今年の3日間の中では、最終日が一番天気は良かったですね。朝は快晴で、夕方までなんとか天気が持ちました。ただし、夕方にはまた激しい雨が襲来。
テント禁止の効果なのか、今年はお客さんの出足が遅いように感じましたね。朝10時を過ぎても、グリーンの前方はガランとしていました。
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ナックだよ、ナック。誰だよ、こんなバンド呼んだの(笑)。
ロックの歴史書の「一発屋」のページで、必ず最初に名前が出てくる偉大な(?)バンドだ。この日、苗場に向かうクルマの中では“My
Sharona”をリピート再生しながら、「マイ・シャローナはやっぱり最後なのか? それとも意外に1曲目とか?」「いやいや、マイ・シャローナだけ10回演った方が盛り上がるだろ?」とか、くだらない会話を繰り広げました(笑)。
せっかくの機会なので、最前ブロックへ突入。目の前に現れたのは、人の良さそうな鼻デカのボーカリスト。これは間違いなくナックだ(笑)。
いきなり「なんちゃってマイ・シャローナ」みたいな曲でライブはスタート。45分間のライブの中で、マイ・シャローナもどきの曲を4、5曲は演りましたねぇ。自分で自分の曲をパクってどうするのよ(笑)。
ライブ中盤で、ドラマーがフロントに出てきて、突然Mr.BIGの曲を歌い始めたのにはビックリしました。あのドラマーはMr.BIGのメンバーだったんですね。「ビッグ・イン・ジャパン」から「世紀の一発屋」へ移籍か・・・。所詮、一流のミュージシャンにはなれない運命なのか(失礼)。
ラスト・ナンバーはお待ちかねの“My
Sharona”。いやぁ、盛り上がりましたよ。メンバーも予想外の人気ぶりにかなり御満悦な様子。ベンチャーズみたいに、毎年ジャパン・ツアーをやってもいいんじゃないの(笑)。
「一発屋」と言っても、ロックの歴史に永遠に残る「一発」を生み出したんだから、大したバンドだよ。
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大阪から登場したキチガイ系のバンド。編成はホワイト・ストライプスだけど、音楽性はやはりボアダムズの血をしっかり受け継いでいると感じました。床にしゃがみこんで「気持ちええなぁ」と繰り返す白痴的パフォーマンスは、本気なのか計算なのかよく分からんが、演奏技術自体は意外としっかりしている。一瞬で消えるか、海外で大ブレイクするか、どちらかだろう。
それしても何度名前を聞いても覚えられない。ついつい「あぶらチンポ」とか言ってしまう(笑)。
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演奏が終わって、ヘブン方面へ移動しようと振り返ると、俺の真後ろにROVOの勝井祐二さんがいて超ビックリ。勝井さんもチェックしているということは、このバンドは本物だってことだな。
今年は雨の影響であまり場内を歩き回っていなかったので、意外な出会いを求めて真昼のオレンジへ。
ステージにはセネガルから来た舞踊団が登場。太鼓隊のリズムをバックにアフリカン・ダンスとアクロバット的な芸を披露してくれました。
98年の東京でのフジロックの時なんて、タイカレーしか食べ物がなかったような記憶があるのですが。最近は、フジの食からタイカレーが姿を消しつつあるのが残念です。
今年はオレンジコートでようやく見つけたタイカレー。タケノコと鶏肉とココナツミルクの香り・・・フジロックといえば、やっぱりこれだよ。
ハイネケンの生ビールももちろん欠かせない。
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オレンジからグリーンへ戻ろうと思ったけど、楽しげな演奏が聞こえてきたので、ホワイトで途中下車。
白人、黒人、女性、男性が入り交じる珍しい編成で、バンド名は冗談みたいだけど、演奏はダンサブルでノリのいいパーティー・バンド。特に黒人の女性ボーカルのステージさばきが上手い。
ドラムの女の子は日系人みたいで、メンバーを代表して日本語でご挨拶していました。
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ホワイトで踊り疲れたので、ひと休みしようとアヴァロンへ。
全く予備知識なく演奏を聴きましたが、スライドギターと柔らかな歌声が非常に心地よい。いいミュージシャンですね。途中からクラムボンの原田郁子が登場して、ピアノとコーラスを加えてくれました。
偶然こんないい音楽に出会えるのが、フジロックの魅力です。
01年のフジロックで強烈なデビューを飾ったエゴ・ラッピンですが、去年リリースされた新作“merry
merry”では、昭和歌謡テイストを捨てて、アブストラクトな音響系の世界へ突入してしまいました。
どんな演奏になるのか心配していましたが、ライブでは昭和歌謡テイストも中納良恵のショーマンシップも健在。安心しました。
スゴ腕ドラマーのクリストファーが脱退して、新しいドラマーは誰なのかが俺の一番の関心事だったのですが、なんとまた金髪の白人だ。しかし、クリストファーとは全くスタイルが違って、パワー全開のアメリカン(笑)で大味なドラミング。その影響か、ライブはエイトビートのセッション風にスタート。岸田君はダッグウォークをしながらギターを弾いたりして、う〜ん、アメリカン・ロックだ(笑)。
セッションはそのまま“ワールズエンド・スーパーノヴァ”のサビへ繋がり、アカペラ風に「スタンバイしたら、みんなミュージック・フリーク」と歌う。そう、フジロックに集う僕らはみんなミュージック・フリーク。いいメッセージだ。
97年の第1回フジロックには普通に客として行ったという岸田君。くるりの参加は99年のLEVI'S NEW
STAGEに始まり、ヘブン、ホワイトとステップしてきて、ついにグリーンステージまで登り詰めました。ステージ上から観客を眺める岸田君は実に感慨深そう。今までのキャリアの総決算的な選曲にするのかと思っていたのですが、定番の“ワンダーフォーゲル”も“ロックンロール”も無し。“東京”や“青い空”といった初期の曲と新曲をフィーチャーしたステージは、ここからまた始めるという原点回帰がテーマだったのかもしれません。
個人的には“ロックンロール”を聴きたかったけど、あの曲の勢いはクリストファーのドラムじゃないと表現不能な気がするので、仕方がないか。
ちなみに、岸田君はトレードマークだったメガネを外していました。彼の身に何が起こったのでしょうか(笑)?
