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11月 1日
職場を早めに出て一路、渋谷へ。ファンタのクロージング上映を見る。

シークレット上映となったクロージング作品は「アレックス」。添野さんから「鬱だよ」と脅されていたが本当にこんな映画とは。以下ネタバレ含む。

上映後に貰ったチラシによると「衝撃」が売りのようだ。際限の無いセックス&バイオレンスや謎のカメラワークは確かに衝撃かもしれない。しかし全体の構成がつい最近見た映画にそっくりなので、そこに気づいた途端「あ、あれね」となってすべての感慨が地に落ちてしまうという。狙いは異なるのだろうが、特殊なプロットは気づかれると全体を陳腐の域に引きずり下ろすのだよ。せっかく、血まみれになり、レイプされ、踊り狂い、セクハラまがいの言葉を受け、えんえんヌードを披露したモニカ・ベルッチもこれではなあ。なんだかもったいない映画ではあった。あまりにあからさまなラスト・シーンも含めもう少しいろんなレベルで慎みというものを持つべきだと思ったよ。いや、セックスとバイオレンスはこれでもいいけどさ。

上映後のクロージングはあまりにも退屈。さよならパンテオンという、いくらでも盛り上げることは出来ただろう状況で、ここまで沈めるとは。いくら、およそクロージングには向かない作品を上映した直後といっても、もう少しはやりようがあっただろうに。パンテオンの総支配人が花束を受け取った場面以外はすべて蛇足だったね。

終了後いつもの東洋大組と合流し、知人が来ている人や心の底から疲れきっている人以外の二人と飯を食いに行く。楽しかったのでつい調子に乗って徹夜の飲みにつき合わせてしまったのは反省点か。ありがとうございました&申し訳ない。

それはそれとして。今回はうわばみ二人と一晩飲んだにしては珍しく、飲んだ酒の名前を覚えている。飲んだのはブッカーズ、エンシェント・エイジ、クレメンタイン、ベンチマークXO、オールド・クロウ。酒の味を表す語彙に自信がないので詳細は控えるが、エンシェント・エイジとベンチマークXOはやや平板に感じられて好みではなかった。美味かったのはブッカーズ。名前を忘れないようにしよう。

11月 2日
朝まで飲んでいたダメージはやはり大きく、つい帰りの山手線で寝入ってしまったり。予定より大きく遅れて帰宅し、そのまま再度寝る。

夕方起き出して高田馬場の例会へ。今日の参加者は堺三保、林、高橋良平、福井健太(到着順、敬称略)。主な話題はファンタ、高田馬場喫茶店事情、関東KSFAはいつから、Jコレフォーラム、社交的だが人付き合いの上手くない人、マクベインの凄さ、SF業界のファン気質の問題点、質の低下、本当に原書を読んでいる人はいるのか、など。堺さんはユタ閉店による例会の消滅を大変危惧していた。どうせ人が来ないときは来ないんだから心配してもなあ、と思ったことは堺さんには内緒だ。フォーラムに関しては、オフィシャルなイベントとファンの大会とが同じ雰囲気になってしまうことの弊害に関する話がいつものようにいつものごとく。こういう場面でミステリは大人だよね(あるいは、だったよね)。あとは、堺さんは諦めてない話とか。話があるなら乗らせていただきたいのでこれについては全面支持です。あ、福井健太さんと京フェスでの対戦を約束したことも忘れるわけには行かない。通信ケーブルは持っていくんで、戦う意思のある方はGBAとBPPB、それに来期のチームの準備をよろしく。

11月 3日
飲みに行く予定が流れたこともあり、終日だらだらと日常のメンテナンス。S-Fマガジン考課表更新しました。

ちょいと前までに読んだ本。今さらシリーズ。

福島聡『少年少女』(ビームコミックス)。ともかく地味に巧い。地味だけど。さまざまな鬱屈を自動車と共に天に飛ばす「自動車、天空に」が良かった。

野尻抱介『太陽の簒奪者』(早川書房 Jコレ)。元になった中篇とあらすじは同じだが、印象は大きく変わっている。特に、単独作品としても全体の一部としても中途半端だった「蒼白の黒体輻射」は大幅にエピソードが追加されておりほとんど別物に。これなら巷の絶賛も納得がいく。蛇足に感じるパートなどもあるが、今年の収獲というにふさわしい作品なのは確か。SF系年度ベストの類に投票する気があるなら最低限読んでおくべき作品の一つだ。

