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1月21日(金)
▼日記ページを検索していると、なぜか日記本文やインデックスに「何の面白味もない日常で」だの「サラリーマンだから普通の生活です」などと断り書きがしてあるのを見かける。やたらに「普通」を強調している。
 読むに値するような特殊な出来事がない、と言い訳したいのでしょうが、読む人が判断することだと思いますよ。
「普通じゃない」日記を強調できるのは風俗嬢ぐらいか。でも、彼女たちはそれこそ「二股かける」とか「性病にかかった」などという、他の人から見たらちっとも普通じゃない出来事を「普通」だと思っていそうだな。
▼などと他人事のように言ってますが、要は私も「自分の生活は平凡で、普通の日記だ」と主張したかったわけです。んでも↑のような理論付けがなければきっと、私をよく知っているいる人ほど特に「どこが普通なんだ、どこが」と突っ込まれること間違いないので、先手を打ったわけです。
 いやあ、確かにどんな非日常なときめくような出来事も、日常という名の凡庸で退屈な濁流の中に飲み込まれていってしまいますって。

1月22日(土)
▼昨日の続き。
 昨日の理論は今日の発言の前振りです。というのは嘘で、今日になってみて思いついたんだけど。
 一昨年ぐらい前でしょうか、涼風さんのところの創作掲示板で、次のような質問をされた方がありました。

「どうしたら(創作上で)個性を出せますか」

 これに対し、現職の小説家さんである某氏は「とほほ……」とタイトルを打って、辛辣な返答をされていました。
 私も「とほほ……」とまではいかなくとも、「”個性”という言葉の意味をわかっていないからこういう質問になるんじゃないか」とは思いました。他人に問いただすことじゃないからねえ。
 しかしながら、だったら「個性」とはいかなるものか、それも辞書の定義ではない、創作においての「個性」をどういうかたちで説明できるか、と考えてみて詰まってしまいました。なんのこたあない、自分でもよくわかっていなかったのです。結局この時は何もコメントしませんでした。
 んで、今になって、昨日の日記を書いてみて、改めて思ったのですよ。
「個性とは、自分では『普通』のことだと思っているけど、他人の目を通して見れば、『普通じゃない』ことであり、なおかつ独自の普遍性を持っていること」なんではないでしょうか。
 つまり、自分で取るに足らないことだと目を反らしている部分に、改めて光を当てていく作業なのですよ。
▼夕方から銀座へ。

1月23日(日)
▼メール整理とOutlookの調整。
 メールソフトの設定なんて毎度のことなのに、それでも手間取った。
 パスワード、全角と半角のちがいか。

1月24日(月)
▼冷え込む。凍張る頬のせいで、髭がうまく剃れない。明日の準備のため早く寝る。酒抜きなので(っておい)夢見が悪い。

1月25日(火)
▼昼前から八王子。結局のところ昼飯抜き。  予測はしていたので、朝は牛丼を食べていたけど。  ひと仕事終わってタクシーを乗り継いでJR八王子駅へ。丸井の下のヴァージンメガストア前で、椎名林檎「ギブス」が周囲をつんざく音を響かせている。そのまま「ギブス」「罪と罰」買う。
 中央線での帰りがけ、椎名林檎まとめて6曲聴く。結局のところマキシ「罪と罰」のM3「17」が個人的にいいと思ったのでこの曲ばかりリピートかけて聴いていた。
 椎名林檎の歌声は、甘えたり泣きじゃくったりする女性特有のしぐさに醸し出されるような、ひずんだ響きをしている。男性はその声に理性を崩され、女性はその勢いに共感している――って分析じゃ大ざっぱか。
 泣き声ってやつは、途中から嗚咽が混じると、キーが高くなってくる(特に女性の場合だと「うぇーんうぇーん」が「ぴぃーぴぃー」になることってあるでしょう)んだけど「歌舞伎町の女王」「本能」――これらの曲の、途中でいきなりキーが高くなるあたりなんか、まさにそれだと思うけど。
▼夕方から銀座へ。「椎名林檎が好き」と言っていた女の子の話を聞いたけど、「椎名林檎をカラオケで歌うのは難しい」そうだ。

1月26日(水)
▼モスバーガーで海老カツバーガーを食べているんだけど、ライスバーガーの具は電子レンジ専用であるのに比べて、カツ状にすればグリドルで焼けて便利だから「カツ」なのかなあ。(←従業員経験者)

1月27日(木)
▼明日納品するためのドキュメント関係で、フローチャートが作成されていなかったので突貫工事、じゃなく突貫筆記。(ワープロで書いても「筆記」と言うのかなあ)それにしても、フローチャートってのは普通、プログラムを作る前に書くものなんだが。
 思えば11月から始めてこういう「いきなり提出」の連続だった。それでもひとりでなんとかなるんだと思えればねえ……もっと大々的なプロジェクトだったら大変なことになっているんだけど。
 終電に乗れないことは覚悟で、「せめて寝る時間だけは作ろう」を目標にして、じっくり時間をかけて午前二時前にドキュメント完了。
 これからが大変だった。一事務所に240枚くらい。それが9事務所あるわけで、膨大なコピー数だったもんだからコピー機のトナーがなくなるわ、ドキュメントのファイルをCD−Rに焼こうとしたら、何度やっても不正エラー。いつも書き込み途中で同じファイルを書き込もうとしたらエラーが出るので、さてはこのファイルが破損しているらしいと気づく。ファイルを開いてみても何ら異変は見られなかったが、とにかくこのWordファイルのみが書き込み不可なので、急いでドキュメントを作り直し。そして最後に全部の紙に穴を空ける作業を続けて、午前五時。
 これから寝たら起きられないだろうと思い、ネットやりながら会社の冷蔵庫を開けて一番搾りを飲みつつ、知り合いのWEBページを辿りつつ掲示板にゴミ書き。(翌日に続く)

