- 4月21日
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昼過ぎに池袋に出てSFオンラインさよならパーティーに参加する。いろんな人がいる中で主に顔見知りの相手とだけ会話して3次会まで7時間強。聞いた話は楽しかったが、書けないことと書けることの区別をするのが面倒なのでここには書かない。「そんな話が」とか「そんな事実が」とか「そんな予定が」とかいろいろありました。
とりあえず、ハヤカワSFシリーズ Jコレクションは「藍背」と呼ぶことを提案したいのだが、どうか。
- 4月22日
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いろいろと自分の至らなさに気づかされて多いにへこむ。しかしへこんでいてもしかたがないのでできる範囲で前向きに行動しようと決意。似合わないのはわかっちゃいるが、こんなことを思う日もあるということで。
- 4月23日
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決意をしているうちに夜が明けてしまったので、景気づけに「あずまんが大王」3話を見て出社。安定した出来。これなら安心だ。
眠さをかみ殺しつつもなんとか業務をこなしての帰りがけにガンバを少し回す。ガクシャ、ガクシャ。精神状態が不安定だったこともあってか、これに切れてしまい、さらに2千円を投入。結果はシジン、シジン、シジン、ボーボ、ボーボ、ヨイショ、ガンバ、ガンバ、ガンバ、ヨイショ。だから俺が欲しいのはイカサマだけだってばようという叫びをなんとか押しとどめ、手直のATMで金をおろし、さらに千円投入。結果はガンバ、ガンバ、ヨイショ、ヨイショ、ガクシャ。いままでの分もあわせると都合24回、5000円弱の投資。ただ一つの欲しいものが手に入らない確率は(5/6)^24=1.25%。……験が悪いなあ。
- 4月24日
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ふらふらと偽Wizをプレイするうちに村正を発見する。前後して手に入れたTILTOWAITともどもかなり凶悪な強さ。調子に乗って敵を倒しているうちに、目的を見失っている自分に気がついたり。はて、目的はなんだっけ。
唐沢なをき『カスミ伝△』2巻(講談社ZKC)読了。タイピングネタか袋とじネタかなあ。
六道神士『ホーリーブラウニー』1巻(YKコミックス)読了。本来は一発ネタのような。5章のラストがすべてを表しているような気がしなくもない。
竹本泉『てけてけマイハート』2巻(バンブーコミックス)読了。だからどうということはない。
鶴田謙二『アベノ橋魔法☆商店街』(講談社)読了。アニメ関連の記事をすべて取っ払った上での再編集版を希望。
- 4月25日
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ふらふらと偽Wizを終わらせる。キャラを強くしすぎてしまったか、最終戦はあっけなく勝利。パーティーの過半が恐慌状態(一定確率でそのターン行動できなくなる、戦闘時回復不能)だというのになんとかなってしまったあたり、拍子抜けすることこの上なしという感じだ。エンディング後、おまけダンジョンを歩いてみたりもしたが、そちらも特にどうということもなく。全般的に、いまひとつ。テンポを悪くするだけのアニメーションを省くことができれば、もう少しやりこむ気にもなるんだが。
マイクル・ムアコック『グローリアーナ』(創元推理文庫)読了。妖しく、きらびやかな架空歴史絵巻。高尚に下世話な読み口は割と好み。アリオッチだの、キシオムバーグだのが出てきたときには、いつエターナル・チャンピオンが現れるかとはらはらしたが、そんなことはなかった。
