トロイのヘレン "Helen of Troy" | 1955年/アメリカ ワーナー・ブラザーズ カラー映画(118分) | |
スタッフ | ○監督:ロバート=ワイズ○脚本:ヒュー=グレイ/N=リチャード=ナッシュ/ジョン=トゥイスト○撮影:ハリー=ストラドリング○音楽:マックス=スタイナー | |
キャスト | ロッサナ=ポデスタ(ヘレン)、ジャック=セルナス(パリス)、ナイアル=マクギニス(メネラオス)、ロバート=ダグラス(アガメムノン)、スタンリー=ベイカー(アキレウス)、トリン=サッチャー(オデッセウス)、セドリック=ハードウィック(プリアモス)ほか | |
ストーリー | トロイの王子パリスは嵐にあってスパルタに流れ着き、美女ヘレンに救われて恋に落ちてしまう。パリスがヘレンをトロイに連れ帰ってしまったため、夫のメラネオスとその兄アガメムノンらギリシャ連合軍がトロイを総攻撃。パリスはギリシャの勇将アキレウスと戦って勝利するが、「木馬の計」によってトロイは陥落する。 | |
解説 | ずいぶん以前にテレビでやっていたのをたまたま見ただけで詳細な記憶はないのだが、ホメロスの「イーリアス」を下敷きにしたトロイア戦争映画。主人公はもちろん原因となったヘレン(ヘレネ)だが、それを連れ去った夫のパリスをカッコよく描いているところが特徴。アキレスなんてほとんど悪役扱い。クライマックスはちゃんと「木馬の計略」を再現。 | |
メディア | DVD発売:ワーナー・ホーム・ビデオより「ヘレン・オブ・トロイ」のタイトルで発売。 |
大城砦 "a Guerra di Troia" | 1962年/イタリア・フランス エウロパ・チネマトグラフィカ フィルム・モデルネ カラー映画(101分) | |
スタッフ | ○監督:ジョルジョ=フェローニ○脚本:ジョルジョ=ステガーニ=カゾーラーティ ○撮影:リノ=フィリッピーニ ○音楽:ジョヴァンニ=フスコ | |
キャスト | スティーブ=リーヴス(アイネアス)、ジュリエット=メニエル(クレウザ)、ワーナー=ベンティブニャ(パリス)、ヘディ=ベッセル(ヘレネ)、アルトゥーロ=ドミニチ(アキレウス)、ジョン=ドリュー=バリモア(オデッセウス)ほか | |
ストーリー | パリスがヘレネを連れ去ったことから始まったトロイア戦争もすでに十数年。トロイアの勇将ヘクトルがアキレウスに討たれ、ヘクトルを尊敬していたトロイアの武将アイネアスはギリシャ軍での武芸大会に飛び込んでヘクトルの甲冑を手に入れる。名声を挙げたアイネアスに嫉妬したパリスはアイネアスの妻クレウザを敵に人質として引き渡したり、アイネアスと一騎打ちしていたアキレウスを矢で仕留めて手柄を横取りしたりする。やがてトロイアはギリシャ軍の「木馬の計」によって陥落、アイネアスはトロイアの生き残りを率いて新天地を求めて旅立ってゆく。 | |
解説 | トロイア戦争の終盤のみ(「イリアス」以後)にスポットを当てた史劇大作。主役をアイネアスにしたのは、この続編となるローマ建国伝説「アイネアスの伝説」もまとめて製作する狙いがあったようで、主演はこの時期イタリア製史劇に出まくっていたスティーブ=リーヴス。なお原題はずばり「トロイア戦争」なのだが、日本公開時は「大城砦」という良く分からないタイトルになってしまった。 | |
メディア | 現時点では日本国内でのソフト化は実現していない模様。 |
トロイ "Troy" | 2004年/アメリカ プランBエンターテインメント ラディアント・プロダクションズ カラー映画(163分) | |
スタッフ | ○監督:ウォルフガング=ペーターゼン○脚本:デヴィッド=ベニオフ○撮影:ロジャー=プラット○音楽:ジェームズ=ホーナー○製作:ウォルフガング=ペーターゼン/ゲイル=カッツ/ダイアナ=ラスバン/コリン=ウィルソン○製作総指揮:ブルース=バーマン | |
