今さら佐野元春でもないんですが(笑)。HEY! HEY!
HEY!で元春トークをかます姿を見ていて、突然「そういえば新潟にツアーで来るよな?」と思い立ち、公演1週間前にチケットを買いました。
テルサの客席は後ろ4分の1くらいはガラ空きで、客層も30代中心。最近の佐野元春の活動を考えると、これを「人気がない」とみるか「根強い人気」とみるかは難しいところです。
バックバンドのThe Hobo King Bnad は豪華なメンバー。
小田原豊(Dr)
井上富雄(B)
佐橋佳幸(G)
KYON(Key &G)
演奏はさすがに超一流。特に元ボガンボスのKYONがギターを演奏した時の音の厚みは凄かった。多少はニューオリンズ的なアレンジの曲もありましたが、基本的には普通のロックバンドだったので、得意のニューオリンズ系のピアノが聴けなかったのが残念なところです。また、小田原豊は非常に直線的なドラミングだったので、その辺もKYONとはイマイチ合わなかったか?
失礼な話ですが、私にとっての佐野元春は“Visitors”で終わっている(笑)。ようするに私にとっての元春とは“アンジェリーナ”と“ガラスのジェネレーション”と“SOMEDAY”なのだ。中高生の頃はよく聴いたけど、あの頃はレンタルレコード屋で借りていたので、私は実は元春のアルバムはレコードもCDも1枚も持っていなかったりする。
そんな約15年のブランクがある自分が、現在の佐野元春を見に行って大丈夫か?という心配もあったのですが、結果的には全く問題なし。というか、問題がないところが大問題というか(笑)。前述の代表作3曲だけでなく“ロックンロール・ナイト”まで演ってくれたので、中高生の頃の夢がかなった私は確かに大満足でした。
しかし、そんなノスタルジーを満足させるようなライブが、ロックンロールとして美しい姿とは思えない。ポピュラー音楽の世界で活動する以上、「最新作こそ最高傑作」と自信を持てるような活動をしてほしいと思う。だが、新作からの曲にはかつてのような輝きは感じられなかった。
来年は20周年だそうで、記念ツアーをやるそうですが、考えてみれば過去の代表曲は今回も全て演ってくれたわけで、「別に20周年ツアーは観なくてもいいか」という気になってしまうのが悲しいところ。ある意味、彼はもう「存在自体に意味がある」というリー・ペリーみたいな境地に達しているのかも知れない。