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脂質異常症治療薬の特徴

分類  主な商品名 LDL-C TC TG HDL-C 特徴
スタチン系

メバロチン、リポバス、ローコール、リピトール、リバロ、クレストール

↓↓↓  ↓↓   ↓  高LDL-C血症に対する第一選択薬として推奨。
陰イオン交換樹脂 クエストラン、コレバイン  ↓↓  ↓   ー  ↑ 

 スタチンとの併用が効果的、併用薬剤吸着に注意。

小腸コレステロールトランスポーター阻害薬

ゼチーア

 ↓↓  ↓  ↓ 単独でも有効だがスタチンとの併用が効果的。 
フィブラート系  ベザトール SR、リパンチル、リポクリン、コレナール、アルフィブレート ↓   ↓↓↓ ↑↑  高TG血症にもっとも効果的、III型脂質異常症に著効.PPAR-α活性化作用、HDL-C上昇と尿酸低下作用を有する。
ニコチン酸誘導体

 ペリシット、コレキサミン、ユベラニコチネートなど

↓↓  肝でのリポ蛋白合成の抑制、Lp(a)の低下効果。
プロブコール ロレルコ  ↓↓  黄色腫の退縮、抗酸化作用を有する。HDL-Cが低下する。
EPA エパデール 日本で行われたJELIS試験でスタチン内服例におけるイベント抑制効果が明らかとされた。抗血小板作用、抗炎症作用による動脈硬化予防。 

↓↓↓:ー25%以下  ↓↓:ー20%〜ー25%  ↓:−10%〜ー20%
↑:10%〜20%  ↑↑:20%〜30%  ー:ー10%〜10%

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脂質の種類と役割

 

脂質の種類 体内での代謝と役割
コレステロール 約8割は肝臓などの体内で合成され、残り2割は食事から補給されます。コレステロールはホルモンやビタミン、胆汁酸の原料や細胞膜の素材として使われる大切な脂質です。体内で代謝され胆汁中のコレステロールあるいは胆汁酸として腸に排泄されますが、98~99%は再吸収され肝臓に戻りますので、一度体内に入ったコレステロールは体内に蓄積されやすく、過剰なコレステロールは血管壁に沈着し動脈硬化の原因になります。
中性脂肪 中性脂肪は炭水化物と同様に食事から補給されるエネルギー源です。食事からの中性脂肪は腸から肝臓に輸送されます。また過剰に摂り過ぎた炭水化物も肝臓で中性脂肪に合成されます。肝臓から血液中に放出された中性脂肪は全身に運ばれ、脂肪酸に分解されて主に心臓や心血管系の筋肉のエネルギーとして使用されます。余った場合には皮下や腸間膜の脂肪細胞に備蓄し、エネルギーが不足すると備蓄した中性脂肪を動員するという倹約システムを作っています。
動脈硬化を起こすのはコレステロール成分であり、中性脂肪が直接血管壁に蓄積はしませんが、中性脂肪はリポ蛋白という容器にコレステロールと同梱されているために中性脂肪の増加は間接的にコレステロール代謝に影響を与えて、高コレステロール血症がなくても動脈硬化の原因となります。
リン脂質 リン脂質はコレステロールと同様細胞膜の素材になったり、水に溶けない脂質の血液中の輸送容器であるリポ蛋白の素材としても大切です。
遊離脂肪酸 遊離脂肪酸は3つ(トリ)の脂肪酸と炭水化物の一種のグリセロールがくっついた中性脂肪(トリグリセライド)が体内のリパーゼという酵素により分解されて作られ、エネルギーとして利用されます。脂肪酸に分解されて主に心臓や心血管系の筋肉のエネルギーとして使用されます。

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リポ蛋白の種類と働き

リポ蛋白  脂質成分 合成と代謝
カイロミクロン 中性脂肪が約80~90%、残りはコレステロールやリン脂質 食事中の脂質から小腸で合成されリンパ管から血液に入り、肝臓に運ばれる。
超低密度リポ蛋白VLDL 中性脂肪が約55%、コレステロールやリン脂質がそれぞれ約20% 食事中の脂質と炭水化物から肝臓で合成され血液中に分泌され、中性脂肪が分解され引き抜かれるにしたがってコレステロールが次第に増加しIDLとなり、更にはLDLに変化。
中間密度リポ蛋白IDL 中性脂肪が約40%、コレステロールが約35% VLDLの中性脂肪が分解されLDLに替わる中間のリポ蛋白。
低密度リポ蛋白LDL コレステロールが約45%、中性脂肪やリン脂質がそれぞれ約20% ほとんどがVLDLから中性脂肪の分解され引き抜かれてコレステロールの割合が増加。余りは肝臓に回収されるが、過剰になると血管に蓄積するので「悪玉コレステロール」と言われる。
高密度リポ蛋白HDL リン脂質が約50%と多く、コレステロールが約30%、中性脂肪が約3% 主に肝臓と小腸で合成され、細胞や血管のコレステロールを肝臓に回収するので「善玉コレステロール」と言われる。

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