- 7月11日
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台風明けの日差しの爽やかさに圧倒されて一日中調子が出ず。市街地では、70%を越える湿度と、28度を越える気温を規制するというのはどうだろう。違反した天気には3年以下の懲役というあたりで。 < 脳が融けているらしい
- 7月12日
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Yahoo経由で毎日新聞よりウラジーミル・ソローキン逮捕。いまどきポルノ流布なんて罪状で逮捕されるとは。まあ『ロマン』や『愛』(ともに国書刊行会)ではポルノなんて甘いもんじゃない内容を色々書いてるんだから捕まったとしてもしかたがないか。 < そんな訳ないって
これをきっかけに未訳の作品が次々紹介されることを望む。
- 7月13日
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そんな場合ではないという説もあるのだが、夕方から山本正之コンサート「正しい未来」に行く。諸般の事情で直前に不参加が決まった細木さんの遺志は住田が継いでくれたので、席に穴も空かずまずはめでたい。
今回のコンサートはいつも以上に自己言及性が強いという印象を受けた。元々、常連との結びつきが強い、やや排他的な所のあるコンサートではあったが、前回の続篇大攻勢以来、その傾向が強くなってきている。自作のパロディ以外の何物でもない「銀河熱風オンセンガー 魔性の旋律」の歌詞がその印象を深めたところもあるか。確かになじみ同志で馴れ合うのは気持ち良いが、その反動で新しい客を拒んでしまっては、後々自分の首を締めることになる。もう少し世界が開いている方が幸せな人が増えるのではないか。
構成は新曲が多め。同題のアルバムのメインクラスの曲で、演奏しなかったものが多数あったのは意外。新曲の中では、ドラゴンズにかける思いを切々と歌い上げる「中年ドラゴンズの歌」が気にいった。
先ほどの内輪受けに対する断罪とは矛盾するとわかった上で。今回のコンサートで最も強く印象に残ったのは「少年の夢は生きている」を会場中で合唱したこと。歌詞をしらない素人さんはおいてきぼりというのはいかがなものかと頭の片隅で思いつつも、「酔っぱらった親父が 赤い顔のまま」と歌っているとどんどん詞の中に入り込んでいってしまう。歌っているうちに個人的な回想におぼれていったり。あの仕掛けはさすがに卑怯かと。
なお、一番嬉しかったのは「別れの銀河」での笠原弘子の登場。3列目という間近から彼女の姿を見ることが出来るとはなんという幸せ。いや、もうさすがにアルバムは買ってないんだけど。
コンサート終了後、藤澤さん(7)&住田(11)と飲みに行き、油断するうちに帰れなくなったので、しかたなくカラオケに。住田がひとりで歌っているのをどこかで聞きながら寝てました。
- 7月14日
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発作的に瓦敬助『菜々子さん的な日常』1,2(コアマガジン)、スティーヴン・ミルハウザー『マーティン・ドレスラーの夢』(白水社)などを買ってくる。人間、追い詰められると思いもよらないことをするものだ。ミルハウザーはどんな状況下でも買っただろうけど。
ついでにハヤカワ文庫の最新目録を探すが近所の書店には見当たらず。そのうち都会へ行ってもらってこよう。
出会い系サイト広告メールがきた。それ自体は嬉しくも何ともないのだが、差出人が「出会い系サイト研究会」で、題名が「情報提供のお願い」というのにちょっとだけ感心。広告ではなく、アンケートな訳やね。なるほど。
- 7月15日
