U・ボート "Das Boot" | 1981年/西ドイツ バヴァリア・アトリエ ラディアント・フィルム カラー映画 (135分/ディレクターズカット208分) | |
スタッフ | ○監督・脚本:ウォルフガング=ペーターゼン○撮影:ヨフト=ヴァカーノ○美術:ゲート=ヴァイトラー/ロルフ=ツェートバウアー○音楽:クラウス=ドルディンガー○原作:ロタール=ギュンター=ブッフハイム○製作:ギュンター=ロールバッハ | |
キャスト | ユルゲン=プロトノフ(艦長)、ヘルベルト=グレーネマイヤー(ヴェルナー)ほか | |
ストーリー | 第二次大戦下、ドイツ軍の潜水艦Uボートに乗り込み、男達は死闘を続ける。彼らは地中海を通りイタリアへの入港を目指すが、ジブラルタル海峡で敵の攻撃を受け、海底へと沈んでしまう。彼らに脱出の道はあるのか? | |
解説 | ドイツ映画史上最大のヒットとなりアカデミー外国語映画賞も受賞した「潜水艦映画」の名作。もともと50分×6回におよぶテレビ用映画だったが、それを編集したおかげでかえって緊迫感のあるドラマになったような気もする。ラストはヨーロッパ系映画だなぁ、と思わせるところ。 | |
メディア | DVD/BD発売:角川書店 |
ダンケルク "Week-End a Zuydcoote" | 1964年/フランス・イタリア ロベール・エ・レイモン・アキム・プロ カラー映画(124分) | |
スタッフ | ○監督:アンリ=ヴェルヌイユ○脚本:フランソワ=ボワイエ○撮影:アンリ=ドカエ○音楽:モーリス=ジャール○原作:ロベール=メルル○製作:ロベール=アキム/レイモン=アキム | |
キャスト | ジャン=ポール=ベルモンド(ジュリアン)、カトリーヌ=スパーク(ジャンヌ)、フランソワ=ペリエ(アレクサンドル)ほか | |
ストーリー | 1940年6月、突入してきたドイツ軍に英仏軍は各地で撃破され、大西洋間際まで追い詰められていた。部隊が壊滅して一人ダンケルク近くの観光地の海岸ズイドコートに流れ着いたジュリアンは英語が話せるのを利用してなんとかイギリス軍に紛れこんで海を渡ろうとするが、ドイツ軍の空襲によりなかなか果たせない。近くの家にいたジャンヌという娘と仲良くなるがジャンヌは混乱のなか兵士に襲われ… | |
解説 | 原題を見れば分かるように「ダンケルク」は邦題で勝手につけたもので、ダンケルク撤収作戦の映画化と思って見ると拍子抜けするはず。ただフランス戦争映画としてはかなりカネと手間がかかっており、追い詰められた状況下での理不尽な悲劇が乾いたタッチでこれでもかと描かれ、ある意味「敗戦国」でもあるフランスならではの内容という気もする。 | |
メディア | DVD発売:パイオニアLDC |
ダンケルク "DUNKIRK" | 2017年/イギリス・アメリカ・フランス・オランダ シンコピーフィルムズ ラットパックエンターテインメント カラー映画(106分) | |
スタッフ | ○監督・脚本:クリストファー=ノーラン○撮影:ホイテ=ヴァン=ホイテマ○音楽:ハンス=ジマー○製作:エマ=トーマス/クリストファー=ノーラン〇製作総指揮:4ジェイク=マイヤーズ/グレッグ=シルバーマン | |
キャスト | フィン=ホワイトヘッド(トミー)、トム=グリン=カーニー(ピーター)、ジャック=ロウデン(コリンズ)、アナイリン=バーナード(“ギブソン”)、ケネス=ブラナー(ボルトン中佐)、マーク=ライランス(ドーソン)ほか | |
ストーリー | 1940年5月末、ドイツ軍の攻勢を受けてイギリス軍はダンケルクの浜辺に追いつめられ、彼らを本国へ帰還させるべく「ダイナモ作戦」が開始される。イギリス兵トミーは部隊でただ一人生き残り、謎の男ギブソンとなんとか海を渡ろうと一週間苦闘する。一方ドーソン父子は所有する小型船を徴発され自国兵士を救うべくダンケルクへと一日かけて向かう。そして空軍兵士コリンズはスピットファイアを操縦して脱出作戦を援護しようと一時間奮闘する。 | |
解説 | ダンケルクの脱出作戦を重層的に描いた異色の戦争映画。浜辺での一週間、海での一日、空での一時間が同時並行で描かれるという脚本が変わっていて、工夫はあるがいささか難解でもある。全編に「チッチット…」と秒針の音が入って緊迫感を盛り上げ、観客を兵士たちの目線に持っていく。戦争そのものの不条理への視線も忘れていない。 | |
