輪中の郷
所在地 三重県桑名郡長島町大字西川1093番地
TEL 0594-42-0001
入場料 300円
休館日 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
交通手段 JR/近鉄長島駅からタクシー10分(平日は無料町内循環バス有り)
東名阪道長島I.Cから5分
備考
長島は、長良川と木曽川に挟まれた輪中である。昔から水害が絶えなかった地である。輪中の暮らしはそのまま水害との戦いでもあった。そして、一向一揆の場としても知られている。特に、信長と一向一揆の戦いの始まりの場所でもあり、血にまみれた戦の地でもあった。そうした、長島町をいろんな面から展示してあるのがこの輪中の里である。
展示は、まずは”長島町のすがた”から。川に囲まれた細長い町の姿が模型で展示されている。そして、輪中のジオラマや船頭平閘門の模型など。輪中独特の仕組みがよく分かる。話題を集めた長良川河口堰の模型もある。
次は明日への遺産、ここには祭りや一向一揆など、歴史展示や伊勢湾台風、防災システムなどの展示がある。
最後は、輪中の暮らし。輪中独特の水屋や堀田などの展示がある。他の地から訪れた旅行者には新鮮であると同時に、輪中の暮らしの苦労が偲ばれる。
さてさて、輪中の人々は、なぜこれほど苦労してまでこの地に住み続け たのだろうか? 水害も多いし、そうでなくても暮らしに不自由しそうな気がする。財産、人命を失いことは少なくないだろう。いっそのこと、ほかの地へ、と考えなのだろうか?そのそも、なぜここに住もうと考えるのだろうか? 私にとっては大きな謎である。
実は、この答えが映像展示にあった。一つには、水害により肥沃な土地が生まれること、そして水害の際に上流から材木などが流れ着き、これが現金収入となったことなどが、映像のなかでふれられていた。これも確かに理由の一つであろう。でも、それだけでもなさそうに思う。この地に住み続けた先人の知恵と工夫には敬意を表したい。
余談ながら、私が輪中の里を訪問した、1999年9月24日は、九州などの多大な高潮の被害をもたらした台風18号が接近していたときである。このときも高潮で10名以上の方が亡くなっている。それだけに、伊勢湾台風の高潮の展示と特別展がとてもためになった。正直言って、これほど高潮が怖いものとは思わなかった。堤防などでどれだけ対策が進んだとしても、自然の脅威には謙虚にならなくてはならいものと痛感した。
博物館前にあった、水位を示すポール。
下から標高(50cm)、満潮水位(1.2m)、伊勢湾台風時の水位
最終訪問日 1999年9月24日