オーケストラは
事件だ!

('97.6.8, 第42回定期演奏会
パンフレットより)

 8日午後3時半ごろ、神戸市中央区大倉山のマンション「パルジファル・ハイツ」4階の403号室でこのマンションの管理人でドイツ人作曲家、リヒャルト・ワーグナーさん(53)が寝間着姿で死んでいるのを訪ねてきた友人で流しの演歌歌手、前須田甚五郎さん(27)が見つけて兵庫県警に通報した。ワーグナーさんの頭に金属製楽器のようなもので殴られた跡と首にバイオリンのE線のようなもので締められた跡があり、同県警捜査1課は殺人事件とみて捜査本部を設置、凶器の発見に全力をそそぐとともにワーグナーさんの交遊関係を調べている。事件の進展によっては日独関係に亀裂が入る事態も予想される。
 捜査本部によると、今年になってワーグナーさんの部屋に出入りの多かったのは同じマンションにすむ神戸市民交響楽団の団員たち。近所の人の話では、最近マンションで「音は楽譜で指定された所で出せ」「こんな半音階段を昇れるか!」「ピアノの音が大き過ぎる」「団費が高い」など住人と管理人との間に不協和音が絶えなかったという。もしワーグナーさんの頭を殴った金管楽器があれば微妙な音程の狂いが出ていることも考えられるが、同楽団の指揮者の天沼裕子さんは「楽器が良くても音程が狂うことは日常茶飯事だった」と証言しており、捜査本部ではこの線からの捜査を断念。自分の技術の未熟さを棚に上げてワーグナーさんを逆恨みしていた団員も多すぎて捜査は難航しそうだ。【チェロ 大野靖史】


 事件の後は裁判です。ここで容疑者は被告に変わります。音楽会の出来・不出来の「判決」はお客様が下します。団員は演奏会後の打ち上げ宴会で発表される聴衆アンケートを案外気にしています。きょうも「温情判決」が下されんことを!

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