メディア | DVD/BD発売:ワーナー・ホーム・エンターテイメント |
空軍大戦略 "Battle of Britain" | 1969年/イギリス ハリー・サルツマン・プロ カラー映画(130分) | |
スタッフ | ○監督:ガイ=ハミルトン○脚本:ジェームズ=ケナウェイ/ウィルフレッド=グレイトレックス○撮影:フレデリック=A=ヤング○音楽:ウィリアム=ウォルトン○製作:ハリー=サルツマン/S=ベンジャミン=フィッツ | |
キャスト | ハリー=アンドリュース、マイケル=ケイン、ローレンス=オリヴィエ、クルト=ユルゲンス、トレヴァー=ハワード、ロバート=ショー、スザンナ=ヨークほか | |
ストーリー | 1940年、ナチス・ドイツ軍の猛攻にフランスは一挙に占領され、イギリス軍も大陸から撤退した。ドイツ軍はゲーリング元帥の指揮の下、イギリスを屈服させるべく大規模な空爆作戦を実行、イギリス各地の空軍基地、さらにはロンドンへの大規模な空襲を行う。空の戦力で劣勢のイギリス軍は名機スピットファイヤー部隊でこれに立ち向かう。 | |
解説 | 第二次大戦におけるイギリス本土の戦い「バトル・オブ・ブリテン」を描いた、「空戦映画」としては問答無用の名作。英国オールスター総出演で展開されるストーリーはどうでもよく(実際この部分はかなり駄作)、敵味方多くの実機が大空を飛び交って繰り広げる空戦シーンが見所で、その迫力は「特撮」ではとても再現できない(部分的にミニチュア特撮もあるが)。 | |
メディア | DVD/BD発売:20世紀フォックス・ホーム・エンターテインメント・ジャパン |
砂漠の鬼将軍 "The Desert Fox" | 1951年/アメリカ 20世紀フォックス 白黒映画(88分) | |
スタッフ | ○監督:ヘンリー=ハサウェイ○脚本:ナナリー=ジョンソン○撮影:ノーバート=ブロディン○美術:ライル=ウィーラー/モーリス=ランスフォード○音楽:ダニエル=アンフィシアトロフ○原作:デズモント=ヤング○製作:ナナリー=ジョンソン | |
キャスト | ジェームズ=メイスン(ロンメル)、ルーサー=アドラー(ヒトラー)、セドリック=ハードウィック(ストローリン)、ジェシカ=タンディ(ロンメル夫人)ほか | |
ストーリー | 戦時中に捕虜として敵将ロンメルをチラリと目撃したヤングは、戦後その人となりに興味を抱いて取材を始める。北アフリカ戦線で活躍し「砂漠の狐」と恐れられた名将ロンメルだったが、無謀な強硬策を唱えるヒトラー総統としばしば衝突していた。ヒトラーを排除しなければ国が危ういと考えたロンメルはヒトラー暗殺計画に関与するが、計画は失敗。ヒトラーはロンメルのもとに死を命じる使者を送る。 | |
解説 | デズモント=ヤング著のロンメル伝を映画化、ヤング自身も本人役で出演している。ロンメルを「敵ながらあっぱれ」と持ち上げ反ヒトラーの英雄に仕立てた形だが暗殺計画への関与は史実としては疑わしい。メイスン演じる渋いロンメル像は彼の当たり役となり、姉妹編「砂漠の鼠」でも登場することになった。 | |
メディア | DVD発売:20世紀フォックス・ホームエンタテインメント・ジャパン コスミックやファーストトレーディングから激安DVDも。 |
ロンメル軍団を叩け "Raid on Rommel" | 1971年/アメリカ ユニバーサル映画 カラー映画(99分) | |
スタッフ | ○監督:ヘンリー=ハサウェイ○脚本:リチャード=N=ブリュエル○撮影:アール=ラス○音楽:ハル=ムーニー○製作:ハリー=テートルマン | |
キャスト | リチャード=バートン(フォスター)、ジョン=コリコス(マッケンジー)、クリントン=グレイン(ターキントン)、ダニエル=デ=メッツ(ヴィヴィアンヌ)、カール=オットー=アルベルティ(シュレーダー)、ウォルフガング=プライス(ロンメル)ほか | |
ストーリー | 1943年の北アフリカ・リビア戦線。拠点のトブルクをロンメル率いるドイツ軍に奪われたイギリス軍は、海軍による攻撃の前にトブルクの砲台を破壊すべく、特殊工作員のフォスターを砂漠に送り込む。フォスターはドイツ軍の捕虜になっていたコマンド部隊の一部と合流、捕虜輸送部隊を奪取してドイツ兵に変装してトブルクを目指す。その途中でロンメル当人と偶然にも遭遇してしまう。 | |