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ふと機械式カプセルトイ自販機の正式名称が気になったので調べてみた。一般に流布している名称にはガシャポン、ガチャポン、ガチャガチャなどがあるが、中で最有力(*)なのはガシャポン。これは業界最大手、バンダイが自社のカプセルトイの正式名称として採用したためと思われる。では、ガシャポンと呼べば良いのか。そうはいかないのだ。ガシャポンはバンダイの登録商標なのだな。そのためYujinのカプセルトイはガシャポンとは呼べない。ではどう呼べばいいか。YujinのWebページでは自社のカプセルトイをガチャと呼んでいる。で、これはYujinの親会社、トミーの登録商標だ、と。ついでにガチャポンも(カプセルトイ及びその自販機としては)トミーの登録商標(おもちゃ一般としてはバンダイの登録商標)。もうなんだかどうしたもんだかという感じだ。
っつーわけで。総称としては、カプセルトイ自販機と呼ぶべきでは。
#なんだか
なお、僕が子供の頃にはあれはガチャガチャ(ガシャガシャ)と呼んでいた。Web上の使用例も、懐かしさの文脈で語られるときはガチャガチャ傾向が強いようだ。自然発生的な名称としてはこれが妥当なのかも。
*:googleで各単語+「カプセル」を検索した結果より。
- 7月16日
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メモ。Hanna Barbera according to Wingnutおよびhttp://www.tvtome.com/より。
パワーパフ・ガールズの作者はクレッグ・マクラッケン。サムライ・ジャックの作者はジェンディー(ゲンディー)・タルタコフスキー。ユートニウム博士とジャックがそっくりなので、ひょっとして同一人物?などと思っていたのだが別人だった。タルタコフスキーはデクスターズ・ラボの作者でもある。ふーむ。
ところで。カートゥーンの「作者」というのはどの程度影響力のあるものなのだろう。っつーか、作者(Creator)の役割ってなんだろう。
- 7月17日
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というわけでガチャガチャの続き。
日本で最初に「ガチャガチャ」を輸入した会社は株式会社ペニイ商会。その末裔である西日本ペニイ(有)のサイト内に流通の視点から見たガチャガチャ業界史(というか社史)があった。自称「日本で最初」は眉唾なことも多いが、玩具通信の1965年度ヒット商品リストに「 ●「ペニイのカプセル玩具」 ペニイ商会」という記述があるので、(少なくとも)ヒットしたガチャガチャ輸入元としては最初らしいことがわかる。
なお、西日本ペニイサイトの主催者である日本で最初にガチャガチャを輸入した人物は、同サイト内で「ガチャガチャおじさん」と自称している。よって、カプセルトイ自販機に対する第一位の通称は「ガチャガチャ」で良いのではと、思うところだ。
ちなみに、ガチャガチャは英語でbulk-Vendorと言うらしい。bulk-Vendorでイメージ検索をすると「トムとジェリイ」に良く出てきたガムの自販機がいっぱい出てくる。ああ、回してみたかったよなあ、あれ。
ついでに。西日本ペニイサイト内ではガチャガチャ流通業界の現在の問題を扱ったページも面白かった。バンダイ、Yujinが競い合い華やかに見えるガチャガチャも流通ベースでは危機的な様子。薄利多売の商売はいずこも大変なようで。
- 7月18日
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いま気づいたのだが、もうすぐ3万ヒットであるらしい。サイト開設からは4年と半年。平均すると18(ヒット/日)弱というところか。友人・知人しか見ない弱小サイトとしては妥当な数字に見える。しかし。実は2001年の2月頃にはすでに25000ヒットあたりまで行っていたのだ。そこから18ヶ月で5000ヒット。平均で9(ヒット/日)強というところ。どうやら、いまは僕が友人・知人と思っている人にも見てもらえていないということらしい。まあ、この内容ではしかたがないと思うが。3万ヒットを記念して、今後はせめてもう少しましな更新をしようと思ったり思わなかったりする今日この頃だ。
いや、雑記ではなくトップページを。
