| HOME | 議会 | コラム | プライベート | JAZZ WORLD | ひとこと日記 | おたより |

岩橋百合の県議会レポート 2001年6月議会 (2001年7月31日発行)
バックナンバーはこちらでお読みください。

■ 岩橋百合の一般質問 −6月議会で堂本知事答弁デビュー− 

一般質問中の岩橋百合(写真)*なぜ一般質問は年に一度?
 自民党主導の議会運営ルールとして、各議員は年に1回、30分しか質問ができません。もちろん、反対の意思表示はしましたし、議会改革の項目にも上げましたが、まだ改善されません。そういう意味で、貴重な一般質問を行ないました。

*千葉県の自然エネルギー 推進を求めて
 千葉県は太陽光に恵まれており、小河川も多くあります。農業や畜産が盛んで畜糞などを利用するバイオマス発電も可能性があります。エネルギー問題では、自然エネルギーの導入を積極的に行うよう求めました。
 自然エネルギーには町おこし、エネルギーの自立などのプラス面もあり、今後とも進めていきたいと思います。国が原子力発電を基本に考えているため、日本の自然エネルギー開発は遅れてきました。 千葉県の姿勢も積極的とはいえませんが、房総には、風力発電の可能性を求めてNPOが立ち上がっており、今後そうした人たちとも連携して、千葉県の自然エネルギー推進を図りたいと思います。

*NON- GMO宣言を求めて
 千葉県は全国第2位の農業県、ぜひNON- GMO(遺伝子組み替え農業を行なわない)宣言をして、その優位性を全国に知らせて欲しいと思ったのですが、知事の答弁はまったくその可能性を否定しており、ガッカリしました。しかし、宮城県も作っている食と農の県民条例と同じような条例の制定については、前向きの答弁が得られました。
 そのほか、
・ペイオフについて、
・衛生研究所の耐震診断を
・山武町の農業補助金問題
・教育委員会のありかた 
・福祉タクシーを全県統一の制度に
・八ツ場ダム計画の中止を 
等の質問を行ないました。 


■ 千葉県も脱ダムを!問題の八ツ場ダム予定地見学記 ■

◆日本のダム建設計画小学校の移転先(写真)
 日本には現在2,735のダムがあり、さらに528が建設中または調査中です。その建設費用は国と、水が必要な県、市が負担し水道料金にも反映されます。
 
◆今、千葉県では
 千葉県も多くのダム建設に参加しています。八ツ場ダム(群馬県)もそのひとつであり、この他思川開発、渡良瀬遊水池など6つの計画があります。
 八ツ場ダムは1952年に国によって計画されたもので、すでに50年が経過しています。多くの住宅が水没するため、当初は激しい反対運動があったのですが、高齢化や世代交代によって、この6月住民と国土交通省の間で基準保障額が合意されました。これから、340戸のひとつ、ひとつとの交渉が始まります。移転先の土地の地盤整備などもすぐにはできないので、ダムの完成は早くても10年後ということになるということです。

◆見学に行ってきました
 7月の10〜11日にダムの予定地を22人のネット議員、ネットメンバーで訪れました。案内してくださったのは、宇都宮大学名誉教授(林業)の藤原信さん。
 千葉県や千葉市が参加している南摩ダム(思川開発)予定地を訪れ、豊かなおいしい地下水で充分足りている鹿沼市が、まずくて高いダムの水を飲まなければならなくなる矛盾などを地元の方々からお聞きしました。
 苦しみの50年…
 バスで3時間ほど移動し八ッ場ダム予定地の川原湯温泉に到着、この温泉全体が水の底に沈むことになっています。2200億円の建設費のうちすでに1300億円が投じられており、移転する小学校の移転先が山を削って作られていました(写真左)。
 夜の交流会には反対運動をしてきた住民の方が4人参加され、「この50年は苦しみの50年だった。反対の気持ちは変わっていないが、子どもの世代となり、やっと補償基準が決まった今、それを口に出せない」と語られました。巨大公共事業がいかに地域住民の生活を不安定なものにしてきたか、ポツポツと語られる言葉ににじみ出ていました。
 