解説 | 戦争映画の1ジャンルになっている破壊工作潜入ものの一本で、1967年公開の「トブルク戦線」と設定が似るうえに映像の流用まで行われている。史実再現映画というわけではないが、ロンメル本人が登場して、切手収集趣味の話題で盛り上がるところが面白い。 | |
メディア | DVD発売:ジェネオン・ユニバーサル |
炎の戦線エル・アラメイン "El Alamein-La linea del fuoco" | 2002年/イタリア カットレヤ カラー映画(113分) | |
スタッフ | ○監督・脚本:エンツォ=モンテレオーネ○撮影:ダニエレ=ナヌッティ○美術:エットーレ=グエリエッリ○音楽:ピヴィオ/アルド=デ=スカルツィ○製作:リカルド=トッツィー | |
キャスト | パオロ=ブリグリア(セッラ)、ピエルフランチェスコ=ファヴィーノ(リッツォ)ほか | |
ストーリー | 大学生のセッラは愛国心に燃えて軍に志願し、砂漠の北アフリカ戦線にやって来た。敵の猛攻、物資の不足、中央司令部の無理解と重なる劣悪な状況の中で、セッラはリッツォ曹長の人間的魅力にひかれ、戦友たちとの友情や別れを経験していく。連合軍の猛攻の前にイタリア軍は崩壊し、灼熱の砂漠の中をセッラたちは彷徨う。 | |
解説 | 有名な「エル・アラメインの戦い」をテーマにしているが、「脇役」扱いのイタリア軍に焦点を絞り一兵士の視点からこの戦闘の実態を描く。邦題は原題そのままで直訳すると妙に勇ましげだが古今東西共通の前線兵士の苦労話のオンパレードで、イタリア版「西部戦線異状なし」といったところ。敗戦国イタリアの製作ということもあって、ラストの鎮魂テーマがずっしりと重い作品である。 | |
メディア | DVD発売:ARC |
パットン大戦車軍団 "Patton" | 1970年/アメリカ フランク・マッカーシー= フランクリン・J・シャフナー・プロ作品 カラー映画(172分) | |
スタッフ | ○監督:フランクリン=J=シャフナー○脚本:フランシス=コッポラ/エドマンド=H=ノース○撮影:フレッド=コーネンカンプ○音楽:ジェリー=ゴールドスミス○原作:ラディスラス=ファラーゴ○製作:フランク=マッカーシー | |
キャスト | ジョージ=C=スコット(パットン)、カール=マルデン(ブラッドレー)、マイケル=ベイツ(モンゴメリー)、カール=ミカエル=フォーグナー(ロンメル)ほか | |
ストーリー | たたき上げ軍人で粗暴な言動が多いパットン将軍。戦争にはめっぽう強いがその言動が災いして組織の中では嫌われ者となり孤立するばかり。彼は北アフリカでドイツ戦車軍を撃破、ついでシチリア、さらにドイツ領内へと進撃して行く。 | |
解説 | 原題はズバリ「Patton」。戦争映画ながらその破天荒なキャラクターが印象的な伝記映画となった。北アフリカの砂漠で展開する戦車戦は圧巻。キレまくったスコットの演技も有名だが、何と言ってもこの演技でアカデミー主演男優賞を受賞しながら拒否したことで知られる。しかしパットン役には愛着があったようで、「パットン最後の日々」を描いた映画でも同役を演じている。 | |
メディア | DVD/BD発売:20世紀フォックス・ホーム・エンターテインメント・ジャパン |
テレマークの要塞 "The Heroes of Telemark" | 1965年/アメリカ カラー映画(130分) | |
スタッフ | ○監督:アンソニー=マン○脚本:アイヴァン=モファット/ベン=バーズマン○撮影:ロバート=クラスカー○音楽:マルコム=アーノルド○原作:クヌート=ハウケリード/ジョン=D=ドラモンド〇製作:ベンジャミン=フィッツ | |
キャスト | カーク=ダグラス(ロフフ)、リチャード=ハリス(クヌート)、ウーラ=ヤコブソン(アンナ)、マイケル=レッドグレイブ(ヒュッテ)、デビッド=ウィルソン(アーネ)、ロイ=ドートリス(イェンセン)、アントン=ディフリング(フリック)ほか | |
ストーリー | 1942年、ナチスがノルウェーの工場で大量の重水を生産していることをつかんだレジスタンスのクヌートと数学者のロルフはイギリスに脱出してその情報を伝える。イギリス政府はこれがナチスが原爆製造を狙ったものと判断し、ロルフとクヌートはその指示を受けてノルウェーに戻り、ロルフの元妻アンナらレジスタンスやイギリスから応援に来た特殊部隊と協力して重水工場を破壊する。しかし破壊は不徹底で、ロルフたちは重水を積んだ連絡船を湖で爆破しようと画策する。 | |
