太陽の帝王 "The King of the Sun" | 1963年/アメリカ ミリシュ・カンパニー カラー映画(108分) | |
スタッフ | ○監督:J=リー=トンプソン○脚本:エリオット=アーノルド/ジェームズ=R=ウェッブ○撮影:ジョー=マクドナルド○美術:アルフレッド=ヤバラ○音楽:エルマー=バーンスタイン○原作:エリオット=アーノルド○製作:ルイス=J=ラクミル | |
キャスト | ユル=ブリンナー(ブラック・イーグル)、ジョージ=チャキリス(バラム)、シャーリー=アン=フィールド(イシェル)、レオ=ゴードン(ヒュナック)ほか | |
ストーリー | 中米ユカタン半島で高度な文明を花開かせていたマヤ王国。しかし敵対部族の長ヒュナックの攻撃を受け王国は滅亡、王子バラムは新国王として家臣や民を率いて未知の海に乗り出す。海のかなたのテキサスに漂着し新王国を築くマヤ人たちだったが、その地には先住の北米インディアンたちがいた。インディアンの酋長ブラック・イーグルはマヤ人たちに捕われて神への生贄にされそうになるが… | |
解説 | 謎の多いマヤ文明をテーマとした意欲作にして異色作だが、お話自体はかなりB級。考証の上作りこんだ巨大なピラミッドのセット、大合戦のスペクタクルには圧倒されるが白人俳優ばかりが演じるマヤ人たちというのはかなり無理。例によって民族不明な役はユル=ブリンナーで迫力満点ではあるのだけど。 | |
メディア | DVD発売:20世紀フォックス・ホームエンターテイメント・ジャパン |
アポカリプト "Apocalypto" | 2006年/アメリカ タッチストーン・ピクチャー アイコン・プロダクション カラー映画(138分) | |
スタッフ | ○監督:メル=ギブソン○脚本:サラド=サファニア/メル=ギブソン○撮影:ディーン=セムラー○美術:トム=サンダース○音楽:ジェームズ=ホーナー○製作:メル=ギブソン/ブルース=デイヴィ○製作総指揮:ヴィッキー=クリスティアンソン/ネッド=ダウド | |
キャスト | ルディ=ヤングブラッド(ジャガー・パウ)、ダリア=ヘルナンデス(セブン)、ジョナサン=ブリューワー(ブランテッド)、ラウル=トルヒーヨ(ゼロ・ウルフ)、ヘラルド=タラセーナ(ミドル・アイ)ほか | |
ストーリー | ユカタン半島のジャングルで平和な狩猟生活を送っていた村を、マヤ都市文明の「人間狩り」が襲った。都市発展のために農地が荒廃し、収穫の激減を天の怒りとみなした神官たちが「いけにえ」となる人間を大量に求めていたのだ。危ういところを脱出したジャガー・パウは追っ手の追跡を逃れながら、妻と子が待つ村へと走る。 | |
解説 | 全編「マヤ語」で製作されたメル=ギブソン監督の異色アクション。マヤ文明荒廃の原因を都市文明発展による自然破壊と公害に求める最新学説を採用しているが、マヤ文明じたいよりも冒頭の平和な村の描写の方が印象に残ってしまう。映画自体は「ダイ・ハード」ばりの追いつ追われつのアクションで、やたらにスプラッタなシーンも多い。ラストからすると16世紀のお話のようだ。 | |
メディア | DVD発売:Iポニーキャニオン |
ピサロ将軍 "The Royal Hunt of the Sun" | 1969年/アメリカ シネマ・センター・フィルムズ ランク・オーガナイぜ―ション セキュリティ・ピクチャーズ カラー映画(121分) | |
スタッフ | ○監督:アーヴィング=ラーマー○脚本:フィリップ=ヨーダン○撮影:ロジャー=バーロウ○美術:ユージーン=ルーリエ○音楽:マーク=ウィルキンソン○原作:ピーター=シェーファー○製作:ユージーン=フレンケ/フィリップ=ヨーダン | |
キャスト | ロバート=ショー(ピサロ)、クリストファー=プラマー(アタワルパ)ほか | |