◆中和工場
 八ツ場ダムに流れ込む予定の白根山系の水は強酸性のため、ダムのコンクリートの腐食を早め、飲料水に適さないため、毎日70tの石灰を投入して中和しています。その石灰化合物を沈殿させるためのダムが品木ダム。ちょうどメロンフロートのような緑の色が強烈な印象でした。この沈殿物は、ダム容量の6割以上に及び、毎日しゅんせつが必要になっています。

◆八ツ場ダムは本当に必要? 
 八ッ場ダムは首都圏の水需要をまかなうために建設するとされています。しかし、ダム本体の工事は2〜3年後から。2025年には利根川流域の人口は1995年レベルに減ると予想されており、東京都などは現在でも水が余っている状態であり、千葉県でも水道水供給という面からはこれ以上の水源開発は必要ありません。国土交通省は治水洪水対策の面からもダムが必要としていますが、その一方で、利根川スーパー堤防計画を作っています。千葉県の負担は八ッ場ダムで、約20%。湯西川ダムでは45%。渡良瀬遊水池でも30%と大変大きいものです。そして、失われる環境と人の暮らしを考える時、本当にこれらの計画が必要なものであるか、都市住民の私たちが自分の問題として、しっかりと考えていく必要があります。堂本さんはダム計画の中止を求める質問への答弁をしませんでしたが、是非現地を訪れて欲しいと思います。


■ ステファン・スズキさん講演会のお知らせ ■風車(写真)

今回の6月県議会における自然エネルギーの質問がきっかけで、千葉大の佐藤先生、NPO法人『諷詠人』のメンバーと知り合いになりました。
わたしが琵琶湖会議で出会った、デンマークの自然エネルギー開発に30年関わってきて、現地で『風の学校』を主宰しているステファン・スズキさんの講演会を彼らと共催で行なうことになりました。どうぞお出かけください。

■日時:2001年11月3日 午後1時半より
■場所:千葉大けやき会館にて

※お問い合わせは市民ネットワーク・千葉県まで。TEL 043ー201ー1051
FAX.043ー223ー6651 e-mail : ken-net@pk9.so-net.ne.jp


7.29 参議院選挙 千葉選挙区 星野とも子さん 22万8377票獲得

★市民ネットは 星野とも子さんを応援
  市民ネットが参院選で応援したのは無所属の星野とも子さんです。 若者たちの未来委員会、30代から50代の女性たちを中心とした市民ネット、そして、40代から70代の社民党の人たちがそれぞれの力を発揮したカンパとボランティアの選挙でした。
 
★ネットが応援した理由
 ネットが星野さんを心から応援できたのは、星野さんが環境の市民活動を職員としてボランティアとして13年間継続してきたこと。31歳の女性として、これまでの自民党政治のつけ(666兆円の赤字国債と環境破壊)を背負わされる世代であること。赤字国債の多くは公共事業であることから、環境派である彼女のような議員を国政に送り出すことで、確実に公共事業が減り、従って、赤字国債の残高も減るということです。もちろん30代の彼女が立候補することで若者たちの政治参加の機会が増えるチャンスだとも思いました。
 
★市民政治の種がまかれた
 自民党圧勝の参院選でした。野党各党は小泉改革を批判するだけでなく、それぞれの改革案を示して、国民が選択できるようにするべきだったと思います。
 私たちが応援した星野とも子さんは22万8377票獲得しました。残念ながら当選できませんでしたが、若い層の票を獲得し、未来に責任を持てる市民政治の種が確実にまかれたことを感じました。本人、そして選挙に関わった人たちからも、この選挙ができてよかったという声が多く聞かれました。応援いただいた皆さん、本当にありがとうございました。

| HOME | 議会 | コラム | プライベート | JAZZ WORLD | ひとこと日記 | おたより |