田学校』……これも民放テレビで観た作品。なんというか、全体的にちょっと格好よすぎですね。ドラマとしては面白いけど、あまりに格好よすぎて、なんだかちょっと胡散臭い。見た目にも佐藤栄作(この人はリアルタイムでは知らない)が竹脇無我とか、田中角栄(この人はぼんやり知ってる)が西郷輝彦とか、中曽根康弘(この人ははっきり知ってる)が勝野洋とか、男前過ぎて全然似てないです(笑)。
#1343
徹夜城(支配人) 2012/09/26 22:20
明日にも何か見てこようかな、と
最近なんだかんだといろいろ忙しく、映画日記が全然書けませんが、とりあえず明日は近くのシネコンに行く予定。
>バラージさん
いろいろと癖のある三國さんは監督によって好みがひどくわかれるみたいですね。もっとも直接演出する場合は三國さんを敬遠したらしい(?)山田洋次監督ですが、実は松竹で「釣りバカ日誌」の企画があがった際、スーさん役が決まらず難航していたところ、「かなり冒険だが、三國連太郎なんてどう?」と言って決めるきっかけを作ったのが山田洋次当人だったという話です。確かにそれまでの三國さんの役ってエキセントリックなのが目立ちましたから、あのスーさん役というのは意外なキャスティングではあったのでしょう。シリーズ初期作見るとやっぱりグッと若くていつものギラギラした「地」が出てる気もしますが。
高倉健が今頃になって「公表」した理由もよくわかりませんが、「乱」の鉄修理役に予定されていた、という話は黒澤本のどれかで暴露はされてました。断った理由はわかりませんでしたけどね。結局井川比佐志が演じてる役ですが、確かにあの話の中ではかなりカッコいい美味しい役でした。
あの時期の黒澤映画はいわゆる「大スター」な人が出るのは合わなかったかもなぁ。逆に植木等とかいかりや長介とか所ジョージとか、お笑い系の人選が意外と多かったりして。
「柳生一族の陰謀」は無茶だけど僕も結構好きですねぇ(笑)。ああいう思い切りのよさというか、無茶なパワーが時代劇の一時的復活を実現できたんでしょうね。もっともそのノリもそうは続かず、「徳川一族の崩壊」なんてまともなフィルムも残ってないそうですが。
最近の「茶々・天涯の貴妃」の大阪城大爆破ラストなんかにあのノリがほのかに残っておりましたが…
#1342
バラージ 2012/09/22 23:10
安土桃山〜江戸前期編
三船敏郎と三國連太郎は、確か稲垣浩監督『宮本武蔵』の武蔵役と又八役で共演してましたね。僕はチラッとしか観てませんが。
三國主演、山田洋次監督の『息子』は観ました。永瀬正敏が準主演でした。面白かったです。山田洋次脚本(監督は別の人)の『釣りバカ日誌』シリーズにも三國連太郎はスーさん役で出演してますが、ハマちゃん役で主演している西田敏行もアドリブを連発するタイプの役者で山田監督とは合わなかったらしく、『男はつらいよ』が渥美清の死で終了した後に始まった山田監督・西田主演の『虹をつかむ男』はわずか2作で終了しています。
そういえば高倉健が、かつて黒澤明監督の『乱』に出演依頼されたが、親交の厚い降旗康男監督の『居酒屋兆治』を優先して断ったというニュースも出てましたね。
それでは安土桃山〜江戸前期編。
『忍びの者』……山本監督の『白い巨塔』がすごく面白かったのと、忍者ものなのに主人公が石川五右衛門という珍しさ、リアルな忍者映画という言葉に惹かれて観た作品。しかし実際に観てみると、百地三太夫の行動が謎だらけで、リアルというよりシュールな映画。三太夫と藤林長門守という敵対する両組織のボスを密かに演じわけ続けた理由が最後まで説明されず、まったくの不明だし、信長暗殺を嫌がってるわけでもない五右衛門をわざわざ罠にはめて信長暗殺を強いる展開も、何度考えてもよく理解できません。なんだか不条理劇を観ているようでした。昔1度観ただけなんで、機会があったらもう1度観てみたいですね。
『続・忍びの者』……前作のようなシュールさはなくなって、わりとストレートな歴史映画になってますね。面白いことは面白いんですが、光秀が初対面の一介の忍びである五右衛門にそそのかされて謀反を決断しちゃうとか、本能寺に五右衛門自らが乗り込んで信長を斬殺しちゃうとかは、やりすぎ感が強いような。二条城の鶯張りの廊下がピヨピヨと鳴って五右衛門が見つかっちゃうところは面白いですね。続編の『新・忍びの者』も観てまして、3作の中で1番ストレートに楽しめた記憶があるんですが、なぜか今となっては内容をまったく覚えておりません(笑)。
『千利休 本覚坊遺文』……哲学的でちょっと難解な映画でしたね。もう今となってはあんまりよく覚えてませんが、ちょっと退屈でした。
『柳生一族の陰謀』……史実としては(確信犯的に)めちゃくちゃなんですが、映画としては面白かったです。でも歴史にくわしくない人はこれを史実と思ってしまいそうな危険性も。それを考えてか、最後に入るナレーションがなんか言い訳めいていて面白かった。
『魔界転生』……こちらはさすがに史実と誤解する人はいないでしょうね。どっちかっていうとSF映画のノリに近いような気がします。映画としては面白かったけど。
#1341
徹夜城(支配人) 2012/09/19 22:19
ミフネとミクニ
>バラージさん
確かに世代的にも、名前の最初の方も似ているこのお二人ですが、俳優のタイプはずいぶん異なってたみたいですね。三國さんのインタビュー本読むと、何度か共演してるけど三國さんに言わせると「言われたことをその通りに演じる役者」であって、凝り性で自分でどんどん勝手に演技を変えて深めていってしまう自分とは違うタイプだと語ってました。彼みたいなタイプからするとあまり器用じゃないな、って見えた感じです。
その本で本人も言ってますが、黒澤明は三國連太郎を一度も使わなかった。その理由はまさにどんどんアドリブしてテストと本番で演技を変えたりするから嫌われたんだろう、という話です。黒澤明と三船敏郎の組み合わせが素晴らしかったのも相性ってこともあるようです。三國さん、山田洋次にも一作だけしか使われてないことについても同様の見解をとってました。
三船敏郎と三國連太郎といえば、企画がガチンコでぶつかった「千利休・本覚坊遺文」と「利休」でそれぞれ異なった雰囲気の利休役を演じてます。あとTBSドラマ「関ヶ原」で一緒にいる場面はなかったはずですが、三船が島左近、三國が本多正信とそれぞれ敵陣営の参謀役で存在感を張りあってました。
#1340
バラージ 2012/09/16 00:51
日本史 原始〜戦国編
『踊る大捜査線』はまったく観たことがないんですよね。今さら最初から観るのもな〜。最近観たテレビドラマで面白かったのは『SPEC』……ってこれももう去年のドラマか。ただテレビドラマのときはものすごく面白かったんですが、映画になったらつまんなくなっちゃったんですよね。堤幸彦監督は『トリック』のときもそうだったんだよな。あと面白かったのは『勇者ヨシヒコと魔王の城』。こちらは低予算の深夜ドラマということを逆手に取った面白さなんで、映画になることはまずないでしょう。
三國連太郎は、子供のころは名前が似てる三船敏郎とペアというかセットで覚えちゃってましたね。どっちも大ベテランのおじいさんの名優で、テレビドラマではあんまり見かけないみたいな(笑)。後になってみれば、お二人の立ち位置はかなり違うんですけど、でもなんか似てるところも感じるんですよね。
というわけで歴史映画感想日本史編に突入。今回は原始〜戦国まで。
『羅生門』……芥川の『羅生門』の映画化ではなく『藪の中』の映画化で、『羅生門』からはタイトルと舞台を借りただけ……ってややこしいなあ、もう。個人的に『羅生門』と聞いてまず連想するのは「下人の行方は誰も知らない」ってあれなんですけどね。『藪の中』は未読ですが、矛盾する3人の証言が描かれ、まさに「真実は藪の中」という話らしい。映画では事件の真相という4つ目のエピソードが付け足されてるわけですが、僕はどっちかっていうと原作の描き方のほうが好き。映画で印象的だったのはむしろ美術造形や映像撮影。モノクロと相まって鮮烈な印象でした。
『新・平家物語』……溝口健二監督、市川雷蔵主演という豪華版ながら、印象はいまいちでした。一般的にも溝口監督作としてはどちらかというと失敗作と評価されてたんじゃないかなあ。雷蔵の代表作とも言われてないし。
『もののけ姫』……主人公は少年のほうなのにあまり活躍せず、ヒロインのほうが目立っちゃうという宮崎アニメおなじみの展開。もののけたちの存在とかファンタジー世界観とか『ナウシカ』に似た作品です。なので僕はこの作品もちょい苦手。作品としてはよくできてると思うんですけどね。よくよく考えたら僕は美少女剣士ものは決して嫌いではない、むしろ好きなはずなのに、宮崎アニメだと受け付けないところがあるのは、多分ヒロインの造形が僕の趣味に合わないんでしょう。そういうのと関係ない『トトロ』とかは普通に楽しめるんですけど。
『影武者』……面白い映画だとは思いますが、仲代達矢はやっぱりちょっとミスキャスト。信玄役はいいんですが、影武者役がね〜。インテリっぽい仲代さんにはああいう無教養なお調子者は似合わない。勝新がわがままさえ言わなければ……(笑)。あと、最後の長篠の戦いで、風・火・山が騎馬軍団で林だけ歩兵部隊とか(林だけ下っ端部隊かよ。徒歩で他の騎馬3軍団についてくの大変だな〜とか思っちゃう)、勝頼が1部隊ずつ投入して4部隊全滅させちゃうとか(2番目の林がやられたあたりでダメだと気付くだろ、普通)、史実と比べてどうこう以前に感覚的に変に感じちゃいます。