ストーリー | 私生児で無学文盲のピサロは「黄金の国」を見つけるとスペイン国王に見得を切って南米へとやってくる。そしてついにインカ帝国を発見、その皇帝アタワルパを謀略をもって捕虜とした。同じ私生児であるアタワルパとピサロの間に奇妙な友情が芽生えるが、ピサロの周囲の貴族や司祭はアタワルパ殺害を企てる。 | |
解説 | 原作が舞台劇らしく、ハデな立ち回りのあるアタワルパ捕縛シーン以外は、ほとんど登場人物達による室内心理劇が展開される。ピサロとアタワルパの対話はそのまま文明論・宗教論の形になっていて面白い。プラマーのアタワルパ役は怪演というべきだが、いかにもそれっぽい。 | |
メディア | 日本国内ではソフト化の例がない。NHK衛星でひょっこり放送していたのを見たことがある。 |
ミッション "The Mission" | 1986年/イギリス エニグマ・プロ ゴールドクレスト カラー映画(125分) | |
スタッフ | ○監督:ローランド=ジョフィ○脚本:ロバート=ボルト○撮影:クリス=メンジス○美術:ジョン=キング/ジョージ=リチャードソン○音楽:エンニオ=モリコーネ○製作:フェルナンド=ギア/デビッド=パットナム | |
キャスト | ロバート=デニーロ(メンドーサ)、ジェレミー=アイアンズ(ガブリエル)ほか | |
ストーリー | 18世紀後半のブラジル。イエズス会の神父ガブリエルはイグアス滝上流のインディオの村に布教を進めて行く。奴隷商人だったメンドーサは弟を殺したことから改心し、ガブリエルに従って村人と暮らし始める。しかしポルトガル・スペインそして教会の思惑により、その平和は長くは続かなかった。 | |
解説 | 「キリング・フィールド」のスタッフが製作した文明衝突のドラマ。前作同様ドキュメンタリー・タッチの演出が際だつ。イグアス滝周辺での決死のロケ撮影も見物。カンヌ映画祭グランプリを受賞。 | |
メディア | BD発売:TCエンタテインメント/DVD発売:ハピネット |
Simón Bolí
var "シモン・ボリバル"(日本未公開) | 1969年/イタリア・ベネズエラ・スペイン カラー映画(106分) | |
スタッフ | ○監督:アレッサンドロ=ブラセッティ○脚本:ホセ=ルイス=デビルドス○撮影:マヌエル=ベレンゲール○美術:エドゥアルド=トーレ・デ・ラ=フュエンテ○音楽:アルデマロ=ロメロ/カルロ=サヴィーナ/アドルフォ=ワイツマン | |
キャスト | マクシミリアン=シェル(シモン・ボリバル)、ロザンナ=スキアフィーノ(コンスエロ)ほか | |
ストーリー | ナポレオン没落後、南米大陸ではスペインの植民地支配に対する独立運動が盛んになった。軍人ボリバルはベネズエラ独立を目指すが独立運動は各勢力の思惑や意識の違いでなかなかまとまらない。苦難の戦いを経て独立勢力をまとめ上げたボリバルは1825年に南米大陸の解放を達成する。 | |
解説 | 南米独立の英雄の一人・シモン=ボリバルを主役にした一本。イタリアメインで製作したようで、資金的な理由もあってかボリバルの生涯のごく一部に絞り、架空ヒロインも登場させて恋愛も絡め小ぶりな歴史映画にまとめている。はるか後にTVドラマでピョートル大帝も演じたマクシミリアン=シェルの豪快さが印象的。 | |
メディア | 日本では未公開で、ソフト化もされていない。 |
リベレイター "LIBERTADOR" | 2013年/ベネズエラ・スペイン サン・マテオ・フィルムズ シルヴァー・スクリーン WMGフィルムズ カラー映画(119分) | |
スタッフ | ○監督・製作:アルベルト=アルヴェロ○脚本:ティモシー=J=セクストン○撮影:サビ=ギネメス○音楽:ゲスターヴォ=ドゥダメル | |