解説 | ナチスの原爆製造を阻止した「ガナーサイド作戦」の実話に基づいた映画。もちろん主人公たちのキャラをはじめフィクションもだいぶ入るが監督としては史実重視で作ったといい、っ実際の事件現場でのロケも行われている。単純なレジスタンスアクションではなく、「作戦のために一般市民の犠牲を出していいのか」という問いかけが全編で繰り返され、ラストの連絡船撃沈でも子供を中心に乗客を救おうとはする。史実ではやはりかなりの犠牲者を出しちゃってるらしいが。 | |
メディア | DVD発売:復刻シネマライブラリー |
大脱走 "The Greatr Escape" | 1963年/アメリカ ミリッシュ・アルファ・プロ カラー映画(172分) | |
スタッフ | ○製作・監督:ジョン=スタージェス○脚本:ジェームズ=クラヴェル/W=R=バーネット○撮影:ダニエル=フアップ○音楽:エルマー=バーンスタイン○原作:ポール=ブリックヒル | |
キャスト | スティーブ=マックイーン(ヒルツ)、ジェームズ=ガーナー(ヘンドリー)、リチャード=アッテンボロー(バートレット)、チェールズ=ブロンソン(ダニー)、デビッド=マッカラム(アシュレー)、ジェームズ=コバーン(セジウィック)ほか | |
ストーリー | 米英の捕虜たち数百人がドイツの捕虜収容所にトラックで運び込まれた。「脱走は不可能」と所長に言い渡されるも捕虜たちは大規模脱走の作戦を立て、巧みに資材を調達し脱走用の地下トンネルを複数掘ってゆく。ついに完成したトンネルを使って76名が脱走するが、彼らには過酷な運命が待ち受けていた。 | |
解説 | 実際にあった捕虜収容所脱走計画をモデルに、オールスターキャストで製作された「脱走もの映画」の決定版的大作。史実でもかなり悲惨な話なのだが、それをふまえつつも映画は爽快な娯楽作に仕立て上げ、バーンスタインの名曲「大脱走マーチ」のおかげもあってマックイーンはじめ多くのスターたちの代表作に挙げられる快作となった。 | |
メディア | DVD/BD発売:20世紀フォックス・ホーム・エンターテインメント・ジャパン |
史上最大の作戦 "The Longest Day" | 1962年/アメリカ 20世紀フォックス 白黒映画(179分) | |
スタッフ | ○監督:ケン=アナキン/アンドリュー=マルトン/ベルンハルト=ヴィッキ○脚本:ロマン=ギャリー/ジェームズ=ジョーンズ/デイヴィッド=パーセ/ジャック=セッドン○撮影:ジャン=ブルゴワン/アンリ=ペルサン/ワルター=ウォティッツ/ギイ=タバリー○美術:テッド=アウォース/ヴィンセント=コルダ○音楽:モーリス=ジャール/ポール=アンカ/ミッチ=ミラー○原作:コーネリアス=ライアン○製作:ダリル=F=ザナック | |
キャスト | ジョン=ウェイン、ロバート=ミッチャムヘンリー=フォンダ、クルト=ユルゲンス、ロバート=ライアン、ショーン=コネリーほか | |
ストーリー | 1944年6月、英米仏連合軍はドイツ占領下のフランスへ侵攻すべく、「ノルマンディー上陸作戦」を準備していた。迎え撃つドイツのロンメル将軍は安全と判断し、妻の誕生日に自宅に帰った。まさにその時、連合軍司令官アイゼンハワーは作戦の決行を決める。6月6日、大艦隊がノルマンディー沖に出現、壮絶な上陸戦が開始される。 | |
解説 | 原題「一番長い一日」も味があって捨てがたいが、邦題もなかなかのもの。米英独仏各国のオールスター・キャストを揃え、本物の戦争さながらの大量動員を実行して製作されたまさに「史上最大の戦争映画」。すでにカラー映画が主流となる中、あえて白黒映画として撮影されているが、かえってリアリティを増すことに成功している。 | |
メディア | DVD/BD発売:20世紀フォックス・ホーム・エンターテインメント・ジャパン |
プライベート・ライアン "Saving Private Ryan" | 1998年/アメリカ パラマウント映画 ドリームワークス カラー映画(169分) | |
スタッフ | ○監督:スティーブン=スピルバーグ○脚本:ロバート=ロダット○撮影:ヤヌス=カミンスキー○美術:トーマス=E=サンダース○音楽:ジョン=ウィリアムス○製作:イアン=ブライス/マーク=ゴードン/ゲイリー=レヴィンソン/スティーヴン=スピルバーグ | |
