職場の上司が出来の悪い人(物分りの悪い人)であったなら、何かにつけ機会のある毎に、上司の反対で悪い心配事が起こるのではないか、といった不安を抱くようになるかもしれません。
その上、こんな上司にめぐり合ったときの運の悪さを嘆いたり、口をつぐんで用心深くなったりして、自己嫌悪に陥ちいります。
このような場合、その場に応じた行動をするには、二つのうちの一つを選ぶ方法しか道はありません。つまり、「このまま何も手を下さずに上司に従うか」それとも「何か行動を起こして進歩するか」のどちらかです
そこで、まず、気分を取りなおして今後の対策を、自分の責任で考えてみることにいたします。
これまでの関係から、上司には深い影響を受けています。上司は時によって穏やかに、あるいは、激しく反応を示すことは解っている場合もあります。不愉快な話題やこうすべきだと言う助言を、持ち出してチャンスをとらえるのは、どういうものでしょうか。
もし、それによって起こり得る最悪の事態とは、一体どう言うものなのかを次のように考えをすすめてみます。
上役は、
@ かっとして、自分を馘にします。
その結果「もっとよりよい仕事を見つけることができる」を考えます。
A くどくどと小言を言い、転勤を命じます。
結果として、よりよい上役に巡り会うことを期待します。
B 冷淡な反応を示し、震え上がらせるかもしれません。
そのときは、上役は罰の意識が和らいで淡々とし乍ら償いをするまで待つしかありません。
C 短気を起こし、自分を陥れる報告を責任者にします。
そのときは上司の上役に、自分が正しいことを知らせる報告を見つければ良いと考えます。
D 他の人の前で恥をかかせる。
そうなればもう上役の負けです。他の人達も、上役のことは自分同様に知っているのですから、その目には頼もしく映ります。
それでは次に、起こり得る良い事態にはどんなことがあるのでしょうか?
@ 不愉快な問題について自分の助言を聞きますが、それは受け入れません。
しかし、上役が『聞いた』ことは確かです。助言も後になって、上役が『思いついた』ことにして仕舞うかも知れません。しかし、それは自分の勝ちです。解決策が起用されたのです。
A 提言や、助言が、不愉快な問題なので、上司は、最初怯むかも知れません。
「むっつりといやいや乍らも、受け入れる」それは身分は無事だからです。
B 不愉快な問題に残念がりますが、その処置については上司が同意します。
「そのかわり、自分では何もしません。だからまだ脈はあるわけです」
C 嫌な問題を聞いて驚き、すぐに問題を解決してくれるように自分に依頼します。
「であれば、これで勝ちを得ることになります。誠実で明確な考え方をする事により、厄介な問題とその処置についての見解を提示して、相手を説得することができたのです」
物わかりの悪い管理者に良くない知らせを伝えるとき、一番の敵は自分自身であることを忘れないでください。自分達は、管理者が悪い知らせ事態でなくて、それを運んだ自分達に、怒りの矛先を向けるのではないかと恐れているのです。
しかし、このような管理者にもチャンスを与えなくてはいけません。
もし、自分に反発するようなら、やり過ごして仕舞えば良いだけです。物わかりの悪い管理者の大部分は、その後、当惑から立ち直るようになると、自分達の腹蔵のない率直さと解決策の提示に対して、ひそかな尊敬を抱くようになってきます。
起こり得る最悪の事態は、管理者が再び態度を硬化することではありません。それは自分達が、自分を不当に虐待し続けることに原因があるということを自覚することです。
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