キャスト | エドガー=ラミレス(シモン・ボリバル)、マリア=ヴァルヴェルデ(マリア・テレサ)、フアナ=アコスタ(マヌエラ)、ダニー=ヒューストン(トーキントン)、エリク=ウィルドプレット(スクレ)、マヌエル=ポルト(ミランダ)、フランシスコ=デニス(ロドリゲス)ほか | |
ストーリー | ベネズエラの大地主に生まれたシモン・ボリバルは本国スペインから新妻のマリア・テレサを連れ帰るが、彼女は間もなく病死してしまう。失意のボリバルはパリに渡り、恩師ロドリゲスの叱咤を受けてミランダ将軍のもとでスペインに対する独立軍に加わる。一度は敗れてジャングルの奥地に追放されるもボリバルは貧しい住民たちを率いて自由・平等をうたう革命軍を結成、「リベルタドール(解放者)」と呼ばれるようになる。勝利と敗北を繰り返しつつ、極寒のアンデス越えを決行してコロンビアを解放、一時は南米北部を「大コロンビア共和国」にまとめあげる。しかし諸勢力の思惑で大コロンビアは分裂、ボリバルは再び統合のための戦いをはじめるのだが…。 | |
解説 | 南米解放の英雄シモン=ボリバルの栄光と挫折の生涯を大がかりなスペクタクルも含めて見事に二時間枠にまとめあげた力作。当時のベネズエラのチャベス大統領が何かとボリバルを称揚して自身に重ねていたので実質「国策映画」でもあるが、内容的には単純に英雄視もしていない。ラストは暗殺を強く示唆する描写になっている。 | |
メディア | DVD発売:アメイジングD.C. |
Revolución el cruce de los Andes "革命 アンデスを越えて"(日本未公開) | 2011年/アルゼンチン カラー映画(96分) | |
スタッフ | ○監督:レアンドロ=イピナ○脚本:アンドレス=マイノ/レアンドロ=イピナ○撮影:ハリエル=フリア○音楽:セバスティアン=エスコフェット/ギュスターヴォ=サンタンラーラ○製作:マリナ=バキン/ギュスターヴォ=ヴィラマグナ/レアンドロ=ボレル | |
キャスト | ロドリド=デ・ラ=セルナ(サン・マルティン)、フアン=シアンシオ(マヌエル)、ハビエル=オリベラ(オイヒンス)ほか | |
ストーリー | 1880年、ブエノスアイレスに住む老人マヌエルを記者が訪ねる。彼は少年時代にサン=マルティン将軍に従って南米独立のためにアンデス越え作戦に参加した過去があった。彼がじかに見たサン=マルティンの戦いが語られてゆく。 | |
解説 | 南米独立のもう一人の英雄・サン=マルティンを主役にした一本。アルゼンチン本国で製作されたもので、同国の歴史映画としては大作の方なのだろうが、さすがに話はアンデス越えとチャカブコの戦いに絞っている。 | |
メディア | 日本では未公開で、ソフト化もされていない。 |
ケマダの戦い "Burn!" | 1969年/イタリア・フランス PEAプロ カラー映画(115分) | |
スタッフ | ○監督:ジッロ=モンテコルヴォ○脚本:フランコ=ソリナス/ジョルジョ=アルロリオ○撮影:ジェゼッペ=ルゾリーニ○美術:セルジオ=カネバリ/ピエロ=ゲラルディ○音楽:エンニオ=モリコーネ○製作:アルベルト=グリマルディ | |
キャスト | マーロン=ブランド(ウォーカー)、エヴァリスト=マルケス(ホセ)、レナート=サルヴァトーリ(サンチェス)ほか | |
ストーリー | 19世紀、カリブ海の島ケマダはポルトガルの植民地支配が続き、黒人奴隷たちが砂糖生産に従事させられていた。イギリスからケマダに送り込まれた軍人ウォーカー卿は黒人のホセを反乱指導者に仕立て、革命を成功させ独立を勝ち取らせる。しかしイギリスの本当の狙いは島の砂糖利権をイギリス商社で独占することで、ホセたちは新たな植民地支配に対する抵抗運動を続ける。10年後、ウォーカーは再びケマダにやって来てホセたち反乱軍の鎮圧に乗り出す。 | |