『七人の侍』……確かニュープリント版とかいうやつが上映された時に映画館で観ました。面白かったです。『ベン・ハー』なんかといっしょで中盤に休憩が入りますが、映画館で観てるとその文字の出るタイミングや音楽が、今の人の感覚ではなんだかギャグみたいで笑っちゃうんですよね。僕だけでなく皆笑っちゃってました。
#1339
徹夜城(支配人) 2012/09/15 19:23
御年98歳の監督作品
今ごろ、という気もしますが、新藤兼人監督の遺作「一枚のハガキ」を鑑賞しました。自分の住んでる市の市民会館で上映会がありまして。ずいぶん客が入ってましたが、観客の平均年齢は65歳以上だろうなぁ、と予測(汗)。僕より若いのは数人しか見かけませんでした。
それにしても98歳でこの映画を撮ったとはなぁ…かの黒澤明だって晩年の2、3作はきついものがありましたが(部分的にすごくいいけど)、100寸前という年までこのクオリティを維持できたというのはやはり凄いことだなぁと。
そのうち個別に感想ページを作ると思いますが、大竹しのぶは改めて凄い女優さんだなぁ、と。他の豊川悦司、柄本明、六平直政、いずれも新藤監督の晩年作品の常連でありました。あと意外に笑い要素が多く、観客がずいぶん素直にウケてましたね。深刻な素材の割にサラリとうまくまとめたって印象です。
#1338
徹夜城(支配人) 2012/09/11 23:49
最近劇場に行ってないなぁ。
気がつくといつ以来いってないのか。「テルマエ・ロマエ」あたりが最後かな。そろそろ暇も取れてくるんでいけるとは思いますが、「踊る大捜査線」あたりになりそうな。
>バラージさん
いやぁ、いつも怒涛の書き込み、楽しく拝見しております。細かくレスしたいけどこっちも長文傾向が強いので控えめに…(^^;)
「戦うパンチョ・ビリャ」といえば、リメイク企画が最近報じられてました。もっともそれから一年ぐらいたったような気がしますけど…この手の話は現れては消えやすい。ハリウッドにある「中南米革命野郎映画」の系譜はまだ健在か、と思わされたのですけどね。「チェ」がいまんとこその系譜の最後になってます。
「革命児サパタ」もまさにその系譜なのですが、スタインベックが脚本書いてたり、企画自体は左系ではあるんですよね。赤狩りはその直後ぐらいだったでしょうか。この映画については僕は藤子不二雄Aさんの「まんが道」で紹介されてて知ったんですよ。思えば結構このマンガで初めて存在を知った映画って多いです。
映画ではなく書籍ですが、いま図書館から借りて読んでる佐野真一「怪優伝」がめっぽう面白い。三國連太郎へのロングインタビューを元に編集した本でして、三國さん自薦の10本を一緒に鑑賞しながらインタビューしたという貴重なもの。とにかく撮影裏話がやたら豊富でして、この人が「生ける映画史」になってしまっていることがよくわかります。
「飢餓海峡」ラストシーンでホントに海に飛び込めと命令した内田吐夢。「利休」で何百万もする茶器を本当に割ろうとしてそれを止められたら怒って帰っちゃった山崎努。島田正吾と辰巳柳太郎に気を使いまくっていた緒形拳。現場で悪趣味なまでにしつこかった今村昇平。その他、この業界の奇人変人たち(笑)の裏話満載。
そしてなんつってもそれを語っている三國さん自身がその手の伝説豊富の人なんですよねぇ。
#1337
バラージ 2012/09/10 21:42
小休止
映画『天地明察』がまもなく公開されますね。天文という珍しいテーマの歴史映画なので楽しみです。まあ、どっちかっていうと同日公開される『鍵泥棒のメソッド』のほうが、より楽しみだったりするんですが(笑)。
歴史映画というより時代劇映画ですが、『るろうに剣心』も公開中。原作マンガは読んでないし、あんまり興味なかったんですが、映画館で予告を観たらちょっと面白そうでした。
あと、これも多分歴史映画ではないと思いますが、『一九〇五』という、黒澤清監督、トニー・レオン、松田翔太、前田敦子出演の日中合作映画の製作が発表されました。黒澤監督の映画は観たことないんですが、これも楽しみだったりします。
歴史映画感想はちょっと一休みして、欧米史映画のご紹介。
・イギリス・アイルランド史
『炎のランナー』『英国王のスピーチ』……既述。
『バック・ビート』……ビートルズ初期メンバーのスチュアート・サトクリフを描いた伝記映画。面白かった。歴史映画とは言いにくいかもしれないけど、個人的趣味で紹介しちゃいます。
・ドイツ・オーストリア史
『独裁者』『ジュリア』……既述。
『敬愛なるベートーヴェン』……未見。以前紹介した『不滅の恋 ベートーベン』はレンタル店にないようなのでこちらをご紹介。
『シンドラーのリスト』……ホロコーストから多くのユダヤ人を救ったオスカー・シンドラーを描いた映画。『ショアー』のクロード・ランズマンが「ホロコーストを神話化するもの」と批判してますが、それも一理はあるものの、9時間半もある『ショアー』を観ることを大多数の一般大衆に強いるのは無理があるし、多くの人にホロコーストの記憶を喚起したのは意味があったと思います。
・イタリア史
『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』……未見。ムッソリーニの最初の妻でその子供を産みながら、後にその存在を抹殺されたイーダ・ダルセルを描いた映画。映画館では見逃したし、録画はしたけどまだ観てなーい!
・北米史
『クルーシブル』……既述。
『ポカホンタス』……未見。ポカホンタスの伝説をそのままに描いちゃったディズニーのアニメ映画。ネイティブ・アメリカン(インディアン)側からは散々批判されてるらしい。テレンス・マリックも『ニュー・ワールド』という同テーマの実写映画を撮ってるみたい。
・アメリカ合衆国史
『ジェロニモ』『ミシシッピー・バーニング』『7月4日に生まれて』『ドアーズ』『キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!』『シルクウッド』……既述。
『バグジー』……栄燿映画徒然草にある映画ですが、歴史映像名画座にはなかったので……。『ゴッドファーザー』が入ってるくらいですし、実在の人物が主人公だし、入れてもいいのでは? もっともそうなると『アンタッチャブル』とかも入れなきゃならなくなっちゃうかもしれないけど。
『グッドナイト&グッドラック』……マッカーシズムと対決したニュースキャスターのエド・マローとCBSのスタッフを描いた映画。『真実の瞬間』と違って実在の人物の歴史映画なんですが、面白さのほうは今一つでした。
・中南米史
『エビータ』『ミッシング』『愛の奴隷』『サルバドル 遥かなる日々』……既述。
・タイムスリップ
『THE MYTH 神話』『ミッドナイト・イン・パリ』……既述。『ミッドナイト・イン・パリ』はまだDVDになってません。
#1336
バラージ 2012/09/08 15:00
中南米編
『革命児サパタ』……面白かったです。多彩な人物が登場する複雑なメキシコ革命をわかりやすく描きつつ、重要なメッセージ性もきちんと含みつつ、それでいて娯楽性も失わずに作られているのがすごいですね。とても転向した人が作った映画とは思えんな。もしくはそういう人が作ったからこそ、単純な革命礼賛映画にはならず、その複雑な陰影が心に残るのかも。
『戦うパンチョ・ビラ』……普通のアクション映画としてまあまあ楽しめました。ただ、この映画だけ観てても、歴史的背景とかほとんどわかんないけど(笑)。
『チェ』2部作……スペクタクル映画かと思いきや、淡々としたドキュメンタリー・タッチの映画で、ちょっと肩透かしを食らわされました。知人の知人が、観たらつまらなかったと言ってたらしいんですが、確かに観る前に期待させられたものとは違う内容なので、そういう人も多かったんではないかと思う。ただ、そういう売り方をしないと客が入んないだろうしなあ。個人的にはそれなりに楽しめました。
#1335
バラージ 2012/09/08 14:06
北米史編 その2
『ダラスの熱い日』……当時としては告発性が高いとは思いますが、ドキュメント・タッチというかあまりにも淡々とし過ぎて娯楽性が低いので、今の視点では、この問題に興味がある人にしかおすすめできないと思います。純粋に映画としては、個人的にもまあまあの作品。
『JFK』……非常に面白かったです。ケネディ大統領暗殺の真犯人がこの映画の推理通りかは別としても、かねてより疑問視されていたオズワルド単独犯行説に対する疑惑を、この映画がより深めたのは間違いのない事実。ケネディを理想化してる部分は疑問だし、話が入りきらないのかジャック・ルビーの死の部分がわかりにくいという欠点もありますが、サスペンス映画としても一級品でした。ディレクターズ・カットのほうがおすすめですね。
『マルコムX』……これも非常に面白かった。デンゼル・ワシントンも大熱演でした。ただ、一ヶ所だけ気になったのが、「あなた方のために私にできることは何かないでしょうか?」と聞いた白人の若い女の子に、マルコムが「何もない」と言い放つシーン。確か自伝では過去の過ちとして語られるエピソードだったはずなので、後の場面でマルコムの後悔が描かれるんだろうと思ったのですが、そういうシーンはありませんでした。我々日本人も含めて非黒人はあの白人少女に感情移入するので、それを拒絶したままで終わるというのは大きなマイナス。村上春樹がこの点を取り上げて、「この映画は黒人以外との融和を拒絶している。少なくともこの映画を観た若い黒人はそう受け取って、それを支持している。そういう映画は僕は好きではない」という趣旨の文章を書いてました。僕はそこまで厳しい見方はしていませんが、この映画の大きな失点なのは確かだと思います。終盤には白人との融和も描かれることは描かれてましたが、非常に印象は薄かったです。
