過去の雑記 05年 8月

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8月 1日
『サマー/タイム/トラベラー2』読了。207pの
「やっぱ宇宙?」
「だって未来って、そうでしょ?」
で許してしまうダメな自分がいた。好きなところと、嫌いなところがぐだぐだに絡んでいる感じ。「青春小説」な部分は「あーそういう空気が描きたいんだね」と穏やかに許してしまうのだけど、SF設定の矛盾はたいそう気色悪いという。瞬間移動と未来への時間移動というのは相反する方向だろう。若い人(の一部)が青春小説成分を嫌がるのはわかる気がする。そこは、すでに青春が遠くなった人のために回顧的に書かれてるっぽいのだよな。その点、パッケージが狙うターゲットとずれてるかも。ツルケンのイラストで買う層は既におやじだから問題ないのか。
ストーリー的なとっちらかりも、キャラの半端なリアリティ(の無さ)も、上記のようなSF設定のダメさも辛いのだけど、それでも、SFであることを、未来を目指すことを、(さまざまに言い訳しつつも)肯定する姿勢は、好きにならずにいられない。

夏恒例の江東区花火大会&その後の焼肉に行ってきた。大森さん、よしこさん、毎年お世話になり、ありがとうございます。遠隔地在住のサラリーマンの都合など斟酌することなく(当たり前だ)、平気で平日に開催する花火大会なので、毎年苦労するのだが今年も無理矢理午後半休を取って最初から参加。午後半休を取ったのに、ふだんより会社仕事が充実していたのはなぜ。
花火は例年通りだったので詳細は省略。あー、ちょっと渋めの配色の花火が多かったかな。天候にも恵まれ、よい花火でした。昨年(一昨年?)くらいから花火に対する忌避感を募らせている社長も、プロの近所のお兄さん見習いの説得の甲斐あり、後半は積極的に鑑賞していた模様。
焼肉では、90年代生まれの少年と話をしたり、アニソンを歌ったことがない現役の邦楽歌手について考えたり。ZABADAKが実は歌ってないというのはどうだろう。

帰り道で、SFMの8月号からケン・マクラウドを読了。えーと、後半のくだりとかギャグとしてしか読めなかったんですが、読み方間違ったんでしょうか。

8月 4日
 近所のクリーニング屋が潰れたことを嘆いているうちに、近所のマンガ屋まで閉店が決まってしまった。柏駅ビル地下のブックスASANO。午後8時閉店と、ちと閉まるのが早いが、この辺ではもっともエロマンガの品揃えが良い店として重宝していたのに。ここが潰れたとなると、まともな量のエロマンガを置いている店がなくなるなあ。都内に出たときにチェックしろということか。めどい。けっこう意識して金を落としてきたつもりなんすが、やっぱ個人客にできることは少ないですね。
 駅ビル地下で周囲がゲーセン群という若年層が溜まり気味な立地で、エロマンガ誌を立ち読みできるように置いていたから、浄化圧力で閉店が決まったという可能性もあるけどな。 < うがちすぎ

MM/memo経由で逞しき宇宙麻雀の世界へようこそ。891で順子を構成できるどころか、白発中も、東南西も順子になるという端の無い麻雀。なんだか面白そうだ。プレイ・リポートにある、「いつのまにか通常の麻雀のことを「地球の麻雀」と呼ぶようになった」というのは笑った。

日記を遡って調べてみたところ、もとは2chのスレで、その大元は「いただきじゃんがりあんR」というギャル麻雀ゲ―ムであることが判明。 体験版があったのでダウンロードしてみた……のだが、グラボの能力不足でプレイできず。悔しい。

8月 5日
SFマガジン 2005年8月号読了。特集「宇宙戦争」の小説作品は2本。

ケン・マクラウド「人類戦線」は、共産主義にかぶれたイギリス青年が見た戦争の真実。中盤までの展開は、政治に対するリアルな問題意識のようにみえるが、中終盤がこの展開で、本気というのはちょいと信じられないところ。他の作品は知らないが、少なくとも本作は、くそまじめな顔でかますギャグというのが正体だろう。ただ、それにしては些か長いかなあ。金星人のくだりで大笑いしたから、満足はしてんですが。

チャールズ・ストロス「コールダー・ウォー」は、こちらも冷戦(がホット・ウォーに発展する改変世界)を扱った、まじめな顔でとんでもない大ネタをかます作品。ネタを割るタイミングが早く、そこからはあまり驚くべき展開が無いので、マクラウドに比べると大人しく感じる。抑制が効いた神話の使い方は好み。

小説外記事は『宇宙戦争』がらみの翻訳エッセイ2本と、映画ガイド、海外テレビドラマガイド、スター・ウォーズ座談会。ウェルズ「百万年の人間」は、人類の未来の姿に対する考察。進化論的に妥当かどうかというのはともかく、考察範囲の広さはさすがウェルズ。オールドタイプのSFを読むのと同じ楽しさに満ちている。テン「ふたりのウェルズ」は、オーソン・ウェルズの有名なラジオ番組にパニックを引き起こすほどのリアリティを与えたのはなんだったかという話。テンがまだ存命だったという事実が1番の収獲、ってのはあれとして、『宇宙戦争』に使われた技法の革新性の指摘は興味深い。

特集外では、津原泰水《夢幻泡影》の第2話、「午前の幽霊」が完結。東京が幻影の中に崩壊しかけた前作から一転、幻想描写は極力抑え、事件のその後が描かれる。中継ぎの印象が強く、単体で語りたくなるようなフックに欠ける。