解説 | 「アルジェの戦い」で高い評価を受けたモンテコルヴォ監督らスタッフが植民地支配の苛烈さ、狡猾さを正面から描いた問題作。この映画で描かれる「ケマダ」はあくまで架空の島であり史実に基づいた映画ではないのだが、当初「スペイン領」とする予定をスペイン政府からの抗議で変更した経緯があるそうで、大同小異のモデルはあるようだ。ドキュメンタリータッチの中で大スター・ブランドが少々浮いてしまっている観もあるが、反体制派を自負していた本人は自身の代表作に挙げている。 | |
メディア | DVD発売:エスピーオー |
ワン・マンズ・ヒーロー "One Man's Hero" | 1999年/アメリカ オライオン・ピクチャーズ シルヴァーライオン・フィルムズ カラー映画(123分) | |
スタッフ | ○監督:ランス=フール○脚本:ミルトン=S=ゲルマン○撮影:ジョーノ=フェルナンデス○音楽:アーネスト=トルースト○製作:ウィリアム=J=マクドナルド/コンラッド=フール | |
キャスト | トム=ベレンジャー(ライリー)、ヨアキム=デ=アルメイダ(コルティナ)、ジェームズ=ギャモン(テイラー将軍)、パトリック=バージン(スコット将軍)ほか | |
ストーリー | テキサスの地を狙うアメリカ合衆国はメキシコとの間に米墨戦争を起こした。アイルランド系移民で食い詰めて米軍に入っていた兵士たちは同じカトリックのメキシコ側に親近感を抱き、米軍内の差別への反感もあり、ライリー大尉に率いられて反乱、「聖パトリック連隊」としてメキシコ軍に身を投じた。彼らは各地で活躍するが、やがて戦争はメキシコの敗北に終わり… | |
解説 | メキシコでは名高い「聖パトリック連隊」の史実をベースに、米墨戦争を徹頭徹尾メキシコ側の視点にたってアメリカの侵略戦争として描く、異色の歴史映画。マイナー作とはいえこれがアメリカで製作されているのだから同国の懐の広さを感じるところでもある。 | |
メディア | 20世紀フォックス・ホームエンターテイメント・ジャパンよりVHSソフトが出ていた。 |
ヴェラクルス "Vera Cruz" | 1955年/アメリカ ユナイテッド・アーティスツ カラー映画(94分) | |
スタッフ | ○監督:ロバート=アルドリッチ○脚本:ローランド=カイビー/ジェームズ=R=ウェッブ○撮影:アーネスト=ラズロ○音楽:ヒューゴー=フリードホーファー○製作:ジェームズ=ヒル | |
キャスト | ゲイリー=クーパー(トレイン)、バート=ランカスター(エリン)、サリタ=モンティール(ニナ)、デニーズ=ダーセル(マリー)、ジョージ=マクレディ(マクシミリアン)ほか | |
ストーリー | 南北戦争に敗れた南部農場主のトレインはメキシコに入り、偶然出会った早撃ちの悪党エリンとなぜか手を組むことに。メキシコは皇帝マクシミリアンの支配に抵抗する農民軍の革命運動で動乱のさなかにあり、トレインとエリンは伯爵令嬢マリーの護衛をマクシミリアンから依頼される。実はマリー一行は大量の金貨を運んでおり、マリーも、農民軍もその奪取を狙っていた。トレインとエリンもその争奪戦に巻き込まれていくが… | |
解説 | 西部劇の傑作として名高い一本だが、当時の「帝政メキシコ」の歴史状況が出てくるのでここに収録してみた。出てくる奴はみんなワル、的なドライな内容だが、ニヒルでどこか哀しい悪党を演じたバート=ランカスターのカッコ良さが特に印象に残る。ラストの決闘場面は西部劇史上でもちょっとした名シーン。 | |
メディア | DVD・BD発売:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン |
革命児サパタ "Viva Zapata!" | 1951年/アメリカ 20世紀フォックス 白黒映画(114分) | |
スタッフ | ○監督:エリヤ=カザン○脚本:ジョン=スタインベック○撮影:ジョー=マクドナルド○美術:ライル=ウィーラー/レランド=フューラー○音楽:アレックス=ノース○製作:ダリル=F=ザナック | |