『ニクソン』……『JFK』と比べるとかなり退屈な映画。内容的にもやや問題があると思う。ウォーターゲート事件については『静かなるクーデター』という本で新説が提起されてましたね(読んでないけど)。そういえばディープスロートの正体も明らかになっちゃったな。
#1334
バラージ 2012/09/08 11:06
北米史編 その1
『アラモ』……はるか昔に民放テレビの吹替で観た記憶が。といっても途中からで、ほとんど最後の戦闘シーンしか観てなかったような。
『グローリー』……まあまあでした。南北戦争の北軍黒人部隊という題材は面白いんだけど、主人公が白人隊長なのが中途半端。このころはまだこれが限界でしたかね。
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』……なかなか面白かった。ネイティブ・アメリカン(インディアン)の描き方がこのあたりから変わり始めたのかな(これのちょっと後が『ジェロニモ』)。確か4時間のロング・バージョンもビデオで出てましたが、そちらは未見。
『レッズ』……これもなかなか面白かった。ロシア革命のルポ『世界をゆるがした十日間』を著したジャーナリストの生涯を描いた力作ですね。ジョン・リードを知る人々の証言がドキュメント的に挟まれるのが印象的。恋人役のダイアン・キートンと、ユージン・オニール役のジャック・ニコルソンも好演でした。
#1333
バラージ 2012/09/02 09:15
訂正
ペ・ドゥナ出演映画の正確な邦題は『ほえる犬は噛まない』でした。すいません。ペ・ドゥナ出演映画は他に『プライベート・レッスン 青い体験』も観てました。これも面白かった。
#1332
バラージ 2012/09/01 14:41
ヨーロッパ史編 その2
僕は映画を俳優で追っかける場合、男優よりも女優で追っかけることのほうが圧倒的に多いんですよね(男優ではジャッキー・チェンくらいかなあ)。なので「そっち系の映画」も結構観てまして(笑)。そもそもそっち系の映画も嫌いじゃないんですよ。1番好きな韓国映画が、そっち系の『八月のクリスマス』だし。これは主演のハン・ソッキュとシム・ウナが素晴らしかった。韓国女優だと、日本映画『リンダリンダリンダ』でペ・ドゥナにハマって、『吠える犬は咬まない』『子猫をお願い』『頑張れグムスン!』『春の日のクマは好きですか?』、さらに日本映画『空気人形』と彼女の主演映画を観まくりました。この人の映画にはほぼハズレがないですね。
台湾映画は監督で選ぶことが多く(これはスター性のある台湾の俳優はほとんどが香港に進出しちゃうからというのもある)、ホウ・シャオシェンとエドワード・ヤンの映画はほとんど観てます。最近の作品では『藍色夏恋』もすごくいい青春映画でした。これまた主演のグイ・ルンメイとチェン・ボーリンがすごくよかった。
ヨーロッパ史映画感想その2。
『ニュールンベルグ裁判』……戦争裁判の難しさを描いた佳作。裁判映画には傑作が多いですが、やはり最高峰は『十二人の怒れる男』かな。
『薔薇の名前』……非常に面白いミステリー映画でした。多彩なキャラクターの登場人物たちがそれぞれ魅力的ですが、中でも若いほうの修道士の初体験の相手となっちゃう貧農の美しい女の子が印象的。そして老境にさしかかったと思われる、かつての若い修道士による最後のナレーションがとてもいい。教会の権威主義と魔女狩り描写もポイント高し。
『ブリキの太鼓』……ポーランドの自由都市ダンツィヒを舞台に、ナチス・ドイツ台頭の時代からその崩壊までを、寓話的エピソードを用いて描いた傑作。まさに「真実はおとぎ話によってのみ語られ得る」というやつですね。ただ、キワモノ趣味的描写ではないもののややグロテスクな部分があるので、万人にはおすすめしづらいかなぁ。
『灰とダイヤモンド』……あらかじめポーランド史をわかってないと、ちょっとわかりにくいところのある映画でしたね。面白いことは面白かったけど。しかし邦題はかっこいいなあ(原題の直訳かもしれんけど)。このタイトルだけで観たくなっちゃう。
『タイタニック』……製作されてると聞いたときには、なんで何度も映画化されてるタイタニック沈没を今さら?と思ったし、恋愛がメインストーリーと知ってますます「?」となったのですが、観てみたら映画としてよくできてましたね。壮大なハーレクイン・ロマンスという感じで、個人的には必ずしも好きなテイストの作品ではないんですが、それが世界中で大ヒットした理由なんだろうな。
#1331
バラージ 2012/08/26 14:43
ヨーロッパ史編 その1
『桐島、部活やめるってよ』をこの間観たんですが、これはすごい映画でした。いや、ほんとすごかったな。感想はとても一言じゃ言えません。
トニー・スコット監督は特にファンというわけではないんですが、調べてみたら結構監督作品を観てました(要するに監督目当てで観た映画ではないということですね)。結果的に遺作となった『アンストッパブル』も観ております。派手さはないが手堅い作品を作る監督という印象です。
邦題『王妃の紋章』は僕は容認派なんです。確かにマンガ『王家の紋章』のパクり題名っぽいですが、かっこいいし、まぁいいんじゃないかと。『グリーン・デスティニー』みたいな、東洋時代劇なのにカタカナ英語邦題ってのはダメなんですが。
というわけで、歴史映画感想ヨーロッパ史編その1。
『スパルタカス』……後述の『ベン・ハー』がすごく面白かったので、同じようなスペクタクル映画が観たくなってビデオで観た作品。『ベン・ハー』と比べてしまうとやや劣るものの、これもまた面白かった。「スパルタカスが名乗り出れば、他の奴隷は助ける」と言われた奴隷たちが、「俺こそがスパルタカスだ!」と叫びながら次々に立ち上がるシーンは感動ものです。
『ベン・ハー』(1959年版)……映画館でリバイバル上映の予告編を観て、面白そうだったので観に行った映画。期待にたがわぬ面白さで、こんな映画が過去にあったんだ!と気分が高揚しましたね〜。戦車競走をはじめとするスペクタクル・シーンもさることながら、主人公を中心にローマ帝国とイエス・キリストを対置した、権力と人間的尊厳というテーマも印象深いものがありました。
『ブレイブハート』……上記2作品に代表されるようなスペクタクル歴史映画は自分が生まれる前のものばかりだったので、久々に作られたスペクタクル歴史映画といった感じでした。なかなか面白かったんですが、後で史実を調べてみたら、映画は史実と違うところが結構多かったみたいですね。
『ヘンリー5世』(ケネス・ブラナー版)……まあまあでした。舞台の映画化では、映画の中で舞台的演出がされることがよくありますが、そこは個人的にはどうしてもちょっと違和感を感じてしまいます。
『マイケル・コリンズ』……これもなかなか面白かった。独立のためにはどうしても必要だった暴力を、どうやって終わらせていくかということの難しさ。自らも最後はその暴力に倒れていく悲劇。簡単には答えの出ない問題を投げ掛けている作品でした。
#1330
徹夜城(支配人) 2012/08/21 21:41
トニー・スコット監督が自殺…
とくに好きという監督でもなかったですが、職人的に手堅く映画を作り上げ、なおかつヒット率も高いという人ではありました。お兄さんのリドリー=スコットのように映画作家的な評論はあまりされない印象がありましたが…
訃報で挙げられた代表作はやっぱり「トップガン」でしたが(これの「2」作るなんて噂もあったような)、僕自身は「クリムゾン・タイド」が最高傑作ではなかったかと思ってます。
>バラージさん
そうか、チョン=ウソンはそっちの系統で出てたんですね。僕の嗜好で見てないもんですから。「グッド・バッド・ウィアード」はソン=ガンホも共演してますが、この人が出る映画も「当たり」率が高いです。
考えてみると僕も韓国の映画は素材もさることながら監督よりも俳優で追っかけてる気もします。
列挙なさっていた中では「王妃の紋章」は見ました。これも邦題がヒドイ(笑)。歴史映画に入れたもんかどうかいまだに迷ってるんですよねぇ。
「マザー・テレサ」も見たんです。これも南アジア、インドものということでチェックしたんですが、確かにインドの話なんだけど、やっぱり一カトリック修道女の伝記映画という性格が強いと思いましてねぇ。
「女ドラゴン…」は最近どっかで上映していて、そのトンデモぶりが逆に話題を呼んでおりました。興味はあったんですが、ついつい見逃しています。
ついつい見逃したといえば、子供の時に読んでいたローズマリ=サトクリフの「第九軍団のわし」が映画化され、今年春に日本でも公開していたということを7月になって知り、「しまった!」と悔しい思いをしたものです。9月にはソフト化されるようですが。
#1329
バラージ 2012/08/18 00:20
映画!
今回追加された映画で観たのは『ウォーロード』『遠い夜明け』『インビクタス』『となりのトトロ』の4作品。感想はいずれも前に書いたと思うので省略。
アショーカ王やチャンドラグプタ(世界史の授業以来でなんか懐かしい)を描いたインド映画やテレビドラマもあるんですねえ。インド映画というと歌って踊るミュージカルのヒンディー映画が主流らしいけど、そういうのとは違うのかな?
