スペイン・ポルトガル史映画
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エル・シド
"El Cid"

1961年/アメリカ・イタリア
コロンビア映画
カラー映画(184分)
スタッフ○監督:アンソニー=マン○脚本:フレドリック=M=フランク/フィリップ=ヨーダン○撮影:ロバート=クラスター○音楽:ミクロス=ローザ○製作:サミュエル=ブロンストン
キャストチャールトン=ヘストン(ロドリーゴ=エル・シド)、ソフィア=ローレン(シメン)ほか
ストーリー11世紀のイベリア半島にはキリスト教徒、イスラム教徒の君主国が乱立し争っていた。騎士ロドリーゴはカスティリヤ国王に仕えるが、イスラム諸侯とも友情を結び「エル・シド」と呼ばれるようになる。国王が死去すると息子達が骨肉の争いを開始、その中で正義を貫くロドリーゴは新国王アルフォンソに追放されてしまう。そこへ北アフリカから狂信的なイスラム軍団が上陸、ロドリーゴはキリスト・イスラムの諸侯をまとめてこれに戦いを挑む。 
解説スペインの民族的英雄を映画化したスペクタクル大作。歴史スペクタクル御用達俳優・ヘストンとローレンの実にベタな組み合わせだが、複雑に愛憎渦巻くシナリオはこの手の大作映画には異色かも。騎士同士の壮絶な一騎打ち、バレンシア城の大攻防戦など時代劇の魅力は満載。スペインにいるイスラム教徒は好意的に描かれているが、モロッコから来るムラービト朝の軍団はほとんど悪魔化されているような…。ラストは…「死せる孔明、生ける仲達を走らす」みたいになっちゃうんだよな、これが(笑)。
メディアDVD/BD発売:パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン

イザベル
〜波乱のスペイン女王〜
"
Isabel"
2012-2014年/スペイン
テレビシオン・エスパニョーラ
テレビドラマシリーズ(全39回)
スタッフ○監督:ハビエル=オリバレス
キャストミシェル=ジェネール(イザベル1世)、ロドルフォ=サンチョ(フェルナンド2世)、パブロ=デルキ(エンリケ4世)、バルバラ=レニエ(フアナ・デ・アビス)、ビクトル=エリアス(アルフォンソ王子)、ラモン=マドーラ(ゴンサロ・チャコス)、クララ=サンチス(イザベル・デ・ポルトガル)、セルヒオ=ペリス(ゴンサロ)、ヒネス=ガルシア=ミリャン(パチェコ)、フリオ=マンリケ(コロンブス)ほか
ストーリーカスティリヤ王国の王女に生まれたイザベルは、実弟アルフォンソと共に異母兄のエンリケ4世と王位をめぐって争うが、アルフォンソの急死によりエンリケと和解する。イザベルは兄の意向に逆らってアラゴン王子フェルディナントと結婚、やがてエンリケの死により王位を継承、夫と共に国内の統一と勢力拡大に奮闘する。彼女の時代にイベリア半島最後のイスラム拠点グラナダを陥落させ、コロンブスを援助してアメリカ大陸進出のきっかけをつくるなど、のちのスペイン王国繁栄の礎が築かれるのだった。
解説スペイン本国で製作された歴史大河ドラマで、娘のフアナ女王、孫のカルロス1世まで三代にわたるドラマシリーズになっている(そのためか本作の終わり方は尻切れトンボっぽい)。陰謀、合戦、男女のドロドロと時代劇お約束は洋の東西一緒とよくわかる内容だが、登場人物も多いので事前知識ないとちょっときついかも。
メディア現時点で日本ではソフト化されていない。

女王フアナ
"Juana la loca"

2001年/スペイン・イタリア・ポルトガル
カラー映画(115分)
スタッフ○監督:ヴィンセンテ=アランダ○脚本:ヴィンセンテ=アランダ/アントニオ=ラレタ○撮影:パコ=フェメニア○美術:ホセップ=ロセル○音楽:ホセ=ニエト○製作:エンリケ=セレッソ
キャストピラーレ=ロペス=デ=アジャラ(フアナ)、ダニエレ=リォッティ(フェリペ)、エロイ=アソリン(アルバロ)、ジュリアーノ=ジェンマ(ド・ヴェイル)、スシ=サンチェス(イザベル)ほか
ストーリー16世紀の半ば、すでに半世紀近くも「狂女」として幽閉生活を送るスペイン女王フアナはその半生を回想してゆく。カスティリヤ女王イザベルの娘フアナは政略結婚でハプスブルグ家のフランドル領主フェリペのもとへ嫁入りするが、美男のフェリペにフアナは異常なまでに激しい愛情を抱き多くの子にも恵まれるが、フェリペの度重なる浮気には狂ったように憤った。そのうち母イザベラが亡くなり、フアナとフェリペがカスティリヤの王となったが、フェリペは家臣たちとフアナを「狂女」として退位させようと画策する。 
解説イザベラ女王の娘にしてスペイン王カルロス1世=独帝カール5世(生まれるシーンで「出演」してます)の母、そして「狂女」として半世紀を幽閉されたという特異な生涯の女性を描いた、日本公開は珍しいスペイン直送の歴史大作。タイトルこそ「狂女フアナ」となっているが、あくまであまりにも激しく愛情を燃やす一女性として描くことにつとめており、伝説で伝わるほどの「異常」さはカットしてある。
メディアDVD発売:角川映画