キャスト | トム=ハンクス(ミラー)、マッド=デイモン(ライアン)、トム=サイズモア(ホーヴァス)、エドワード=ヴァーンズ(レイベン)、ヴィン=ディーゼル(カパーソ)、アダム=ゴールドバーグ(メリッシュ)、バリー=ペッパー(ジャクソン)、ジョバンニ=リビジ(ウェード)、ジェレミー=デービス(アパム)ほか | |
ストーリー | 1944年6月、連合軍はノルマンディー上陸作戦を決行、激戦の末、連合軍は上陸に成功する。時を同じくして4人のライアン兄弟のうち3人が各地で戦死し、母親に同時に戦死公報が届けられた。残る一人「ライアン二等兵」を母国へ連れ戻すべく、8人の兵士が戦場へと向かう。 | |
解説 | 映画の才人・スピルバーグが作り上げた戦争巨編。冒頭のオマハ・ビーチの激戦、クライマックスの市街戦の描写は「凄惨」の一語に尽きる。迫力の戦闘描写がありながらハッキリと反戦メッセージを訴えることに成功した希有な一編といえる。独特のヒューマニズムが鼻につくかどうかは人によるところ。 | |
メディア | DVD/BD発売:パラマウント・ホーム・エンターテインメント・ジャパン |
パリは燃えているか "Is Paris Burning?" "Paris brule-t-il?" | 1966年/アメリカ・フランス パラマウント映画 白黒映画(173分) | |
スタッフ | ○監督:ルネ=クレマン○脚本:ゴア=ヴィダル/フランシス=F=コッポラ○撮影:マルセル=グリニョン○美術:ウィリー=ホルト○音楽:モーリス=ジャール○原作:ラリー=コリンズ/ドミニク=ラピエール○製作:ポール=グレーツ | |
キャスト | ジャン=ポール=ベルモント(モランダ)、アラン=ドロン(デルマ)、オーソン=ウェルズ(ノルドリンク)、カーク=ダグラス(パットン)、グレン=フォード(ブラッドレー)、ジョージ=チャキリス、イブ=モンタンほか | |
ストーリー | ノルマンディーに上陸した連合軍の接近に、パリ市内のレジスタンスたちは活動を開始する。一方でヒトラーは無傷でパリを渡すまいと、現地司令官に「パリ爆破」を命じる。しかし連合軍がパリに入らないとの情報もある。ドゴール派のレジスタンス達は蜂起を実行するが… | |
解説 | フランスの名匠ルネ=クレマン監督、脚本は若き日のコッポラ、超豪華な米仏のオールスターキャストと、とにかく注目点の多い作品なのだが、観賞後の印象は今ひとつ地味。白黒撮影で記録映像(ド=ゴール本人も出ている)も交えたドキュメンタリー調の作品となっている。ちなみにタイトルはラストにヒトラーが電話で言うセリフである。 | |
メディア | DVD発売:パラマウント・ホーム・エンターテインメント・ジャパン |
遠すぎた橋 "The Bridge Too Far" | 1977年/イギリス・アメリカ パラマウント映画 カラー映画(175分) | |
スタッフ | ○監督:リチャード=アッテンボロー○脚本:ウィリアム=ゴールドマン○撮影:ジェフリー=アンスワース○美術:ロイ=スタンダード/スチュアート=グレイブ○音楽:ジョン=アディソン○原作:コーネリアス=ライアン○製作:ジョゼフ=E=レヴィン/rチャード=P=レヴィン/ガブリエル=カツカ | |
キャスト | ロバート=レッドフォード(クック)、ジーン=ハックマン(ソサボフスキー)、ショーン=コネリー(アーカート)、ライアン=オニール(ギャビン)、アンソニー=ホプキンス(フロスト)、ダーク=ボガード(ブラウニング)、エドワード=フォックス(ホロックス)、マイケル=ケイン(バンドルール)、マクシミリアン=シェル(ビットリヒ)、ヴォルフガング=プライス(ルントシュテット)、ローレンス=オリヴィエ(スパイダ−)ほか | |
ストーリー | ノルマンディー上陸とフランス解放に成功した連合軍は勢いに乗ってオランダへの大規模侵攻作戦「マーケット・ガーデン作戦」を実行する。しかし現地からの情報を見誤ってドイツ軍の戦力を軽く見たことが災いし、目標としていた橋の占拠をめぐって戦況は次第に混乱の一途をたどってゆく。 | |
解説 | 「史上最大の作戦」と同じコーネリアス=ライアン執筆の原作を、まさにオールスターの俳優陣、大掛かりな戦闘再現(特に落下傘降下のシーン)とで映画化した大作。結論から言えば「史上最大の失敗作戦」で虚しさばかりが漂う戦争映画なのだが、その作戦をこれだけの物量と費用をかけて堅実な映画に仕立てたアッテンボロー監督の力量を褒めるべきか。 | |