なんの冗談だ、それは。9回表1死満塁、立浪のライトフライを捕球した金城が本塁に完璧な送球。ストライクの球を相川がキャッチしてタッチに行くも、うまく回り込んでいた代走・英智がそのタッチをかいくぐり、ホームイン。ついに同点に追いつかれた。ここまではいいんだ。確かに贔屓チームの勝利が目前でこぼれ落ちるのは辛いところだけど、見応えのあるプレーなのだからダメージは浅いさ。

だがしかし。ウッズ敬遠後に福留に満塁ホームランってのはなんなんだ、おい。

また、そのホームランも、名古屋ドームならレフトフライですか、って代物だし。いや、打った福留を貶す気は無いんだ。そうじゃなくて。

まあ、まだ試合はある。貯金してのAクラスという当初の最大目標は十分達成可能な領域だ。決して悲観したもんじゃない。もんじゃないんだけど。ああ。

8月 6日
マックスあたりで目を醒まし、WebZapをしつつ漠然と視聴。絶対少年は休みだったので、トランスフォーマーの間にシャワーを浴び、ついでに洗濯&布団干し&朝食確保。朝食を食べながら、ロックマンエグゼストリームを楽しく眺めていると9時。ライザー&ジョー&ふたご姫をBGMに年表を少し進めていると予約の時間になったので歯医者へ。

歯医者からの帰りに、(なにを思ったか無印良品で)パジャマを買ったり、(よりにもよってアニメイトで <だって他は売り切れてたし)夢路行全集の買い逃しを買ったりしているうちに宅配便が来るかもな時間になったので部屋に戻り、洗濯物を干したり、年表を進めたり、宅配便(ベルヴィル・ランデブーエディシオン・コレクトール)を受け取ったり、録画してあった「かみちゅ!」(幽体離脱中の見せない芸はすばらしかった)だの「奥さまは魔法少女」(いまひとつ)だのを観たり。

なんとか年表に切りがついたところで、モりやまさんとの約束の時間くらいになったので鷺ノ宮へ。せっかくなのでバーボン一壜抱えてマサトク邸オフにお邪魔することにして、そこでくだらない嘘をついたり、現代の若者はラファティ好きでカルヴィーノ好きばかりだということに確信を持ったり、新井素子ファンの人に『しあわせの理由』を薦めたり。持ち込んだバーボンを呷りながらおおたさんのカレーを食っているうちに、そのままだべり続けたくなったが、強い心でお暇して、元ユタへ。なんか、妙におたく度の高い一日であることだよ。

さて、元ユタ。今日の参加者は、大森望、小浜徹也、添野知生、タカアキラ ウ、高橋良平、林、東茅子、三村美衣、宮崎恵彦、柳下毅一郎(あいうえお順、敬称略)。

僕が着いてからの主な話題は、よいこNEWS、よいこ手帳、わるいこNEWS(?)、一晩ファンジン、熱海のマンション、アジェンデの冒険小説、年表、iTMS、奇妙な味・妙な味・微妙な味、SFMでYA→ラノベとなったのはいつか、読みたい!は便利、SFオンラインは便利、本が溜まる、良平さんの蔵書、昔の雑誌は面白い、良い雑誌は5年、号数の多い雑誌、号数の多いファンジン、猿の惑星、パーンを読むべきか、ウィリアム・テンが生きていたとは、シェクリイはしばらく前に死にかけた、ブラッドベリがたくさん出るのは危ないんじゃ、ブラッドベリは未発表原稿が大量にある、入門ジャンルの不在、好きで書いててうまいのにSFじゃない、嫌いで下手だけどSF、イーガンの厭さの良く出た作品、出版社別に見た星雲賞の偏り、翻訳の顔ぶれが変わらない、ルーカスなど。

ブラッドベリは、刊行ペース以上に執筆ペースが早すぎるらしく、デビューの頃からの未発表原稿が大量に溜まっているのだとか。50年代の頃に書いた作品が未発表でしまってあるというのはすごいよなあ。草上仁でも敵うまい。

「好きで」と「嫌いで」は途中で話題の方向性が入れ替わっている(作者自身がSF好きで、という話と、作者を好きで)ように見えるけど気にしない方向で。
「嫌いだけど認める」作家として名が挙がっていたのは、ル・グィン、ティプトリー。上手い作家に多いという分析。上手くない上に嫌いなのに(SFと)認めざるを得ないイーガンは凄い……と話題が転がりました。僕が、「嫌いだけど認める」作家はカードかなあ。

ねぎしにいた時の別の島の話題は、そちらにいたかたにお任せで。

8月 7日
 今年の海分を補給するため、由比ガ浜まで海水浴に行ってきた。着いてから、なんか見覚えのある浜だなあと思ったけど、これ、何年か前にのむのむさんと来たとこですね。
 深く考えるのも面倒だったので、一番最初に見かけた海の家に入ったんだけど、これはちょい失敗。とんでもない繁盛振りで、コインロッカーは空いてないは、更衣室兼シャワーは順番待ちだはと大変なことでした。でもまあ、たいそう目の保養になるお嬢さんが働いていたので少々の不満は水に流そう。ビキニに前ボタンを外した半ズボンという組合せに、チラリと見える肌の日焼けしてない部分まで重ねるというのは明らかにやりすぎですね。いや、そんな注視するなんて不躾なまねはしませんよ。偶然、目に入ったりしてただけですよ、ええ。
 しかし、あれですね。最近のビキニ率の高さは異常なほどですね。女性の97パーセントはビキニだったんじゃないかという。多くの女性はそれなりにそれなりな体型もしてらっしゃって、たいそう目に良いことなのだけど、その横にいる男性のほうも、4つや6つに分かれた腹筋の持ち主ばかりで、己が腹の弛みを自覚させられるという副作用もあったりなかったり。
 でまあ、浜を眺めるばかりでは海に来た意味がないんで、海にも入ったわけだけど。ただでさえ芋の子洗う状態の上、ビーチパラソルすら飛ばされる(目の前に飛んできたビーチパラソルを掴むってのは初めての体験だ)大風で、しゃれにならないほど波々だったので、とてもじゃないが泳ぐことなどできようもなく。半日、波と戦って過ごすことに。それはそれで楽しかったので良しとしたい。
 波との戦いを終えて、帰り支度をしようと海の家に向うと冗談としか思えない行列が。ああ、そうだね。ロッカーの定数を越えるほどの客がいたんだから、こうなるのは予想できたね。呆然としたまま行列に並びましたさ。着替え終わるまで40分ってのはなんだかなあ。
 最後の最後に無駄なエネルギーをつかってしまったけど、海分はしっかり補給したので無問題。これで残りの日々にも立ち向かっていけるよ。