キャスト | ブラッド=ピット(アキレス)、エリック=バナ(ヘクトール)、オーランド=ブルーム(パリス)、ダイアン=クルーガー(ヘレン)、ブライアン=コックス(アガメムノン)、ショーン=ビーン(オデッセウス)、ローズ=バーン(ブリセウス)、ピーター=オトゥール(プリアモス)ほか | |
ストーリー | トロイの王子パリスがスパルタの王妃ヘレンと共に駆け落ちした。ヘレンの夫の兄であるアガメムノンはこれを機会にトロイを征服しようと図り、全ギリシャの軍勢を動員して大船団でトロイへ攻めかかる。ギリシャ最強の戦士アキレスは歴史に名を残すべく戦いに参加するが… | |
解説 | ホメロスの「イーリアス」を下敷きに久々に製作されたトロイア戦争映画。CGで描かれた大船団・大軍勢の激突も見ものだが、「ブラピ」演じるアキレスと武将達の肉弾戦一騎打ちが大迫力。大筋は「イーリアス」の通りに進むのだが、終盤「木馬の計」のあたりから話を妙にいじって陳腐な結末になっちゃってる気もする。 | |
メディア | DVD/BD発売:ワーナー・ホーム・ビデオ |
La Battaglia di Maratona "The Giant of Marathon" "マラトンの戦い"(日本未公開) | 1959年/イタリア・フランス チタヌス・プロ/ガラテア・フィルムほか カラー映画(90分) | |
スタッフ | ○監督:ジャック=ターナー/マリオ=バヴァ/ブルーノ=ヴァイラティ○脚本:ブルーノ=ヴァイラティ/アウグスト=フラシネティ/エンニオ=デ=コンチーニ○撮影:マリオ=バヴァ〇美術:マリオ=キアーリ/マルチェロ=デル=プラト○音楽:ロベルト=ニコロージ〇製作:ブルーノ=ヴァイラティ | |
キャスト | スティーブ=リーヴス(フィリピデス)、ミレーヌ=ドモンジョ(アンドロメダ)、セルジオ=ファントーニ(テオクリトス)、ダニエラ=ロッカ(カリス)、イヴォ=カラーニ(クルーソス)ほか | |
ストーリー | オリンピア競技会で見事優勝を果たしたアテネの青年フィリピデスは、執政官の娘アンドロメダの美貌に一目ぼれするが、彼女には有力者テオクリトスが婚約を迫っていた。おりしもペルシャ帝国の大軍がアテネに迫り、マラトンの野でアテネ軍とペルシャ軍が大激突、フィリピデスはスパルタから援軍を呼んで駆けつけ、怪力をふるってペルシャ軍を撃退する。ところがテオクリトスがペルシャに内通して手薄なアテネを海から攻撃することが判明、フィリピデスは走りに走ってアテネに急を知らせる。テオクリトスはアンドロメダをさらって船のへさきに縛り付けて攻撃を開始、フィリピデスは勇士たちと共に船団に奇襲をかける。 | |
解説 | この時期数多く制作されたスティービ=リーヴス主演の古代史劇の一本。「マラソン」競技のルーツとして知られる有名な戦いをテーマにしたものだが、話自体は自由奔放。一応主人公が走りに走るシーンはあるものの時間的にはほんのちょっと。監督についてはネット上で情報が入り乱れていて、イタリア語版と英語版の二つがあるためかもしれない。公開直前にエキストラがタバコを吸ってるのが写っていることが発覚し、撮影監督が大急ぎで追加撮影をしたため彼も「監督」扱いされるようである。 | |
メディア | 日本未公開でソフト化もされていない(当時キネマ旬報に情報が載ったため「キネノート」には邦題と内容が収録されている) |
スパルタ総攻撃 "300 Spartans" | 1962年/アメリカ 20世紀フォックス カラー映画(114分) | |
スタッフ | ○監督:ルドルフ=マテ○脚本:ジョージ=セント=ジョージ/ジャンパオロ=カレガーリ/レミジオ=デル=グロッソ/ジョヴァンニ=デラーモ/ウーゴ=リベラトーレ○撮影:ジェフリー=アンスワース○音楽:マノス=ハジダキス○製作:ルドルフ=マテ/ジョージ=セント=ジョージ | |