ここ数ヶ月の心理的苦痛に、個人的には辛い形ながら完全に決着がついた。まあ、着いたんだからいいや。
そんなわけで強く生きていこうと思う今日この頃です。
ああ、海に行きたいな。海。3万ヒット記念に海に行こう。誰か賛同者はいないか。8月4日第一希望あたりで。
イダタツヒコ『美女で野獣』1巻(小学館サンデーGXコミックス)を読む。絵に描いたような(絵だ)不幸少女、一(いちもんじ)茜が、女子高生を集めた地下キャットファイトで暴れる話。ふっきれたんだか、やけになってんだかよくわからないイダタツヒコの頑張りがちょっと悲しい。いや、好きなんだけどな。しかし打撃系で205cmの身長なのに体重が51kgしかないという柊マヤの設定はどうかと。
- 7月19日
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SFマガジン8月号感想。
- ラファティ「ファニーフィンガーズ」
- 根源的鍛冶屋の一族・ダクテュロイの少女、オーリャド・ファニーフィンガーズの悲しい恋。(ラファティであるという前提を置いた上で)きれいな話ではある。きれいすぎるのが難点。
- ラファティ「知恵熱の季節」
- <アウストロ>シリーズ。ポルノショップからはじまる知性の流行。別に事件が解決するわけではないという投げっぱなし感が良い。
- ラファティ「月の裏側」
- 異色作家短篇集か幻想と怪奇かという「よくできた短篇」。「こういうものも書けるのか」と感心はした。
- ラファティ「何台の馬車が?」
- 広大な平原を馬車で行く父子の会話。ラファティの語りだけを純粋抽出したような作品。リズムに乗れるかどうかが、楽しめるかどうかの境目か。
- ラファティ「すべての陸地ふたたび溢れいずるとき」
- 世界が更新される日の大騒動。「氷河来たる」と同系統の短篇。こっちには表面的なストーリーもないあたりが違うか。その代わり祝祭度は圧倒的に高め。だからどうしたと思ってしまうと負け。
- 佐藤哲也「影の王」
- 悪夢のような世界の滅び。イメージだけが投げ出されているようで実に入り込みにくい。
- 佐藤哲也・藤原ヨウコウ「罰」
- 妻たちの叛乱。「とんま」「こしぬけ」「やくたたず」の使い方が良い。
- ひかわ玲子「エデンに還れ」(第7回)
- 話しすぎ。
- 谷甲州「パンドラ」(第19回)
- この盛り上がるはずのパートを細切れで読むのは辛い。
高野史緒「S.P.Q.R.」は後篇掲載時に。
- 7月20日
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北野小林トークセッションを見物してから喫茶店に入り夕飯がてら飲みに行って人のうちになだれ込もうという段になって、なんとなく気が変わったので夜からユタ。
その時点以降の参加者は大森望、柏崎玲央奈、小浜徹也、堺三保、塩澤快浩、鈴木力、添野知生、高橋良平、林、深上鴻一(まだこっちの名前でいいんだっけ?)、福井健太、三村美衣(あいうえお順、敬称略)。主な話題はSFセミナーとSF大会のように見えたが、そんな話題は一切無視して、最近のプロ野球だの、陸モデラー心得だの、断固としてEP2否定だの、大阪の笑いとは何かだの、人の悪口だの、根っからの後輩気質だの、内先輩の外後輩だの、クローン襲撃だのの話をする。いま、堺さんの側でEP2を褒めると、微に入り細を穿ってEP2の駄目な点を説明して戴けるので楽しいです。「クローン襲撃」はとあるSFの題名を僕が言い間違えたもの。何と間違えたのかは秘密だ。
小林泰三『海を見る人』(ハヤカワ藍背)読了。大半が再読なので、短篇個々の感想は置くとして。外枠で語られる「各話の教訓」が実に見事にポイントをずらしていて良かった。確かにそういう話でもあるけどさあ。
書き下ろし「キャッシュ」は世界の破滅を救おうとする探偵の話。まるで「普通の良く出来たSF短篇」のようだったので、どこに悪意が込められているのか気になっている。
ハヤカワ文庫2002年7月目録のSF部門をざっとチェック。近年の作品がぽろぽろ落ちているがまとめての大鉈は無い様子。詳細はまた時間と気力が揃ったときに。