おまけ:海水浴の帰りに、鶴岡八幡宮に寄ったら、ぼんぼり祭りなるものをやっていた。地元の人々が奉納したぼんぼりが境内に飾られているのだけど、さすが鎌倉、著名人のものが多い。でもって、ぼんぼりは全て奉納者の手書きなので、チェックして歩くのがたいそう楽しい。Wアンノは想定内だったが、水木のアニキのぼんぼりまであるとは思いませんでしたさ。アニキの絵はなかなか達者でした。

8月 8日
悪魔の声に従い、SRWα3を買ってくる。ついでにゲームキューブ用のS端子ケーブルまで。いや、繋ぎたいのはスーファミなんだけどな。

他にすべきことがあるとはいえ、買ってきてしまったものはしかたがないのでスーファミを繋いで、棚の肥やしにしていた『魔装機神』を試してみる。んー、攻撃方向ルールがちょっと強すぎるか。移動後攻撃力の低い射撃型がろくに機能しないのはどうしたもんかと。あと、2話で出てくるサフィーネさん強すぎ。

つづいてSRWα3。クスハが揺れるのはいいとして、リアル系の女主人公はいくらなんでも揺れすぎではなかろうか。左右互い違いにってのはどうよ。ユーザインターフェースは悪くないのでストレスはそんなに無い感じ。ちょっと反応がもっさりしてるかな。締切りを切り抜けたら本格的にプレイしたい。

しかし、スタート直後から、νガンだの、カイザーだの、真ゲッターだのが使えるというのは、異様な気分だ。

8月 9日
諸般の事情で東京南部の人と会う必要があったので、ついでのことにと、人々を募って渋谷で飲んできた。待ち合わせのBook 1stに着くのは若干遅れたが、そんなことは気にかけることなく合流前にいろいろチェック。TAGRO『宇宙賃貸サルガッ荘』の最終巻は無事手に入ったけど、《パーン》の7巻は手に入らなかった。まあ、いいか。

「ビアホールでビール飲みましょう」と声を挙げておきながらろくに店を調べてもいないという不埒な提唱者っぷりだったが、牧さんがキリンシティを提案してくださったので問題なし。ありがとうございます。

でまあ、ビールとかビールとかビールとかウィスキーとかウィスキーとか飲みつつ4時間ほど話し込んでたわけだけど。どうやら、ちょっとだけ飲みすぎたらしく、帰り道、なぜか上野ではなく東京駅にいる自分に気づいて呆然としたというのは、ここだけの秘密だ。

8月10日
詳しい経緯は省くが、「ガン×ソード」の第三話を観た。おお、これは。ひとびとの盛り上がりから、パロディネタてんこもりのお遊び回なのかと思っていたら、正統派の泣かせ話じゃないか。

 かっての英雄も今は昔。毎日酒場で飲んだくれては自分たちがいかに凄かったかをがなりたてるだけの老人たちは、すっかり町の鼻つまみもの。騒ぎが過ぎて、ブタ箱にぶち込まれた彼らは、保安官に諭される。この町には警察で十分だ、勇者は必要ないんだと。そこへ、突然の轟音。突如巻き起こる未曾有の危機。圧倒的な力の前には、警察の銃弾など豆鉄砲ほどの役にも立たない。もはやこれまでか、ひとびとが絶望した時、颯爽と表れる勇者の姿。たとえ馬鹿にされようとも、疎まれようとも、町を愛し続けた老人達が、かっての翼をまとい、死を賭して脅威に立ち向かう。あの女性の面影とともに。

 いやもう本当にいい話。ラストは泣いちまいましたさ。バカ話なんて言って申し訳なかった。ありがとうエルドラV。

でもって、あとは今週分。「アクエリオン」の、精神攻撃シーンの独特な絵柄と動きは良かったけど、前後がなあ。このネタをやるなら、前後の通常シーンは本気の超絶作画じゃないと、対照が利かないよ。レイカさんは、どのシーンでも誰だかわからなかったので、デフォルメのしかたを再検討すべきだと思う。

今週分「ガン×ソード」は、抜けるような青空の下、太陽の光が眩しい能天気な話。中の上くらい。クライマックスの展開で、ロボをださなかったのは偉い。

昨日の夜、PHSから確認した時点では、7対1で阪神がリードしていたはずの中日・阪神戦。さきほど半二日酔いの頭に活をいれながら確認してみたら、中日が勝っていた。へ?この5回の裏9点ってのはなんですか?経過を見ても、1回に四つアウトを取られてる様にみえるんだけど。しかし最大8ゲーム差を、1月で0.5まで縮めるか。やるなあ。

そんなバカ試合の影で、横浜は淡々と負けていた模様。うー、5割が、Aクラスが遠のく。佐々木の引退当番なんて茶番はどうでもいいわけだが、そんなくだらないことのために秦が犠牲になるのは悲しいことだ。

