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             「アイ・スタンド・バイ・ユー」

                                                   伊勢雅臣
■転送歓迎■ No.1184 ■ H18.09.11 ■ 8,534 部 ■■■■■■■

     2001(平成13)年9月11日に起こった米国中枢テロ事件か
    ら5年経つ。この年の4月に発足した小泉政権も、この9月で
    退陣する。

     テロ事件の後、小泉首相は早々と米国支持を表明。2週間後
    にはワシントンを訪れて、「アイ・スタンド・バイ・ユー(私
    はあなたの味方だ)」と励ました。

     2003(平成15)年3月のイラク戦争では「米国は『日本への
    攻撃を自国への攻撃と見なす』と言っているただ一つの国だ」
    と他国に先駆けて米国支持を表明。小泉首相の発言を知ったア
    ーミテージ米国務長官(当時)は、日本政府高官の一人にすぐ
    電話をかけて「うれしくて涙が出た。日米関係に長く携わって
    本当に良かった」と語った。

     戦後、最良と言われた日米関係は、このような小泉首相の態
    度によって作られた。

     しかし、小泉首相は米国に盲従していたのではない。ブッシュ
    大統領とのイラク戦争に関する電話会談などでは「国際協調は
    大切だ。できる限り各国のコンセンサスを得るべきだ」と首相
    はしきりに米国の一国主義にくぎを刺していた。ある政府高官
    は「他のP5(常任理事国)首脳でも米国大統領にあれだけズ
    ケズケとものを言う人はいない。言いにくいことを言うのも同
    盟国の信義だと考えているようだ」と打ち明けた。[2]

     次期首相候補・安倍晋三氏は、2003(平成15)年に官房副長
    官として首相と共に、米テキサスにあるブッシュ大統領の牧場
    を訪れた。その際に大統領が首相に言ったせりふが今も忘れら
    れないという。

         君を信頼できるのは、すべて自分の言葉で話をするから
        だ。首相の中には私の前で紙を読む人もいるんだぜ。

     自分の言葉で、ズケズケとものを言う人間であるからこそ、
    その米国支持の言葉も信じられる。米国一国では世界の保安官
    にはなれないし、また考え違いを起こす事もある。助けを欲し
    ている時に駆けつけ、間違いを犯そうとしていたら忠告してく
    れるのが真の友人である。こうあってこそ、互いに「アイ・ス
    タンド・バイ・ユー」と言い合える同盟国となる。

     今年6月29日夜、首相としての最後の訪米で、ホワイトハ
    ウスの公式晩餐会で、小泉首相はあいさつをこう結んだ。

         私は映画『真昼の決闘』で、正義のために一人で無法者
        に立ち向かう保安官ゲーリー・クーパーを米国と重ね合わ
        せることがある。しかし実は大きな違いがある。米国は一
        人ではない。常に同盟国、友好国がともにいる。そしてわ
        が国は米国とともにあります。

     出席者全員が立ち上がり、割れるような拍手がわき起こった。
    小泉首相をじっと見つめるブッシュ大統領の瞳はわずかに潤ん
    でいた。

■参考■
1. 産経新聞「『日本に戦費求めず』 米、イラク戦争開戦3カ月
   前に通告」、H18.08.30
2. 産経新聞「9・11 5年後の秋6 あの日、友好から同盟へ
   転換」、H18.09.10 

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