メディア | DVD発売:20世紀フォックス・ホームエンターテインメント・ジャパン |
バルジ大作戦 "Battle of the Bulge" | 1965年/アメリカ・フランス シドニー・ハーマン・プロ カラー映画(169分) | |
スタッフ | ○監督:ケン=アナキン○脚本:フィリップ=ヨーダン/ミルトン=スパーリング/ジョン=ネルソン○撮影:ジャック=ヒルドヤード○音楽:ベンジャミン=フランクル○製作: ミルトン=スパーリング/フィリップ=ヨーダン | |
キャスト | ヘンリー=フォンダ(カイリー)、ロバート=ショー(ヘスラー)、チャールズ=ブロンソン(ウォレンスキー)、テリー=サバラス(ガフィー)、ロバート=ライアン(グレイ将軍)ほか | |
ストーリー | 連合軍がドイツ本国に迫る1944年12月、ドイツ軍のヘスラー大佐は起死回生の奇襲作戦を立案した。戦況を楽観していた連合軍はまんまと計略にはまり、ヘスラー率いるドイツ戦車軍団の進撃の前に次々と撃破される。連合軍はドイツ戦車部隊の「燃料切れ」を狙うが… | |
解説 | とにかくこれでもかと戦車が出てきて大暴れする「戦車映画」の名作。スペインでロケが行われ実物のタイガー戦車はさすがに出てこないが、ロバート=ショー演じる「戦争の鬼」ヘスラーの圧倒的存在感(どう見てもこっちが主役)と戦車戦の迫力、長時間全くだれることのない展開の妙など娯楽大作戦争映画のお手本みたいな一本。 | |
メディア | DVD発売:ワーナー・ホーム・ビデオ |
カティンの森 "Katyn" | 2007年/ポーランド カラー映画(122分) | |
スタッフ | ○監督:アンジェイ=ワイダ○脚本:アンジェイ=ワイダ/ヴワディスワフ=パシコフスキ/プシェムィスワフ=ノヴァコフスキ○撮影:パヴェウ=エデルマン○美術:マグダレナ=ディポント ○音楽:クシシュトフ=ペンデレツキ○原作:アンジェイ=ムラルチク○プロデューサー:ミハウ=クフィェチンスキ | |
キャスト | マヤ・オスタシェフスカ(アンナ)、アルトゥル=ジミイェフスキ(アンジェイ)、マヤ=コモロフスカ(アンジェイの母)、アンジェイ=ヒラ(イェジ)、ヴワディスワフ=コヴァルスキ(ヤン教授)ほか | |
ストーリー | 1939年9月、ポーランドは東からソ連、西からドイツの侵攻を受け占領された。アンナの夫で軍人のアンジェイはソ連軍の捕虜となってそのまま行方不明となり、アンジェイの父親の教授もドイツに連行されて病死する。やがてドイツによりカティンの森でポーランド捕虜たちが大量虐殺されていたことが確認されるが、ソ連はそれはドイツ軍の仕業と断定する。戦後もソ連影響下のポーランドではカティンの森の真相は隠されたまま。アンナは夫アンジェイの手記を入手し、そこに克明に描かれていた真相を知る。 | |
解説 | 自身も父親がカティンの森虐殺の犠牲者であるワイダ監督が長年温めていた鎮魂作。淡々とした展開の末に克明に再現される機械的な虐殺の描写が衝撃的。ソ連がこの虐殺事件の責任を認めたのはようやくソ連末期になってからである。 | |
メディア | DVD発売:アルバトロス |
ディファイアンス "Defiance" | 2008年/アメリカ パラマウント・ヴァンテージ グロスヴァナー・パーク・プロ ベドフォード・フォール・カンパニー ディファイアンス・プロダクション カラー映画(137分) | |
スタッフ | ○監督:エドワード=ズウィック○脚本:クレイトン=フローマン/エドワード=ズウィック○撮影:エドゥアルド=セラ○美術:ダン=ウェイル○音楽:ジェーzムズ=ニュートン=ハワード○原作:ネカマ=テク○製作:エドワード=ズウィック/ピーター=ジャン=ブルージ | |
キャスト | ダニエル=クレイグ(トゥヴィア)、リーヴ=シュレイバー(ズシュ)、ジェイミー=ベル(アザエル)、アレクサ=タヴァロス(リルカ)ほか | |
ストーリー | 1941年にドイツ軍はベラルーシに侵攻した。占領地ではユダヤ人狩りが行われ、両親を殺されたユダヤ人のビエルスキ兄弟、トゥヴィア、ズシュ、アザエルの三人は森へと逃げ込み、仲間たちとパルチザン活動を始める。彼らの活動を聞きつけて各地からユダヤ難民たちが森に集まり、大所帯の共同生活ではトラブルの種が尽きない。不満を抱いたズシュはソ連軍に身を投じ、トゥヴィアは難民たちを統率し、ドイツ軍の追撃を逃れて沼沢地をさまよう。 | |
