STEVIE WONDER

LIVE IN JAPAN 2007

2007年2月24日(土) 宮城県総合体育館グランディ21


20世紀の音楽の天才

 1984年、中学生だった私がベストヒットUSAに目覚めた頃は、ちょうどスティービー・ワンダーの「心の愛」がヒットしていました。なので、私にとっての天才スティービーの第一印象は「ピアノの前で電話を持って歌っている怪しい黒人」でした(笑)。
 もちろん、黒人音楽ファンの身だしなみとして、“INNERVISIONS”から“Songs In The Key Of Life”までの黄金期のアルバムは揃えているし、天才の凄さも分かってはいますが、「70年代で頂点を過ぎてしまった人」だと思っていたので、これまでライブを観たいとは思いませんでした。
 しかし。不死身だと思っていたジェームズ・ブラウンが年末に突然亡くなったのにショックを受け、「20世紀の天才生きているうちに生で観ておくべきだ」と痛感しました。ま、早熟の天才だったスティービーは、まだ60歳前なので、まだまだ死なないとは思いますけどね。
 今回の来日ツアーは6回公演。土曜日で車で行きやすい仙台に行くことにしました。

2/17(土) 東京:さいたまスーパーアリーナ
2/18(日) 東京:さいたまスーパーアリーナ
2/20(火) 名古屋:名古屋レインボーホール
2/24(土) 仙台:仙台グランディ21
2/27(火) 大阪:大阪市中央体育館
2/28(水) 大阪:大阪市中央体育館

 1995年の“CONVERSATION PEACE”以来、スティービーの作品とは全くご無沙汰で、チェックもしていなかったのですが、調べてみてビックリ。2005年の“A Time 2 Love”まで10年間もリリースが無かったとは! 95年以来の俺でも全然ブランクないじゃん(笑)。
 仙台市内で泊まろうと思ったのですが、なぜかどのホテルも満室で全く予約とれず。原因を考えてみたら、この土日は国立大学入試でしたね。仙台市内のホテルは受験生で満杯というわけです。思い起こせば、約20年前、自分も仙台に受験に来て、ビジネスホテルに泊まったなぁと懐かしく思いました。というわけで、宿は受験生の邪魔にならない観光地・松島で確保しました。


ここは北島三郎ショーか?

 新潟から車で4時間かけてたどり着いた会場は、仙台の郊外にある体育館グランディ21。99年のSPEED以来、8年ぶりにやって参りました。冬の太平洋側は天気はいいけど、風がとても強くて寒い。

 この日の開演は16時と非常に早く、まだ明るいうちに会場入り。席はスタンド一番上一番後ろ最悪でしたが、チケットを買ったのが本番2週間前だったから仕方ないか。
 客層はもちろん大人ばかり。40代から50代が主力か。2週間前でもローソンでチケットが買えたくらいだから、客席はスカスカかと思ったら、しっかり満員になっていました。
 驚いたのは、地元のジイさんバアさんみたいな老人もチラホラいたこと。東京でジョアン・ジルベルトジェームズ・ブラウンを観た時も小綺麗オシャレ老人はいましたが、それとは明らかに違う。農作業を終えてきました(笑)みたいな普通の田舎の老人達がいる。まぁ、60年代のリトル・スティービー・ワンダー時代からのファンなら、あんな年齢になるのかもしれませんが、「ここは北島三郎ショーか?」と一瞬疑ってしまいました(笑)しかし、普段は洋楽コンサートなど縁の無さそうな客層もつかんでいる天才スティービーは、やっぱり人類の宝ですよ。


70年代の名曲を連発

バンドのメンバーは、Dr,B,G,Key,Sax,Trumpetにコーラスが女性2の男性1。盲目のスティービーは、コーラスの男性に付き添われてステージに登場です。ステージセットはシンプルですが、布袋のギターの模様(笑)みたい背景のパネルには笑った。

 そして、アルバム“INNERVISIONS”からの連続3曲でライブはスタート。

1.too high
2.visions
3.living for the city
4.you are the sunshine of my life
5.higher ground
6.superstition
7.don’t you worry ‘bout a thing
8.if you really love me
9.lately
10.stay gold
11.overjoyed
12.knocks me off my feet
(観客合唱コーナー)
13.my cherie amour
14.master blaster
15.I just called to say I love you
16.part time lover
17.so what the fuss
18.as
(アンコール)
19.saturn
20.another star  

 今回は新作のリリースがないツアーなので(何で来日したんだろう?)、70年代黄金期名曲を中心とした選曲は、とても満足できるものでした。特に冒頭7曲の連続技には感激しましたが、席の位置が悪かったせいか、音響的にはかなり低音が不足。踊り出したくなるようなサウンドではなかった。
 しかし、スティービー本人によるクラビネットシンセベース切れ味は素晴らしかったし、ハーモニカの音色の美しさはもう世界遺産。あんな風にハーモニカを吹ける人は、人類史上スティービー・ワンダーだけだろう。
 “overjoyed”で、スティービーが舞台袖に引っ込んだので、何が起こるのかと思ったら、男女社交ダンサーが登場。スティービーは舞台袖で歌い続け、ダンサー2人は歌に合わせて華麗に踊る。ま、盲目のスティービー本人にはステージ・アクションは無理なので、いいアクセントにはなりましたが、全く意味不明な演出(笑)。
 この後、観客を男女に分けての合唱コーナーに突入。男「トッテモアイシテル」女「アイラブユー」という鼻歌風のメロディーかけ合いで、観客とステージの一体化を目指したようですが、年齢層が高いせいか、東北人シャイなのか(笑)、イマイチ盛り上がらず。スティービーの合唱指導は、そのまま“my cherie amour”へと繋がる。
 そして、ついに登場した“I just called to say I love you”(心の愛)。やっぱり一番盛り上がったのはこの曲でした・・・。
 続く“part time lover”では、またまた観客に合唱指導。ルーサー・ヴァンドロスが歌ったモータウン風のベース・パートを観客に歌わせました。
 今回のライブで一番ファンキーだったのが“so what the fuss”。アルバムではプリンスが参加しているこの曲、重いリズムがカッコよかったですね。つーか、前半の“higher ground”と“superstition”もこれくらいの重さで演奏してくれ、と私は思いました。なんだよ、やれば出来るんじゃないかと(笑)。


仙台はアンコールあり

 ツアー最初のさいたまスーパーアリーナ2公演では、アンコールが無かったということなので、今回のツアーはアンコール無しなのかと思っていたのですが、仙台では演ってくれましたよ。しかも“Songs In The Key Of Life”からの名曲“saturn”です。
 ラストは、これまた名曲“another star”でしたが、アルバムで聞き慣れたスピード感溢れる演奏に比べると、イマイチ迫力不足でした。残念。
 というわけで、スティービー・マニアではない自分でも十分楽しめる(ほとんどの曲を知っていた)ライブでしたが、2ちゃんねるでツアー初日のさいたまスーパーアリーナの曲目を見たら、なんと“Isn't she lovely”も“Sir duke”も“I wish”も“Ribbon in the sky”も演っているじゃないですか! 初日は本当に定番曲を全て演ったという感じだったのですね。
 仙台の方が得をしたと言えるのは、アンコールがあったことと“saturn”が聴けたことくらいか。来日ツアーが進むにつれて、演奏曲数が減るっていうのは、どうなんですかねぇ?
 ま、ともかく、体型は随分と太ってしまって、トドみたいになってますが(失礼)、の方は全く衰えていないスティービー御大。まだまだ演奏は一流ですから、一度はで観ておくことをオススメします。



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