TAGRO『宇宙賃貸サルガッ荘』5巻(スクエニGFC)を読む。宇宙アパートマンガ、これにて完結。あらたな魔女の襲来とともに事態は急に動き出し、すべての謎が解き明かされる。大活劇の果てにたどりつくのは、見事なまでの大団円。ここまで全部の伏線を消化して、きれいに落ちがつくとは思わなかったよ。端整にまとまった良作でした。

8月11日
ああ、今週のアクエリオンの作画って、御先祖様万々歳!の作画監督、うつのみや理なのか。確かに、いわれてみればそんな顔だ。なんか、いろいろ納得。精神攻撃パートの絵柄を、フランスアニメのできそこないみたいだなどと失礼なことを思っていたのは恥ずかしいから内緒にしておこう。それでも、通常パートは普段の絵柄で通すべきだったと思うけどな。

至好回路の、
うつのみや理の絵柄が「酷い顔」という記号として扱われていて、うつのみや理のアニメーターとしての「動き」の方の魅力のインパクトがスポイルされてしまっていて、素直に楽しめなかった。
という意見には納得。ファンなら特にそう思うだろうな、と。

SFM考課表に自分の分も含めて3件追加という作業をしたわけですが(これはわりと一瞬)、自分の考課表には感想が必要で、感想は8/5の日付で、前回雑記の更新は7/1付けということで、7/2から8/5までの雑記を一気にでっちあげ(でっちあげといっても元の分の大半はmixiで書き散らしていたものだけど)。あー、思ったより時間かかったな。

これに時間を取られたこともあり、作業予定は遅々として進まず。毛野楊太郎『イキたい夕貴ちゃん』(プラザCOMIX)を読んだり(女性が恋人とのSEXでイクことをテーマにしたマンガ、なのに、なぜ妖魔に首を飛ばされたり、妖魔と戦う勇者の従者にされたりするのか)とか、『robot』2号、3 号をまとめ読みしたり(画力にマンガ力が追いついてない作品があいかわらず多い。なかでは前嶋重機「DRAGON FLY」が“マンガとしては”頭一つ抜けているか)とか、「タイドラインブルー」を観たり(潜水艦側の行動原理はまだ見えないが、なにかしっかりした理由があるのだろうと期待させる。深夜枠はもったいない気が)とか、「奥さまは魔法少女」を観たり(中盤までは悪くないのに、ウメケンマンボで台無し)とかもしてたわけですが。

って、逃避しすぎだよ。

8月12日
夕方から蒲田の韓国料理屋で細井さん迎撃の呑み。狭い店だが、安くて美味い。えーと、なんの話をしたっけなあ。接続詞や助詞を漢字にするかという話は覚えている。あと、オタクVSサブカル本とか。サブカルってのが茫洋としすぎて興味がもてません。

8月13日
某イベント。まわったのはアメリカン・カートゥーン系とSFと特撮パロあたり。こんなのを買いました。 京王百貨店屋上のビアガーデンでスコールの中、ビールを飲んだりした後、カラオケして帰宅。

8月14日
MM/memoを起点にたどりついた「日本人が消滅する日」[第2回] 高度成長をもたらした「人口ボーナス」を使い切った日本。二度と同じ時代はやってこない。2002年の「正論」掲載の記事。この文章がオリジナルではないだろうけど、人口ボーナスという考え方が面白かったので。シンプルなモデルでいろいろ説明できていてすばらしい。

 この論が予測する暗然たる未来を回避するためには、究極のところ出生率の回復による and/or 移民の受け入れによる人口維持しかないのだろうけど、実現性とかデメリットとか考えてると、ずぶずぶとなるようになって沈んでいくしかないんじゃないかという悲しい気分になってきますね。まあ、先のことなんてどうでもいいと言いたいけど、平均余命の範囲内でも相当悲惨になりうるのが嫌なところ。

8月16日
仕事中になんだかえらく長い揺れ。近いのかと思ったら、震源は宮城県沖だった。それでも、ここまで揺れるのか。Yahooの地震情報でみたら、とんでもなく広範囲で揺れているので驚いた。柏の震度が、名古屋(港区)と同じとは。地盤の強度重要。いや、しかし宮城の地震で徳島まで揺れるか。

アクエリオンとガン×ソードを観た。どっちも普通すぎてイマイチ。いや、その評価のあり方は歪んでるな。どちらも、普通の話を面白く見せる基礎体力が足りないということか。

8月17日
ちまきing『あふがにすタン』(三才ブックス)を読んだ。みなさんご存知かと思うが、アフガニスタンの悲劇の歴史を、擬人化少(幼?)女あふがにすタンを主役として紹介するWEB-COMIC。Web掲載時に楽しく読んだので、その書籍版はお布施と思って買ったまま積んでいたのだけど、ちゃんと目を通してみたら、Web版とちょっと違っていてびっくり。日本少女、ひのもとさん(巫女)って、Web版にはいなかったよね。1500円払って本で読む価値があるのかといわれると口ごもるのだけど、Web版で楽しんだのなら買ってもいいかなという気分。なんたってフルカラーになってるしな。
#嬉しいかどうかは微妙。

8月18日
昨晩の「タイドライン・ブルー」を観たついでに、ここ半年くらいの観ては消しテープの状況チェック。「タイドライン・ブルー」は、ちゃんと面白いんだけど、いささかつめこみ過ぎな感。今回分でまだ5話というのが信じられない。もっと、エピソードあっただろう。……ないか。

でもって、録画分。記憶どおり、バジリスクが4話から18話まで溜まっているほかは、先週分の絶対少年だけの模様。近いうちに「絶対少年」を消化すればOKかな。バジリスクも、どこから見始めればいいかわかったし。バジリスクはそれなりにオリジナルストーリーを挟んでますね。次回19話「猛女姦謀」はせがわ版の第二十五殺「三対三」までの模様(参考)。