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思いっきりいまさらニール・スティーヴンスン『ダイヤモンド・エイジ』(早川書房)を読了。『スノウ・クラッシュ』と比べると、疾走感と昂揚感は落ちているが、その分、個々のシーンの洗練度は上がっている。ガジェットも世界設定もキャラ造型もすばらしく、今年のベストを争う作品なのはほぼ間違いない。これで、あとひとつ中心の引きが強ければ手放しで大絶賛するのだが。シーンに全体が負けている印象があるのが、個人的にどうも。
近所の書店で発見できなかったので、都会まで藍背(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)を買いに行く。ついでに、鶴田謙二『ひたひた』(白泉社)など購入。いや、だからどうということはなく。
- 4月27日
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カートゥーンネットワークのUバードのCMを見て呆然とする。「ヒーローの条件」「1、必殺技」は良い。「2、良きパートナー」もいいだろう。しかし、「3、全身タイツ」はいかがなものか。
浅暮三文『左眼を忘れた男』(講談社ノベルス)読了。気がつくと全身が動かせなくなっていた男。失われたはずの左眼から見える風景だけを頼りに、自分の置かれた状況を推理しようとするのだが。異常な状況設定と、それを(ある種)論理的に展開していくあたりは良い感じ。ただ、左眼から見える世界の異常性が、「サイズ」と「視点の低さ」に還元されてしまったのは残念。『カニスの血を嗣ぐ』の嗅覚世界に比べると幻想性でやや劣る。その分、トーンの一貫性では優っているので全体としての優劣は難しいのだが。解決はちょっと強引だと思うが、この展開ならこうならざるをえないかも。
何人かの人をひっぱりだし上野で飲む。日本酒ばかり10何種か味見した(飲んだのは4合かそこら)はずだが、予想通り何を飲んだかすでに記憶にないのだった。
- 4月28日
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二日酔いでだらだら過ごす。実に巨大連休にふさわしい過ごし方だと思う。
SFM5月号の感想。
- おれはミサイル:秋山瑞人
- ミサイルと戦闘機の心の交流( < なんか違う)。しみじみと良い話ではある。
- 隠密行動:深堀骨
- 日常に密着した特殊工作員。終盤のロマンスが心に沁みる。
- 光と風の家(ことのはの海、カタシロノ庭):藤木稟/藤原ヨウコウ
- 南洋幻想譚。順序の混乱が効果をあげている。レイアウトの面白さは過去最高。
- 膚の下 [16]:神林長平
- 慧慈達、戦場へ。これだけ取り出して評価を云々しても何の意味もないだろう。
- パンドラ [16]:谷甲州
- 緊迫するインドネシア情勢。上に同じ。
- おまかせ!レスキュー[47]:横山えいじ
- 3号と絵手紙ネタ。並。
- 戦闘妖精・雪風[2]:神林長平/多田由美
- 少年の日の零。原作に忠実な部分はいらない気がする。< 本末転倒
- SFまで10000光年[111]:水玉蛍之丞
- とにかく、兎に角。兎の目の虚ろさがたまらない。
- 究極のSFアンソロジー:中村融
- SF史とSF地理というコンセプトの明確さは大きい。個々の作品の魅力はあまり語らず、アンソロジーのつくり自体で勝負しているので、このわかりやすさは重要だろう。実際の作品を知らずとも教科書として読んでみたいという気にさせられる。いや、僕は「おやすみ、ソフィア」が入っているだけで「良し」と思ってしまったんで、あれですが。
- <究極のSF>のアンソロジー:山岸真
- こちらは「壮大」というコンセプトはあるものの、どちらかといえば作品の魅力を語ることで勝負するタイプ。SFの魅力のわかりやすい一面を中心に据えているのは好印象。これは確かに読んでみたい、……が上下巻だと途中で飽きるかも。
- 人間以外:大野万紀
- 人間の出てこないSFアンソロジー。ラインナップは悪くないが、いまいちこれは読んでみたいという魅力に欠ける。テーマに沿ったタイトル数が根本的に足りないあたりに原因がありそうな。
- 革命へのレクイエム:小川隆
- カウンター・カルチャーSFアンソロジー。趣味が違いすぎるので事実上、評価不能。