キャスト | マーロン=ブランド(サパタ)、ジーン=ピーターズ(ホセファ)、アンソニー=クイン(エウフェミオ)、ジョゼフ=ワイズマン(フェルナンド)、アラン=リード(パンチョ・ビリャ)、ハロルド=ゴードン(マデロ)ほか | |
ストーリー | 農民出身の盗賊サパタはメキシコ革命に身を投じ、農民軍を率いたゲリラ戦を展開する。やがて革命は成り、新政府が誕生するがそれは軍部によって倒されてしまった。再び立ち上がり政権を奪取したサパタだったが、政治の現実に失望し、元の山へと帰っていく。しかし軍部はサパタに罠をしかけた。 | |
解説 | メキシコ革命における民衆の英雄・エミリアーノ=サパタの愛と革命の生涯を描いた名作。若き日のマーロン=ブランドの熱演が見物。後に「赤狩り」で査問されるカザン監督らしく「社会派」で「革命的」な内容である(もっともその後「仲間を売った赤狩り協力者」と呼ばれることになるが)。サパタの精神が脈々と民衆の中で受け継がれる事を示したラストシーンが見事。 | |
メディア | DVD発売:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン ファースト・トレーディングより著作権切れの激安DVDも出ている。 |
戦うパンチョビラ "Willa Rides!" | 1968年/アメリカ テッド・リッチモンド・プロ カラー映画(112分) | |
スタッフ | ○監督:バズ=キューリック○脚本:サム=ペキンパー/ロバート=タウン○撮影:ジャック=ヒルドヤード○音楽:モーリス=ジャール○原作:ウィリアム=ダグラス=ランスフォード○製作:テッド=リッチモンド | |
キャスト | ユル=ブリンナー(パンチョ=ビリャ)、ロバート=ミッチャム(リー)、チャールズ=ブロンソン(フィエロ)、マリア=グラツィア=ブッチェラ(フィナ)ほか | |
ストーリー | メキシコ革命の動乱のなか、武器商人リーは反革命軍に武器を売るため飛行機でメキシコに入り、パンチョ=ビリャ率いる革命軍の捕虜となる。パンチョ=ビリャはリーを仲間に加えてその飛行機を利用し、戦いを進める。 | |
解説 | 上記の「革命児サパタ」にもチラリと登場するメキシコ革命の一方のヒーロー、パンチョ=ビリャを描いた冒険活劇。女好きで豪放磊落なビリャをユル=ブリンナーが気持ちよさそうに演じている。戦闘シーンなんかも金は掛けてるんだけど、ラストがハッピーエンドなのはハリウッド映画だなぁ(笑)。彼らが(一時的な)勝利を収めるところで話はオシマイ。 | |
メディア | 以前パラマウント・ホームエンタテインメント・ジャパンよりVHSソフトが出ていた。 |
ワイルドバンチ "The Wild Bunch" | 1969年/アメリカ ワーナー・ブラザーズ カラー映画(145分) | |
スタッフ | ○監督:サム=ペキンパー○脚本:サム=ペキンパー/ワロン=グリーン○撮影:ルシアン=バラード○美術:エドワード=タレア○音楽:ジェリー=フィールディング○原作:ワロン=グリーン/ロイ=N=シックナー○製作:フィル=フェルドマン | |
キャスト | ウィリアム=ホールデン(パイク)、アーネスト=ボーグナイン(ダッチ)、ロバート=ライアン(デーク)、エドモンド=オブライエン(サイクス)ほか | |
ストーリー | 西部の列車強盗団「ワイルド・バンチ」は賞金稼ぎに追われるように内乱のメキシコへと向かう。ここで政府軍と取り引きして列車を襲い、武器の強奪に成功するが、仲間のインディオが武器を横流したことがばれて捕らえられてしまう。「ワイルド・バンチ」の面々は仲間を救出すべく、絶望的な戦いに向かう。 | |