キャスト | リチャード=イーガン(レオニダス)、ラルフ=リチャードソン(テミストクレス)、デビッド=ファラー(クセルクセス)、バリー=コー(フィロン)、ダイアン=ベーカー(エラ)ほか | |
ストーリー | クセルクセス大王率いるペルシャ帝国の大軍がギリシャへと押し寄せた。スパルタ王レオニダスはテミストクレスと共に徹底抗戦を主張するがギリシャ各国は及び腰。しかも祭の時期にあたったためレオニダスはたった300名の兵士を率いてテルモピレーの要衝にペルシャ軍を迎え撃つことになる。善戦するスパルタ軍だったが内通者により間道を突破され、玉砕覚悟の死闘を繰り広げる。 | |
解説 | ヘロドトス「歴史」で知られるテルモピレーの玉砕戦をテーマに、ギリシャロケを敢行(映画の最後に当時のギリシャ国王夫妻への感謝が表示される)したスペクタクル大作…なのだが、全体的に安っぽい作り。下の「300」にも言えることだが「自由のための戦い」を標榜するところも鼻につく。 | |
メディア | DVD発売:20世紀フォックス・エンタテインメント・ジャパン |
300(スリーハンドレッド) "300" | 2007年/アメリカ レジェンダリー・ピクチャーズ ヴァーチャル・スタジオ アトモスファー・ピクチャーズ ハリウッド・ギャング・プロダクション カラー映画(117分) | |
スタッフ | ○監督:ザック=スナイダー○脚本:ザック=スナイダー/マイケル=E=ゴードン/カート=ジョンスタッド○撮影:ラリー=フォン○音楽:タイラー=ベイツ○原作・製作総指揮:フランク=ミラー○製作:ジャンニ=ヌナリ/マーク=キャントン/バーニー=ゴールドマン/ジェフリー=シルバー | |
キャスト | ジェラルド=バトラー(レオニダス)、レナ=ヘディ(ゴルゴー)、ロドリゴ=サントロ(クセルクセス)ほか | |
ストーリー | 幼児からの厳しい選抜と徹底教育により強靭な戦士を育て上げるスパルタに、東方のペルシャ帝国が服従を求めてきた。レオニダス王は使者を殺害してこれを拒絶、評議会の反対を押し切ってわずか300人の精鋭を引き連れて出陣する。300人のスパルタ兵はテルモピュレイの要害を生かしてペルシャの大軍と壮絶な死闘を繰り広げる。 | |
解説 | 原作はフランク・ミラーのグラフィック・ノベル(劇画)。ペルシャ戦争のテルモピュレイの玉砕戦の史実をモチーフにしているが、歴史ものというよりスプラッタ・アクションを追求した作品で、ペルシャ帝国がなぜか黒人だらけなど時代考証は自由奔放。全てスタジオ撮り・背景はCG合成、全編に画像処理をほどこすなど劇画版の忠実な再現を目指し、限りなくアニメに近い映画となっている。ほとんど「ロード・オブ・ザ・リング」の合戦シーンだなぁ、と思ったのは私だけだろうか。バイオレンス表現だけでなく奇形趣味もあってグロ気味。スパルタ人たちが「自由のための戦い」と連呼するのは「対テロ戦争」そのまんまのような。 | |
メディア | DVD/BD発売:ワーナー・ホーム・ビデオ |
SOCRATE "ソクラテス" | 1971年/イタリア・スペイン・フランス カラーTV映画(120分) | |
スタッフ | ○監督:ロベルト=ロッセリーニ○脚本:ジャン=ドミニク=デ・ラ・ロシュフォ^ル/マルセラ=マリアーニ/レンツォ=ロッセリーニ/ロベルト=ロッセリーニ○撮影:ジョルジュ=H=マルティン○音楽:マリオ=ナシンベーネ○製作:レンツォ=ロッセリーニ | |
キャスト | ジャン=シルヴェール(ソクラテス)、アンヌ=カプリーレ(クサンティッペ)、ジェゼッペ=マンナジュオロ(アポロドロス)、リカルド=パラシオス(クリトン)、アントニオ=メディナ(プラトン)、エミリオ=ミゲル=エルナンデスメレトス)たほか | |
ストーリー | スパルタとの戦争に敗れたアテネは政治的混乱に陥っていた。哲学者のソクラテスは弟子たちと共に貧しいながらも深い思索にふける。そんなソクラテスの態度を「神々を冒涜する考えを若者に広めている」と攻撃があり、陶片投票で毒による死刑が決定される。ソクラテスは悪法も法として受け入れ、家族や弟子たちと別れの挨拶を交わしてから毒を仰ぐ。 | |