チョン・ウソンは『MUSA』と『グッド・バッド・ウィアード』の間にも、『私の頭の中の消しゴム』『サッド・ムービー』『デイジー』などの話題作に出てまして、一般的にはそっちのほうが有名なんではないかと。僕は『グッド〜』も含めて、まだどれも観てませんが……。韓国映画は香港・中国・台湾の中華圏映画ほどは見てないんです。
映画感想はちょっと小休止して、アジア・アフリカ史の映画を、過去に紹介したものも含め整理して紹介し直し。DVDになっててレンタルできそうなものという基準で選びました。
・中国前近代史
『運命の子』『孔子の教え』『三国志英傑伝 関羽(DVD題:KAN-WOO/関羽 三国志英傑伝)』……既述。
『ムーラン』……未見。ディズニーのアニメ映画と同じネタの中国実写映画。主演はヴィッキー・チャオ。
『王妃の紋章』……出てくる皇帝一族とかは架空の人物で、歴史映画ではないんですが、五代十国の後唐が舞台というのが珍しい。前半の宮廷密室劇は初期のチャン・イーモウ作品を思わせて面白いんですが、後半は人海戦術戦争映画になってしまい役者がどこにいるのかわからない(笑)。前半のノリで後半もやってほしかった。
『女ドラゴンと怒りの未亡人軍団』……未見。ツッコミどころ満載のバカ映画としてちょっと話題になった作品。北宋初期を舞台とした古典文学『楊家将演義』の終盤部分、いわゆる『楊門女将』の映画化で、『14アマゾネス 王女の剣』という映画のリメイクらしい。楊家将演義よく知らんのだけど。まだDVDになってません。
『水滸伝(DVD題:水滸伝 男たちの挽歌)』……未見。レオン・カーフェイとジョイ・ウォンが主演のコメディタッチの香港映画。すいません、水滸伝もくわしくないです。
・中国近代史
『西太后』『チルドレン・オブ・ホァンシー 遥かなる希望の道』『鬼が来た!』『セブンイヤーズ・イン・チベット』『戦場のレクイエム』『活きる』……既述。
『ラスト、コーション』……未見。太平洋戦争中の香港特務機関に勤める漢奸と、彼を暗殺の標的とする女スパイの危険な愛を描くサスペンス映画。女スパイと漢奸は実在の人物がモデル。
・朝鮮・韓国史
『道 白磁の人』『ユゴ 大統領有故』……既述。『道 白磁の人』はまだDVDになってません。
『ファン・ジニ』……未見。李氏朝鮮時代の妓生・黄真伊(ファン・ジニ)の生涯の映画化。
『炎のように蝶のように』……未見。李氏朝鮮末期、明成皇后(閔妃)に思いを寄せる護衛兵が主人公の時代劇。
・その他の東アジア史
『マイ・ウェイ 12000キロの真実』……既述。
・東南アジア史
『コウノトリの歌』『地雷を踏んだらサヨウナラ』……既述。
『天と地』……ベトナム戦争を経験した実在のベトナム人女性レ・リー・ヘイスリップの自伝的小説をオリバー・ストーンが映画化。舞台は前半がベトナム、後半が米国。映画としてもいまいち面白くないんですが、原作にもちょっと問題があるように感じます。
・南アジア史
『マザー・テレサ』……既述。
観てないのが多い(笑)。僕は歴史好きではありますが、それ以上に映画好き。映画を観るときは歴史映画を優先的に観るわけじゃないんです。
#1328
徹夜城(支配人) 2012/08/16 21:26
いろいろ追加しました。
ようやく時間がちょっととれたので、この二日で一気呵成に作業しました。
「歴史映像名画座」と「栄耀映画徒然草」いずれもちょこちょこと追加してます。かぶってるのもありますが。
かぶっている中でも「南ア三部作」と勝手に命名した「遠い夜明け」「マンデラの名もなき看守」「インビクタス」が入ったことでアフリカ史部分にいくらか本数が増やせました。
>パパゲーノ川崎さん
これはどうも。台湾のテレビドラマはまったくおさえてなくって…映画も「悲情城市」ぐらいしか見てないんです。探せばいろいろ面白そうなのはあるようですね。
どうしても歴史物を中心に探してしまうので、なおさら台湾のに目がいかなくなっちゃう、ということもありますねぇ。
著作権的には問題があるんですが、youtubeなどネット上の動画サイトで探し回ると結構な数の歴史物テレビドラマや映画がひっかかるんですよね。それも日本ではまずリリースされないであろう国々のが。こういうの見てるとくやしくって。言葉はわかんないけどなんとか推測はできるし歴史物ならだいたい筋がわかりますからね。
最近ではインドのマウリヤ朝建国者「チャンドラグプタ」のドラマが全編あるのを見つけてしまい、「誰か輸入しろ!」と(笑)。やっぱりインドも作ってるじゃないか。「歴史映像名画座」で南アジア部分が非常に手薄で悔しい思いをしているもんですから、なおさら。「アショーカ王」の映画もあるんだよなー。
>バラージさん
三国志ものは中国でも曹操・関羽など銘々伝形式でいろいろ作られててとても追いかけきれないです(汗)。それにしても「Kan-Woo」には僕も笑いました。何語だよ、それ。「Dengeki」なんてのもあったなぁ…もっともフランスでも日本の「宇宙からのメッセージ銀河大戦」が「サン・ク・カイ」という謎の「日本語?」タイトルになってたそうですからね。
「MUSA」は僕もお気に入りです。チョン=ウソンはあれで一発で覚えて、その後見ないなぁ?と思っていたら、満州西部劇「グッド・バッド・ウィアード」で主演してシビれるようなカッコよさで大感激でした。あれで大けがしたらしいですけど、無理もない。
#1327
バラージ 2012/08/15 21:01
朝鮮・韓国史〜アフリカ史編
『MUSA 武士』……チャン・ツーイー目当てで観た1本。高麗・明・モンゴル(北元?)と、様々な勢力の様々な人々が個性的に描かれたアクション群像劇で、面白かったですね。欠点は時々チョン・ウソンとチュ・ジンモの見分けがつかなくなること(笑)。しかし2人とも男前よのぉ。
『大統領の理髪師』……これも面白かった。韓国現代史を軽妙かつわかりやすく、そして面白く見せてくれる映画でした。ソン・ガンホはさすがの達者な演技。
『ガンジー』……これまた面白かった。ガンジーの生涯を描いた重厚な作品でしたね。ベン・キングスレーがもうほとんどガンジーそのものでした。イギリスの植民地支配を呵責なく描いたため、アッテンボロー監督は母国イギリスで社交クラブから除名されてしまったとか。
『アラビアのロレンス』……かなり昔にテレビで観ました。民放の日本語吹き替えのやつ。面白かった。やはりあの有名な音楽と美しい砂漠の映像ですよね。『アラブが見たアラビアのロレンス』は分厚いので読んでませんが、訳者が書いた『100問100答 世界の歴史』の一節と新書の『アラビアのロレンスを求めて』は読みました。
『砂漠のライオン』……これも民放テレビの日本語吹き替えでかなり昔に観たやつ。マイナーな人物なんで(リビアじゃ有名なのかもしれんけど)、何も知識がないまま観ましたが、面白かったです。ナチス・ドイツが悪者の映画はよくありますが、ファシスト・イタリアが悪者の映画はちょっと珍しいですね。
#1326
バラージ 2012/08/10 22:37
中国近代史編
『始皇帝暗殺』は面白いことは面白かったんです。ただ僕はそれ以上の最上級の面白さを期待してしまったんで、なんだか物足りないと感じてしまったんですね。邦題に関しては僕はベストだと思います。インパクトがあるし、何よりわかりやすいですから。
『大いなる飛翔』に続編があるのは知ってました。確か劇場公開時の邦題は正確には『三国志 第一部 大いなる飛翔』だったはず。なのでその時点で続編があるという情報はあったんですが、実際に作られたんですかね? ちなみにビデオになったらタイトルはただの『三国志』になってました(笑)。タイトルといえば、日本テレビ版のアニメ『三国志』は、ただの『三国志』というタイトルで、『天翔ける英雄たち』は続編(パート2)のサブタイトルのようですよ。
それから、『三国志英傑伝 関羽』という最近のドニー・イェン主演映画がDVD化されたのですが、DVDのタイトルが『KAN-WOO/関羽 三国志英傑伝』というもの。「KAN-WOO」って何だよ、「KAN-WOO」って。中国語の綴りとも違うし……。未見ですが、関羽の五関突破を映画化したものらしく、ドニー・イェン主演だし、なんだか『死亡遊戯』みたいな映画を想像してしまいます。
というわけで、中国近代史編(過去に触れた『孫文の義士団』『1911』は除く)。
『孫文』……あまり覚えていませんが、典型的な伝記映画というか偉人伝の感じに近い映画だったような。面白くもつまらなくもない、まあ普通、といった感じだったと記憶しています。
『ラスト・エンペラー』……アカデミー賞9部門受賞作ですが、お話は意外と薄味。全編英語なのも、個人的には違和感が強くてマイナスでした。美術とジョン・ローンは素晴らしかったけど。甘粕と川島芳子(劇中では一貫して「イースタン・ジュエル」と呼ばれる)が密通してるかのようなフィクション描写は何だったんだろ?
