11月1日(水) |
▼サザンオールスターズが96年に出したアルバムが「Young Love」で、その翌年にポール・マッカートニーがアルバム「Flemmig Pie」を出し、そのシングルカット第一弾が「Young Boy」という曲だった。 なんとなく、ですが、「ヤング」(あくまで日本語の語感でのカタカナでの「ヤング」)って言葉を気にし出すのは、すでに「ヤング」じゃなくなった人の場合じゃないかと……。 それというのも、日本じゃ「ヤング」が若者の総称としての、一時代の流行語として浸透して、そして廃れていった背景があるからして……。 |
11月2日(木) |
▼ヤング、続き。 選挙の候補者はたいてい「若さ」を売りにする。「実績」や「経験」や「年齢」を売りにしない。ずっと政治の深み泥に埋まっているイメージを有権者に与えるからだ。かといって「若さ」だけ売りにしたところで、それがすなわち選挙で有利にはならない。「若さ」が第一条件にならない。 音楽、ポップスの世界で、何十年も演っていることが勲章のような人たちがいる。彼らは「子ども中心の文化」の上で、月日を重ねて大人にならざるをえなかったが、それが結果的に、みずみずしさやすがすがしさを迎え入れている。 老いに逆らわず、むやみに若さに擦り寄らないことが、すなわち若さ。 |
11月3日(祝) |
▼平日の日々に疲れ果てている人は、無意識のうちに「今週の金曜は……」と金曜日の終わりの時間を気にしているらしい。相手に言われて今週が連休だと知ると、「ああ、そうだった」とカレンダーを見ている暇もないくらいの忙しさを露呈してしまう。 もっとも、カレンダーを(仕事上)見続けている人間にしたところで、休みと知ったところでどうってことないけどな。(つまりは朝9時から夜9時まで仕事でした、つまりは愚痴) ところで、今月の勤労感謝の日(今、この祝日を字で書いてみると、自分にとっては単なる嫌味に思えてくるよ)は平日の木曜に当たるんだけど、この日は金曜日にずれなかったんですね。 ▼赤坂のコンビニでお釣として二千円札を受け取り、同日の夜の朝霞の焼き鳥屋で使った。 二千円札ってのは、数値としては”2”なわけで、今まで貨幣を数える概念として”1”と”5”しかなかった人間としては(何十年前なら貨幣の中に”2”を持つ単位のコインかお札があったかもしれないが)やっぱり使いにくいのかも。コンビニでお釣を渡してくれたレジの人も「五千円、二千円、千円……」とわざわざ強調してくれたし。 |
11月4日(土) |
▼右の耳が痛み出す午前6時。1時間近く続いていたような気がする。最近は意味もなく耳掻きで奥底までぼりぼりひっかいていることが多かった。椎名誠がエッセイで指摘しているように、確かに気持ちいいんだが、やりすぎると傷をつける。それにしてもストレス解消がこれかい>オレ。 ▼耳の痛みは朝だけだったが、そのまま寝ていた。所用をすまそうと思ってはいたが。夕方から銀座へ。 |
11月5日(日) |
▼インドカレーづいている。以前のカレーオフの余波で。 池袋東口のインド料理屋に入れなかったことを書いたが、実は先週の日曜にその店のバイキングランチを食べた。そこではチキンカレーに豆カレーとその他2つの計4種類しかないので、今日はランチタイムを避けて入店した。カレーは一皿1000円程度。チキンの野菜カレーを頼む。(バイキングは950円ぐらい) ▼池袋タワーレコードでMarimari Rhythmkiller Machinegun「US」買う。 |
11月6日(月) |
▼Marimari Rhythmkiller Machinegun「US」 ヴォーカルのマリマリは、ソロで歌っている時のインタビューを読んで「うわっ、こいつ、自分のことを指すとき『マリは……』って言ってる」と思った以外に印象がない。もちろん音も聴いたことがない。 フィッシュマンズ時代は佐藤伸治ばかり発言していたので(ヴォーカルでソングライターなんだから当然なんだけど)音づくりの中心人物として責任持って初めて発言するドラマー茂木欣一。(「茂木欣一(fromフィッシュマンズ)」とあるので、フィッシュマンズはまだ解散してないってことでしょうか) このふたりが中心なので、ジャケットの裏表はこのふたりの写真のみ。ただしブックレット内の写真では、ブラなし白Tシャツのマリマリに上半身裸で短パンの男子4人組。(他のメンバーに、木暮晋也fromヒックスヴィル・波多野恵二fromインヘイル・沖祐市from東京スカパラダイスオーケストラ)これぞ、裸の気持ちで作られた音楽、などというのはやっぱり安易か。 メロディの根底に流れるのは女性フェロモン。ただし歌姫のための祝祭ではなく、あくまでバンドサウンド。これこそ、一聴しただけだと「癒し系」などという静謐な音楽を語る時の常套句でくくられない、音の散文詩がある。 ▼今週の「ぴあ」、豊川悦司と布袋寅泰の対談で、布袋の発言中の「カミさん」というのは山下久美子じゃなくて今井美樹のことだってのはわかっているつもりでも、どうも慣れん。 |
11月7日(火) |
▼10時半(夜の)に会社を出て銀座線で銀座の例のお店へ。話し込んでそのまま閉店まで。 このお店のクロージングタイムの曲もいろいろ変わっていった。井上陽水「Good,Good Bye」B'z「Alone」山下達郎「誘惑」スマップ「夜空ノムコウ」と……。 そして今の終わりの曲はTheBand「I shall be released」だった。そういえばこのバンド(洒落のつもりではない)のリイシュー盤も出たんだったな。 店を出る時にこの曲を聴いて「仕事から解放されている」という表の意味と、「酩酊の愉悦感から放り出される」という裏の意味を同時に感じた。言い換えれば「考えすぎ」 |
11月8日(水) |
▼「パタリロ西遊記!」(魔夜峰央・白泉社)(←いま思ったけど、本家の「パタリロ!」にしろ、タイトルにエクスクラメーションマークがいるのね) 「西遊記」という物語は、細部を知らなくてもとりあえずみんな知っている、知った気になっている。原作が児童文学や漫画やテレビドラマなどにアレンジされていて、その断片だけでも、誰もが一度は目にしているので。 ところが、このストーリーの全体像について、実はあまりよく知らない(私もだが)人が多いのではないか。天竺にたどり着くのが最終目的でありながら天竺に着いたときの印象が薄いし。(もっとも、アレンジ版がたいてい天竺に着かないまま「未完」とごまかして終わっているのが多いせいかもしれんが) 子どもにもよく知られているのは、各登場人物のキャラが非常にわかりやすく、ストーリーなんかすっ飛ばして享受してしまうせいなんだろう。 本作品もパタリロが孫悟空、マライヒが三蔵法師……と書くと単なる亜流の西遊記のようだが、かなり忠実に現本を追っかけている。 たとえば、孫悟空は誰に仙術を習ったのか、天界でどんな悪さをして、お釈迦様の手で五行山に閉じこめられることになったのか、孫悟空が三蔵と出会うまでの五百年間にどんなことがあったのか、玄奘はどうして「三蔵法師」と名乗っているのか……などなど、ガキの頃にはあまり気にしなかった(というよりはしょられやすい部分)まで網羅されている。
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