イタリア史映画
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剣と十字架
"Francis of Assisi"

1961年/アメリカ
20世紀フォックス
カラー映画(106分)
スタッフ○監督:マイケル=カーティス○脚本:ジェームズ=フォーサイス/ジャック=トーマス/ユージン=ヴェイル○美術:エドワード=キャレラ○音楽:マリオ=ナシンベーネ○製作:プラト=A=スクーラス
キャストブラッドフォード=ディルマン(フランシスコ)、ドロレス=ハート(クララ)、スチュアート=ホイットマン(パオロ)、エドワード=フランツ(教皇インノケンティウス3世)ほか
ストーリー騎士道華やかかりし13世紀。アッシジの青年フランシスコは、武功を上げるために出陣した戦争の中で「わが家を直せ」という「神の声」を聞いた。フランシスコは戦場から離脱して逃亡兵の汚名を着せられるが、荒れ果てた教会を手作りで修復し、清貧・自給自足な宗教活動を始める。やがて彼を慕って多くの仲間が集まり、ローマ教皇インノケンティウス3世から新修道会として認められ、フランシスコ修道会は順調に発展する。フランシスコはイスラム教徒にも平和を説こうと十字軍に参加し、東方へ赴いたが、そこで彼が目にしたものは…
解説フランシスコ修道会の創設者「アッシジのフランシスコ」の一代記で、何度か映画化されている。前半はいたって退屈な宗教家伝記なのだが(一応映画らしく三角関係恋愛ドラマもあるにはある)、見どころは後半で、十字軍の蛮行の実態を目撃し(イスラムのスルタンのほうが物分かりがよく描かれる)、帰国後に自身の修道会が組織として堕落してしまう現実を見せつけられるなど、フランシスコの苦悩が描かれてゆく。
メディアDVD発売:20世紀フォックス・ホーム・エンタテインメント・ジャパン

薔薇の名前
"Le Nom de la Rose"
"The Name of Roses"

1986年/フランス・イタリア・西ドイツ
コンスタンティン・フィルム
フランス3/ル・フィルム・ド・アリアン
クリスタルディ・フィルム/RAI
カラー映画(126分)
スタッフ○監督:ジャン=ジャック=アノー○脚本:アンドリュー=バーキン/ジェラール=ブラッシュ/ハワード=フランクリン/アラン=ゴダール○撮影:トニーノ=デル=コリ○音楽:ジェームズ=ホーナー○原作:ウンベルト=エーコ○製作:ベルント=アイヒンガー
キャストショーン=コネリー(ウィリアム修道士)、クリスチャン=スレーター(アドソ)、F=マーリー=エイブラハム(ベルナール)ほか
ストーリー14世紀、宗派間の論争に出席するためベネディクト派修道士「バスカヴィルのウィリアム」は弟子のアドソを連れて北イタリアの修道院にやって来た。その修道院で次々と「ヨハネ黙示録」になぞらえた奇怪な殺人事件が発生。ウィリアムは明晰な推理力で事件の謎に迫り、修道院に隠された秘密の迷宮にもぐりこむ。そこへ宿敵の異端審問官ベルナールがやって来て事件は意外な方向に… 
解説記号学者エーコの碩学的かつ難解なベストセラー長編ミステリーを映画化。映画では難しいことはなるべく省いて市川崑監督の「金田一」映画風味のミステリー描写に絞っているが、そこかしこにヨーロッパ中世の宗教関係の知識があると楽しめる面白い仕掛けが散見される。
メディアDVD/BD発売:ワーナー・ホーム・ビデオ

華麗なる激情
"The Agony and The Ecstasy"

1965年/アメリカ
キャロル・リード・プロダクション
カラー映画(138分)
スタッフ○製作・監督:キャロル=リード○脚本:フィリップ=ダン○撮影:レオン=シャムロイ○音楽:アレックス=ノース○原作:アーヴィング=ストーン
キャストチャールトン=ヘストン(ミケランジェロ)、レックス=ハリソン(ユリウス2世)、ダイアン=シレント(テッシーナ・デ・メディチ)、ハリー=アンドリューズ(ブラマンテ)、トマス=ミラン(ラファエロ)ほか
ストーリー16世紀の初めのルネッサンス時代。教皇ユリウス2世は、彫刻の天才ミケランジェロにシスティナ礼拝堂の天井画の製作を強制する。芸術家としてのプライドと情熱に燃えるミケランジェロと政治・軍事に長けた権力者ユリウスの二つの強烈な個性は、様々な衝突を繰り返しながらも天井画の完成という目標に突き進んでいく。
解説アーヴィング=ストーンの小説「苦悩と恍惚」を名匠キャロル=リードが映画化した作品。有名な天井画の製作過程を描く作品だが、劇中繰り返されるミケランジェロとユリウスのほとんどコントのような確執が見もの(笑)。建築家ブラマンテ、画家ラファエロなどおなじみのルネサンス有名人も登場。
メディアDVD発売:20世紀フォックス・ホーム・エンタテインメント・ジャパン