MM/Memo経由で、この「腐女子の生態」というイラストをみて、「ああ、騙されてはいけない。騙されてはいけないけど、微妙にツボな気が!」と煩悶していたら、こちらで目が覚めました。ありがとう。

8月19日
太田虎一郎『宇宙の法則 世界の基本 先手オレ編』(コアマガジンHYPER HOT MILKコミックス)。まだ続いてたんだ、これ。うさぎ星人のまわりのキャラが増えすぎて、当初の主役組がいなくなっているように思うのだけど気のせいか。顔も思い出せないから、別にいいけど。

今回のベストバウトは56p。
「ノースリーブの女の子の… ココんトコ ココらへんの肉」
脇のとこのぷよっとした肉。いいね、肉。

ネコ部隊の最悪の行為は、
「クリームシチューをごはんにかける!!」
なんて、凶悪な!

「悪! まさに凶悪!!」

NHK-BSのガンダム祭りをみたりみなかったり。「大西洋血に染めて」は名エピソードだなあ。スパロボ史上唯一ミハル・ラトキエが出てくるSRW3はなんと素晴らしいことだろう。

8月20日
 昼過ぎから、溝口さんと行く池袋古書市&古本ツアー。電車の間が悪く、大遅刻かなと思ったら、なんとか予定時刻ちょうどで池袋駅着。待ち合わせ場所ベースで3分遅れくらいのタイミングなので安心して着いてみたら、思いっきり最後尾という罠。ふだんの待ち合わせなら、真ん中くらいなのに。みんな、定時を守りすぎ。
 昼飯に食べた東武のレストランのうなぎはイマロクくらい。あの程度のうなぎなら、丼にして800円が関の山だろう。だいたい、注文してから出てくるまでが早すぎだ。ぜってー、注文後に捌いていないな。関係者の猛省を促したい。枝豆の塩がまったくきいてなかった件くらいは不問に付してやるから。
 巡回は、サンシャインの古書市→光芒書店→西武の古書市→往来座。古書市は到着時刻のやる気無さもあり、ほとんど収穫なし。2件の古本屋も、品揃えは良かったが、僕がほしい本はほとんど無し。というわけで、ご挨拶程度の買い物をちょぼちょぼと……。していたら、往来座のカウンター横に、「アインシュタイン暗殺指令」というタイトルのチェコ映画を発見。一時の迷いも無く購入する。今日最大の収穫。
 往来座のあとはジュンク堂に寄って新刊チェック。溝口さんの籠に本を放り込みつつ、買い逃しなどを数冊購入。なんか、勢いで読みそうも無い本を買った気もするけど、気にしない。

 みごと大きいほうの籠がいっぱいになった溝口さんを寿いだ後、代島さん、ゼラ泉さんとともに高田馬場に移動して、元ユタへ。今日の参加者は、英保桐夏、英保時央、大森望、小浜徹也、さいとうよしこ、ゼラ泉、添野知生、ダイジマン、高橋良平、林、東茅子、三村美衣、宮崎恵彦、柳下毅一郎(あいうえお順、敬称略)。僕の周り他での主な話題は、リトル・ウィアード、実は15号があった、押さえておくべきファンジン、てれびくんの付録、SFイベントのコスプレ、アインシュタイン暗殺指令、リプスキーの映画、飴屋法水の消失、実は面白い頭文字D、漫画原作はすべて香港で撮るべきだ、妖怪大戦争、デビルマンより悲惨な映画、人型忍者しか出てこない甲賀忍法帖って、姑獲鳥の夏に耐えられない、ここ数年の幻想・SF系原作つき邦画で成功したものはあるか、鉄人28号、アイランド、下には下がある、恋するA・I探偵、ゴスロリキャバクラ&メイドホテル、ジェイムスン教授、SF編集者歴がもっとも長いのは、創元再刊路線の売れ行き、など。

「アインシュタイン暗殺指令」の原作はネスヴァドバ「アインシュタインの頭脳」(『現代東欧幻想小説』収録)らしい(SFM95年6月号:高橋良平「映画化された海外SF作品全リスト」より;添野さん調べ)。ネスヴァドバは東欧傑作選の類でよく見かける人という認識しかなかったけど、英語のファンサイトがあったり、作品が結構映画化されていたり、じつは「チェコSF界の王」とまで呼ばれる凄い作家だったようだ。おお、今年の4月26日に亡くなったのか。というか、つい数ヶ月前まで生きてたのか!

飴屋法水の消失は、「ア ヤ   ズ エキシビジョン〜バ  ング  ント展」のこと。mixiコミュによると、箱男展示からは無事生還したらしい。

初参加のゼラ泉君は、ずっとトキオ社長の相手をしてました。えらい。

8月21日
一日だらだらと。ゾイドの途中で目を覚まして、マイメロだけ見てまた眠りというだめっぷり。夕方、お茶を入れようと急須のふたを取ったらなかがとんでもないことに。見事に、醸さってました……。

そういえば、前に熱いお茶を入れたのはいつだろね、などと考えていてもしかたがないので、カビをこそげ落とし、塩素系洗剤と、換えの急須用茶漉しを買ってくる(この辺さらに、買ってきたと思ったら茶漉しは小さすぎるは、洗剤は詰め替え用ボトルだはでもう一度買いに行く羽目になるとかいろいろあったが省略)。どうにか、見掛けはきれいになったけど、しばらくお茶を飲む気にならないかも。あの墨汁というか、小学校の書道道具入れのような臭いが鼻に残ってなあ。

