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2月11日(祝)
▼11日がきちんと祝日になったのって久しぶりじゃないの?
藤沢周『ブエノスアイレス午前零時』(河出書房新社)
「雪が三メートルも降る山奥のホテルで、毎朝、温泉卵を源泉で作り、二個ずつ食べているUターンの男。広告代理店に勤めていた」のを辞めての従業員勤めが本人にとって本意かどうかは、まず描写だけ追っていっても想像はつく。
 これでなぜ「ブエノスアイレス」なのか「午前零時」かは、この短編の最後の最後まで追っていかないとわからない。イメージを求めて文学の森を迷わなければ、このタイトルの意味はわからない。
 意味がわかることがこの小説の目的じゃないし、広告代理店に勤めていたというこの主人公と同じように、ほとんどの読者にとって馴染みのない単語が織りなす世界は、何度も味合わないと本質がわからないのだろうけど。
▼夜には銀座へ。(14)

2月12日(火)
▼会社を7時過ぎに出て銀座へ。(15) 2日早くチョコもらった。

2月13日(水)
▼バレンタインイブ(という言い方はないけど)に張り切るのは消費者である女の子たちより店の人たちであろう、というのがよくわかる光景を見ました。池袋駅から東武につながる入り口で売場を作って、アルバイトの女の子が声を張り上げていました。恋の成就を願うよりも必死な顔でした。って当たり前だって。

2月14日(木)
▼新宿へ行く予定だったのが、遅く出たので変更して銀座へ。(17)

2月15日(金)
▼今日は会社を出た後に新宿へ(2)。店に寄る前にタワーレコード新宿店に行ったら鳥肌実が演談会というものをやっていた。ナマ鳥肌、と表現すると微妙に意味が違ってくるが。エスカレーターでタワーレコードの階へ上がった先から人だかりが見え、邦楽売り場を占拠していた。僕はレジの近くあたりで立ちつくして、15分ぐらい、論点も結論もまったく見えない彼の演説を聞いていた。「マドンナの『ライク・ア・ヴァージン』をやります」と言い放った彼はa〜haの『テイク・オン・ミー』に合わせて踊っていた(ように見えたけど違う曲だったかも)。その後銀座へ。(18)

2月16日(土)
▼風邪のひき初め。でも用があって新宿行った。(3)

2月17日(日)
▼風邪が体内で全開。他に書くことがあったんだけど今日はこれだけ。

2月18日(月)
▼会社休みました。
村上龍『村上龍対談集 存在の耐えがたきサルサ』(文春文庫)
 故人となった中上健次との対談のオチの部分がタイトルとなっている。以下、柄谷行人・坂本龍一・浅田彰・河合隼雄・蓮實重彦・庵野秀明・奥村康・渡部直己・妙木浩之・黒沼克史・小山鉄郎・田口ランディ・小熊英二との対談が続く。
 文芸畑の人間や坂本龍一などの昔なじみの友人との対談は、あまり気持ちよく読めなかった。というのも、相手が気心知れているので村上龍自身が安心して毒舌を吐く位置にいられるし、村上龍に対して「その考え方は間違っている」などと言うことがあまりない。もっと言ってしまえば「なあなあ」の雰囲気が多い。
 それに比べて、文芸以外の分野(田口ランディは文芸に加えられるかどうか疑問の余地はあるが、この対談の時期では異分野の人に加えられる)の人は村上龍自身が詳しくないことに精通している分、村上龍に対して提言もできるし、異分野ゆえの新しい考え方を対談中で導き出しているので、そこに読者は新たな価値観を見いだせる。
 ここ十年くらい村上龍作品をこれから読もうと思っている人にとっては、ネタばれになるような内容が含まれていることに注意。また、村上龍が『最後の家族』を手がけたとき、「村上龍がなんで家族をテーマに?」と思った人が多かったようだが、本書を読むと村上龍があの作品を必然として書いていたことがわかる。村上龍がこれから何を書こうとしているのか、この対談集の言葉の端々には、そんなヒントがまだ隠されているかもしれない。

2月19日(火)
▼風邪で何も考えられない時には安易に雑誌ネタです、グラビアネタです。
 今週のスピリッツで平山綾が、「卒業なので制服を脱ぎ捨ててその下に着ていた水着を公開」という、この季節お決まりの写真が掲載されていたが、髪がすでに茶髪、つうか山吹髪なので、「制服を脱ぎ捨てて大人になりました」というより「高校の途中でヤンキーになっていた女の子が水着になりました」という感じ。
 いや、高校生の茶髪なんて今や当たり前で、黒髪の方が珍しいってこともよくわかっておるのです。黒髪という記号を無意識のうちに持っているところでオヤジです。今は雰囲気を明るくするために髪に色を入れるというのは普通だし。(モー娘。の石川や吉澤は髪に色を入れてから目立つようになったし)
▼それと疑問なのは、「制服を脱ぎ捨てて水着」という展開のグラビアは、誰が元祖なんでしょう。昔は明らかにセクシャルなイメージが強すぎて御法度だったような気が。

2月20日(水)
▼やっぱり雑誌ネタ。
 今週の週刊SPA!で『天然系パンチラー・ブラチラーの研究 』という記事。いや、記事がどうのこうのってことじゃなくて、この記事が「パンチラブラチラをする女性は緩い」という結論の元にまとめているのですが、この結論の付け方や論点が、なんとなく女性からの辛辣な視点に見えるような気がしてきたので。
 いや、男がほんとにパンチラブラチラを発見したら「嬉しい」ってだけで思考停止して、そこまでつきつめて考えないと思うのよ。それを「あの子軽い」と指さして言うってのは女性の方じゃないかな、と。
 前から週刊SPA!ってのは男の視点から見たしょうもないネタを記事にしていたりするのですが、こうやって女性の繊細でしつこくてくどいほどの視点が見え隠れしているような。
 倉田真由美の連載にしたって、あれは主体としては女性の読者に「こんなダメ男に泣かされてきた」という苦労話を笑い飛ばすためにあるわけでしょ。そして男性にも共感を得ているという。そういえば「だめんずうぉ〜か〜」ってみんな買って読んでるんですねえ。日記サイトの話題でよく見かけるんですけど。テキスト系の人たちを惹きつける内容なのかしらん。

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