1月28日(金)
▼八王子直行。中央線の快速はよく眠れる。木枯らしは冷たいけど陽射しは暖かかった。
 納品してしまうとやることがないので、ひたすら午後6時まで睡魔と闘う。その後銀座へ――ってやることが同じ。
「テンション低いですよ」「徹夜したから」「うわーそういうのって面白そう」遊びで徹夜してんじゃないんだけど。
 んでもしっかりと終電近くまで呑んでました。「俺ってやつれて見える?」「そんな血色のいい顔して――あ、ついでにまた顔が丸くなりましたよ。太った?」太っているのはとりあえず健康な証拠、だ。

1月29日(土)
▼こいずみまり「コイズミ学習ブック」内で「乳房とは脂肪の塊であって、自分で動かせない。ダイエットすると減る」などとあった。
 この回が載っている今号の「ヤングアニマル」の巻頭グラビアは柳明日香でファイナル水着なんだそうだが、昔より痩せてしまったような、特に乳が。(後日注:事実誤認。この時はまだファイナルじゃなかった)
フジタさんをお呼びして銀座へ。以前に会った時のスーツ姿ではなく、眼鏡も替えておしゃれだったので、顔を合わせた時は戸惑いました。なんでも、日比谷シャンテ近辺とご自分の職場はものすごく近いそうな。
 延々と飲み続けて雑多な話をぶつけてくる私に対し、フジタさんは誠実に熱く答えてくださいました。さすが「アニキ」と慕われるだけあります。北海道出身のバンドに妙な対抗意識を燃やしたり、3000円のギフト券が当たったのに「嫁を喜ばすのは嫌だ!」と避ける関白宣言状態など、独特のシニカルな振る舞いも素敵です。結婚してください。(お約束の締め)後半眠そうだったのに長居させてすいませんでした。
▼フジタさんによると「オタクな人を除いて、30代以上でネットに熱中している人が少ない」ということなのですが、そうなんでしょうかね、という気もしますが、確かに今の30代ぐらいの人の間には「パソコンやらなかったら就職できないし、時代にも取り残される」という気風はなかったと思いますが。
 オフなんかだと集まるのが圧倒的に20代だし、まだまだ社会的立場が自由であり向こう見ずなこともできると考えて、飲み会などに熱中してしまうのかもしれないですね。オフ、となると金銭的にも時間的にも余裕があるのは20代だから、たいてい飲み会になったりするんですよね。
 パソコンがまだまだ日常的なツールであるという考え方が薄く、コンピューターに関して一定の距離を置いていた時代を過ぎて、なおかつ保守的な考え方が頭の中を占めていきやすくなってきている30代だと……やっぱり難しいのですかね、妙に悲観的なことを書いてしまった。
 んでもパソコンに限らず「新しいものをどこまで否定せずに自分の中に取り入れていくかそうでないか」って分岐点じゃないすかね30代は。まだその年齢に達していない人間が言うのもなんだけど。
▼40代でプッチモニを知っていてメンバーの名前を言える上司がいます――ってこれは関係ないか。

1月30日(日)
▼いわゆるVシネマというジャンルのビデオを借りることがある。ビデオオンリーの媒体で、B級のハ−ドボイルドやサスペンス、お色気ものがほとんどで、その手のビジュアルを担当する女優さんは「Vシネマ女優」と言われているくらい。女優さん目当てで、時々借りて見てますです。
 んで、あるビデオの凌辱シーンにてあった台詞。

「女のくせにズボンなんか履きやがって」

……一応、90年代末期の設定なんだからさ……いくら男尊女卑が関係ないフィクションだからって。
 なんつうか、70年代のヒーローもので、ヒロインが悪役に捕らえられて、彼女の首根っこをひっつかまえた悪役が口走る台詞なんでないかい。
▼アクションヒーローもののヒロインは(変身した姿を除いて)たいていズボンかショートパンツという出で立ちで、(動きの関係上)スカートってのは少ない。(あ、でも宇宙刑事シャイダーのアニー/森永奈緒美みたいなミニスカートの人も、いるにはいるのか)
▼アクションものじゃないけど「燃えよロボコン」のロビーナ(加藤夏希)、 あれ、今日初めてグラビアで見ましたが、(加藤夏希単体では何度か見ている)白ストッキングのままミニスカで体育坐り、と言うより後ろに両手を付いてるから尻餅状態で、小さなお友達を性に目覚めさせ、大きなお友達を歓喜の渦に巻き込ませたりしてません?

1月31日(月)
aiko「カブトムシ」
 カブトムシという男の子の象徴のようなアイテムを、女性の象徴(あるいは女性の心理)になぞらえているってのは、今までありそうでなかったような。
というのも女性は男性に比べて自己憐憫を公にしやすい分、もっとか弱い動植物を自分の象徴にするから。少なくとも、強そうなカブトムシじゃないっしょ。(aikoの言うところの「カブトムシ」は「蜜に惹かれる」という部分でのメタファーなんだけど)
▼これとはまったく対極に当たるのがスガシカオ「あまい果実」
 山口百恵に代表されるように、元来の女性アイドルなどで扱われている「果実」という比喩は、女性の操や気持ちを指していた。
 これを真っ向から、男性の「女々しく、じくじくした気持ち」を表現する手段として「果実」が出てくるのもスガシカオならでは。

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