マヌエル・ムヒカ=ライネス『七悪魔の旅』(中央公論新社)読了。大魔王の叱責を受けた七つの大罪の悪魔たちが、時間と空間を越えて人々を堕落させるための旅に出る。売りは七人の悪魔のコミカルな会話。罪だの堕落だのという話で悲惨な運命を辿る人も大量に出ているのに、「君ら、飯食って遊んで無駄話してるだけじゃないか」という気楽さが愉快。この明るさ/軽さは悪魔たちの魅力の賜物か。特に、「倨傲」ルシフェル、「淫乱」アスモデウス、「暴食」ベルゼブル、「怠惰」ベルフェゴールの4人(4柱?)のキャラの立ちかたはすばらしい。
「アルゼンチン文学を代表する作家が『七つの大罪』について描く」というような凄みは無いが、飄々とした空気の楽しい小説。

昨日手に入れた「アインシュタイン暗殺指令」(オルドリッチ・リプスキー監督、ヨゼフ・ネスヴァドバ脚本/原作)を観た。

1999年、G爆弾の後遺症による女性の男性化のため出生率は急激に低下し、人類は絶滅の危機に瀕していた。事態を打開するためには、核兵器の生みの親アインシュタイン(<おい)を暗殺するしかない。人類を救う使命に燃える三人の男女は、とあるパーティーでアインシュタインの頭上にシャンデリアが落ちてくるようにするため必死の画策をするのだが。
 髭を生やした男女が裸で睦みあうイントロにはどうなることかと思ったが、中身はゼマンにも共通するゆったりしたユーモアが楽しいSFコメディだった。暗殺の手段などいくらでもあるだろうに、敢えてシャンデリアの固執しつづけるのがたいそう楽しい。近未来シーンのセットのチープさも良い味を出している。サービスシーンの、メイドに扮したヒロインのストリップも色っぽくてよろしい。穴だらけながらもタイムパラドックスネタを散りばめているところも好感が持てる。
 画面の“安さ”も含めてことごとくツボに入った。420円で拾えたのは実に幸運でしたね。さて、ではDVD化されているという他の作品も注文してみようかね。

と思ったら、三枚組みのDVD-BOXを積んでいたことを発見。どんな落ちだ。

8月22日
赤人義一『屍姫』(スクエニ ガンガンコミックス)を読む。久々に前情報なしの試し買い。

「若くして死んだ少女達は、天国に近づくために死体を殺す」という要約(帯より)だと、大槻ケンヂっぽいが、中身は少年誌系の異能バトルもの。異能の設定が「ゾンビなので死なない」というあたりが、目立つところかな。

既に死んだ少女が己の体の損壊も顧みず、人間界に仇なす屍を狩るという設定と、表紙画の少年誌風に整った絵柄(やや和月伸宏風)、ミニスカで大また拡げているけど手前の銃で隠れているというあざとい構図、とこれだけ紹介すればだいたい雰囲気はわかってもらえるか。

死体なのでいくらでも損壊できる(ダメージ表現に幅が出る&少女に対する残酷表現のエクスキューズとして有効)、駒としての戦闘少女の持つ感情ネタ(ガンスリンガー・ガール方面)を展開できる、死者の想いネタ(低俗霊デイドリーム方面)と、設定はいろいろメリットがある風味。血塗れアクション満載で、ミニスカで大股拡げるシーンも多数配置しているのにヒトコマたりとも見せてないあたりも、わかりやすくて良い。

2ch 少年漫画板の屍姫スレによると、同じ設定・別キャラで何度もパイロット版を書いたあとでの連載らしい。それなら、すべてが計算ずくなのも当然か。あー、一応フォローをしておくと、あざといといっても少年誌の最大公約数的なあざとさなんで、特に鼻につくということは無かった。

条件が整いすぎて早めに飽きそうな気もするけど、ヒロインの意志の強さを示すような太い眉毛がツボだったので、しばらくは買ってみるつもり。

8月23日
アメリカAmazonが、Amazonオリジナルの短編小説を49セントで販売するという話ITmediaの記事)。一応、 /.j 経由だけど、もっと前にどこかで読んだ気がする。第一弾のラインナップのうち、SF・ファンタジー系作家をリストアップすると こんな感じ(たぶん見落としもある)。ビッスン、ロジャース、スティールあたりは読んでみたい。Amazonだと、どうせ個人情報握られてるから、って気分で小額決済しやすいですし、定額のテキスト販売には向いていそう。Amazon.co.jpが翻訳販売とか始めたりしないかな。短篇1本100円なら買うけど。SF-Onlineのあれも買ってたし。 パイガタグ変換ツール。簡略記法で、パイガタグ作成ページを利用した、牌姿を作成するツール。たとえば、[1112345678999m]と書いて変換するだけで、一萬一萬一萬二萬三萬四萬五萬六萬七萬八萬九萬九萬九萬のようなタグが生成できる。画像を外部環境に頼ることを気にしないのなら、かなり便利そう。

アニメ定期視聴。今週のアクエリオンとガン×ソードはどちらも、ストーリーを進める回。

 アクエリオンは、シリウス周りでずっと張ってあった伏線をやっと利用。なんだ、話を進める気はあったんだ。各回ごとにキャラの心理をリセットしている風味だったので、いまさら続いてんだよーんといわれてもなあ、というのが正直なところ。超必殺技も無く、見所の無い回でした。残りは5話か。ふつうにやれば妥当な盛り上がりで終わるかな。ふつうにやれれば。

 ガン×ソードは、新キャラ登場。OPのシルエットがまたひとり埋まるのかな。ライバルキャラとの共闘もあり、なんというか普通。とはいえ、普通に面白いです。こういう普通の回だとアクエリオンとの地力の違いを感じる、ってのは以前に書いた気が。

