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11月21日(火)
▼午後半休。午前半休より気が楽……なんて思っているうちにあっという間に時が過ぎて、たとえば一時間すぎても、「今日が早く過ぎ去ってしまう……」なんて無常観に囚われてしまうのだな。
 池袋東口のインド料理屋でバイキングランチ。食べ過ぎないようにと思っても食べ過ぎてしまう。
 食に関しても時間に関しても貧乏性。ほんとの貧乏でないだけによけいむなしい。
▼レコファンでサザン「バラッド3」AJICO「波動」入荷しているのでさっそく買った。
 その後でタワーレコードのパンフレットを見ると、なんとまあ、22日発売の新作が多いことよ。
 以前から思っていたのですが、なぜにみんなで同時期いっせいに発売なんでしょう。それも週の真ん中に。土日発売なんてほとんどないんだよなあ。流通の都合とか。
▼「バラッド3」ほとんど時系列に曲が並んでいる。もっとシャッフルしてもよかったのでは。一枚目の一曲目から「TSUNAMI」とか。

11月22日(水)
▼「バラッド3」続き。
「ドラマで始まる恋なのに」(「YoungLove」収録)が入ってないなあ、だの、 愛の言霊」ってバラードなんだろうか、だのいろいろわがままなことを思ってしまうが……根本的な疑問は、このアルバムはメンバーの選曲なんだろうか。
「SIGHT」のインタビューで桑田佳祐は「一生懸命オリジナルアルバムを作ってもベスト盤の方がずっと多く売れてしまう」という愚痴に近いことを語っていたが、やはりベスト盤でも、本人の意向が入る入らないでずいぶんと趣がちがってくるのですね。
 その意味で「Happy」などはかなり本人の意向で選ばれた曲が多かったと聞いているんだが、今回は……。

11月23日(祝)
▼兄の婚約式(結納式ではない。教会でやるので)
 銀座線田原町駅で降りて、浅草ビューホテルへ進むつもりが反対方向の蔵前へ行ってしまう。んでも、親たちと合流して蔵前のさらにその先の浅草橋教会へ行ったのだから、方向としてはまちがってなかったのかも。
 鎌倉に住む兄と、新潟に住む母と姉、そして兄の婚約者の親族が合流する。それぞれが車で浅草橋教会へ。僕と母と姉はタクシーで行くことにしたが、いざ乗り込んで「浅草橋教会まで」と告げても、運転手はその場所がわからない。「ここから5分くらい……らしいんですけど」こちらも場所を正確に知っているわけでもないから、語尾がか細くなってくる。
 運転手氏は、浅草橋付近の通行人に訊いてみてくれたが、誰も知っている人がいない。「この辺に交番でもあれば、そこへ行ってもらって訊きましょうか」と僕が提案したぐらいの頃、自転車に乗った世話好きそうなおばさんが「浅草橋教会ならこの道を左に曲がった交番の裏手の奥だよ」と教えてくださった。ジョークのような本当の話。
 新婦の家系はほとんど全員がクリスチャン(だから教会)なので、婚約式で賛美歌を歌わされてもきちんと歌っているし、(机上には聖書と賛美歌の本が置いてある。ああまるで俺の日常生活に縁のない世界だよ)この空間にいると、「俺はなぜここにいるんだろう」という疑問がふつふつと沸いてくる。しかも譜面つきの賛美歌の本を開かされて「歌わなければいけないのか」という義務感まで背負わされてしまう。この感触は、威張った音楽の女先生(この手の音楽の先生は決まって押しつけがましいおばさんだった)に、壇上へ出て、教科書の譜面に目の焦点を合わせることを強制させられて、歌わされるようなあの苦々しさに近かった。ちなみに、なぜか賛美歌はそろって最後に「アーメン」と唱えるので、「とりあえず、最後にアーメン、と言えばいいんだな」ということだけは学習した。
 賛美歌が終わると牧師の口から聖書のありがたい教えを聞かされて、新郎新婦はたがいに「聖書の中にある自分の好きな言葉」を交換する。その時に立ち会う人2名(新婦の姉夫婦が担当)は仲人ならぬ「証人」。
 写真撮影をして三十分ぐらいで終了。ホテルに戻って、懐石料理で食事会。これがまた一品一品出てきて、食べるのを強制されているような雰囲気があって、またこの手の集まりゆえに会話がぎこちなくて、疲労だけが残った。
 おまけにここでもクリスチャンの家族ゆえ、食事の前に「今日の食事を神に感謝」とかなんとかお祈りを捧げるんだが、「無宗教なんだからあえてそのポーズを取るだけでよい」と聞かされていても、なんだなあ、である。これから兄の結婚相手の親族とやり取りするときはいつもこの調子なのか。「慣れだ慣れ」と自分に言い聞かせることにした。
 来年の2月に結婚式があるそうだが、ちょいと憂鬱になってきた。まずは3時過ぎで今日は締め。