解説 | 「歴史映画」というよりも西部劇の名作として名高い。実在した強盗団を素材に西部劇時代の終焉を描き、劇中メキシコ内乱が絡んでくるので取り上げてみた。「完全版」ではパンチョ=ビリャの軍隊が政府軍を攻撃してくる大がかりなシーンもある。ペキンパー監督の「暴力美学」の極地とされる名作で、冒頭とラストの凄まじい戦闘・殺戮シーンは映画史上の名場面である。 | |
メディア | DVD・BD発売:ワーナー・ホーム・ビデオ |
暗殺者のメロディ "The Assassination of Trotsky" | 1972年/アメリカ ジョゼフ・シャフテル・プロ カラー映画(104分) | |
スタッフ | ○監督:ジョゼフ=ロージー○原作・脚本:ニコラス=モスレー○撮影:パスクァリーノ=デ=サンティス○音楽:エジスト=マッキ○製作:ジョゼフ=シャフテル | |
キャスト | アラン=ドロン(ジャクソン)、リチャード=バートン(トロツキー)、ロミー=シュナイダー(ジータ)、ヴァレンティナ・コルテーゼ(ナタリヤ)ほか | |
ストーリー | スターリンと対立してメキシコに亡命していたトロツキーのもとに、共産主義に共鳴していると称するジャクソンという若者が接近した。しかしジャクソンは実はスターリンの指示のもとトロツキーを暗殺するべく放たれた刺客だった。ジャクソンはトロツキーに対して複雑な感情を抱きつつ、暗殺計画を実行に移す。 | |
解説 | 原題はそのままズバリ「トロツキーの暗殺」なのだが、ドロン主役ということで女性客を呼ぼうとこんな邦題になっちゃったみたい。アラン=ドロンが複雑怪奇な刺客を怪演したところが見もので、セミ・ドキュメントタッチで展開自体はかなり地味。あまり中南米史ものとは言えないのだが、全編メキシコが舞台のためここに入れてみた。 | |
メディア | DVD発売:アップリンク(なぜか「メロディー」と伸ばしている) |
モーターサイクル ダイアリーズ "Diarios de motocicleta" | 2004年/アメリカ・イギリス・アルゼンチン・ペルー サウス・フォーク・ピクチャーズ デュ・ヴァ・ヴォアール・プロダクション カラー映画(127分) | |
スタッフ | ○監督:ウォルター=サレス○脚本=ホセ=リヴェーラ○撮影:エリック=ゴーティエ○美術:カルロス=コンティ○音楽:グスターヴォ=サンタオラヤ○製作:マイケル=ノジク/エドガード=テネンバウム/カレン=テンコフ○製作総指揮:ロバート=レッドフォード | |
キャスト | ガエル=ガルシア=ベルナル(エルネスト・ゲバラ)、ロドリゴ=デ・ラ・セルナ(アルベルト・グラナード)ほか | |
ストーリー | 1952年、アルゼンチンの若き医学生ゲバラとグラナードの二人はバイクで南米諸国をめぐる大旅行に出発する。喘息発作や失恋に苦しみながら、ゲバラはアンデス沿いにチリ、ペルーへ、そしてアマゾンのほとりのハンセン病患者施設へと旅して、さまざまな社会の矛盾を目撃、「ラテンアメリカはひとつ」との思いを強めてゆく。 | |
解説 | 後の革命家・ゲバラの青春時代を描くロードムービー。主人公がゲバラでなかったらよくある貧乏学生のヒッチハイク珍道中。ガエル=ガルシア=ベルナルはこれが二度目のゲバラ役だった。 | |
メディア | DVD・BD発売:アミューズソフト・エンタテインメント |
チェ・ゲバラ&カストロ "Fidel" "Fidel & Che" | 2002年/アメリカ ショウタイム カラーTVドラマ (オリジナル206分、日本DVD版120分) | |
スタッフ | ○監督:デビッド=アットウッド○脚本:スティーブン=トルキン○撮影:フランシスコ=バレセ○美術:ブリジッド=ブロシュ○音楽:ジョン=アルトマン/ジョン=アレクシ○製作:ケヴィン=クーパー○製作総指揮:デビッド=V=ピッカー | |
