交通機関のバリアフリー・電車編


東武東上線

東上線の写真 私は東武東上線の朝霞台駅が最寄り駅となっている。
しかもその駅はJR武蔵野線と交差し、なおかつ地下鉄有楽町線もそこから乗れる。
電車での移動を考えると、かなり広範囲に行けることになるが、
ここ数年、車移動ばかりで電車に乗ることはなかった。
ましてや、車椅子で電車に乗ることは考えていなかった。

しかし2005年年11月、車椅子での電車の乗降にトライしてみた。

では乗り降りまでの状況と感じたことを書いてみたいと思う。




改札までのエスカレーター

まず朝霞台駅には改札に行くまでに10段ほどの階段があり、 その脇にミニエスカレーターがついている。
それは数年前に付けられたものであるが、これが車椅子での行動にと手も役に立つ。
普段このエスカレーターは、一般の人も使っているものであるが、
エスカレーターの所に車椅子マークの呼び出しボタンがあり、
そのボタンを押すことにより、補助をお願いする駅員を呼ぶことが出来き、
車椅子でも乗れるエスカレーターにすることが出来るのである。

その段取りであるが、
駅員がその報せで駆け付けてくれると・・・、
まず、エスカレーター乗り口脇の両ポールからテープが渡され、
それ以後の一般の乗降を制限してくれ、まだ使っている人が、
エスカレーターを下りた後、一度エスカレーターは止められる。

そしてもう一度動かし、
目印のラインの入ったステップの所でまた止めると、
それからはステップ3個分が平らになる車椅子乗降用のエレベーターとされる。
そこに車椅子を載せて、エレベーターに乗るという具合だ。

車椅子の向きは、全方に向かって乗り込む時もあれば、後方に向かって乗り込む時もあるのだが、
このミニエスカレーターは、乗る場合も下りる場合も、前方に向かって乗り込むこととなる。
エスカレーターに乗り込むと、車椅子の後方にストッパー用の爪が立ち、
念のため車椅子のブレーキをかけて、 車椅子を安定させる。
補助する人がいる場合、その後ろのステップに乗って、車椅子の押し手を支えることとなる。

エスカレーターの乗り心地は、ゆったりと動く為、怖い感じはなく、 よく考えられていると思う。
ステップから下りる時も、スムーズに下りられる。

改札

そして改札であるが、これも一番端に車椅子が通れる所が用意されていて、
そこで切符を見せればと通ることが出来る。
ただ、ギリギリの幅なので、車椅子を漕ぐ手が挟まれそうになってしまうので、
気を付けた方が良い。

改札後のエスカレーター

改札を抜け、ホームに行く時にも、エスカレーターのお世話になる。
また同じ段取りで、エスカレーターに乗り込むこととなるが、
この時のエスカレーターは、前向き、後ろ向きの場合があるので、
駅員のサポートに従うとよい。

 そしてなにより大事なのは、
どの駅で降りるか、これは切符を見せる時に告げるのがよいが、
どの駅の「なに口」に出るかまで告げておくと、
そこに行きやすいように、何両目に乗ったらいいかも、サポートしてくれる。
 
途中下車に対し難しい面もあるが、
車椅子で電車を使う場合は、途中下車せず済むよう準備と体調面でのゆとりも 必要となってくるであろう。

電車に乗り込む

電車がやってくるまで、 駅員はそばについていてくれて、
電車が着きドアが開くと、車椅子が乗り込めるよう、 ホームと電車に折りたたみの台を渡してくれる。
その間ホームに、車椅子が乗り込んでいる旨の放送案内があり、
乗り込むまで、電車は停車していてくれるので、 慌てずに乗り込める。
乗り込んだ事を確認した後、ドアが閉まり、出発進行となる。

電車の何両目に車椅子が乗っているかということは、 乗った後降りる駅にも事前に連絡が行くので、
降りる駅まで、安心して乗っていられる。

電車から降りる

そして降りる駅ではやはり、駅員が待っていてくれて、 車椅子を見つけてくれ、
乗った時と同じように、折りたたみの台をホームと電車に渡し、 下りる作業となる。
もしもの安全を考え、車椅子後方、もしくは大輪車の方から下りた方がよいだろう。
ほーむに下りた後は、駅員のサポートに従い、エスカレーターの場所や改札の場所に向かう。
改札を抜けた後の外へ出口の階段・エスカレーター・エレベーター等の情報も聞いておくとよい。
そこまでサポートしてくれる場合もあるからである。
これにて、電車乗車の一部始終の完結となる。

電車乗車の感想

意外なほど、スムーズに乗り降りが出来て、ビックリした。
しかも、駅員さんの応対も親切で、なにも恐れる事はなく、
もっと早く体験すべきだったと思う。
ただ乗った時間が混雑時ではなく、日曜日のお昼過ぎとだった事を考えると、
やはり時と駅によって、かなりの対応の変化があるようにも考えられる。

しかし、どんな場合にせよ、
とにかくチャレンジすること、トライする事が大事であると私は思った。
バリアフリーへの道は、まだまだ長くのびる事を実感した。
 

車椅子での電車移動を躊躇していた方に、また車椅子をサポートされている方に、
一つの情報として、提供出来れば幸いである。
なお、エスカレーターの模様の写真は撮れなかったが、
いつかまた、追加として載せられれば幸いである。

2006.2.1.記



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