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「大・中・小」分類とは


◎活用法 大中小の意味にこだわると具体性を失い実用にならない
意味の一貫性にこだわらなくていい
 「人事」「採用」「面接資料」は、企業でよく使われる大・中・小分類のタイトル例です。
 生物――動物――鳥のような《区分のはしご》により、下位の語の意味範囲が上の語の意味範囲に含まれる、いわゆる《包摂関係》が、この場合、かなり変形しているかもしれません。純粋に分類だけ取り上げるなら、下位は、上位に必ず含まれるようになります。
 関係・類似性から強い連想の力を引き出そうとするオフィス文書の分類では、語の系列による区分のはしごが直感で分かり慣用にしたがう語の採用によって歪みを生じてしまいがちです。とはいっても、オフィス文書の分類は、準学問とは無縁ですから、利便性に目を付けるこのやり方が一番いいと考えられます。

階層はつけすぎないこと
 ここで、バインダーのような中単位の書類綴りに分類名称を与えることを想定してみます。この場合、大分類に相当する区分の名称はつけないはずです。前の例でいうと、「人事」とはせず「採用」くらいの区分を採用するのではないでしょうか。
 一般に、包摂関係のは私語では、上位になるほど抽象的になり、下位になるほど具体的になるのが常識です。オフィスの文書に対しては、極力抽象を避け、具体性を重んずるようにします。
 この点から、分類を細かくできるバーチカル式のファィル法にあっても、中・小分類ですませるやり方は悪くありません。

既知の用語を整備すること
 オフィス文書の分類は、手に取った文書の形や内容を読み解いて”すでにわかっている区分に”寄せ集めることにほかなりません。問題は、この”既にわかっている区分”の設定です。これを恣意的にやらずに、系統的にきちんと設定できるかどうかは、組織の知的財産にたいする取り組み姿勢そのものの評価に関わってきます。

「大中小分類の例」
部署と業務の役割認識が明確であれば、 大(基礎語)、中(二次名)、小(三次名)、は確定できる
  大分類 中分類 小分類
総務 社規・社則 「組織」
「職制」
「業務組織表」「業務分掌」
「職務権限」「代理規定」
経理 「予算」 「予算編成」
「予算統制」
「編成会議」「編成方針」
「実績対比表」「差異分析比較表」
人事 「採用」 「募集」
「入社」
「採用試験実施計画」「応募者一覧表」「通知書」「誓約書」
営業 販売計画 「新製品計画」「販売促進」 「開発計画」「開発企画書」
「販売促進会議」「特売計画」
開発 品質維持 「標準」
「試験」
「標準委員会」「改訂手続」
「耐久連続テスト」「落下試験基準」
生産 作業管理 「作業時間」
「作業標準」
「時間記録用紙」「ワークファクター分析表」「加工ライン標準」「組立ライン標準」
購買 「外注」 「発注」
「見積もり」
「注文書」「注文打切通知書」「見積依頼書」「見積比較表」
参考文献:ファィリングがわかる辞典、野口靖夫著、日本実業出版社刊
 ファィリングの技術、野口靖夫著、日本実業出版刊

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