奥瀬サキ&目黒三吉『低俗霊DAY DREAM』4巻(角川コミックスA)。んー、つなぎー。待て次巻ー。

篠房六郎『家政婦が黙殺』(カラフルコミックスキッズ)。達者な絵で描かれた下ネタギャグ(エロマンガ系)。面白いが、もうちょいおちついても。

11月 4日
映画を見にいこうと思っていたのに起きたら昼過ぎ。諦めて、というか予想通りというか、だらだらと。2ch 国内サッカー板 オレンジスレッドから流れついたこのスレッドがあまりにも面白く読み耽ってしまったのが敗因。自制重要。

つい油断して「タツノコヒーロー名鑑」に手を出してみたり。出たのは「破裏拳ポリマー」。ポリマー本体の造型は良いのだが、ちょっと噛み合せが悪く作りづらい。ポーズが狙いすぎでかっこよく見える方向が限られるのも難点か。それでもパッケージにある他のフィギュアは魅力的なので、今後も買うかどうか悩ましいところである。

つい油断して近所のCD屋で大量に買い込む。谷山浩子の古いアルバム×2+最新アルバム、BEAT CRUSADERS、柴田淳、ちょんまげ天国。我が事ながらどういう取り合わせなのか理解できない。

「ちょんまげ天国 〜TV時代劇音楽集〜」を聴く。すばらしい。「ああ人生に涙あり」「銭形平次」「だれかが風の中で」「すきま風」「江戸の黒豹」「荒野の果てに」といずれ劣らぬ名曲ばかりが、杉良太郎の、舟木一夫の、上條恒彦の名調子で聞こえてくるのだからたまらない。まさにお値打ち(名古屋語)の一枚。欲を言えば、「大江戸捜査網」のオープニングに「隠密同心心得の条」が欲しいところだが、それは望みすぎというものか。

と、ここまで書いただけでかなり腰が痛い。先月来、腰の痛みが慢性化しつつあるのはまずいような気もする。最近、腿まで痛くなってきているし。ああ。

谷山浩子「そっくりハウス」も聴く。表題曲、メルヘンかと思っていたらホラーだったとは。ラスト3行で一気に転調するあたり一流のショートショートの味がある。全曲カラオケ版収録は……。いいけど、それより「メトロポリタン美術館」を収録して欲しいという気が。
(訂正:「メトロポリタン美術館」は大貫妙子でした。なんで勘違いしたんだろう。うたたねこさん、bbsでのご指摘ありがとうございました。)

「みんなのうた」のDVDってないのだろうか。あったら欲しいぞ。

11月 5日
斎藤隆がメジャー挑戦も視野においてのFA宣言。田口や大家が通用している程度には十分通用すると思うが、それは嬉しいのか。佐々木並の扱いをしてもらえるとでも思っているのなら、自分をわかってないとしか。

柴田淳「オールトの雲」を聴く。アルバムタイトル(とシンガーソングライターとは思えない美人っぷり)に惹かれて買ってみたのだが、SFだの天文だのの風味は特に無い等身大系の歌だった。期待とは違うとはいえ、声質は好みなので問題なし。美人だし。 < その反応はどうか

11月 6日
いつもより早めに帰ってネット通販で買ったバーボンを受け取る。このあいだ飲んで気にいったブッカーズ。マッカランの25年なんかの5桁に比べれば安いとはいえ、ふだん飲むものよりは数段高い酒。さすがにマグカップで飲む気にはならない。が、しかし、部屋にあるコップはマグカップと使い捨てプラスチックコップのみ。熟慮の末、ショットグラスを買ってくるまで封印することにする。しかたがないからコンビニで買ったアーリータイムズでも飲んでよう。

古くなりつつある紅茶を安いバーボンで割っても、どちらも救われないことを発見。まだインスタントコーヒーに抛り込むほうがましな使い方であるらしい。

山形浩生『コンピュータのきもち』(ASCII)読了。コンピュータを要領よく使うために知っているべきことをまとめた概説書。書かれた知識の方はさすがに必要なかった。初心者向けというのはここまで書くものなのか、というあたりが興味深い。あとは初心者がこれを読んでどう思うかが知りたいところだな。

細かいけれども気になったこと。文字コードがらみで「「斎藤」と「斉藤」は区別する必要があるのか」という話があった。神事にあたって身を清める「斎(サイ)」と、そろえて並べる「斉(セイ)」は根本的に別の字。「斎(齋)藤」と「斉(齊)藤」は苗字としての起源すら違う(11/7追記 同じかも)ので、それを同一視するのは「紀藤」と「木藤」を同じと言うようなものでは。いや今のサイトウさんに区別してない人も多いのは事実なんだけど。