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まさかビーチ・ボーイズをフジで観れるとは! ブライアン・ウィルソンがいないのは残念だけど、結構楽しみにしていました。
登場してきたメンバーは・・・ジイさんだ(笑)。年齢による衰えからか、楽器の演奏ははっきり言ってショボい。しかし、コーラスワークだけはさすがに素晴らしい。まるでレコードみたい。ん?ちょっと上手すぎるんじゃない?
ステージ近くに行ってチェックしてみると、ドラマーがヘッドホンをして演奏している。ということは同期演奏だ。あのコーラスワークはテープ出し(今の時代はハードディスク出しか?)だよ。どおりでメインボーカルに比べてコーラスが整い過ぎていると思った。
ビーチ・ボーイズと言えば、流麗なコーラスワークが売り。テープを使ってコーラスを再現するのを、「客の期待に応えるプロフェッショナルな姿勢」と見るか「金儲けのためなら手段を選ばず」と見るか、難しいところですが、俺は後者。ガッカリしたので、早めにアヴァロンへ移動。
元ZELDAのサヨコと元じゃがたら、元ビブラストーンのOTOのバンド。80年代育ちにはたまらないメンバー。ドラマーのナラさんを加えて「サヨコオトナラ」とのことですが、ナラさん(誰か知らないけど)はこの日は参加できず、代役のドラマーとコーラスの女性が参加していました。
サヨコの不思議ちゃんぶりは、年をとっても変わらず。
01年の前夜祭以来だから、フジには結構久しぶりの参加。途中から雨が激しく降ってきて、厳しい条件の下でしたが、雨を吹き飛ばすような迫力ある演奏を聴かせてくれました。ダンスミュージックとして客を踊らせる機能と、ロックのダイナミズムの両立という点では、彼等はもうプライマル・スクリームを超えているな。
割と地味な存在だったギター&ボーカルの川島君の存在感が増していて、ロック・スター的な立ち振る舞いがカッコよかった。もっとも、彼等のライブで一番スゴいのは、サポートのドラマーなんですけどね(笑)。
雨具の上着しか着ていなかったので、雨で下半身ずぶ濡れになってしまった。ライブ終了後、急いでグリーンに戻ろうとしても、通路は大混雑で全く動かない。あきらめて、ところ天国でハイジ・カレー(大雨のためデジカメ撮影不可能)を食べて体を温めました。
俺はニュー・オーダーにはあまり思い入れがないので、なぜ最終日のヘッドライナーがこのオッサン達なのか、イマイチ実感できないのですが(笑)。
01年のホワイトでも観ているけど、あまり記憶に残っていないんだよね。演奏がイマイチという印象は変わらないけど、その原因はドラマーのヘボさだということに気が付いた。打ち込みビートの曲だと、当たり前だけど演奏はしっかりしている。
それから、ベースのピーター・フックというオッサンも不思議な人だなぁ。バンド全体の演奏とは無関係に(笑)ステージ上を縦横無尽に動き回って、ベースを勝手に弾きまくる。ほとんどの曲で間奏のソロもギターではなくベースが担当してました。確かにベースは普通の音もソロ用の歪んだ音も、いいサウンドを出していた。
日本語バージョンの“KRAFTY”では観客も大合唱で、なかなかの盛り上がりでした。アンコールの最後はお約束の“Blue Monday”。
去年までのクロージング・バンドとは全く変わって、今年はなんとプライマル・スクリームが登場。クロージング・バンドというより、これが本当の大トリだろ(笑)。プライマルが演るんなら、まだ帰れませんよ・・・。
フジには毎年のように出ているけど、今年もプライマルは絶好調。ヒット曲連発ですよ。
最後までプライマルを観たかったけど、月曜は午後から仕事なので、泣く泣く途中で帰ることに。“ROCKS”を聴きながら、グリーンステージを後にしました。
来年はいよいよ10周年のフジロック。また、来年も苗場で!