[トップページ][210.5 江戸の経済改革][519 環境保全]

■■■■■■■■■ JOG Wing ■ 国際派日本人の情報ファイル■

            世界を江戸化するバイオマス活用技術

                                                   伊勢雅臣
■転送歓迎■ No.1124 ■ H18.04.24 ■ 8,374部 ■■■■■■■

     江戸日本は、世界でも最先端の環境保護社会であった。

         さらに糞尿や煮炊きをした後の灰など、都市の廃棄物を
        農村の肥料にリサイクルするシステムを作り上げた。これ
        によって同時代のヨーロッパの都市などとは、比較になら
        ないほど、衛生的な都市生活が可能となった。

    JOG(024) 平和と環境保全のモデル社会:江戸
     鉄砲を捨てた日本人は鎖国の中で高度のリサイクル社会の建
    設に乗り出した。 

     環境との共生は、日本文化のDNAであろう。現在も、その
    ための技術開発がねばり強く進められている。

     横浜市磯子区にある大手造船会社の工場敷地。東京ガスと新
    エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が、アオサをはじ
    め海藻類からバイオガスを取り出すプラントの実証実験を行っ
    ている。

     アオサとは腐敗した海藻類で、たとえば愛知県蒲郡市の竹島
    では、平成14年にも厚さ30センチ、約16百トンものアオ
    サが大量発生し、観光資源でもある潮干狩りが打撃を受けた。

     この実証プラントでは、大量のアオサをドロドロ状態になる
    まで破砕。微生物に分解させて、そのさいに発生するメタンガ
    スを取り出すというものだ。海藻1トン当たりから2030立
    米のメタンガスを採取できるまでになった。この技術が完成す
    れば、16百トンのアオサをきれいになくして、そのうえ66
    軒の家庭の1年分のガスが手に入ることになる。

     このほか、糞尿や下水道から出る汚泥を乾燥処理して、石炭
    とほぼ同等のエネルギー効率を持つバイオソリッド燃料に加工
    する技術も実用化されつつある。日本で年間排出される屎尿汚
    泥は約32百万トン。これが価値あるエネルギー資源に変わる。

     アオサや糞尿、下水汚泥などの有機性資源を「バイオマス」
    と呼ぶが、これ以外にも、年間約19百万トン発生するといわ
    れる生ごみなどの食品廃棄物は約9割が焼却・埋め立て処理さ
    れている。また間伐材などの林地材約480万トンの約6割は
    未利用のままだ。

     こうしたバイオマスをすべてエネルギーに変換できると、原
    油換算で約35百万キロリットルに達するという。日本の原油
    消費量の約40日分を節約できる計算だ。

    (参考:産経新聞「資源小国の挑戦」、H180208)

     現代世界は、欧米の産業革命で発展してきた大量消費・大量
    廃棄型の文明を広めて、すでに地球環境の限界まで来ている。
    その中で、日本は他国に先駆けて、環境技術の開発に取り組み、
    すでに世界でもエネルギー効率に優れた産業構造を実現してい
    る。

     こうしたバイオマス活用技術を開発・普及させ、廃棄物のエ
    ネルギー化を進めて、世界を「江戸化」していく事が、日本の
    国際貢献となろう。 

© 平成18年 [伊勢雅臣]. All rights reserved.