ジョヴァンニ
"Il mestiere delle armi"

2001年/イタリア
シネマ11/RAI
スタジオカナル/タウルス・プロダクション
カラー映画(105分)
スタッフ○監督・脚本:エルマンノ=オルミ○撮影:ファビオ=オルミ○美術:ルイジ=マルキオーネ○音楽:ファビオ=ヴァッキ○製作:アレッサンドロ=カローシ
キャストクリスト=ジフコフ(ジョヴァンニ・デ・メディチ)、デシィ=テネケディエヴァ(マリア)、サンドラ=チェカレッリ(マントヴァの貴婦人)、セルジオ=グラマティコ(マントヴァ侯フェデリコ)、ジャンカルロ=ベレッリ(フェラーラ公アルフォンソ)、ニコラウス=モラス(フルンスベルク将軍)ほか
ストーリー16世紀初頭、神聖ローマ帝国軍はイタリアに侵入、ローマ攻略を目指した。勇猛で知られるメディチ家出身の若き武将ジョヴァンニはこれを迎え撃つが、諸侯の裏切りもあり戦場で砲撃を受けて戦傷死する。その最後の6日間が静かに描かれてゆく。 
解説史劇ではあるのだが、チャンバラ活劇を期待しては肩透かし。「最後の中世的武将」が大砲という新兵器によって倒される話に現代の世界情勢などを重ね合わせたか…と思える抽象的芸術映画で、丁寧に作られてるのはわかるんだけど、あまりに淡々とした展開に退屈を覚えるのも事実。これがよく日本で公開されたなぁ…
メディア日本国内でのソフト化はまだされていない模様。

Viva l'Italia!
"イタリア万歳!(日本未公開)"

1961年/イタリア

カラー映画(138分、短縮版106分)
スタッフ○監督:ロベルト=ロッセリーニ〇脚本:セルジオ=アミデイ/ルイジ=チアリーニ/ロベルト=ロッセリーニ○撮影:ルチアーノ=トラサッティ○音楽:レンツォ=ロッセリーニ○製作:オスカル=ブラッツィ
キャストレンツォ=リッチ(ガリバルディ)、パオロ=ストッパ(ニノ・ビキシオ)、フランコ=インテルレンジ(ジェゼッペ・バンディ)、ジョヴァンナ=ラッリ(ローザ)、アッティリオ=ドッテシオ(クリスピ)、ヴィットリオ=ボットーネ(ヴィットリオ・エマヌエーレ2世)ほか
ストーリーイタリア統一運動が盛り上がる1860年、ガリバルディは千人隊を率いてシチリア島に上陸、ここを支配するブルボン家の両シチリア王国との戦いを開始する。ガリバルディ軍は果敢な戦闘と進軍を続けてシチリア島を征服、さらにナポリをも陥落させる。サルディーニャ国王ヴィットリオ=エマヌエーレ2世と会見したガリバルディはイタリア統一を彼に託して軍を去ってゆく。
解説世界史の教科書でもおなじみ、イタリア統一の英雄ガリバルディを主役とした歴史劇。リアリズム映画で名高いロッセリーニ監督には珍しい歴史ものだが、当時のリアルな再現に力を入れ、過剰に盛り上げることなく淡々と経過をまとめている。ロッセリーニ作品の中ではあまり知られてないが、監督当人は自身の代表作ととらえていたらしい。
メディア日本国内では公開もされずソフト化もない模様。

山猫
"Il gattopardo"
"The Leopard"