『宋家の三姉妹』……これも若干薄味だったかなあ。メイベル・チャン監督は時々ちょっと感傷に流れることがあって、それが悪いほうに出ちゃったかも。主演のマギー・チャンはさすがでしたけど。蒋介石がそれほど否定的に描かれてはいませんが、当時の中国映画(香港との合作)としてはかなり大胆な描写だったらしい。
『さらば、わが愛 覇王別姫』……中国・香港・台湾など当時の中華圏映画界の才能が結集して作られた歴史的傑作。役者・スタッフ・ストーリー・セット(美術)などすべてがとにかく素晴らしい。チャン・イーモウの『紅いコーリャン』を観たときに匹敵する衝撃でした。ただイーモウとは違って、チェン・カイコーはその後この作品に迫るくらいの映画は作れていないように思います。こんな言い方をするのもあれなんですが、この映画は作られるべき時に作られた、何か運命的なタイミングがあったように感じます。「時」というか「流れ」というか、人の力を超えた何かがあったような、そんな気がしますね。
#1325
パパゲーノ川崎 2012/08/08 20:06
台湾テレビドラマ 国民英雄 X
リターン押すと書き込まれてしまうのですね。。;;
先日、台湾のTVドラマの国民英雄Xというのを観終わりました。
日本でレンタルで観られる近年の台湾のTVドラマというと、そのほとんどがラブコメ
のようで観る気がしませんでした。しかしこれはしくサスペンスものでした。
環境問題(というより公害問題だが)を追求していたテレビキャスターが妻殺しの容疑を掛けられてしまい。。。というものです。
往年のアメリカのTVドラマ”逃亡者”のリメイクなのか?
と思いきやまったくそうではなく、オリジナリティー溢れる作品でした。
前半と後半の緊迫した展開と演技・演出が素晴らしかったです。
ただし、中盤はツンデレラブコメ路線が顔を出してしまい、
もったいないと思いましたが、従来からの台湾テイスト(?)は欠かせないので
しょうか。
まあ、それを差し引いても良いものを観せてもらったです。
韓国ドラマと充分肩を並べられる水準だと思います。
少し前に”パンダマン”という台湾の作品を観ていたのですが、
途中まで観ていたところでレンタルの棚から姿を消してしまいました。
これと似た雰囲気があるのですが、国民英雄。。。のほうが
数段上の上質な作品だと思いました。
それにしても、企業の公害問題を告発する、というような内容のドラマは
まず大陸では作れないと思いますが、そのへんのアピールもあるのかも?
#1324
パパゲーノ川崎 2012/08/08 19:49
台湾TVドラマ”国民英雄
#1323
徹夜城(支配人) 2012/08/05 22:48
中国史もののあれやこれや
>バラージさん
こちらがお留守の間にも怒涛の書き込み、恐れ入ります。ためこんだレスをなるべくコンパクトに。
ショーン=コネリーの引退宣言は、「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」の製作前にあったんですよ。当初これに彼が出演予定でしたが、脚本が遅れているうちに当の本人が年のこともあって降りちゃった、ということみたい。出来上がった映画でもあの老教授は本来コネリーが演じたのだろうなぁとわかりますし、実際に演じたら結構面白くなったのでは(三代の物語!)ともおもいます。
「レッドクリフ」ではジョン=ウーお約束の鳩が飛び、クライマックスでは矢や剣を向け合って四すくみ状態になるのもまた毎度おなじみの演出で、なんか監督本人もツッコんでもらいたくてしょうがないんじゃなかろうか、という感想を持ちました(笑)。「レッドクリフ」そのものは三国志ファンの間ではかなり議論になるようですが、一本の映画としてまとめるとこれで正解では、とは思います。
この映画の企画・脚本をハリウッドの関係者に見せたら「この劉備・関羽・張飛っていうの、一人のキャラにまとまらない?」と言われガックリきた、という逸話には文化ギャップの大きさを思い知らされた気がします。
チェン=カイコーの「始皇帝暗殺」、僕は結構好きなんですよ。まぁ中途半端に娯楽映画しちゃってるのが鼻につかんではないですけど。公開当時「後の始皇帝暗殺未遂事件」と題するのが正しい、とのツッコミがネット上であったんですが、原題は「荊軻刺秦王」でちゃんと史実どおりなんですよね。あれは勝手な邦題というやつで。
クライマックスが拍子抜け、という評もちらほら見ましたが、「史記」の通りにおなじみの場面を再現してるだけなんで…この場面も何度となく映像化されてますしね(日本でも市川雷蔵と勝新太郎で)。あの映画で使われた大宮殿セットはその後も中国史ものでやたらと目にします。
「三国志大いなる飛翔」、確か続編も作ってるらしいんですよ。そっちがソフト化されてないか気になるところで(笑)。華雄の首を飛ばす場面で、俳優を首まで埋めて撮ってるのが微笑ましかったなぁ(笑)。
三国志関係では、現在日本でも「三国志」のタイトルでリリースしてるTVドラマ「三国」が最新バージョンですね。これ、基本的に「演義」にのっとりつつ今風な新解釈が多いので好き嫌いがかなり分かれそう。BSフジで放送してるのを録画してチビチビ見てるのですが、司馬懿が死んだところで終わるようです。
三国志のアニメでは、最近日本が出資、中国で作ったのもありましたね。
そういや先日、youtubeで「秦漢英傑」というタイトルの中国子供向け人形劇がアップされてるのを見たんですが、ノリが日本の「人形劇三国志」にソックリでビックリ(笑)。人形のデザインこそ向こうっぽいけど、演出なんか見てると参考にしてるとしか思えない。川本喜八郎さんも項羽と劉邦をやりたいって言ってたはずで、その遺志が形を変えて実現してるようにも見えました。
#1322
バラージ 2012/08/04 21:55
中国前近代史編その2
「三国演義」……諸葛亮死後の回だけ観ました。映像化してる作品はこれくらいだと思うんで。
『三国志(日本テレビ版)』……横山光輝原作ってあるけど、絵もストーリーも全然違うじゃん!とツッコミつつも、三国志ということを抜きにすると結構楽しめちゃったアニメ。なんだかんだで続編も観てしまった。ちなみに横山三国志は連続アニメ化もされててビデオにもなってますが、そちらはわりと原作に忠実な絵とストーリーみたいです。
『三国志(東映動画版)』……こちらは絵が好みじゃなくて今一つ。続編も観ませんでした。なぜか陳宮と呂布がやたらとフィーチャーされてる一方で、官渡の戦いがばっさりカットされてます。
『ヘブン・アンド・アース』……ワイルドな作風の時代劇でなかなか面白かったんですが、最後になぜか唐突にファンタジーになっちゃって唖然。中井貴一の遣唐使がこの時代にはないはずの日本刀を使ってますね。ヴィッキー・チャオの地声はこの映画で初めて聞いたけど(広東語吹替の香港映画しか観たことがなかった)、年齢に比してずいぶん可愛らしい声。地元中国では男に人気がある一方で、女性からは「ぶりっこ」と理不尽に嫌われてた理由がなんとなくわかった(笑)。
『女帝 エンペラー』……好きな女優のチャン・ツィイーとジョウ・シュンが初共演すると聞いて楽しみにしてた作品。しかし前半はお話もいまいちだし、ワイヤーアクションもスローモーで迫力がなくちょっと退屈。後半やや持ち直すものの、女帝ツィイーはともかくとして、ジョウ・シュンの魅力は全然引き出せておらず、そういう意味では残念な作品でした。
#1321
バラージ 2012/07/29 19:57
歴史映画の感想
ロンドンオリンピックの開会式は『007』に『炎のランナー』&Mr.ビーンなど、演出が映画監督のダニー・ボイルなんで映画ネタが多かったですね(まあ前回のチャン・イーモウも映画監督ですが。そういやケネス・ブラナーも出てたな)。でも、それにしたって映像多すぎだろ。半分くらいが映像だったような気が……。あと毎回思うけど、開会式長すぎ。
栄耀映画徒然草の映画の感想は観たのをすべて書いてしまったので、今度は歴史映像名画座にある映画の感想を書かせていただこうかなと思います。気分的に世界史から先に。まずは中国前近代史その1(すでに書いた『レッドクリフ』は割愛)。
『ラスト・ソルジャー』……近年のジャッキー映画の中の良作の1本。ジャッキーはこの作品の前後に、ジェット・リーとの初共演を果たしつつ2人で主人公を支える脇に回った『ドラゴン・キングダム』、ジャッキー・アクション一切なしで挑んだ衝撃のバイオレンス映画『新宿インシデント』、主人公を鍛える師匠役を演じて世界的に大ヒットした『ベストキッド』と、あの年齢になってなお新たな挑戦をし続けているのですが(どれも面白かった)、それらの作品に比べるとこの作品は旧来のジャッキー映画にやや近いテイスト。ただやはりかつてのような命懸けアクションはさすがになくなり、メッセージ性がやや強くなってますね。面白かったです。
『始皇帝暗殺』……普通のテンションで観てれば普通に面白い映画だったと思うのですが、事前の期待値が高過ぎたため、いまいち感が残ってしまった作品。チェン・カイコーは前々作『さらば、わが愛 覇王別姫』が傑作だっただけに『ベン・ハー』『スパルタカス』クラスの作品を期待してしまいました。前作『花の影』は失敗作だったんだよな、よくよく考えると。
『HERO』……傑作『グリーン・デスティニー』をDVDで観て、映画館で観なかったことを激しく後悔していたところ、チャン・イーモウが武侠映画を撮ったと聞き、かなり楽しみにしていた作品。ところが『グリーン〜』と違ってワイヤーアクションが美しさ優先であまり迫力が感じられず、お話にも無理があって、ちょっと期待はずれでした。イーモウの武侠映画なら次の『LOVERS』のほうが面白かったです。
『項羽と劉邦 その愛と興亡』……コン・リー目当てで観た1本。日本版は本国のものを再編集した短縮版とのことですが、ストーリーが平板で非常に退屈でした。項羽の戦闘シーンがなぜかカンフー映画調なのも苦笑もの。
『三国志 大いなる飛翔』……映画館で観た映画の中で5本の指に入る駄作。カット(というかコンテというか)もひどいし、役者の演技も京劇調でオーバーアクション。赤壁の戦いのシーンもお金をかけてる割りにはまったく迫力がない。とにかくひどかった。ちなみにちょっと前に『三国志武将列伝』というDVDが出てたんですが、この映画のDVDのようです。
#1320
バラージ 2012/07/22 15:34
南甘いブーム
と読んでしまいました。
