闘病手記
<自律神経失調症との闘い>

 
1.最初に

 本ページは、わたしが現在苦しんでいる自律神経失調症という病気について紹介するものです。
自律神経失調症とは誰でもなり得る病気です。
本ページを読むことにより、わたしと同じように働く皆さんが同じ病気にならないよう、
早期予防につながれば幸いだと思っています。

もしわたしと同じ病気で苦しんでいる方がおられたら、頑張って一緒にこの病気と闘っていきましょう。
メール送信フォームからでも、ご一報いただけたら幸いです。

 わたしは28歳の男性で、現在では某メーカのハードウェア設計業務に携わっています。
やはりエンジニアという職業は、一般のサラリーマンに比べると不規則な生活になりがちです。
医師の話によると、そういう不規則な生活や精神的ストレスを受けやすい環境で生活している人が、
この自律神経失調症になりやすいということです。


2.自律神経失調症とは

 わたしは専門家ではないので詳しい説明はできないのですが、人間の脳には自分の意志で
動かせる部分(手足などの運動)と、自分の意志ではなく無意識に動作する部分(呼吸器系,
内蔵器系)があります。

この無意識に動作する部分は自律神経によってコントロールされており、簡単にいうと
自律神経失調症とは、この自律神経が正常に機能しなくなり、体全体の機能がおかしく
なってしまう病気です。

よって同じ自律神経失調症でも、機能がおかしくなる部分に多少の個人差があるため、
人によって症状が異なってきます。

 1日は24時間周期ですが、人間の脳のサイクルは25時間周期で活動しています。
この時間の誤差はどこで補正されるかというと、朝起きて太陽の光を浴びることにより、
自律神経が体内時計を自動的にリセットすることで調節しています。

よって自律神経失調症になると、朝起きても脳の機能や体が動作しにくく、
また外に出て日の光を浴びると、目を開けていられないほどの眩しさを感じる
ような症状が現れたりもします。


3.発症時期について

 ここではわたしの発症の経緯について述べたいと思います。

 わたしが自律神経失調症だと医師から言い渡されたのはつい先月(H12.4)のことです。
血液検査や心電図などの精密検査の結果から、通常の人の数倍以上身体の機能が低下している
とのことでした。
また尿からは多少ですが黄疸が検出され、肝臓まで脅かされていました。

会社でも年1回の健康診断はあるのですが、身長・体重・視力の測定や検尿,肺のレントゲン撮影,
簡単な医師による問診しかないため、それだけではわたしの不健康状態はわからなかったようです。

 しかし現在かかっている医師から詳細な話を聞いていく内に、わたし自身おかしくなり始めたのは
ちょうど大学を卒業後、会社に入社したての頃だということに気付きました。

この頃はまだ朝も問題なく起きれていたのですが、自分自身いつも呼吸しづらいという
違和感がありました。
呼吸しづらいということに関しては、8歳〜16歳まで喘息を患っており、また会社に入り立てと
いうストレスもあったので、それによる緊張感からきているものだと思い込んでいました。

しかし研修期間も終わり仕事をし始めるようになって、仕事に集中し出すと
自分自身が無呼吸状態であることに気付きました。
最初の内はもちろん自分自身苦しく感じるので、自分の意志による補助呼吸で
酸素を補っていたのですが、仕事も非常に忙しくなってこの補助呼吸もままならなくなり、
「自分は今ちゃんと呼吸しているのか?」,「呼吸していないのになぜ苦しく感じないんだ?」と
思えるようにさえなってきました。

 寝ている間でも人間は呼吸していられるように、呼吸中枢も自律神経の作用に
よって機能しています。
わたしの場合は呼吸器系ですが、この時期からすでに自律神経失調症の気配が
あったのだと思われます。

人間だけではありませんが、生き物はみな呼吸して生きています。
その呼吸がままならなくなった時どれほどつらいものなのか、
果たしてわかっていただけるでしょうか?


4.闘病生活について

 自律神経失調症になってからは、会社で仕事をしていても集中力を欠くようになり、
自分の思い通りに仕事もはかどらなくなってきました。
(注:ここではまだ本人が自律神経失調症だということに気付いていない時期です)

わたしは昔から真面目で几帳面な性格であり、やはり仕事には納期というものがあるため、
仕事を頑張って終わらせるために、段々自分の世界に閉じこもるようになりました。
自分の世界に閉じこもればそれだけ体に負担がかかりますが、自分自身その方が
集中力を発揮できたからです。

 わたしがなぜそこまで頑張れたかというと、今の職種であるエンジニアこそが
高校生時代からの夢だったからです。
そのために努力して高校生時代は内申書の成績も学年で10番以内に入ることができ、
大学は推薦で入学し、今の会社も大学からの推薦での入社でした。

