[トップページ][370 教育]

■■■■■■■■■ JOG Wing ■ 国際派日本人の情報ファイル■

           国土への愛情に溢れた戦前の地理教科書

                                                   伊勢雅臣
■転送歓迎■ No.1211 ■ H18.11.13 ■ 8,645 部 ■■■■■■■

     歴史教育問題の陰に隠れているが、地理も「暗記物」でしか
    ないというところに戦後教育の欠陥があると思う。

     昭和十八年に文部省から発行された『初等科地理』では、例
    えば、日本列島の形一つとっても、子供たちが国土への愛着を
    持てるよう、こんな記述になっている。

         北の千島列島、中央の本州、南の琉球列島が、それぞれ
        太平洋へ向かって弓なりに張り出しているぐあいは、日本
        列島全体をぐっと引きしめているようで、こうした形から、
        われわれは何かしら強い力がこもっているように感じます。
        どうみても、日本列島はへいぽんな形ではありません。ア
        ジヤ大陸の前面に立って、太平洋へ向かっておおしく進む
        すがたが想像されるとともに、また太平洋に対して大陸を
        守る役目をしているようにも考えられます。

     さらには、国防の重要性についても記述した以下の一節など
    は、現在でも通用する。

         台湾は、台湾海峡をへだてて支那に近いところにありま
        す。この海峡は、わが国から南洋やヨーロッパなどへ行く
        船の通る道として大切なところで、これを通ると南支那海
        で、この海に新南群島があります。これらの海や海峡は、
        日本列島中大きな島々の間にある海峡とともに、交通上ま
        た国防上、非常に大切であることに注意しなければなりま
        せん。

     朝鮮半島についても、こんな記述になっている。

         日本海と東支那海の関にある朗鮮半島は、満洲と地続き
        で、ちょうどわが本土と大陸との間にかけられた橋のよう
        に、昔からわが国と大陸とを結ぶ大切な通路になっていま
        す。従って、半島の南にある朝鮮海峡は、わが国と大陸と
        のれんらく上特に大切であります。

     国土への愛情を育てつつ、国防や近隣諸国との関係について
    学ばせる。領土問題について考えるにも、まずこのような内容
    が基礎となるはずだ。こうした視点を、ぜひ教育再生に生かし
    ていただきたいと願う。

■参考■
1. 「国土への愛情に溢れた戦前の地理教科書」、日本政策研究セ
   ンター『明日への選択』H18.7 

© 平成18年 [伊勢雅臣]. All rights reserved.