8月24日
いま「日本語であそぼ」が掛かってる(観てない)んですが。「いち、に、さーん、にの、しの、ご」という歌というか掛け声が気になってしかたありません。「いち、にの、さーん、しの、にの、ご」じゃない?
 と、mixiで朝方ネタをふって出かけたら、同じ疑問を持った人がいることを教えてもらった。む、同郷か。google様などによると、勢力はほぼ拮抗しているらしい。でも、NHK教育の洗脳力を考えると、将来的には「しのにのご」派が駆逐されそうで、いやな気分だ。

やじうまWatch経由で、蚤 様 部 屋の「バスがこない」Flash。今日まさにこんな気分を味わいました。実際は12分程度だったのだけど、僕が着く前に出てたんじゃないかという疑いもあったので、ドキドキと。

「かみちゅ!」#7を観た。いまどきワンピースの水着が!と、一瞬驚いたけど、そういえば昭和50年代なんだっけ。昭和50年代世界を起点にノスタルジアを描くってのは、21世紀のアニメとしてどうなんだとは思う。ノスタルジア自体は機能していたから、非難するわけにはいかないけどが。後半の演出の間が肌に合わなかったので、ノスタルジア以外の部分は評価低め。前半は(女の子鑑賞アニメとして)完璧だったのになあ。

8月25日
よつばと!実写ドラマ化。なかなか雰囲気を捉えた、いい配役してるなあ。

って、たぶん、ネタです。

こっちは本当。「ハチミツとクローバー」実写映画化

午後11時ごろ、あまりの眠さに寝てしまい、夜中に目を醒ましてみたら、まさにいま嵐のさなか。木々が面白いようにしなってます。あー、ちょっと外歩いてこようかなあ。 < やめとけ

『ローゼン メイデン』5巻は、金糸雀の表紙とはうらはらに、メインは水銀燈&翠星石&ジュン。面白かったけど、アニメ第二部が出来るほどのエピソードは溜まってない気が。水銀燈復活なんて話もあるしなあ、どうすんだ、第二部。

「タイドライン・ブルー」はあいかわらず高密度。面白いとは思うんだが、あと何話で、どこまで話を持っていくのか気になる。

8月26日
「ケータイ刑事」映画化というニュース自体には最初興味がなかったのだけど、「愛が何者かに誘拐され、泪、舞、零の3人がそれぞれの能力を生かして奔走。」の、それぞれの能力ってなんだろうと思い、wikipediaの該当項目を調べてみたら、なんだか気になってきた。警視総監の孫で全員IQ180の特殊な携帯電話を持つ少女刑事という設定はいいとして、銀田一ゴースケとか、多摩川 ドイル:10歳(歳をとらない。永遠に10歳。) IQ180とか、遠州 理津(えんしゅう・りつ):パイ屋とかはなんなんだ。

調べ始めたきっかけの「それぞれの能力」ってのも、銭形愛:カラオケクイーン、銭形泪:カルタクイーン、銭形舞:ダンスクイーン、銭形零:刑事クイーンだし。なんだよ、刑事クイーンって。

さらに、銭形泪には、「アナザーストーリーシベリア超特急刑事(2004年9月全4回) 出演:黒川芽以、金剛地武志、水野晴郎」なんて、ミニシリーズまであった模様。ひょっとして面白いのか?見てなかったのは大失敗?

きょうの豆知識。黒海(および隣接するアゾフ海)に注ぐ川は、DONではじまる物が多い。例:Donau(ドナウ)川、Donestr(ドニエストル)川、Dnepr(ドニエプル)川、Donets(ドネツ)川、Don(ドン)川。このdon- は、川を表す古い言葉(ペルシャ系という説を見つけた)。ドニエプルは、dan(川)+apris(北)で、北の川の意。

リチャード・フラナガン『グールド魚類画帖』(白水社)。白地に、とぼけた表情のタツノオトシゴが佇む表紙が目を惹く。各章ごとの扉に描かれたフルカラーの魚の画も愛らしく、おもちゃ箱系の楽しい小説かなと思ったら、これがびっくり。流刑地の島・タスマニアの、暴力の歴史を中核に置いた、血と精液の匂いに咽るような幻想小説だった。
 流刑囚グールドが残した魚類の画に、囚人の島としてのタスマニアの記憶を乗せた12の章からなる物語。序盤の展開からは、緊密に構成された揺るぎの無い小説になるかと思われたが、話が転がり始めるとどんどん速度を増していき、ついには話の構造自体をぶち壊すほどの勢いになっていく。でたらめな 19世紀タスマニアの社会も、そこに暮らす壊れた人々の姿も、そこで起きるありえない出来事の数々も、十二分に愉しみはしたが、もうちょっと理に落ちる小説を予想していたので、若干の肩すかしを食ったという印象は拭えず。いや、ほんと、面白いんだけどね。

『左巻キ式ラストリゾート』は期待の新鋭?、海猫沢めろんこと中川裕之による、でたらめ/動物化/エロゲノヴェライズ/ミステリ(順不同)。イーグルパブリシング。読者に現実をつきつけるだとか、その上で「選択」を肯定するだとか、言いたいことはわからなくもないんだけど、ここで材料として扱われるキャラクターの原型を知らないので、かけらもこちらに響いてこない。徹頭徹尾、「彼らの小説」だなあという印象しか持てなかった。

8月27日
昼から、アンサンブルの例会に参加。

歯医者に行った後、タワーレコードでリプチンスキのDVDを探したりしていたので、かなり遅れての参加になってしまった。タワレコの片隅でやっとみつけたリプチンスキのDVDを取り出して、自慢しようとしたら、「買っちゃったんですか、HMVなら15%引きなのに」と言われていきなりショック。追い討ちをかけるように、三枚組み(1000円安い)もまだ手に入るという話まで。えー、イメージフォーラムのサイトには発売初日で売り切れって書いてあったのにー。渋谷に行く時間はなかったと自分を慰めるが悲しみは深い(いま気づいたけど新宿のHMVにあったのだったらどうしよう。ってーか、あったのだろうなあ。ああ)。

