太平洋戦争末期・概況

ミッドウェー海戦を制し比島方面を北進する米戦艦群
 
ミッドウェー海戦の大敗北を転機に、圧倒的物量を誇るアメリカ軍の本格的な反攻が開始されると、日本軍は後退を余儀なくされ、遂にアメリカ軍は、日本本土の目の前にまで迫ってくる勢いとなりました。

敵が上陸すれば(制海権を奪われれば)、主要都市はことごとく爆撃され、未曾うの死傷者を出すのは必至でした。

東亜に残された最後の独立国(欧米列強の植民地となっていない国)として、軍上層部が徹底抗戦へと作戦を推移させていく一方で、若い軍人たちも国、国民の命を護るために、なんとしても敵の本土上陸だけは阻止しようと考えましたが、もはや日本の戦力は兵器も燃料も底をつき、完全に戦闘能力をなくす状態となっていました。


神風特攻隊、米軍空母(フランクリン)に突入

特攻は、日本がそのような極限的に追い込まれた国家滅亡の危機の下で、日本軍と若者たちの中から生まれた作戦でした。