11月24日(金)
▼ネットワーク工事が入ったので7時で帰ることができた。それから銀座へ。

11月25日(土)
▼仕事の進み具合から、出勤しなければならなそうだったが、昨日と同じようにネットワーク工事が続いているので自宅にいる日。なのに緊急の電話もきちんと(きちんと、ってのも何だが)かかってきたり。

11月26日(日)
▼口紅を買った。自分で使うわけじゃない、って言うまでもないか。
 池袋西武の一階、エスティローダーのコーナーに立つ28歳男子。口紅で無花果の香りで色はピンク系ならなんでもいい……という指定だったが、この指定はかなり曖昧だったらしく、「ピンクなら、色の濃いのと薄いのがございますが……」「人前で仕事する人なんで、たぶん薄いほうがいいと思います……」「では、つやのあるものとつやの目立たないものがございますが……」って調子の会話になってしまった。まるで雑誌に載っているようなYESNOテストでもやっているみたい。どんどん枝分かれしていくような質問。
 隣で待たされているおばさんが。「急ぎだから早くして」とぼやいていた。その気持ちはわからんでもないが。
「サービスでケースにイニシャルを彫りますが」うーんと相手のフルネームなんだっけ……「*.*.で」「かしこまりました」去られてから、まちがってなかったかどうか考え込む。
 プレゼント用に包装してもらったブツを受け取ってから仕事へ。
 そして午後6時に会社を出て銀座へ。今の10代の子はいろいろと抱えているな(いや、いろいろと……)

11月28日(火)
▼小林紀晴「写真学生」(集英社)
 この表紙では、魚喃キリコの単行本とまちがえそうだ。
 60年代や70年代は「文化のあった時代」と見なされるのに、なぜか80年代は「恥ずかしい時代、空虚な時代」と位置づけられている。バブル期の狂騒が焼き付いているせいなのか。
 作者自身の回顧録の延長上にあるこの作品には、就職活動をしている最中に「今、好景気なんだって、知ってた? 人気企業の一位と二位、知ってた? わたしたちって何も知らないね」とため息をついている一シーンがある。
 僕らに必要なのは、「バブルの時代を反省して語る」のではなく、「バブルの時代をいかに関係なく通り過ぎてしまった」か、だ。

11月29日(水)
▼世間の人が風邪をひくようになると、テレビや雑誌などでこぞって「風邪の予防法」なるものが幅をきかせる。と、同時に「健康法」「(高そうな)薬」なども幅をきかせている。(健康法なんて普段からやってないと意味ないのにねっ)
 花粉症や夏バテなど、一部の人しか関連しないのに比べて、風邪への対処は万人にとって切実だ。世の中が内蔵移植だの遺伝子治療だのって騒いでも、結局のところ21世紀も風邪とともに迎えそうだ。

11月30日(木)
▼ピーマンという野菜は「好き嫌い」を語った時に、まず頻出して挙げられそうだ。かく言う私も、昔は好きではなかったし、今でも取り立てて好きでもない。
 好きでもないくせに、焼鳥屋で「ピーマン焼き」なんてものがあれば頼んでいる。「ねぎ焼き」も同様。酒が食べる物の幅を広げてくれた。

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