仕事でもゲームでも、絶対に負けたくない、負けてはならないという大事な場面があります。いざ
というときのため、日頃からの勝負の勝ち方を考えておくと役立ちます。
宮本武蔵は、晩年になってから、兵法の極意ともいうべき、五輪書を書き表しています。
この五輪書によると、武蔵は、十三歳のとき、新当流の剣客有馬喜兵衛と立ち会って、これ
を倒し、十六歳のとき但馬の剣豪秋山某を破り、二十一歳で上京して、足利将軍家師範の名
門、吉岡兄弟、及びその一族門弟たちをほとんど討ち果たして以来、諸国を巡り歩いて他流試
合をすること、六十数度に及んでいますが、一度も破れたことがありません。
その宮本武蔵が、三十歳の頃、自分が勝ったのは、自分の実力が絶妙の域に達していたわけ
ではなく、他流の剣法が未熟であったためと悟りました。それからは、さらに、朝夕、剣技を
鍛錬し、五十歳頃になって、ようやく、この道の奥義を悟り得てから、この五輪書を纏め門弟
に伝えたといわれています。
【ポイント】
- 絶ゆまぬ練習
- 先手を取る
- 相手の出方を待たずにこちらから攻めていく
- 相手に相撲を取らせない
相手の動きをあらかじめ察知して、相手に力を発揮させないため機先を制します。
- 受けながら攻撃に転ずるように攻撃
安易な受け方は危険であることを戒めます。
- 相手に隙を作り出させる
→フェイントをかける →奇襲作戦に出る
相手の隙を誘うため、つぎのように先手で仕掛けます。
→こちらから仕掛けることで、相手の注意が一カ所に集中します。その瞬間、相手に
隙が生じますから、そこをすかさず攻撃します。
つまり奇襲作戦で相手をあわてさせます。
- とどめを指す
ピッチャーの勝負球のように、詰めの重要さを示すことです。
- 相手が崩れを見せたら一挙に攻める
相手が゜立ち直り、勢力を盛り返す余裕を与えないようにします。
- 相手が変化に出ようとしたら、瞬間をとらえ、一挙に攻める
変化に出ようとしたときには、隙が生じるものです。
例えば相撲の場合、相手が巻き変えにきたところを、一挙に寄りに出るようなケースです。
- 相手のリズムを崩す
相手に調子づかせてはいけません。相手の注文にはまらないで、意表を突いたり、相手の攻め
てくるのを軽く外し、相手の右脳のリズムから左脳(理屈を考えるパターン)のリズムに変え
るように仕向けます。
例:バレーボールのタイムアウト
- 相手を萎縮させる
思い切って堂々と攻撃して、まだ余裕のあるところを見せます。(軽く朝飯前という顔つきを
します)焦った顔を見せてはいけません。
- 気づかれずに相手を窮地に追いつめる
むやみに追い回してはいけません。追いつめられていることに気がついたとき、相手はあわて
て隙を見せます。
- 相手の動きを部分だけでなく全体もよく観察する
- 勝負の手段については一つ一つマスターし、無意識でも使えるようにしておく
- 「天狗」にならない
世の中を甘く見てはいけません。競馬のレースのように鼻の差で勝っていることが多いので、
少しでも手を抜くと、すぐスランプに陥ります。
「稔るほど頭の垂れる稲穂かな」
- 自分の強いところを相手の弱いところにぶっつける
自分の土俵に相手を引き込んで勝負します。
- 相手を十分に研究しておく
相手を研究しようにも、情報が得られないときは、相手の様子が分からないため不安な気持ち
になりがちです。そのときには、それにこだわらないで、マイペースで先手を取って勝負して
いくことが大切です。
- 自分は必ず勝つという自己暗示をかける