ジョン・ウーの映画は面白いことは面白いんですが、ウー自身も認めるように女性描写が上手くないんですよね。彼の映画では女優が全然輝かない。そこが個人的にはちょっとなあと。『レッドクリフ』でも小橋役のリン・チーリンは今一つでしたが、孫尚香役のヴィッキー・チャオに十八番のお転婆姫様を演じさせ、男装させてジョン・ウーお得意の男の友情物に持ち込むという裏技(?)で女優を輝かせてました。普通はそこから正体がばれて(もしくは男が薄々勘づいて)恋愛モードになるんですが、全然そうならないのがジョン・ウー。ヴィッキーが女なのバレバレなのに(笑)。ウーは、トニー・レオンとリン・チーリンのラブシーンでも、どう演出すればいいのかわからないと正直に告白して2人を驚かせたとか(結局2人が自由に演じたらしい)。
それはそれとして『レッドクリフ』自体は面白かったです。演義系とは違って周瑜がかっこよくなってるのがよかったですね。張飛が書道が上手かったりするなど、ベタな人物設定を避けているのもマニア心をくすぐります。しかしこの邦題、「レッドクリフ」っていう英語題をそのまま邦題にしちゃったら、かえって意味がわからないと思うんですが……。
ピーター・オトゥールのニュースは見ましたが(ジーン・ハックマンのニュースも見た気がします)、ショーン・コネリーも引退表明してましたっけ? 欧米人は一般の人でもリタイアして悠々自適とかありますし、文化的なものなのかもしれませんね。
#1319
徹夜城(支配人) 2012/07/22 00:24
ジョン・ウーもいいっすねぇ。
>太閤記男子さん
書き込み&リクエストどうもです。ジョン=ウーは好みの監督ですが、「ブロークンアロー」は未見でして。
ジョン・ウーがハリウッドで撮ったアクションでは「フェイス/オフ」は結構好きです。無茶な設定ですけど、そのおかげで単純な善悪アクションにとどまらない深みが出ましたし、ニコラス=ケイジとジョン=トラボルタが前代未聞の「二人二役」をやってしまったためにその演技自体が楽しめる映画になりました。
当サイトの「アクション活劇」部門、チビチビ増やしてるんですが、気が付いたら深作欣二監督作品ばっかりになってて(笑)。その深作テイストがかなり感じられる「男たちの挽歌」でも次は入れようかな〜とは思っていたところでした。
その一方で最近の僕はなぜか「南アマイブーム」でして(笑)。「マンデラの名もなき看守」を見たんで、そのつながりでツタヤから「遠い夜明け」と「インビクタス」を借りてきました。「遠い夜明け」は事前の予想よりもサスペンス映画みたいだったなぁ…デンゼル=ワシントンの出世作でもあったんですね。
#1318
太閤記男子 2012/07/21 14:27
ブロークンアロー
いろいろと面白いドンパチアクション映画です。ぜひとも取り上げてください。監督はジョン、ウーです。
#1317
徹夜城(支配人) 2012/07/16 13:14
引退表明する人も
>バラージさん
「ネットワーク」、面白くもあるけど個人的に波長が合わなかった、ということなんですね。まぁ映画は個人の趣味傾向もありますし、その日の体調まで感想に影響したりしますし(笑)。僕はどちらかというとマイナータイトルに面白いのを見つけてのめりこみ、人に薦めてはあまり同意してもらえない、というパターンが多かった気がします(笑)。
先日訃報が相次ぐ中で(ここでは書きませんでしたが、地井武男さんの訃報も「戦争と人間」などいろいろ思い出しました)、どっかの新聞サイトのトップにピーター=オトゥールの顔写真が出てて「死んだか?」と驚いて記事を見たら引退表明だった、というオチがありました(汗)。
わざわざ引退表明せんでも、とも思うのですが(日本の俳優はあまりしないですね)、先ごろにはショーン=コネリーも引退表明をしてました。表明したかどうかは確認してませんが、ジーン=ハックマンも引退ということになってるそうで。
#1316
バラージ 2012/07/15 12:03
映画
今回追加された映画の中で観たことがあるのは、『ネットワーク』『人情紙風船』『仁義なき戦い 完結編』の3作品。
『ネットワーク』は以前ここでおすすめした映画ですが、お気に召しませんでしたか。僕は昔ビデオで観たのですが、『十二人の怒れる男』と並ぶルメット監督の傑作だと思うし、今でも全然古くなってない、極めて示唆に富んだ作品だと思います。
『人情紙風船』は昔NHKBSで放送していたのを希少価値から観た作品ですが、まあまあ面白かったです。山中監督作では、仙台に住んでいた大学時代に、仙台の放送局が深夜に放送してた『河内山宗俊』も観ました。『エノケン・笠置のお染久松』とか、伊丹万作監督の『赤西蠣太』とかも放送してて、シブイの放送してるなあと思いながら観てましたね。
『仁義なき戦い 完結編』は確か昔に深夜テレビでやってたのをたまたま観ました。これはまあ普通。ヤクザ映画はあまり観ません。
アーネスト・ボーグナインというと名前は聞いたことはあるんですが、出演作はほとんど見てないな〜と思ったら、あったあった、アカデミー最優秀主演男優賞を受賞した『マーティ』を唯一観ておりました。最優秀作品賞と、カンヌ映画祭パルムドールも受賞した作品ですが、そのわりにはあまり有名ではなく、ほとんど聞いたこともない作品だなーと思って、昔ビデオを借りて観たんですよね。容貌の冴えない男女が惹かれ合う、大人の淡い恋愛映画なんですが、心がほんのり暖かくなる、なかなかいい映画でした。こんな小品がアカデミー最優秀作品賞やカンヌパルムドールを取ったことがあるんですねえ。
山田五十鈴さんは、溝口・成瀬・小津・黒澤と巨匠の映画に出演してますが、リアルタイムで観てるのはやはりテレビドラマ『必殺仕事人』ですね。子供のころは、なぜか杉村春子さんとうまく区別がつきませんでした。
#1315
徹夜城(支配人) 2012/07/10 23:14
さらに訃報
大ベテランの山田五十鈴さんまで亡くなられてしまいました…
この人もそれこそ山のように映画やドラマに出ていて、代表作を挙げるのに苦労しますね。報道でも見出しに使うのに苦労してるみたい。比較的最近作だからなのか、「必殺シリーズ」を挙げてる新聞がありましたが、それってどうなのよ、と。
僕が見た中ではやっぱり黒澤映画、「蜘蛛巣城」のマクベス夫人の怪演と、「用心棒」の強欲なヤクザのおかみさん役ですかねぇ。
#1314
徹夜城(支配人) 2012/07/09 16:21
ある訃報
映画関係者の訃報なんて日常茶飯ですが、今度のアーネスト=ボーグナインの訃報にはいろいろと思うところが。いわゆる渋い脇役、ガンコ親父専門俳優みたいな人でしたが、その顔の濃さもあってか思い返すと次々場面がよみがえってきます。
「ワイルドバンチ」のラスト、死は確実の大銃撃戦の始まりでの高笑い、「北国の帝王」での泥臭さ(これ、「鉄道映画」の一環で見ちゃったんだよなぁ)、そしてジーン=ハックマンとやりあった「ポセイドンアドベンチャー」。
もう95歳だったんですねぇ。正直それほどのご高齢とは思ってませんでした。
ご高齢といえば、先日フランス映画「赤と黒」二部作を見まして。1954年公開という映画。当時フランス美男子代表であったジェラール=フィリップ主演作。ジェラール=フィリップはこの5年後に亡くなってしまった(このデジタルリマスター版は没後50年を期して製作されたもの)のですが、調べてみたら年上の相手役の女優さんはまだ90代でご存命と知り驚きました。
#1313
バラージ 2012/06/20 00:03
そういえば
『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』の怪獣は、最初はアンギラスとバランとバラゴンの予定だったんだけど、営業サイドがマイナーすぎるとしたためキングギドラ、モスラ、バラゴンに変更になったんだとか。怪獣マニアの金子監督らしいラインナップですが、確かにマイナーすぎる。というか3匹束になってかかってもゴジラに勝てそうにない(笑)。
『ゴジラ×メガギラス』は見てないですね。見たのは、昭和シリーズが映画館で『キングコング対ゴジラ』『怪獣大戦争』、テレビで『モスラ対ゴジラ』『怪獣総進撃』『対メカゴジラ』(以上3作は子供のころなので断片的にしか記憶がなく、最初から最後まで見たかも不明)、ビデオ・DVDで『ゴジラ』『ゴジラの逆襲』『南海の大決闘』『対ヘドラ』『対メガロ』。平成シリーズは全てビデオ・DVDで、『vsビオランテ』『vsキングギドラ』『vsモスラ』『vsメカゴジラ』『ハリウッド版』『ゴジラ・モスラ・キングギドラ』『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ』『ファイナル・ウォーズ』を見ました。
昭和『ガメラ』と最新作『小さき勇者たち』も見てないです。ついでに『大魔神』シリーズや『ガッパ』『ギララ』も見てません。
#1312
徹夜城 2012/06/18 10:27
怪獣映画談議
>バラージさん
「ガメラ」3部作は確かに見事でした。これも最初のインパクトということで、一作目が一番興奮しました。当時ちょうどゴジラシリーズを見まくっていたころで、ストーリーの面白さとミニチュア特撮の極致をいったような映像とで「怪獣映画もまだまだやれるじゃん!」と思ったものです。確かこの一作目はキネ旬ベスト10入りした最初の怪獣映画じゃなかったでしょうか。
「平成ガメラ」シリーズで名をはせた金子監督がついに本命(?)ゴジラに乗り込んできたときは期待もしたんですが、あの出来はねぇ…。どうもうまくかみ合わなかったといいますか。逆に「ガメラ」シリーズは以前のガメラシリーズとほぼ無関係といっていい新規作品だったのでいろいろうまくかみ合って成功したんだろうと思ってます。
昭和「ガメラ」は第一作しか見てないんですよねぇ…。比較的最近のゴジラ映画では「ゴジラ×メガギラス」が好みなんですが、これまた賛否両論の意見がある映画だったりします。
#1311
バラージ 2012/06/17 16:03
見た2本
活劇アクション映画とドキュメンタリー映画には、これまでに触れたもの意外に見たものがありません。『黒部の太陽』と『武士の家計簿』を見終わったので、その感想を。
『黒部の太陽』……これを見てまず思ったのは、「こんなところで働きたくねー」というもの(笑)。個人的には、あんな日の光のない、じめじめ湿っぽくて、危険もいっぱい、おぼれ死ぬかもしれないようなところはダメっすねえ。ちょっと高度経済成長万歳っぽいところが鼻についたけど、映画はなかなか面白かったです。確かに映画館で見たほうがよさそうな壮大なスペクタクルでしたね。とはいえリバイバル上映かテレビ放送しかなかった昔と違って今は映像ソフトが発達してますから、ソフト化がされないと、ただ単に見る機会のない幻の映画にしかならないような。それが伝説化を強めて、妙に評価を高めているような気もします。普通にソフト化されていれば、数ある昔の良作の1本にすぎないような。