気を取り直して。裏のイベント多数&告知不足で人数は少なめながら、海外SF濃度の高い参加者が多かったのでアンサンブル度は高めだったかも。僕と才野さんが一番薄いというような面子だったしな。細井さんの持ってきたSFの研究書が面白そうだった。あと、「男はみんなホーガンと赤毛のアン好き」仮説とか。そんな人間が複数いるのは東さんの周りだけだと思います。

ジュンク堂新宿店でしこたま本を買い込んだ後、魚民で飯。カラオケ屋のような電子注文システムは楽しいが、インターフェース設計がいまいちで便利かというと疑問。せめてキーボードが無いと。解散後、呑み足りないという細井さんとともに上野に出て軽く呑み。

8月28日
『Films & Videos by Zbig Rybczynski』「タンゴ」でその存在を知り、ファンになった(は言い過ぎか)ポーランドの映像作家の作品集、全3巻。ぽつぽつと拾い見をはじめてます。

まずは、目当ての「タンゴ」を鑑賞。誰もいない部屋に、少年がボールを拾いに来るところから映像は始まる。少年がボールを投げ入れては拾い上げて戻ることを繰り返すうちに、赤ん坊のおしめを替えるおばさんも登場。さらに、棚の上の荷物を盗む男、棚の上に荷物を置く赤服の男、突然机の上で倒立をする男、棚から服を取り着始める裸の女など、それぞれの動きをただ繰り返す人物が次第に増えていき、部屋の中は喧騒を増していく。
明るい部屋でみると、合成が目立ってしまってちょっと悲しいかも。それでも、この人数を破綻無く動かしたという事実には、何度観ても感心するばかり。

他はまだBGVとしただけ。抽象度が高すぎる最初の二本(「四角」、「ヴィヴィッドミュージック」)は惹かれるとことが無かったが、実験度が高くなる「ニュー・ブック」以降はそれぞれに面白さがある。特に9分割で物語が進行し、ウィンドウ間にも相関のある「ニュー・ブック」はインパクト大。よっぽど集中しないと話が取れそうも無いけど。

なお、「タンゴ」の人物は計36人だそうで。

8月29日
Web Zapping。歴史を書かない女性たち(via MM/memo)。「ぱど厨は世代の問題ではなく成長過程の問題である」という話と、女性中心のWebコミュニティの歴史が残されてないことへの嘆き。「女性中心のWebコミュニティの歴史」が本当に残ってないのかなどはとりあえず置いて、「「ぱど厨だった私」を語る人がなぜ出てこない?」の方なのだけど、「ぱど厨だった私」を語る人物が出るほど、ぱどって歴史があるのか?

「語る」人として、「高校時代が空白地帯とな」って再登場したひとを想定しているようなのだけど、それが登場するためには、ぱどに4年以上の歴史が要求されるような。ぱどのWebサービス開始っていつなんだろう。2001年9月の「デジタルぱど」を全面リニュ−アルあたりか?(参照:ぱど会社沿革

それはそうと。ぱどタウンって、浜松も滋賀もあるのに、名古屋はないのだね。

8月30日
『金色のガッシュ!!』の魔物が何体残っているのか、ふと気になったので数えてみた。単行本22巻まで準拠。

9巻末の時点で残りの魔物は40体。()内は識別用の適当メモ。
◎生存
【ガッシュ側】9体
ガッシュ、ティオ、キャンチョメ、ウマゴン(シュナイダー)、ウォンレイ、モモン、リーヤ(角)、アース(侍)、カルディオ(馬)
【ファウード側】9体(ファウード登場時にパピプリオがいないが?)
リオウ(人馬)、ザルチム(目マスク)、ロデュウ(翼人)、キース(ロボット)、チェリッシュ(少女)、?(炎髪)、?(ミサイル穴+鎌)、?(鱗怪獣)、パピプリオ(王子)
【中立?】4体
ゼオン(偽ガッシュ)、バリー(格闘家)、テッド(ボクサー)、ブラゴ
◎死亡10体
【ファウード篇】アースを迎えに行ってヒトコマで瞬殺された奴、ブザライ(鎧)、レイン(怪獣)
【ファウード篇以前】コーラルQ(変形ロボ)
【石板篇】ゾフィス、パティ、ビョンコ、キッド、バランシャ(黒豹)
【石板篇以前】バーゴ(怪獣:対キャンチョメ)
生き残りは、未登場8体、生存確定22体の計30体で数え落としは無いかな。1-9巻で60体も減ったのに、10-22巻で減ったのは10体か。ガッシュ側の魔物はテッド含めて10体もいるので、最後ひとりにする過程が大変そうだ。

8月31日
「英雄譚 小説宝石特別編集」を買った。アルスラーン新刊記念。表紙は丹野忍。田中芳樹の新シリーズ(おい)のほか、田中芳樹と藤田和日郎の対談など。「今、もっとも読みたい″家たち」という読み切り短篇特集では、朱川湊人、あさのあつこ、梶尾真治、赤城毅、大槻ケンヂ、風野潮、澤見彰、吉川良太郎、柾悟郎、中島たい子の作品を掲載。なぜ、柾悟郎。

「私のヒーロー」と題するエッセイコーナーでは、奥泉光、上橋菜穂子、冲方丁、森見登美彦、荻原規子。いまいち、わからない取り合わせだなあ。

おお、少年シリウスには、ふくやまけいこ「夏の魔術」なんてものが載っているのか。

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