中学校教員

■なるには(資格や適正)

 まずは大学で自分の教えたい教科の教員免許状をとることです。教員免許は幼稚園教諭(先生)、小学校教諭、中学校教諭の各教科、高等学校教諭の各教科に分かれています。そして、養護学校教諭の免許もあります。私は幼稚園、小学校、中学・高校の国語科の免許を持っています。数種類の免許を取ることも可能ですが、たくさんの単位を取らねばなりません。4年制大学で二つくらいとるのが妥当でしょう。自分は絶対中学の先生だと思えば一つでも大丈夫です。しかし、ある県では小中学校の両方の免許があった方が採用に有利な場合があります。
 教員を志望しているなら大学では教育学部で学ぶのがよいでしょう。教育学部は教員免許状にあわせて、各学校の教員養成課程があります。私は小学校教員養成課程国語専修というクラスにいました。ここは卒業の条件として小学校の免許を取らねばなりませんでした。併せて、私は中学・高校の国語科の免許を取りました。免許を取るためには教育実習といって現場の先生について授業の実際を学ぶ必修単位があります。免許を複数取るには複数の実習をする必要があります。大学生の身分で子供に授業することはどきどきしましたが楽しい思い出です。
 教員免許は教育学部以外でも取ることができます。英文科なら英語の教師、経済学部なら社会の教師、文学部なら国語の教師といったように各学部の専門科目に併せて、教育学や心理学など教職課程と呼ばれる教師になるための専門科目の単位を取ることで免許を取ることができます。あるいは、大学の開設している通信教育で免許を取得する人もいます。
 免許が取得できたらあるいは取得する見込みができたら各都道府県の実施する教員採用試験を受験します。最近はどの都道府県も毎年7月下旬の日曜日に実施しています。多くの都道府県の試験は同じ日に実施されるため掛け持ち受験は難しくなっています。採用試験は自分の志望する学校、教科別に行われます。試験科目はおおむね、一般教養、教職教養(教育に関する法規、心理学、教育史など)、専門科目(小学校の各教科、中高は受験する教科についての専門知識)、面接、論文です。体育、音楽、美術では実技試験が行われることもあります。また、最近ではテーマを与えられて学級指導の模擬授業が科せられることもあるようです。採用試験は普通2次試験まで行われ9月頃合否が発表されます。ただし、昨今は児童生徒数の減少に伴いどの学校種別でも採用数が減少し、4、50倍の競争倍率も珍しくありません。高校では100倍を越えることもあるようです。今後、30人学級が行われるなど大きな教育改革が行われない限り、しばらくは厳しい状況が続くものと思われます。私立学校の教
員になるには、そのための適性試験を受けることになります。
 採用試験合格が決まると教員採用候補者名簿に搭載されます。2月から3月にかけて各市町村の教育委員会から採用のための面接がある旨電話連絡があります。そこで採用が正式決定されると、4月から教師として採用されることになります。採用されても1年間は研修期間として先輩の先生方からみっちりと教師としての心構えを教えてもらうことになります。
 今、教育現場では若く情熱にあふれた先生を求めています。子供と同じ目線で共感し合える先生が多く必要です。採用試験に合格しなくても時間講師や産休補助教員として教壇に立つ道もあります。どうぞあきらめずにチャレンジしてほしいと思います。(解説:佐瀬先生)

■私の進路選択,今の職業について

 中学生のころから教師になろうと思っていました。昨年3月まで7年間は都立盲学校に勤めていました。平成7年度は国立がんセンターの院内学級にも関わっていました。現在2年生の担任です。人間相手の仕事は非常にストレスが溜まります。今の中学校の先生はやらなければいけないことが多く、生徒とじっくり話をする時間がなかなか取れません。とにかく時間がほしいですね。(佐瀬先生)

 教師になって2年目です。まだまだ自分の力不足・勉強不足を感じることが多い毎日です。でも,そのようなことは少しも苦になりません。「生徒たちの笑顔をもっとたくさん見たい」その一心でがんばっています。中学生の純粋だけど未完成で不安定な心,それぞれ違った個性,そんな生徒たちを相手にする仕事ですので,けっこう大変ですが,逆にそれが楽しみでもあります。(高木先生)

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