1963年/イタリア
パテ・シネマ/チタヌス
ソシエテ・ゲネラル・ド・シネマトグラフィ
カラー映画(187分)
スタッフ○監督:ルキノ=ヴィスコンティ○脚本:エンリコ=メティオーリ/スーゾ=チェッキ=ダミーコ/ルキノ=ヴィスコンティ/マッシモ=フランシオー/パスクァーレ=フェスタ=カンパニーレ○撮影:ジェゼッペ=ロトゥンノ○美術:マリオ=ガルブリア○音楽:ニーノ=ロータ○原作:ジュゼッペ=トマージ=ディ=ランペドゥーサ○製作:ゴッフレード=ロンバルド 
キャストバート=ランカスター(サリーナ公爵)、アラン=ドロン(タンクレディ)、クラウディア=カルディナーレ(アンジェリカ)ほか
ストーリー19世紀のイタリア統一戦争のさなか、シチリアの大貴族サリーナ公爵は時代の移ろいと貴族階級の衰亡を予感していた。甥のタンクレディは家を飛び出してガリバルディの赤シャツ隊に加わり革命に参加する。戻ってきたタンクレディはサリーナ公爵の娘を捨てて新興勢力の資産家の娘アンジェリカと婚約し、新生イタリア王国の軍人となってかつての味方・革命勢力を見限っていく。 
解説まさに貴族出身のヴィスコンティ監督ならではの豪華絢爛なデカダンス貴族映画。背景に激動の歴史があるがそれらは直接的には描かれず、その中で時代の変化を感じ取っていく老貴族の日常を、これといった山もなく淡々と描いて行く。後半の貴族が集まる大パーティーのシーンの豪華さは圧巻。シチリア、ニーノ=ロータの音楽と来るとまるで「ゴッドファーザー」の世界ですなぁ。こっちが先だけど(笑)。カンヌ映画祭グランプリを受賞。
メディアDVD/BD発売:紀伊国屋書店

夏の嵐
"Senso"

1954年/イタリア
ルックス
カラー映画(121分)
スタッフ○監督:ルキノ=ヴィスコンティ○脚本:ルキノ=ヴィスコンティ/スーゾ=チェッキ=ダミーコ/カルロ=アリアネッロ/ジョルジョ=バッサーニ/ジョルジョ=プロスペーリ○撮影:G=R=アルド/ロバート=クラスカー○原作:カミロ=ボイト○製作:ドメニコ=フォルジェス=ダヴァンツァーティ
キャストアリダ=ヴァリ(リヴィア)、ファーリー=グレンジャー(フランツ)、マッシモ=ジロッティ(ロベルト)、ハインツ=モーグ(セルピエーリ伯爵)ほか
ストーリー1866年、オーストリア領ヴェネチアでは、統一間もないイタリアにこの町を編入しようとする運動が起こり、オーストリア占領軍と激しい対立を呼んでいた。そんな折、若く美しい伯爵夫人リヴィアはオーストリア将校フランツと激しい不倫の恋に落ちてしまう。やがてイタリアとオーストリアの間に戦争が勃発、フランツは軍を脱走してリヴィアを頼り、リヴィアは彼をかくまい反オーストリア活動をする従兄弟から預かった軍資金まで彼に渡してしまう。ついに地位も財産も捨ててフランツとの愛に生きようと決意するリヴィアだったが…  
解説カミロ=ボイトの短編小説を、悲劇オペラのような華麗なる大作映画に仕立てあげた、ヴィスコンティ監督の代表作の一つ。冷静に見てるとしょーもない話なのだが、主演のアリダ=ヴァリの堂々たる美しさの前にはツッコミようもない。小ぶりな話の割に大がかりな造りであり、ヴェネチアをめぐるイタリア・オーストリア両軍の戦闘シーンまで挿入されて歴史映画の趣も強い。
メディアDVD/BD発売:紀伊国屋書店

1900年
"Novecenco"

1976年/イタリア・フランス・西ドイツ・アメリカ
PEA/アルティステ・アソシエ
アルテミス・プロ
カラー映画(316分)
スタッフ○監督:ベルナルド=ベルトルッチ○脚本:フランコ=アルカッリ/ジュゼッペ=ベルトルッチ/ベルナルド=ベルトルッチ○撮影:ヴィットリオ=ストラーロ○美術:エジオ=フリジェリオ/マリア=パオラ=マイノ○音楽:エンニオ=モリコーネ○製作:アルベルト=グリマルディ
キャストロバート=デニーロ(アルフレード)、ジェラール=ドパルデュー(オルモ)、ドナルド=サザーラント(アッティラ)、ドミニク=サンダ(アダ)、ラウダ=ベッティ(レジーナ)、ステファニア=サンドレッリ(アニタ)ほか
ストーリー1900年の同じ日に生まれた大地主の息子アルフレードとその小作人の息子オルモ。二人の間には友情が芽生えるが、地主となったアルフレードは次第に没落して行き、オルモは社会主義運動へと身を投じる。やがてファシズムの嵐が吹き荒れ、戦後、二人は全く立場を変えて再会する。 
解説ベルナルド=ベルトルッチ監督が描くイタリア現代史の大河ドラマ。絢爛たる貴族趣味を匂わせながらバックボーンに社会主義思想が濃厚にあるあたりはいかにもこの監督らしいところ。サザーラント演じるファシストが怖い!こういう役は彼の独壇場である。
メディアDVD/BD発売:紀伊国屋書店


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