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■■ Japan On the Globe(523)■ 国際派日本人養成講座 ■■■■

     The Globe Now: シルクロードに降り注ぐ「死の灰」
    
                 中国に植民地支配されたウイグル人の土地に、
                核実験の死の灰が降り注ぐ。
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■1.『シルクロードの死神』■

     ある日本人青年がシルクロードを一人で旅をしていた時のこ
    と、こんな体験をした。

         ローカルバスに乗って南新彊をめざしていたところ、突
        然昼間なのにピカッと光るものを感じた。その後、バスの
        中を見渡すと同乗者たちが皆、鼻血を流している。その光
        景は滑稽にさえ思えた。そころが、鼻に手を当てると自分
        も同じように血が出ているのに気がついた。バスの中は騒
        然となった。あの時、私は被爆したのかも知れない。

     新彊ウイグル自治区の南部に広がるタクラマカン砂漠には、
    中国の核実験基地がある。その風下に位置する西側の村々では、
    直接、放射性物質が降り注ぐ。

     大脳未発達の赤ちゃんが数多く生まれ、奇病が流行し、ガン
    の発生率は中国の他の地域に比べて極めて高い。その9割が血
    液のガン、白血病である。中国政府の圧力のために、こうした
    事実は公にされず、貧しい患者たちは薬も買えずに死を待つ。

     こうした状況を報道したドキュメンタリー "Death on the
    Silk Road" 『シルクロードの死神』が1998年7、8月、イギ
    リスのテレビ局で放映され、衝撃を与えた。この番組は、その
    後、フランス、ドイツ、オランダなど欧州諸国をはじめ、世界
    83カ国で放送され、翌年、優れた報道映像作品に送られるロ
    ーリー・ペック賞を受賞した。

     弊誌で調べた範囲では、この83もの国々の中に、なぜか我
    が国は含まれていないようだ。

■2.ウイグル人医師の苦難■

     このドキュメンタリー番組の制作に協力したウイグル人医師
    アニワル・トフティのこれまでの人生が、中国に植民地支配さ
    れているウイグル人たちの苦難をよく物語っている。

     アニワルは難度の高い手術を行い、国際学会にも幾たびか出
    席するような優れた外科医だった。しかし中国内の民族差別に
    耐えかねて、同じテュルク系民族の国で働きたいと、語学留学
    を理由にトルコに渡った。そこで英国のテレビ記者に誘われて、
    ドキュメンタリー制作に協力したのだった。

     中国の核実験による後遺症を世界に告発した「罪」で、「新
    彊分裂主義分子」のレッテルを貼られたお尋ね者となり、「中
    国に入境すれば禁固20年は免れない」という。家庭は崩壊し、
    中国に残してきた二人の子供も出国は許されず、祖父母に養育
    して貰っている。

     今はイギリスで、大勢のウイグル人亡命者とともに暮らす。
    ここでは中国の医師免許は認められないので、外科医として働
    くこともできない。慣れない生活と苦しい暮らし向きにもかか
    わらず、彼は「決して後悔していない」と語る。

■3.「豚は彼らの先祖だから喰わないんだ」■
    
     アニワルは1963年シルクロードの東端コムルに生まれ、鉄道
    局の学校に勤務する父の転属で新彊の中北部に位置するウルム
    チに引っ越し、そこで育った。当時、鉄道局に雇われているウ
    イグル人はほとんどおらず、同局の運営する幼稚園や小中学校
    で、アニワルは漢人に囲まれて育った。当時は、子供どうしで
    一緒に遊んでいた。

     だが、子供心に傷ついたのは、漢人の大人から蔑まれること
    だった。小学校2年の時、同級生に家に遊びに行った。食卓に
    はご馳走が並んでいて、一緒に食べようと誘われたとき、「豚
    肉以外のものなら」と言うと、同級生は不思議そうに「どうし
    て豚肉を食べないの?」と聞いた。

    「イスラム教の教えでね」と答えようとするアニワルを遮って、
    その同級生の父が言った。「豚は彼らの先祖だから喰わないん
    だ。」 漢人は自らの先祖を龍だとする。動物を先祖と考える
    のは、漢人の独特の民族伝統だろうが、その思考を他民族にも
    適用してウイグル人の先祖を豚とする。いかにも漢人らしい差
    別である。