キャスト | ビクトル=ユーゴ=マルティン(カストロ)、ガエル=ガルシア=ベルナル(ゲバラ)ほか | |
ストーリー | 若き弁護士カストロはアメリカと結びついて強権政治をすすめるバチスタ政権打倒を目指し、はじめは選挙運動で、やがて武装蜂起を企てる。失敗して投獄され、亡命を余儀なくされたカストロだったが、メキシコでゲバラと邂逅、わずかな同志と共にキューバに上陸してゲリラ戦を展開。カストロらの活動は次第に民衆の支持を得て、ついにバチスタ政権を打倒、革命政権を作り上げる。だが国家建設の苦難と米ソ冷戦のはざまでかつての同志たちは次第に対立を深め、ゲバラもキューバを去ってボリビアで戦死する。長期独裁を維持した老いたカストロは若き日の友たちの写真を見て何を思うのか― | |
解説 | 日本版では「ゲバラ」が全面に押し出された商品化がなされているが、実際にはカストロ一代記のTVドラマでゲバラはほとんどオマケである。これをアメリカで作るんだ!と思っちゃうほど前半はカストロを英雄として描く革命物語としてよくまとまっており、当人が生きてるうちから「歴史人物状態」になってることがよく分かる。 | |
メディア | DVD発売:アット・エンタテインメント(120分の短縮版) |
ゲバラ! "Che!" | 1969年/アメリカ 20世紀フォックス カラー映画(96分) | |
スタッフ | ○監督:リチャード=フライシャー○脚本:マイケル=ウィルソン/サイ=バートレット○撮影:チャールズ=ウィーラー○音楽:ラロ=シフリン○原作:サイ=バートレット/デビッド=カープ○製作:サイ=バートレット | |
キャスト | オマー=シャリフ(チェ=ゲバラ)、ジャック=パランス(カストロ)ほか | |
ストーリー | カストロ率いるキューバ革命軍に参加した喘息もちの青年医師ゲバラは、ゲリラ戦の中で次第にその冷徹な戦略家の才能を発揮してゆく。革命は成功し政権に参画したゲバラだったが、米ソの外交的駆け引きに失望してカストロと別れ、さらなる革命のためにボリビアへと向かう。だが理念と現実のあまりに大きい落差に、ゲバラは肉体的にも精神的にも追い詰められてゆく。 | |
解説 | 今なお世界で根強い人気を保つゲバラの生涯を、その死後わずか3年、しかもアメリカで映画化してしまった一本。当時としては政治的背景が強すぎるためかゲバラがボリビアで追い詰められていく部分に時間が割かれ、キューバ革命自体はアッサリした内容となっている。ゲバラを演じたのはエジプト出身でさまざまな人種・民族役を演じてしまったオマー=シャリフだが、ジャック=パランスのカストロともども結構似せている。 | |
メディア | DVD発売:20世紀フォックス・ホームエンターテイメント・ジャパンより「革命戦士ゲバラ!」のタイトルで発売 |
チェ 「28歳の革命」 「39歳別れの手紙」 "Che Part1: The Argentin" "Che Part2: Guerrilla" | 2008年/アメリカ・フランス・スペイン ワイルドバンチ テレシネコ ローラ・ビックフォード・プロダクション カラー映画(132分&133分) | |
スタッフ | ○監督:スティーブン=ソダバーグ○脚本:ピーター=バックマン○撮影:ピーター=アンドリュース/スティーブン=ソダバーグ○美術:アンチョン=ゴメス○音楽:アルベルト=イグレシアス○プロデューサー:ベニチオ=デルトロ/ローラ=ビックフォード | |
キャスト | ベニチオ=デルトロ(チェ・ゲバラ)、デミアン=ビチル(フィデル・カストロ)、サンティアゴ=カブレラ(カミロ・シエンフエゴス)、カタリーナ=サンディゴ=モレノ(アレイダ)、ロドリゴ=サントロ(ラウル・カストロ)ほか | |
