むかしむかし、今から20年以上前、私が小学校に入ったばかりの頃のお話しです。父親が私に買い与えた本に次のようなことが書かれておりました。
それから20数年の歳月が流れました。その間に私は九州の片田舎から東京へ上京し、同じように様々な地方から東京にやって来た多くの人々と出会いました。
しかし、それにもかかわらず、私はいまだ『さあさって』の使い手に出会ったことがありません。『しあさって』が原因で喧嘩になったというエピソード
にも出会ったことがありません。
本当に『さあさって』を使う地域は存在するのでしょうか?存在するとして、いったいその「地方」ってどこなのでしょうか(^^;)?。
気になる。
てなわけで、私は「さあさって」が使われている地方を探し出すことを決意したのでした。
HPに、「最近、『さあさって』のことが気になっている」と掲示したその日、三重県に住むPUGさんから一本のメールが送られてきました。
翌日、私は上司のHさんに質問をしてみました。Hさんは生まれは浜松ですが学生時代を名古屋で過ごした人です。名古屋は三重の隣接地域。 となれば、もしかしたら彼も「ささって」を、更にもしかしたら「さあさって」を耳にしたことがあるかもしれない、そんな期待を込めて問いかけてみたのです。 ところが、この会話をきっかけに話は意外な方向に流れていくことになるのでした。
私 「あのー、名古屋の人って『あした』の次の日をなんて言うんですか?」
Hさん「あさって」
私 「その次の日は?」
Hさん「しあさってだよ。あした、あさって、しあさって、やのあさって」
いやあ、これは本当に驚きでした。しかし、これで「やのあさって」の問題が解決したわけではありません。
HPやS先輩の説明では、「やのあさって」は「しあさって」と同じ意味ということでしたが、Sさんの説明では「やのあさって」は「しあさって」の次の日です。これはどういうことなのか。
その後、職場内の人に尋ね回り、更に辞書でも確認した結果わかったのは、次のようなことでした(妙に盛り上がった(笑))。
東北_:今日→明日→あさって→やのあさって
東京_:今日→明日→あさって→しあさって→やのあさって(千葉・静岡辺りも同じ)
西日本:今日→明日→あさって→しあさって(しあさっての次の日を指し示す言葉はない)
これにこれまでに手に入れた情報を加味すると次のようになります。
【97.11.22掲示(97.11.28一部訂正)】
22日に上記の掲示を行った直後、PUGさんから再度メールを戴きました。
当地方こそ
明日>あさって>ささって>しあさって であります。
年輩者の説によれば、「しあさって」は四日後だから
「四あさって」で正しいのだそうです(汗)。
でもこれも私らの年代ぐらいまででしょうか。
若い衆は「あした>あさって」の「標準形」を使っているようです。
でもあさって以降はだいたい「いつ・いっか」と具体的に言いますから
行き違いは不思議にありませんです。はい。
また、私の方でもあちらこちらと調べましたところ、和歌山県でも同様に「あさって」「しあさって」の間に一日存在するらしいことがわかりました。 どうやら「さあさって」を使うのは和歌山みたいですね。ただ、残念なことに確証がないんですよ。いろんなサーチエンジンで検索してみたんですけど、 和歌山県外の人が「和歌山では、どうやらそう云うらしい」と書いている記述が一件ひっかかるだけなのです。和歌山弁を紹介しているHPでも、 「さあさって」のことは触れられておりません。現地で方言と認識されていないってことなんでしょうかね?
寧ろ、今はこちらの方に興味があったりします。
「やのあさって」の指し示す日は、東北〜関東間のいったいのどの辺りで変わるのか?
私が最初に読んだ説明では、関東でも東京以外は【今日→明日→あさって→やのあさって】パターンを使うということだったのですが、 職場の同僚(20〜30歳代)に尋ねて得た感触では、千葉県の常磐線沿線辺りでは既に「やのあさって」ということば自体が完全に死語化している模様です。
福島県あたりまで行くと、現在でも【今日→明日→あさって→やのあさって】パターンを使っているらしいのですが・・・
(同僚が自動車免許を取るために福島に行った際、教官の使う「やのあさって」の指す日が自分の考える日とずれていて戸惑った経験があるらしい)。
さてさて。
【掲示日:97.11.28】