『武士の家計簿』……う〜ん、なんというか普通の映画ですね。いや、よくできてるし面白いんですけどね。森田芳光監督らしさがないというか。良くも悪くもまっとうな映画になってしまってますね。森田監督のオリジナルではなく、頼まれ仕事だからというのもあるんでしょうけど。だから当たったとも言えるのかなあ。ひとつ前のオリジナル作品『わたし出すわ』も「お金」をテーマにした作品ですが、こちらはあまり当たらなかった。また、かつて復活作となったオリジナル作の恋愛映画『(ハル)』も高評価にも関わらず興行的には当たらなかったらしいのですが、その後の依頼作品の恋愛映画『失楽園』(未見)は大ヒットしました。個人的には『(ハル)』『わたし出すわ』は大好きなんですけどねえ。森田監督も自作の大ヒット自体はうれしかったでしょうが、同時にそういうところには若干のジレンマがあったかもしれません。
ちなみに『椿三十郎』(未見)ももちろん頼まれ仕事。監督自身も大の黒澤ファンですが、同じく黒澤ファンの主演・豊川悦司が、『椿三十郎』の2007年版が作られる意義は何なのだろうと聞いたら、「俺にもわからん」「ただ、僕は映画監督ですから、企画のオファーを受けたら引き受けるのみです」と答えたそうで、豊川いわく「正直に言うと、森田監督でなければ引き受けていなかった」そうです。
#1310
バラージ 2012/06/17 14:45
怪獣映画
僕自身もこんなにゴジラ映画を見てるとは思いませんでした(笑)。映画館で見たのは『キングコング対ゴジラ』と『怪獣大戦争』(多分)だけで、他はテレビかビデオで見たものです。大森一樹監督の『ゴジラVSキングギドラ』もビデオで見ましたが……うーん、僕は普通でした。すいません。大森監督ならそのひとつ前の『ゴジラVSビオランテ』のほうが面白かったです。
他の怪獣映画では、金子修介監督の平成『ガメラ』3部作を映画館で見たんですが、これは傑作! その前に金子監督が撮った『卒業旅行 ニホンから来ました』や『毎日が夏休み』(これは個人的日本映画ベスト3に入る)がすごく面白かったし、事前情報からも面白そうな匂いがぷんぷんしたので映画館まで見に行ったのですが、これが大当たりでした。ただその後に金子監督が撮った『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』は残念ながら期待外れでしたが。
#1309
徹夜城 2012/06/10 23:44
ゴジラ映画は
>バラージさん
そういえば、ゴジラシリーズは一作目「ゴジラ」と「キングコング対ゴジラ」しか載せてなかったですね。僕も結構見てる方なんで(あ、でも3分の2はいかないかも?)SF部門の数を増やすためにもバリバリ書いちゃった方がいいかも。
ずいぶん以前に、ここで話題にしてるんですが、僕は「ゴジラVSキングギドラ」(1991)が「初ゴジラ」で、しかもこれにかなりノックアウトされた経験があるんです。なんだったか忘れましたが、他の映画を見に行った時にこれの予告編を見て、「なんだか面白そう…」と怪獣映画を初めて見に行っちゃった。で、これがなかなかの傑作だったわけですよ。
そりゃまぁ、タイムトラベルにツッコミどころ満載なのは最初に見たときから気付いてましたが、もう勢いで押し流してしまうといいますか(笑)。メカデザインなんかも「日本にもこんなSF映画が作れるんだ!」などと素人っぽいことを思ったものです。
そして二転三転するストーリー。ゴジラは悪役なんだけどキングギドラと攻守入れ違えて北海道と都庁でリターンマッチするのがたまりません。しかもキングギドラが「メカ化」までしちゃうんですから。川北特撮の「光線&メカ」の強みがもっとも発揮された名シーンだと思いますよ、あの都庁での大決戦は。
今だったらスカイツリーが狙われるんだろうなぁ、と思ったんですが、さすがにあのデカさになってしまうと空を飛ぶ怪獣に真中からへし折られるといった描写しか思いつきませんねぇ。怪獣映画もさすがに久しく作られてませんが、そのうち何らかの形で作るんだろうなと予想はしてます。ピーター=ジャクソンの「キングコング」みたいになるのかもなぁ…そういやハリウッド製ゴジラも二作目の噂は何度かあがったものの消えてるみたいですね。
#1308
バラージ 2012/06/10 00:53
SF・ファンタジー・特撮映画編
『キングコング対ゴジラ』……これは思い出深い映画ですねえ。初めて映画館で見た映画です。小学校に入る前だったはず(もちろんリバイバル上映です)。それ以来見なおしてないんですが、不思議とお話は覚えてます。キングコングとゴジラの対決はもちろん面白かったのですが、実はそれ以上にテンションの高い社長みたいな人が印象に残ってますね。キングコングびいきなのかゴジラが嫌いなのか、キングコングが新聞や雑誌に載るとやたらと喜んでました。今回、「栄耀映画徒然草」を見て「あ、そういうことだったのか」とわかりましたが。とにかく面白い映画でした。
『ゴジラ』……こちらは大人になってからビデオで見ました。面白いということは改めて言うまでもないんですが、この映画の特徴はとにかく「暗い」ということ。戦争の影が重くのしかかる内容で、雰囲気は今井正監督の『また逢う日まで』とか木下恵介監督の『二十四の瞳』とかに近いんですよね。底抜けに脳天気な第3作『キングコング対ゴジラ』のいかにも高度経済成長という雰囲気との違いは、ビデオで続けざまに見たらちょっと戸惑うんじゃないかというくらい。やはりこれは時代なんだろうなあ。白黒と総天然色というのがそれを象徴しています。山の向こうからゴジラ初登場のシーンなんて子供が見たら確実にトラウマになることでしょう。変なのかもしれませんが、ものすごくリアルでした。
ちなみに僕はゴジラ映画は3分の2くらい見てますが、一番好きなのは子供のころに映画館かテレビで見た『怪獣大戦争』。怪獣たちは超兵器扱いで人間ドラマに重点が置かれてましたが、これがとても面白かったんですよね。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』……これはテレビで見たんだったかな? これまたとても面白かったですね。続編は作らないほうが良かったと思う(笑)。マイケル・J・フォックスが後に主演したシリアスドラマ映画『再会の街 ブライトライツ・ビッグシティ』(原作はジェイ・マキナニー)は僕の生涯ベスト4(中途半端ですいません。3と4がどっちにするか微妙なんで)に入る映画ですが、主役を降板させられたエリック・ストルツが後に主演した青春恋愛映画『恋しくて』は生涯ベスト2に入る映画。2人とも好きな役者なのです。って『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と関係ない話になっちゃった。
『ブレードランナー』……これはカルト映画として有名ですが、僕にとってはまあまあ面白かったという程度。SF好きの友人には絶賛してる人が多いのですが。僕が見たのは完全版です。その後、ディレクターズカット最終版ていうのが出たんだったかな。
#1307
徹夜城(支配人) 2012/06/07 23:57
今週は「仁義なき戦い」をイッキ見してました。
もう何度か見てる映画なんですけど、一作目に続いて「栄耀映画徒然草」に入れちゃろうと(ああ、「仁義弁」になる)、シリーズをイッキ見しました。そしてまた改めて史実との照合作業もしちゃったりして。前から迷ってるんですが、「仁義なき戦い」もひとつの「戦後史もの」で、実は歴史映画という側面もあるんで「歴史映像名画座」に入れるべきなのかもしれません(「ゴッドファーザー」は入れてるもんなぁ)。しかしそうなると「山口組三代目」(田岡一雄の伝記映画)なんかも入れるのか、となるとかなり迷う(汗)。
>バラージさん
「ギャラクシークエスト」は公開当時、都内の単館ロードショーで、なんともったいないことを、と僕は思ったもんです。当時宣伝に三谷幸喜さんがちょっとコメントだしてたような記憶が。
ギャグも秀逸なんですが、あの映画、SFとしてもなかなかバッチリなんですよね。それとシガニー=ウィーバーとかアラン=リックマンとか妙に豪華キャストですし(役柄がまた、良く引き受けたな、というものですしね)。
「ロボコン」も、今にして思うとなかなか豪華キャストですよね。当時はまだまだ売り出し中な観があった人たちですけど。
韓国の映画界とテレビ界の断絶の話は、もう20年くらい前に聞いた話なので、とっくに消えていたのかもしれません。当時韓国ドラマ「壬辰倭乱」(秀吉の侵略を描いたもの)の編集バージョンがNHK衛星で放送され、その解説部分で韓国芸能界に詳しい人がそんな話をしていたんです。だから出演者に覚えがない人が多いというような話だったような…もっともあのころは韓国ドラマや映画自体がめったに日本に入ってこなかったのでみんな全然知りませんでしたけど。そんな中でアン=ソンギだけは何かというと出ていたので僕もこの人の名前だけは覚えてしまいました(笑)。
#1306
バラージ 2012/06/03 01:11
コメディー映画編
『ギャラクシークエスト』……SF映画好きの友人が面白いと言ってたのでビデオで見てみた映画。いや、これは面白かったですね。元ネタの『スター・トレック』は見たことないし、あまり知らないのですが、そんなの関係なく楽しめる抱腹絶倒大興奮の映画でした。米国人(カナダ人含む)はこういうオタク的パロディ的映画を作るのが上手いよなあと感心します。
『ロボコン』……映画公開時はポスターのデザインを見て「変なポスターだなあ」と思っただけだったんですが、その後、長澤まさみが『セカチュー』で大ブレイク。ビデオ屋にできた長澤まさみコーナーにあるのを見つけて、パッケージ説明を読んだら面白そうだったので借りてみました。これも面白かった。青春映画としてよくできてました。やはり僕はこういう青春映画が好きなんですね。一番好きなシーンは、合宿に行くトラックの荷台で長澤まさみが山口百恵の「夢先案内人」を歌うところ。ロボコンと何の関係もねーな(笑)。そもそも僕はロボコン自体にはあまり関心がなく、見たこともないもんで。あくまで青春映画として面白かったということです。
#1305
バラージ 2012/06/02 22:08
どうも
>ちょっと前だと韓国の映画界・テレビ界はアメリカと似ていて完全に分断状態、という話も聞いたのですが、最近は双方で出てる役者さんが多いなと。アメリカもそうなってきたかな。
あ、そうなんですか。実は中国もそんな感じみたいなんですよ。時代の流れなんですかね?