誇りと情熱
"The Pride and The Passion"

1957年/アメリカ
スタンリー・クレイマー・プロ
カラー映画(133分)
スタッフ○製作・監督:スタンリー=クレイマー○脚本:エドナ=アンハルト/エドワード=アンハルト○撮影:フランツ=プラナー○音楽:ジョージ=アンシール
キャストケーリー=グラント(アンソニー)、フランク=シナトラ(ミゲル)、ソフィア=ローレン(ジュアナ)ほか
ストーリーナポレオンが大陸を制覇する中、スペインではゲリラによる抵抗が続いていた。スペイン軍が放棄した巨大な大砲を確保したゲリラのミゲルとイギリス軍人のアンソニーは、巨大な大砲をあの手この手で運びながらフランス軍中を突破していく。 
解説当時のトップスター三人の顔合わせによる歴史冒険活劇。巨大な大砲を運んで敵中を突破していくアイデアが面白い。ちょっとシナリオが安っぽいのが残念。
メディアDVD発売:20世紀フォックス・ホームエンタテインメント・ジャパン

皇帝と公爵
"Linhas de Wellington"

2012年/ポルトガル・フランス
アルファマ・フィルム
クラップ・フィルムズ
フランス3シネマ
カラー映画(152分)
スタッフ○監督:バレリア=サルミエント○脚本:カルルシュ=サブガ○撮影:アンドレ=シャンコフスキ○美術:イザベル=ブランコ○音楽:ホルヘ=アッリアガダ○製作:パウロ=ブランコ
キャストヌヌ=ロプス(フランシスコ)、カルロト=コッタ(アレンカル)、ジョン=マルコヴィッチ(ウェリントン)、マチュー=アルマリック(マルボ)、メルヴィル=プポー(マッセナ)、ヴィクトリア=ゲーナ(クラリッサ)ほか
ストーリーナポレオン軍がポルトガルに侵攻、ウェリントン公爵率いるイギリス軍はリスボン近くに築いた「ドレス線」への戦略的撤退を開始する。フランス軍の侵攻を避けて多くの難民がこれに従い、戦争によって不条理に運命を狂わされた人々の悲喜劇が展開されてゆく。 
解説チリ出身の監督ラウル=ルイスが製作準備を進めていた企画で、彼の死後に妻が監督して仕上げた一本。邦題はウェリントンとナポレオンの激突を思わせるがナポレオンは肖像画でチラッと出て来るだけだし、ウェリントンの出番もそれほど多くはない。戦争がもたらす様々な悲喜劇を多くのキャラクターで同時並行的に描く群像劇なので、注意して見ていないと誰が誰やらになる可能性高し。
メディアDVD発売:エプコットより「ナポレオンに勝ち続けた男-皇帝と公爵-」のタイトルで発売。

誰が為に鐘は鳴る
"For Whom the Bell Tolls"

1943年/アメリカ
パラマウント映画
カラー映画(170分)
スタッフ○製作・監督:サム=ウッド○脚本:ダドリー=ニコルズ○撮影:レイ=レナハン○音楽:ヴィクター=ヤング○原作:アーネスト=ヘミングウェイ○製作総指揮:B=G=デシルヴァ
キャストゲーリー=クーパー(ロバート)、イングリッド=バーグマン(マリア)、エイキム=タミロフ(パブロ)、カティナ・パクシヌー(ピラー)、ジョズフ・キャレイア(エル・ソルド)ほか
ストーリー1937年、ファシズムと人民戦線が戦うスペイン内乱のさなか、義勇軍に参加したアメリカ人のロバートは山中の橋梁爆破の使命を帯びて山間部のゲリラに合流する。そこで髪を切られた美しい少女・マリアと出会い、たちまち恋に落ちるが、フランコ軍との過酷な戦いが二人を待ち受けていた。 
解説ヘミングウェイの代表作でもある同名長編をまだ戦時中にカラー作品として映画化した一本。文芸作品とか戦争映画というよりもクーパーとバーグマンの美男美女によるスター映画の趣きが強い映画で、全体的にウソっぽくなってしまっているのが残念。
メディアDVD発売:ジェネオン・ユニヴァーサル(ファーストトレーディングより格安版あり)


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