ストーリー | 喘息持ちの青年医師にして革命家のゲバラはカストロらと共にキューバ革命に身を投じた。山林の中の過酷なゲリラ戦を戦ううち、次第に頭角を現し革命の象徴的存在となったゲバラは国連本部で演説を行う。新たな革命を起こすべくキューバを離れたゲバラはボリビアに赴き、ここで悲劇的な現実に直面することになる。 | |
解説 | キューバ革命50周年を機に公開された2部構成の大作。社会派と娯楽作を連打するソダバーグ監督によるドキュメンタリータッチの演出と、自身で企画を持ち込んだデルトロの熱演が結びついた新たな「ゲバラ映画」だ。意識してゲバラと距離を置きドキュメント風に作っているので淡々とした印象。デルトロは本作でカンヌ主演男優賞を受賞した。 | |
メディア | DVD発売:日活 |
戒厳令下チリ潜入記 "Acta General de Chile" | 1986年/スペイン RVVE・アルフィル・ウノ・シネマトグラフィカ カラー映画(115分) | |
スタッフ | ○監督:ミゲル=リティン○撮影:ウゴ=アディラルディ/トリスタン=バウエル/パブロ=マルティネス○音楽:アンゲル=パッラ○製作:ベルナドッテ=シド/ルチアーノ=バルドゥッチ/フェルナンド=ケジノ | |
キャスト | ミゲル=リティン(本人)ほか | |
ストーリー | 1973年にアジェンデ社会主義政権をアメリカの後押しのクーデターによって倒したピノチェト軍事政権は1985年になってもチリ全土に戒厳令を布いていた。政変後、国外に亡命したリティン監督は変装してひそかに母国に帰り、貧困と圧政にあえぐ人々や反政府活動グループにインタビューを重ねてゆく。 | |
解説 | アジェンデ政権に参加していた監督自身が母国に潜入し、生命の危険を賭して製作した迫真のドキュメンタリー。 | |
メディア | 日本では吹き替え版が製作されて各地で自主上映がなされ、たまたま筆者もそれで鑑賞している。過去に大映からVHSソフトが発売されていたが今のところDVD以降のメディアによるソフト化はない。 |
NO "No" | 2012年/チリ・アメリカ・メキシコ ファビュラ/パーティシパント・メディア カラー映画(118分) | |
スタッフ | ○監督:パブロ=ラライン○脚本:ペドロ=ペイラノ○撮影:セルヒオ=アームストロング○美術:エステファニア=ラライン○原作:アントニオ=スカルメタ○製作:フアン=デ=ディオス=ラライン/ダニエル=ドレイフュス○製作総指揮:ジェフ=スコール/ジョナサン=キング | |
キャスト | ガエル=ガルシア=ベルナル(レネ)、ルイス=ニエッコ(ウルティア)、アルフレド=カストロ(グスマン)、アントニア=セヘルス(ベロニカ)、マルシアル=タグレ(アルベルト)、ハイメ=ハデル(大臣)ほか | |
ストーリー | 1988年、チリのピノチェト独裁政権は外国からの批判をかわすためにピノチェトを信任するか否かを問う国民投票の実施を決めた。売れっ子のCMディレクターであるレネは友人の左派活動家からピノチェトへの「NO」投票を呼び掛けるCMの製作を依頼される。レネは独裁政権への直接的な批判は避け、明るい未来を描くイメージ優先のCMを製作するが、活動家たちからは「まるでコーラのCM」と批判されてしまう。しかしレネのCMで次第に「NO」派の勢いは増し、焦った政権側はレネの上司を使ってピノチェト支持を呼びかける対抗CMを製作させる。 | |
解説 | 結果的にピノチェトを退陣に追い込んだ国民投票を、「CM合戦」の観点から描いたユニークな一本。原作は戯曲で、モデルはあるものの筋書きはあくまでフィクション。わざと当時の機材で撮影しドキュメントタッチに描きだすが、当時を実際に知る活動家たちからは違和感の声もあったらしい。独裁政権のひどさを描きつつも声高に硬派な批判を唱えるのではなく、主人公があくまで「広告マン」として自由という商品を宣伝する、という姿勢が面白い。 | |
メディア | DVD発売:オデッサ・エンタテインメント |