解説 | 名匠ロッセリーニ監督が手がけたTV映画の一本。有名な哲学者ソクラテスの最後の日々を描く。プラトンらの著作に記されているソクラテスと弟子たちの対話をシナリオに取り入れ、当時のアテネの状況も描き込んでリアルに再現している。 | |
メディア | 日本では公開も放送もソフト化もされていないが、ヨーロッパではDVDが発売されている。 |
アレキサンダー大王 "Alexander the Great" | 1956年/アメリカ ユナイテッド・アーティスト カラー映画(135分) | |
スタッフ | ○製作・監督・脚本:ロバート=ロッセン○撮影:ロバート=クラスター/テオドール=J=パウル○音楽:マリオ=ナシンベーネ○製作総指揮:ゴードン=グリフィス | |
キャスト | リチャード=バートン(アレキサンダー)、フレデリック=マーチ(フィリッポス)、ダニエル=ダリュー(オリンピアス)、バリー=ジョーンズ(アリストテレス)、ハリー=アンドリュー(ダリウス2世)、クレア=ブルーム(バルシネ)、ピーター=カッシング(メムノン)ほか | |
ストーリー | マケドニア王フィリッポスとオリンピアスの間に生まれたアレキサンダーはアリストテレスにより高等教育を受けて育ち、父そして母との確執に悩み、人妻のバルシネに恋するなど多感な青春を送る。やがて父は暗殺され、跡を継いだアレキサンダーはペルシャ征服に乗り出す。 | |
解説 | TVに対抗したスペクタクル史劇連打時代の一本で、主演のリチャード=バートンもこの手の史劇の常連。出演者も米・英・仏ととりそろえて豪華で、スペインを主なロケ地にして撮影されたという。アレキサンダー大王の生涯をほぼそのまんまなぞって2時間15分にまとめた大作で、有名どころの場面はほぼ登場、恋愛要素もくっつけてるのだが、この時期の史劇によくある平板な作り。 | |
メディア | DVD/BD発売:パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン |
アレキサンダー "Alexander" | 2004年/アメリカ インター、エディア・フィルムス フランス3シネマ パシフィック・フィルムほか カラー映画(173分) | |
スタッフ | ○監督:オリヴァー=ストーン○脚本:オリヴァー=ストーン/クリストファー=カイル/レータ=カログリディス○撮影:ロドリゴ=プリエト○音楽:ヴァンゲリス○製作:モリッツ=ボーマン/ジョン=キリク/トーマス=シューリー/イアイン=スミス/オリヴァー=ストーン | |
キャスト | コリン=ファレル(アレキサンダー)、ヴァル=キルマー(フィリッポス)、アンジェリーナ=ジョリー(オリンピアス)、アンソニー=ホプキンズ(プトレマイオス)、ジャレッド=レト(ヘファイスティオン)、クリストファー=プラマー(アリストテレス)、ロザリオ=ドーソン(ロクサネ)ほか | |
ストーリー | エジプトの君主となって余生を送るプトレマイオスは、かつて自分が仕えた偉大なアレキサンダーの生涯を記録係に語って聞かせる。マケドニアに生まれペルシャを征服、遠く中央アジアやインドまで遠征したアレキサンダーだったが、その生涯は常に苦悩に満ちていた。 | |
解説 | 歴史劇が一時流行ったころに畑違いな気もするオリヴァー=ストーンが乗り出して作り上げた3時間の大作(その後もっと長いバージョンも作ったとか)。アレキサンダーとヘファイスティオンの同性愛的関係を描いたことでギリシャから大きな反発もあったし、途中で話がいきなり飛んで後半唐突にフィリッポス暗殺シーンが挿入されるという不可解な構成もあって酷評を受けた。 | |
メディア | DVD/BD発売:松竹 |