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          安倍外交に期待するアメリカと東南アジア

                                                   伊勢雅臣
■転送歓迎■ No.1220 ■ H18.12.04 ■ 8,698 部 ■■■■■■■


     産経新聞の古森義久記者は、『国際派日本人養成講座』でも
    何度か登場いただいているが[a,b]、日本では報道されない海
    外の論調の紹介をしていて、興味深い。

     最近では、安倍政権の登場に対して、日本が中国との均衡を
    果たすことを期待するアメリカや東南アジアの声を報道した。

         ブッシュ政権に近い大手シンクタンク「ヘリテージ財団」
        のエド・フュルナー会長はワシントン・タイムズ2日付に
        「より強い日本の軍事の利益」と題する寄稿論文を載せた。

         同論文は安倍首相が日本を国際舞台でより強く行動し、
        影響力をより大きくすると公約したと述べ、米国にとって
        も「東アジアという超重要な地域では単なる貿易相手だけ
        ではない防衛や外交の相手が必要となる」として、米側は
        日本を対英同盟と同じ「特別な関係」にすることが重要だ
        と強調した。・・・

         有力紙ワシントン・タイムズ3日付も「日本とその新指
        導者」と題する社説で、安倍政権下では日本はアジアで外
        交的、軍事的に前より大きな役割を果たすと予測する一方、
        その役割拡大は米国の対外活動にとって有意義だと明言し
        た。

         同社説は安倍氏の対米同盟堅持の姿勢を評価するととも
        に、憲法改正により米国の防衛努力への協力や国際平和維
        持活動への寄与を増すことに期待する、とも強調。安倍政
        権のこうした動きを「軍国主義の復活」と恐れる必要はな
        く、「日本はいまの世界でより大きな役割を果たす権利を
        獲得した」として、日本のこうした動きを非難する中国共
        産党が毛沢東主席の下で日本軍よりも多くの中国人を殺し
        たのだ、と指摘した。[1]

     安倍外交に「中国との均衡」を期待するのは、東南アジア諸
    国も同じだと、米国では分析されている。

         一方、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン米
        国版も10月上旬に東南アジアに詳しい評論家フィリップ
        ・ボウリング氏の「アジアは外向的な日本を歓迎する」と
        題する論文を掲載した。

         同論文は「安倍首相の登場に対し中国と南北朝鮮だけは
        『ナショナリズムの再興』などとして警戒しているが、他
        のアジア諸国は安倍氏が日本の戦後の制約を除去して、地
        域的、世界的により積極的な役割を果たす展望を歓迎して
        いる」と論評し、とくに「核武装した中国の力が増し、米
        国の覇権が侵食されるアジアの現況では日本はパワーの均
        衡をもたらす」として、日本の役割拡大を訴えた。

         同論文は歴史問題については「中国のプロパガンダと帝
        国主義の過去を忘れる西欧の傾向に気をつけるべきだ」と
        して、インドネシアのスカルノやミャンマーのアウン・サ
        ンなどアジアの民族主義のヒーローはみな日本軍と協力し
        たのだ、と強調した。・・・

         ワシントンの専門家の多くはさらにインドネシアのユウォ
        ノ・スダルソノ国防相がロイター通信との会見で安倍政権
        について(1)東アジアの安全保障でのより積極的な役割
        を中国との均衡という点で歓迎する(2)日本の防衛庁を
        防衛省に昇格させ、「普通の国」となることを望む(3)
        米国との同盟関係を保ちながらも自主防衛能力を高める日
        本を望む−などと述べたことを重視し、東南アジアによる
        安倍政権の安保面での動きの歓迎とみている。[2]

     米国も東南アジア諸国も、中国の軍拡に脅威を感じ、日本に
    外交でも防衛においても、その均衡役を果たすことを期待して
    いるのである。

     中国べったりのマスコミからは、こういう現実はなかなか見
    えてこない。

■リンク■
a. JOG(346) 国連幻想 
   国連の実態は各国のエゴのぶつかりあいの場である。 
b. JOG(411) 朝日の「ゆがみ」
   〜 「ネコなで言葉」と「イヌの吠え言葉」
   朝日新聞の度重なる不祥事の根底には、「体質的・構造的問題」
   がある。 
   
■参考■
1. 産経新聞「積極果敢な外交姿勢『米の利益』に 米、安倍首相
   歓迎の論調」、H18.10.06、大阪朝刊、6頁 
2. 産経新聞「米分析、アジア諸国の本音 中国との均衡、安倍首
   相に期待」、H18.10.19、東京朝刊  

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