解説 | 実際に存在したビエルスキ・パルチザンと難民たちのエピソードを映画化。ただし兄弟の順番を入れ替えたり、ラストで劇的な展開になったりと「映画」にするための史実改変は多い(原作者もビックリしたとか)。またビエルスキ・パルチザンについても現地では「山賊集団」的イメージもあって評価が分かれるところらしい。それとダニエル=クレイグが銃を構えてるとどうしても「007」みたいで(汗)。 | |
メディア | DVD発売:ポニーキャニオン |
スターリングラード "Enemy at the Gates" | 2000年/イギリス・アメリカ・アイルランド・ドイツ DOSプロダクション スワンフォード・フィルムズ リトル・バード パラマウント映画 カラー映画(132分) | |
スタッフ | ○監督:ジャン=ジャック=アノー○脚本:アラン=ゴダール/ジャン=ジャック=アノー○撮影:ロベール=フレス○美術:ウォルフ=クレーガー○音楽:ジェームズ=ホーナー○原作:ウィリアム=クレイグ○製作:ジャン=ジャック=アノー/ジョン=D=ショフィールド○製作総指揮:アラン=ゴダール/アリサ=タイガー | |
キャスト | ジュード=ロウ(ザイチェフ)、ジョゼフ=ファインズ(ダニロフ)、エド=ハリス(ケーニッヒ)、ボブ=ホスキンス(フルシチョフ)ほか | |
ストーリー | 独ソ両軍の凄惨な死闘が続くスターリングラード。戦場に投げ込まれた若者ザイチェフは祖父からしこまれた神業的な狙撃で次々とドイツ軍将校を仕留めていく。友人となった政治将校のダニロフはザイチェフを新聞で宣伝し、プロパガンダの素材として利用するが、女性をめぐってザイチェフと複雑な関係に。ザイチェフに手を焼いたドイツ軍はスナイパーのケーニッヒを戦場へ呼び寄せる。 | |
解説 | 「スターリングラード」はあくまで邦題。スターリングラードの凄惨な戦闘シーンもみどころの一つだが、メインはスナイパー同士の手に汗握る一騎打ち。ノリとしてはスパイ映画に近いような…。 | |
メディア | DVD発売:日本ヘラルド BD発売:ポニーキャニオン |
スターリングラード大攻防戦 "Горячий Снег" | 1972年/ソ連 モスフィルム カラー映画(103分) | |
スタッフ | ○監督:ガブリエール=エキアザーロフ○脚本:ユーリー=ボンダリョフ/エフゲニー=グリゴーリェフ/ガブリール=エギアザーロフ○撮影:フョードル=ドブロヌラーボフ○音楽:アルフレード=シニートケ○原作:ユーリー=ボンダリョフ | |
キャスト | ゲオルギー=ジェノフ(ベッソーノフ)、アナトリ=グズネツォフ(ヴェスニン)、ニコライ=エリョーメンコ(ドロズドフスキー)、タマーラ=シデルニコワ(ターニャ)、ボリス=トカリョフ(クズネツォフ)、ユーリ=ナザロフ(ウハーノフ)ほか | |
ストーリー | 1942年、ドイツ軍はソ連領内の奥深くまで侵攻、スターリングラードをほぼ手中に収めていた。反撃の機会をうかがうソ連軍の一部隊の視点から激しい攻防戦を描く。 | |
解説 | やたら勇壮な邦題だが、スターリングラード戦に参加したある一部隊の兵士たちの奮闘を描く内容。あまりにも多くの犠牲者を出した国のせいか、国策戦争映画の割に愛国戦士は全く登場せず、みんな戦争に巻き込まれた一市民という役どころで、あくまで庶民目線から戦場の過酷さを描いている。ドイツ戦車軍団相手に激しい防戦を戦い抜き、ようやく生き残った兵士たちが勲章をウオッカに入れて飲み回すラストは疲労感・悲壮感が漂い、ハリウッド製戦争映画とはひと味もふた味も違う。 | |
メディア | DVD発売:IVC |
ヨーロッパの解放 "ОСВОЬОЖЛЕНИЕ" | 1970〜1971年/ソ連 モスフィルム カラー映画 第1部・185分 第2部・130分 第3部・159分 | |
スタッフ | ○監督:ユーリー=オーゼロフ○脚本:ユーリ=ボンダリョフ/オスカル=クルガーノフ/ユーリー=オーゼロフ○撮影:イーゴリ=スラブネビッチ○美術:アレクサンドル=ミヤーフコフ○音楽:ユーリー=レヴィティン | |
キャスト | ニコライ=オリャーリン(ツベターエフ)、ラリーサ=ゴルブキナ(ゾーヤ)、ミハイル=ウリヤーノフ(ジューコフ)、ブフティ=ザカリアーゼ(スターリン)、フリッツ=ディーツ(ヒトラー)ほか | |
