- 7月24日
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星雲賞受賞帯も麗しい長谷川裕一『クロノアイズ グランサー』2巻(講談社ZKC)読了。いまさら堀井発太に浜舞鬼子とか言われてもなあと思ったクリスマス篇からしだいに話が大きくなって行き、シリーズ当面の敵「千界の王」グリーナムの登場とともに一気に世界が広がった。このまま、多次元世界をまたにかけた闘争がはじまるようで、大変喜ばしい。やはり長谷川ヒーローの敵は“神”じゃなくちゃね。星雲賞受賞を心の糧にどんどん風呂敷を広げていただきたい。なに、畳み込むことに関しては天才だ。きっとすばらしいたたみ方をしてくれるに違いない。
ねーちゃんが拳銃を撃つ漫画を二冊。
伊藤明弘『ジオブリーダーズ』9巻(少年画報社YKコミックス)。四日市大銃撃戦篇のクライマックス。ひたすらに硝煙が立ち昇ります。馬鹿です。大馬鹿です。痛快活劇というのはこういうものをいうのだよ。うんうん。
あ、あのお方と蘭東さんって別人なのか。< おい
広江礼威『ブラック・ラグーン』2巻(小学館サンデーGXコミックス)。ロックとレヴィが折りあう話と、スプラッタ・ロリの話途中まで。ロックの元商社マンという設定が、海賊の一員として役に立つというのは驚いた。これは巧い。台詞回しのかっこよさと、アクションの映えも、いつもながらの絶賛物。整った絵柄というのは武器ですね。この幼年殺人鬼のグロテスクさは、伊藤明弘の絵じゃちょっと出せない。
- 7月29日
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『アニメ&漫画コラボBOOK 茄子 アンダルシアの夏』(講談社)。映画公開にあわせた企画本。いかにもな空気に、スルーの予定だったが意外に評判が良いので買ってみた。正解。
内容は、「アンダルシアの夏」シリーズの漫画3本(『茄子』から2本と、「アフタヌーン」2003年8,9月号掲載の「アンヘル」)、8人のまんが家による友情出演イラスト、黒田硫黄と高野文子の対談、五十嵐大介による茄子漫画、鬼頭莫宏による製作会社レポート漫画、アニメ関連記事など。特筆すべきは対談だろう。いやもう、高野文子がかっこよすぎ。
「あなたは漫画界にいなくてもいいよ」
物語る才を評価して、より観客の多い映像系に進むことを薦めている場面なんで別に漫画家としての存在価値を否定しているわけじゃないんだけど、表現が……。最後のほうは黒田硫黄も反撃に出て、正面から戦ってました。この対談だけでも1500円は惜しくないぞ。あとは、五十嵐大介の茄子漫画。ナス科の野菜の育て方なんて無味乾燥なテーマで、これだけ自分の空気を出せるのは、さすが。良い買物でした。
祝!対阪神2勝目。というわけで、横浜は阪神相手に四ヵ月ぶりの勝利。借金も40を割りました。ようし、あと39。
勝利はもちろん嬉しいのだが、今の横浜より悲惨な球団を挙げて慰める特集(V林田日記より)なんてものを見てしまうと、「全部に抜かれるのもネタ的においしいよなあ」などと考えてしまう今日この頃。いや、そんな自虐的なことではいけないんだってば。
ensemble.indexより、東京創元社の文庫復刊ラインナップ。「ロシア・ソビエト」と「東欧」はどちらかの下巻だけ買い逃してるんだよなあ。この復刊は嬉しいような、そうでないような。あー、とりあえず全部買いなおすか。
有里日記のスニーカー文庫関連トピックについて。86年当時の一中学男子(コンピュータ・ゲーム誌の読者で、SFMを含む小説誌は読んでいなかった)は、ソノラマ、ハヤカワJAの仲間として見てました。アニメ関係の文庫といったら、アニメージュ文庫で、これとははっきりカラーが違うし。アニメ関係のタイトルというだけなら同時期ちょい前のコバルトにもいっぱいあるので(ヤマトとか)、スニーカーだけ特にという印象はなかったはず。SF系の若手(火浦功、岬兄悟、大原まり子、新井素子、田中芳樹)が並んだラインナップからも、ソノラマ、ハヤカワJAのイメージのほうが強かったな。アニメの「ニュータイプ」、ゲームの「コンプティーク」とともに角川歴彦おたく路線の一環なので、アニメやゲームの影響があるのは事実だろうけど、タイトルだけ見ると同時代の叢書に比べて根本的に異なるというほどでもないので、評価には慎重さが必要かもだ。
個々の作品や作家よりも、角川/富士見路線によるアニメ/ゲーム/小説の享受者層の誕生が重要なのかもだなあ。と、消化不良のまま逃げる。
- 7月30日
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先日のSF大会の道中立ち寄った道の駅で計った体脂肪率は、16.7%でした。> 誰にともなく
これでも多分、増加気味だから気をつけないと。15%が目標か。
帰りに武蔵野館でティールロヴァーのCプログラム。どうにもこうにも眠すぎで、結局通して見たのは1作のみというていたらく。会社帰りにこの手の映画を観るのは無理があるのか。
唯一、寝ずに済んだのはセコ「サボテンさん、ちょっと」。「本棚の世界」、「シューズショー、あるいは自分勝手な靴」同様、静物を主人公とした小品。老人の部屋の窓辺に置かれたサボテン。かわいい奥さんサボテンとの間に子供も生まれ幸せに暮らしていたが、ある日、老人がなくなり部屋の主は女性に変わる。窓辺に干された下着の誘惑に、サボテンの心は揺れ動く……。サボテンの奥さんを貰っておいて、人間に惚れるサボテンというのがいまいちわからず乗れなかった。動きにもさほどの面白さがない。楽しみにしていたのでちょいと残念。
ああ、他はいいけど、ティールロヴァー「十人十色」だけはちゃんと見ておきたかったな。もう一度行くべきか。
- 7月31日
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S-Fマガジン考課表更新。とりあえず版です。小川一水の強さは予想通り。ストロスは予想より健闘。
久方ぶりに週ベを買ってしまった。えーと、阪神戦同一カード初勝ち越し記念ということで。そんな久しぶりの購入なのに「あぶさん」の記事があるなんて、縁起の悪い事この上ない。