 会社は共同生活の場です。
自分の世界に閉じこもって仕事をすることがいいとはわたしも思っていません。
しかしそうならざるを得なかった自分も現にいたのです。

ここで補足をしておきますと、わたしは決して内向的な人間ではありません。
大学時代などは進んで幹事役をやるなど協調性もあり、
前面に出るような人間だったのです。

 しかしそのおかげで会社の人からいろいろと反感を買うようになりました。
「やる気を出せ!」とか「意識して呼吸するな!」とか「自意識過剰な奴だなぁ!」とか
言われた時ほどつらいものはありませんでしたね。
「気分屋だなぁ」と言われたり、会社を体調不良で休めば「無責任な人間」と
呼ばれたこともあります。
ですが、自分自身どうやっても体がついてこないのですから・・・

しかしその反面言い返したかった自分もいます。
「自分よりも残業時間が多く、仕損金ばかり出してる奴に言われたくない!」,
「俺の様にもっと集中して多くのアウトプットを出してみろ!」と・・・

 会社の寮で生活していた頃はかなりノイローゼ気味になった時期もあり、
体がうまく動いてくれない時などは、いっそ死んでしまおうかと頭をよぎった
時もありました。
しかし自分自身「死んでどうなるのだ!」、とすぐ自分に問い返すのです。

わたしの父は昔から厳しい人であり、「そんなことではこれからの厳しい社会を
渡っていけないぞ」と、兄が幼少時代から指導されていたのを記憶しています。
わたしは末っ子であり、父からはあまりうるさく言われませんでした。
しかし、わたし自身そういう兄の後ろ姿を見ながら生きてきたので、
同じように強く生きていけるのかもしれません。

 この様な状態が続いた後、胃痛や食欲不振に悩まされるようになって、
今とは別の病院へ足を運んだのですが、その時には仕事のストレスによる
神経性胃炎ということでした。

しかし2〜3ヶ月位前から自分ではどうしようもできない気分的落ち込みが進行し、
仕事に集中しようとしても頭が回らず、イライラすることが多くなり、
ひどい時には歩行しても、意識していないと真っ直ぐ歩けない状態も
ありました。
自分自身、体の半分しか機能していないような気分なのです。

自分ではどうしようもできないやる気のなさや焦燥感から、このままでは
自分を見失ってしまうと思い、現在通院中である心寮内科へ行ったというわけです。

医師による診断は、「自律神経失調症による、うつ状態および不眠が強く、
向後も薬物療法を要する」とのことでした。
(注:ここでのうつ状態とは、うつ病とは異なります)

薬物療法を続ければ必ず治るということで、現在は薬の強さを調節してもらいながら
服用を続けています。
しかし薬が効いている時間しか効果がなく、今はとてもつらい状態です。
薬が切れるとまた元に戻ってしまい、焦燥感に襲われてしまいます。
身体機能が低下しすぎたために、自分ではどうにもできない一時的な
うつ状態になってしまうのです。
眠れないときなどは睡眠薬を飲んでも一睡もできない時もあります。

 しかし現在では自分の体調不良が自律神経失調症によるものだと理解でき、
安心できた面もあります。
もっと早く今の医師に出会っていればと後悔さえしています。
そうすればわたしの症状もここまでひどくはならなかったでしょう。


5.最後に

 すべての病気がそうだと思いますが、自律神経失調症も早期発見と治療が肝心です。
誰しもがどこか体を患っている部分を持っていると思いますが、それを精神面でカバー
することが出来なくなった時、早めに医師に相談することをお奨めします。

わたしのように生きている実感さえ湧かない苦しみを味わって欲しくないですから・・・

本ホームページについても、何かをしていないと自分自身がどうにかなってしまうのでは
ないかという焦燥感から、体調の良い時間の合間を見つけ作成したものです。

 しかしわたしもまだ28歳です。
これからの人生を楽しんでいくために、一日も早く回復できるよう頑張っていきたいと
思っています。

 また、会社の上司の方にはお見舞いに来ていただけるなどの配慮をいただき、
この場を借りてお礼を申し上げます。

励ましてくれた友人達にもお礼を言いたいと思います。

−−−−−

自律神経失調症になると、理由のない焦燥感(うつ状態)に襲われるようになります。
それを経験したことがある方は、以下のURLで自己診断チェックを行った方が
いいでしょう。
うつ病の自己診断法ですが、現在の自分の精神状態をチェックすることができます。

 
http://www.so-net.ne.jp/vivre/kokoro/depexm.html


(H12.8.9更新 のあ)