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<行動科学の目で見る>
戦略経営組織論
 ビジネスマンの組織環境

一桁>経営組織論?>指導統率力の危機

<はじめに>

  ここ最近、企業や行政・自治体組織などで、頻繁に、組織活力や社会規範にたいするモラル低下の話題が取り上げられています。
 この多くの組織が直面している問題は、前例がないほどの数の報道が毎日のようになされ、しかも、これらの問題についての会議フォーラムが主要なテーマとして取り上げられています。さらに、それらの内容といえば、小は、個別企業の商道徳や生産性向上問題から、大は国家レベルの中枢幹部のモラル低下と諸施策に至るまで、かなりバラエティに富んでいます。

 この内容は約10年前、バブル崩壊の兆しが見え、リストラとか、リ・エンジニアリングが急務とされた頃と、ほぼ同じような現象になっています。
 組織の活力を向上させるため、能力向上の研修、QCサークル、社員持ち株制度、小集団活動、ロボット・コンピュータ化による自動化、ジョイントベンチャーその他、数多くの社員教育プログラム等々です。これらは、かなりの議論と革新を巻き起こしながら、官民・業種・規模・技術水準などの別を問わず広く浸透しました。

 PC-VANやNifty-serve 等の、ビジネスマン向けボードにおいても、当時のログを読み返してみると、どのようにして時代を乗り越えたらいいのか、真剣に話し合いが行われております。

 改めて、当時のログを読み返すと、問題点は、環境の変化により適切に適応するためには、柔軟な組織構造の必要性を痛感しています。つまり、組織階層に現存する縦割りの統制の規範や組織の境界線が、組織の柔軟性である下部組織の連携や情報資源の共有を拒んできた事実です。これらを改めることで、下部組織による情報の共有が可能になり、組織に活力と柔軟性を取り戻すことが出来るのではないかということでした。

 他方で、社会人一年生からは、職場の環境とは何か、分かりやすく説明して欲しい」あるいは、職場に悩みを抱え得るビジネスマンから、ビジネス環境を見直したい、分かりやすく説明して欲しいという要請が跡を絶ちませんでした。

 この悩みに応えようと、過去を振り返り、1990年前後から1993年にかけて、PC-VANの経営情報や起業家などに、登録保存された「ビジネスマンの組織環境」の関係ログを読み返してみました。
 改めて投稿メッセージをダウンロードすると、誤字脱字の他、当時の回線と通信系統機器の状態に影響されて、文字化けが少なくありません。当時は、《ぜんこう》氏の校正協力があったり、コミニュケーションの流れや、ボードの雰囲気から言外用語を読みとることが出来ました。しかし、いま時が経過して必要ログだけを読み返しても、良く理解できない点が少なくありません。

 そこで、前後のメッセージのやりとりを照合するうちに、当時の問題の様相が、現在とあまり大きい違いがないことが少しずつ明らかになって参りました。
 時代の変革には常に組織の柔軟性が必要です。しかし、組織は常に保守的です。
 そして、組織の活力を如何に高めるか、という問題は、常に古くて新しいテーマになっています。とくに情報社会の要である、情報通信、運輸、金融の三業種は、民営、民営化、自由化、規制撤廃といっ厳しい環境変化に直面しています。ここに強い活力を求められる大きい理由があります。

 しかも、殆どの企業組織が、技術革新の急激な変化、高齢化社会への進行、価値観の多様化、法規制の改変といった環境からの挑戦にこれをどの様に乗り越えるかの苦心もあります。
 高度に複雑化して、なお、スピード化している現在、変化の早い環境に対応するには、
@.企業それ自体の元気な活力が必要です。それらの
A.変化を歓迎して適応するには、
B.多様な目標を持って同時に達成させるとか、
C.多様な利害関係者と、同盟関係を維持させる。あるいは
D.所有するあらゆる資源を効果的に活用する

などの、具体的な特徴をもう一度見直す必要が出て参ります。

 しかも、現在の経営環境のなかで、強い活力を獲得するには、
@.複合的な情報システム
A.自律的な職場組織
B.柔軟な組織構造
C.社員活性化施策
 等のような組織原則があることがだんだんに明確になってきました。

 『ビジネスマンの組織環境』は、以上のような理由から改めて、環境の変化に適応するように、加筆修正を加え、とくに、ここ10年ほどの間の管理技法には、「リ・ストラクチャリング」「リ・エンジニアリング」からはじまり、すぐれた業績を残した「ビジネス・プラクティス」や、「ベンチマーキング」あるいは、「セルフデザイン」などの管理技法を、考慮した観点から、職場環境を見直してみたいと思います。

 いろいろと読み苦しいところや、期待に添いかねるところがあると思います。しかし、気持ちだけは持ち続けたいと願っています。至らないところはご容赦をお願いし、いままでと同じようなご声援を下さいますよう、お願いいたします。
                                頑固(一桁)