所在地 神奈川県小田原市入生田499
TEL 065-21-1515
入場料 510円
休館日 月曜日(祝日、振り替え休日は開館)、祝日の翌日(火、土、日に当たる場合は開館)、年末年始
交通手段 箱根登山鉄道、入生田駅から徒歩3分
国道1号線沿い
備考
ここは、地学と生物を中心とした、自然史の博物館である。
博物館は、建物自体もユニークで、広い庭から建物を見ると直方体と円柱を組み合わせたようなデザインである。また、庭の建物の一部は三角形のピラミッドを思わせる屋根になっているなど、入る前からわくわくしてくる、そんな博物館である。
中にはいると広い吹き抜けのエントランスホールの中央は恐竜の化石が。そして、その屋根には宇宙や雲を思わせるような絵が・・・。展示に入る前から期待が高まる。
さて、展示室は、地球の歴史から始まる。絵と映像による太陽系、地球の誕生の解説なのだが、ここには隕石がいくつも展示されている。そう、地球は隕石が集まって出来たようなもの。このあたりは他の博物館などでもよく見る展示ではあるが、大きな隕石を見ながらの説明だけに、興味も深まる。
次は地学関連の展示。いきなり巨大な岩が覆い被さるように壁を作っている。これは柱状節理の展示。岩が六角形の柱状になっている物で、福井県の東尋坊などが有名である。しかし、一部とはいえ、博物館内に展示してしまうのだからもの凄い迫力である。一部が張り出しているので覆い被さるような感じもする。このほかにも、変わった岩石の壁が並ぶ。そして、水晶など美しい鉱石がずらりと並ぶ。磨きだした宝石とはちょっと違った美しさについ見とれてしまう。
そして、次は生命展示。魚や両生類、爬虫類の展示を見た直後、開けた中にまず目に付くのは恐竜の化石。巨大な草食の恐竜や鋭い牙の肉食恐竜やゾウの化石も。そして、上には翼竜の復元模型。一方では、鯨の骨格標本や、現在の動物の剥製なども並ぶ。こう書くとちょっと雑多な感じはするが、展示は目的別にまとめて展示されているため、分かりやすい。そして、奥には巨大な盤根を持つ大樹の根っこの部分が。これも恐竜に負けない大きさで、圧倒されてしまう。この大樹を中心に植物の展示が並ぶ。そして、その奥には昆虫の標本が。蝶の羽根の美しさは遠くからでも引き寄せられそうな位である。ここの展示は、目玉となるような巨大な展示の周りに関連した展示品が並ぶため、自然と展示に引き寄せられてしまう。
生命展示の最後にはさりげなくDNAが。内容としては難しい展示のはずなのだが、展示が工夫されていて、結構興味を持ってみることが出来る。昆虫を例にした環境による変化と遺伝子による変化の展示など、多数の標本を使ってものだけに分かりやすく、とても興味を持ってみることが出来る。
ここからエスカレータで3階へ。ここは、神奈川県の自然に関する展示となる。ここにも岩石標本があり、ナウマン象などの化石が並ぶ。1階の展示をローカルにしたような感じだ。かなり充実してるのだが、1階の展示に比べると小振りになってしまうからだろうか、足早に通り過ぎている人も少なくなく、ちょっと残念な気がする。
さて、ここから改めて1階の展示を見下ろしてみよう。1階からは全体がわかりにくかった巨大な恐竜なども全景を見るごとが出来る。説明のボードがあるのもありがたい。
神奈川の展示の次は共生展示室。ここはパネルが中心となる。ここもつい足早になりそうだが、解説も親切で分かりやすい。温暖化やフロンガスのオゾン層破壊など、話題の言葉が解説されているので、理解度を確かめておくとよいかもしれない。
最後の展示はジャンボブック。ここには、巨大な本の形式で展示されている。展示のケースが本の形に変わっただけ、ともいえるが、なかなか面白い。展示を面白くする工夫として、高く評価されても良いのでは、と思う。
この博物館を訪問したのは2000年1月であるが、とても残念なことに、見学者による展示品の盗難や破損があったようで、このために一部の展示品がはずされていた。ごく一部の心ない人の行為によるものと思うが、とても悲しいことである。