- 世界バカSF傑作選1:大森望
- 奇想SFアンソロジー。前と逆に、趣味に合いすぎているので、客観評価不能。個人的には、これなら10冊でも買う。
- ヴェイパーウェア・オーケストラ:高野史緒
- 音楽SFアンソロジー。全体としてオーケストラを構成するというコンセプトなのに、オーケストラそのものの話である「山の上の交響楽」が入ってしまうのが気になる。
- UK Swings SF:古沢嘉通
- イギリスSFアンソロジー。イギリスSFとは何かを語っているうちに解説の紙幅が尽きてしまうあたり、あまりに編者らしく楽しい。イギリスSFと言っておきながら「銀座の恋の物語」で始まってしまうあたり(イングランド作家による短篇なのだから間違いなくイギリスSFではあるわけだが)も良い。
- SFの新しい世界:柳下毅一郎
- ニュー・ウェーヴSFアンソロジー。ニュー・ウェーヴとはなんだったのかという解説が中心。未訳作品を中心に内容紹介もある。ベイリーの「四色問題」"The Four-Colour Problem"は読んでみたい。
- もうひとつの90年代SF傑作選:香月祥宏
- SFMセレクション。雑誌に載ったっきりの作品にもこんな面白いものがありますよ、という内容。各種ベストとの重複を避けているだけにやや辛いラインナップ。質はともかく、味のばらつきが。福袋型アンソロジーとしては及第点以上だろう。
- 規則まみれファンタジア領:水鏡子
- ファンタジイSFアンソロジー。矛盾した副題だなあ。論理性を重視したファンタジーのアンソロジーというべきか。コンセプトそれ自体で既に勝利している感。
- それは外宇宙からやって来た!:添野知生
- 映画化SFアンソロジー。少ない誌面に必要な情報をすべて入れ込む手際はいつもながら見事。コンセプトの明確さ、未訳と既訳のバランス、目玉の置き方もよく、実現性では一番かも。
- AKIRAの東、ひでおの西:伊藤卓
- SFコミックアンソロジー。作家のラインナップのはずし方は巧いと思うが、読みたいかといわれるとかなり微妙。駕籠真太郎、蜈蚣Melibe、後藤寿庵とつづく終盤はちょっとなあ。
- 戦う!:長山靖生
- 古典SFアンソロジー。テーマ的には趣味から外れるが、紹介文の巧さで手にとって見たいという気にさせられた。実際に出たら気後れするような気もするが。
- ファンタスチカ 驚嘆と驚愕の文学:大野典宏
- ロシア・旧東欧SFアンソロジー。定番ではなく、変な話を主体というのががいい。これは、でたら多分読む。
- 饕餮の夢:林久之
- 中国古代史SFアンソロジー。SFなのか。ちょっとこの紹介では、アンソロジーの雰囲気をイメージしづらい。
- 4月29日
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人生色々あるさ、って訳で色々あった。色々あったものはしかたがないとして自棄買いをしてみたが、きさまそれはほっといても買うだろうというものしか買ってないという事実に気づいたので、これではいけないと自棄酒を飲むことに。神奈川の先輩にお付き合いいただきダブルを4杯ほど呷ったら2時間持った。
しばらく酒さえ飲めるのならどこにでも行くという気分なので、飲む話があったらそれは無理だろうと思っても誘ってみていただきたい。> All
あー、セミナーまでには使い物になる人間になりたいものであるなあ、とは思ってます。> 企画にご協力を頂いている皆様方
- 4月30日
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奥泉光『鳥類学者のファンタジア』(集英社)読了。思いついたことを次々とその場で挿入していくあまり、話の筋を見失ってしまう饒舌な語りが実に魅力的。これを天然ではなく技巧として制御しきるんだから途方もない技量と腕力だ。オカルトベースの中心ガジェットはどうでもいいが、それをとりまく物語は楽しいし、ラストの余韻もまたすばらしい。昨年中に読み終えなかったことを(そしてベスト類に投票しなかったことを)後悔した傑作。