ストーリー | スターリングラードの戦いで劣勢に立ったドイツ軍はクルスク戦車戦で巻き返しを図ったが、かえってソ連軍の反撃を招く。勢いづいたソ連軍はポーランド、さらにドイツ領内に進撃し、ついにベルリンを陥落させる。 | |
解説 | 三部作で8時間。ソ連の戦争映画の中でもっとも物量を動員した大作。本物の大平原で展開されるクルスク戦車戦は圧巻。ベルリン攻防の市街戦も見応え充分だ。案外好戦的でもないのでご安心(?)を。基本は戦死者に捧げる映画なので。歴史映画としてはスターリン、チャーチル、ルーズベルトらのそっくりさんが出てきて戦争の舞台裏も描いてくれることが嬉しい。何と言ってもヒトラー役は凄い。本人にしか見えない! | |
メディア | DVD発売:IVC |
ベルリン陥落 "Падение Берлина" | 1949年/ソ連 モスフィルム カラー映画(152分) | |
スタッフ | ○総監督:ミハイル=チアウレリ○監督:M=アンジャパリッゼ/P=ボゴリュウボフ/B=イワノフ/V=シウエリッゼ○撮影:L=コスマートフ○美術:ウラジミール=カプルノフスキイ/アレクサンドル=パルホメンコ○音楽:ディミトリ=ショスタコヴィッチ | |
キャスト | M=ゲロワニ(スターリン)、M=コワリョーワ(ナターシャ)、ボリス=アンドレエフ(アレクセイ)、V=サヴェーリエフ(ヒトラー)ほか | |
ストーリー | 工場労働者のアレクセイと教師のナターシャはナチス・ドイツのソ連侵攻で生き別れになってしまう。スターリン率いるソ連軍は反撃を開始、ついにベルリンを攻め落としてアレクセイとナターシャは再会を果たす。そこへスターリンが飛行機でベルリンに到着、人々に歓呼で迎えられる。 | |
解説 | 二部構成で、前半は独ソ開戦からヤルタ会談まで。後半はベルリン攻防戦。そっくりさん演じるスターリンとヒトラーを対比させて描き、これにソ連市民の男女を軸としたドラマを加えている。とにかく時期が時期だけに徹底したスターリン賛美プロパガンダ映画で、今見るとそれが滑稽に見えてくるほど。ナチスにトルコや日本や教皇庁、さらにはイギリスも荷担したと強調して描くなど、戦後の政治状況も反映している。しかし戦後直後の映画だけに戦闘シーンの迫力はただ事ではない。のちの「ヨーロッパの解放」につながるソ連ドキュメント調戦争映画の原点と言える。 | |
メディア | DVD発売:IVC |
ヒトラー 〜最期の12日間〜 "Der Untergang" | 2004年/ドイツ コンスタンチン・フィルム・プロダクション カラー映画(155分) | |
スタッフ | ○監督:オリヴァー=ヒルシュビーゲル○脚本:ベルント=アイヒンガー○撮影:ライナー=クラウスマン○美術:ベルナント=ルペル○音楽:ステファン=ツァハリアス○原作:ヨアヒム=フェスト/トラウドゥル=ユンゲ/メリッサ=ミュラー○製作:ベルント=アイヒンガー | |
キャスト | ブルーノ=ガンツ(ヒトラー)、アレクサンドラ=マリア=ララ(トラウドゥル=ユンゲ)、コリンナ=ハルフォーフ(マグダ=ゲッペルス)、ウルリッヒ=マテス(ヨーゼフ=ゲッペルス)、ユリアーネ=ケーラー(エヴァ=ブラウン)ほか | |
ストーリー | 1942年、若い女性秘書トラウドゥル=ユンゲはヒトラーに気に入られてその個人秘書に選ばれた。その2年半後、迫り来るソ連軍の前にベルリンでは激しい市街戦が展開され、ユンゲは地下壕の中でヒトラーとナチス幹部たちの最期の日々を目撃することとなる。 | |
解説 | 原題は「崩壊」を意味し、実際にヒトラー最期の日々を目撃した女性秘書の証言を原作とするセミ・ドキュメントタッチの映画。これまで数多くの映画に登場したヒトラーだが、本作はドイツ映画人がドイツ人俳優を使いドイツ語で製作した本格的なヒトラー映画として注目され議論も呼んだ。ヒトラーと第三帝国最期の日々の描写に集中しているため彼らが怪物ではなく「人間」として描かれることに批判も上がったが、むしろその「人間」であることこそが真実であり本当に恐ろしいことなのだととらえるべきだろう。ナチス幹部ばかりでなくこの日ベルリンにいた様々な人々の動きも追う、ドイツ版「日本のいちばん長い日」である。 | |
メディア | DVD/BD発売:TCエンタテインメント |