本全体の中ではちょいとずれ気味だけど重要なのが「番外編 著作権を尊重しすぎるのは本来の趣旨に反することなのだ」。知的財産の共有こそ新しい知的財産を産み出す元という立場から、過剰な著作権主張に対する異を唱え、フリーの材料を積極的に増やしていくことを奨励している。この辺の話題を意識してなかった人の思考のきっかけにはなるのでは。というか、なるべき。僕は「総論賛成、でも運用可能か?」という意見以前の感想しかないので、コメントはできませんが。

本とは離れてさらに「斎(サイ)」と「斉(セイ)」の話。「書斉」だの「一斎」だのとは書けないのだから文字の包括の例としては不適、と言えると話は早いが、世の中微妙にそうは行かない。この「重なる漢字」に、状況によってまったく異なる字が同じ字にされてしまう例があげられている。「斎(サイ)」と「斉(セイ)」の同一視も大勢がそちらに流れればありえないとは言えないわけだ。今さら流れないと思うけど。

結局、がまんできずに届いたバーボンの封を切ってしまいました。さすがに香りも味もコンビニで買ったアーリータイムズとは違う。 < 比べるな
でもマグカップだと、バーで飲んだ時ほどは美味くないような。やはりショットグラス重要、か?

11月 7日
昨日、「斎藤」と「斉藤」は別起源と書いたがどんどん自信がなくなってきた。「斎藤」の起源は「斎宮頭の藤原氏」らしいのだが「斉藤」の起源がわからない。ひょっとしたら名前の用例に関しては本当に同じ字なのかも。というわけで、この件に関しては調べがつくまで撤回ということで。

Dream Media「We Can Make It」がすばらしい。殺人鬼の意外な正体もの。それはなんだか、とっても読んでみたいのに。なんてもったいないことを。

ビデオに録画しておいた「みんなのうた テトペッテンソン/そっくりハウス」を観る。「テトペッテンソン」のインパクトは噂に比べるといまひとつ。こう少し聴き込めば印象も変わるかもしれないがきっと聴き込む日は来ない。「そっくりハウス」はほぼ期待通り。「おうちのなか」の少女が背中を向けているはずの場面で、少女が窓の外を見ているのはどうかと思うが、次のシーンへのつなぎを考えるとこんなものか。

11月 8日
アテネ五輪、日本プロ野球は「各チーム二人までの代表を派遣&期間内のペナント休止は行わない」と決まったらしい。二人までって。パシフィック(+広島、横浜)→中日・阪神・ヤクルト→読売→大リーグという選手吸い上げシステムがあるのに二人までなんて足枷を付けたら、とてもじゃないがドリームチームは組めないような。なぜそんな半端なことをするか。

それでもなんとか組むとして、2 古田(S) 3 小笠原(F) 5 中村(Bu?) 4 今岡(T) 6 松井(L) 7 金本(T) 8 谷(BW) 9 高橋由(G)って、ところか。中村が読売移籍なら高橋を諦めて(投手で上原を選ばないわけには行くまい)小関(L)?阪神なら今岡を外して……、高木浩(L)?でも、小関にしろ高木にしろ、松坂だの西口だのを選ぶ権利が無くなるのか。逆に誰を選んだらいいのやらというチームも。横浜から選べるのか?木塚(YB)?鈴木尚(YB)?それは他にもっと良い選手がいないか?

パズルとしては面白いけどなあ。

11月 9日
こんな夢を見た。

中学・高校以来の友人たち4人でデパートをうろついている。例によってのくだらない冗談を言ったり、薀蓄を競い合ったり、うさんくさい理論を構築したりしながら棚を冷やかし、やがて店内の飲み屋で飲み始める。そのままだらだらと話すうち酔っ払って目が覚めた。目を覚ましてから考える。僕と浅井Rと中野はいいとして、あと一人は誰だったんだろう。顔も名前も記憶に無いが、確かに知っている相手だったようなのだが。

座敷童子と飲んだのか。

夕方から上野に出かけて本当に飲み。細木さん(8)はめっきり弱くなっていた。お互い、もう歳ということなのだろう。

個人的に感慨にふけっただけなので、特に落ちはない。

11月10日
1日、部屋に籠もって本を読む。普段から日常のメンテナンス作業は苦手で、可能な限りあらゆる手段(*)を尽くして手を抜いているのだが、完全に休日モードに入るといつも以上に何もやらなくなる。「学生ならともかく仮にくらいには社会人なのにこんなことではいけない」と一念発起しつつも、次の瞬間には「大丈夫おたくだから」と謎の安心感が沸いてきたので遠慮せずに何もせず。だらだら。

だらだらしすぎて読書すらすすみませんでした。まる。とりあえずGBA・BPPBの現実逃避ペナントレースはかなり消化した。波留(97)とローズ(98)とブラッグス(94)と駒田(98)が打つと強いなあ。

*:諦めてやらないとか、やらないことによる不便さを甘受するとか

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