新藤監督の映画は多分1本も見てないなあ。なんとなく僕の興味とは合わず……。歴史映画なら『悪党』の他に『北斎漫画』ってのを撮ってますね。
僕は『バグジー』はそれなりに楽しんだんですが、ウォーレン・ビーティの映画だと『レッズ』のほうがやはり圧倒的に上ですかね。『ゴッドファーザー』は見てないんです。
『テルマエ・ロマエ』はどうしようか迷ってるんですよね。僕の興味では見るか見ないかボーダーライン上で……。原作は読んでません。タイムスリップものだったら、以前どなたかが書いてましたが、テレビドラマ『JIN 仁』がお勧めです。これは質の高いドラマでした。こちらも原作はところどころしか読んでません。
#1304
徹夜城(支配人) 2012/05/30 20:40
最長寿監督逝く
新藤兼人監督、100歳にして大往生。死去記事のプロフィールを見ると戦前から映画界にいたってお方なんですよねぇ。自伝は一度読んだことがありました。
ふと振り返ると新藤さんの監督作品というと「悪党」一本しか見ていないことに気付きました。それも珍しく南北朝時代を扱った映画だからなんですが(もっとも内容自体は「忠臣蔵」の元ネタをやったもの)。
脚本作品なら何本か見てますが、岡本喜八監督の「激動の昭和史沖縄決戦」が実は新藤脚本。たぶん相当に変えられているのではないかと…できあがった映画も大変な詰め込み状態でしたからね。
>バラージさん
いやぁ〜恐れ入ります。こんなに続々と書いていただけるとは。
「バグジー」は、たまたま衛星で放送したのを見ていて、そのころちょっとマジメにここの記事を書こうと思っていた時期でもあってひょこっと書いたんですよね。あれでアカデミー賞ノミネートになったのが不思議で不思議で…。「ゴッドファーザー」のラストでマッサージ中に撃たれて眼鏡から血を噴き出してるラスベガスの大物マフィアはバグジー=シーゲルをモデルにしてるそうですね。
「JSA」は僕も感心しました。「シュリ」が日本でも話題になった直後で、こっちの方が映画的にスゴいと思った。イ=ヨンエはあれで一発で名前を覚えましたし(笑)。ちょっと前だと韓国の映画界・テレビ界はアメリカと似ていて完全に分断状態、という話も聞いたのですが、最近は双方で出てる役者さんが多いなと。アメリカもそうなってきたかな。
「日本の黒い夏・冤罪」といえば、先日NHKで放送した「未解決事件」の第二弾「オウム真理教事件」でまた松本サリン事件部分が再現されてました。それとドキュメンタリー部分で、映画で石橋蓮司が演じた長野県警刑事の役どころに近いと思われる刑事さんも登場してましたね。
このところちといろいろと忙しくなってきて、映画日記が書けなくて…
「テルマエ・ロマエ」はその中をぬってみてきましたけど(笑)。実は原作を読んでなくて、原作とは大きく変えた映画になってると聞いてるんですけど(特に後半)、一本と映画としてはよくまとまってるし、なかなか笑えるし、実はしっかり「歴史物」でもあるという稀有な映画になってました。これで「歴史映像名画座」の「タイムスリップ映画」に一本追加できます(笑)。
#1303
バラージ 2012/05/29 00:43
推理・サスペンス映画編
『JSA』……これは面白かった! その前に見た『シュリ』も面白かったのですが、全面礼賛というには若干の留保がありました。しかしこの映画には感服。韓国映画恐るべしと実感いたしました。イ・ヨンエの役は確か最初はシム・ウナ(『八月のクリスマス』など)にオファーするつもりだったんだけど、シム・ウナから断られた(この後、出演作がなく実質的に引退)ため、イ・ヨンエにオファーされたとどこかで聞いたような。シム・ウナはものすごくシャイな性格で制作会見などにもほとんど出てこなかった人とのことで、芸能界には向いてなかったのかもしれません。しかし未だに復帰待望論がある女優さんです……って『JSA』とは関係ない話になっちまった(笑)。ちなみに脱線ついでに言うと、シム・ウナなき後、一番好きな韓国女優はペ・ドゥナ(『リンダリンダリンダ』『グエムル 漢江の怪物』『空気人形』)です。
『砂の器』……見たときはわりと面白かったんですが、今となってはあまり記憶がない……。
『大誘拐』……これは劇場公開時に評判になってたんで見ました。確かに面白いけれど、そこまで絶賛されるほどでもないよなあ、と思ったのを覚えております。
#1302
バラージ 2012/05/26 22:42
社会派・ヒューマン映画編
金環日食の日は休みだったので朝起きれず。ま、僕の地方は部分日食だったんで。一度でいいから皆既日食を体験してみたいもんですねえ。天文も結構好きです。
『金環蝕』……山本監督の『白い巨塔』を見てすごく面白かったため、ビデオで借りて見た映画。面白いことは面白かったんですが、『白い巨塔』に比べるとラストの盛り上がりに欠けてたかな。題名は個人的にはあんまり上手くないと思いました。金環蝕って今回の件でもそうなように、むしろワクワクする現象だし(笑)。
『日本の黒い夏・冤罪』……なんだかいまいち突っ込み不足のような。仮名ってのも大きいかも。見た時点では、もう事件についてはテレビ報道などで散々知っちゃってましたしね。今はテレビ・ジャーナリズムも発達してて、実話を描く社会派映画の役割は難しいところがあるのかもしれません。
『バグジー』……映画としては結構面白かったけど、バグジー・シーゲルの生涯がちょっと美化されすぎてるような気も。殺人稼業に打ち込んだ前半生は描かれてないし、バージニア・ヒルだってもっとアバズレみたいな女だったはず。ムッソリーニを殺そうとしたり、ハリウッド俳優になろうとしたのは実話で、結構奇矯なところのある人物だったようですね。バグジーとマイヤー・ランスキー、ラッキー・ルチアーノ(この2人はこの映画にも出てくる)、フランク・コステロという大物ギャング4人の青春を描いた『モブスターズ 青春の群像』という青春アクション・ギャング映画(?)がありますが、こちらは未見。
『真昼の暗黒』……かっこいい題名と大まかに知っていたあらすじから、ずっと見たいと思っていた映画。でも実際にテレビで見たら、そこまで面白かったわけではなく、今となってはあまり記憶に残ってない。事前の期待値が大きすぎたのか? 自分にとってはタイムリーな事件じゃないからか? なぜかはよくわかりません。
#1301
バラージ 2012/05/24 21:41
韓国映画
韓国映画は香港映画や中国映画ほどには観てないんですが、今まで観た中では『八月のクリスマス』が1番好きな映画です。淡々とした静謐な恋愛映画なんですが、あの映画はよかった。確かNHKで観たんですが、その後レンタルDVDで観直して、結局中古DVDを買ってしまいました。
ヒットした韓国映画というと『シュリ』や『JSA』のようなスペクタクル・エンターテイメントと、『八月のクリスマス』や『猟奇的な彼女』(観たいと思いつつ未見)『私の頭の中の消しゴム』(これも未見)のような恋愛映画がありますが、確かに一頃のような勢いはちょっとなくなってきましたかね。
最近面白かった映画は、この間DVDで観た『吉祥寺の朝日奈くん』。いい映画でした。
過去ログ1401〜1500