     アニワルは心底傷ついたが、それをバネに「漢人に負けるも
    のか。僕は劣等民族じゃない」と、猛勉強するようになった。
    
■4.1949年、中国共産党の軍隊が占領■

     ウイグル民族が漢人の支配に屈したのは、わずか60年前、
    第2次大戦後のことだった。現在、独立運動の指導者であるラ
    ビィア・カーデル女史は、当時のことをこう回想している。

         当時、アルタイ(JOG注:新彊北部、モンゴル国境近くの
        町)ではロシア人は多かったのですが、漢族を見かけるこ
        とは極々稀で、たまに漢族がいたら「ヒタイ(中国人)だ」
        と噂になったものです。山岳地方に住むカザフ族と、麓に
        住むウイグル族との関係は良好で、互いに密な往来をして
        いました。

         アルタイのウイグルの家々は豊かで、私の家など他家に
        比べたら、豊かとは言えない部類でした。庭には犬を飼い、
        美しい木々や香りのよい花々が何種類も植えられ、裏の山
        からは鳥が飛んできて囀(さえず)っていました。しかし、
        そんなアルタイの風景が一変したのは、この地が中華人民
        共和国の統治下に入ったときからです。

         1949年、中国共産党の軍隊が「東トルキスタン」を占領
        し、ウイグル族、カザフ族を問わず、お金持ちの家の人々
        を逮捕しました。逮捕者は着の身着のまま大きなトラック
        に乗せられ、タリムの砂漠にある労働改造農場や、監獄へ
        送られていきました。[1,p18]

     カーデル女史の家も、1962年の再調査で「資本家」のレッテ
    ルを貼られ、家も土地も店もすべて没収された。父親は山に逃
    亡し、残された母とカーデル女史と幼い弟妹たちは、トラック
    でタクラマカン砂漠に連れて行かれ、そこで置き去りにされた
    という。

     こうして、ウイグル人は独立を失い、漢人に植民地支配され
    ることになった。
    
■5.職場での民族差別の壁■

     1991年にアニワルは鉄道局付属病院の医師となったが、そこ
    でも民族差別の壁に何度も突き当たった。

     ある日、外科のオフィスに一人の看護婦がやってきて、治療
    に関する質問をした。部屋にいた7人の漢人の医者が答えられ
    ないので、アニワルが教えてやると、その看護婦は「あら、
    『吃羊脳子的』(いつも羊肉ばかり食べている者の脳)にして
    は、このひと意外に賢いじゃない」と言った。アニワルは「豚
    の脳味噌と羊の脳味噌はどっちが賢いと思う」と怒った。

     勤務先の病院では、漢人の医師には2LDKの部屋を一律に
    割り当てていたが、アニワルは夫婦と子供一人で1LDKの部
    屋しか貰えず、毎年同僚と同じ2LDKの部屋を要望したが、
    「住宅割当会議の時に不在だった」などの理由で拒否され続け
    た。「もうこんな不平等な国には居たくない」との思いが募っ
    た。

     アニワルの父は、中国では共産党員でなければ、安定した生
    活も出世も富も望めないと知っていたので、息子に入党を勧め
    た。入党の申請をすると「次の党支部拡大会議に招聘するから、
    その時、入党の決意を語るように」と命ぜられた。しかし、当
    日、緊急の手術が入って、会議に行けなかった。

     党委員がやってきて「党が大切なのか、おまえ自身の用事が
    大切なのか。次回は絶対に参加するように」と厳しい口調で言っ
    た。しかし、その次回も重態患者の緊急手術が入った。会議の
    事が頭をかすめたが、アニワルは医師として人の命を救う方を
    優先した。党委員は「入党申請書」を突き返してきた。
    
■6.あなたがた漢人は「偉大なる」民族だ■

     ある時、ウルムチでバス爆破事故が発生し、多数の死傷者が
    出た。東トルキスタンの独立を目指す組織が犯行声明を出した。
    百人を超える医師と看護婦が現場で負傷者の手当に当たった。
    アニワルもその一人だった。

     その時、ある漢人の医師が腹立たしげに叫んだ。「はやくウ
    イグル人は我々と同化すべきだ。そうすればこのような事件は
    起こらない!」 すべての人の視線がその場にいたただ一人の
    ウイグル人、アニワルに注がれた。アニワルは言い返した。

         確かに、、、あなたがた漢人は「偉大なる」民族だ。
        「日本鬼子」(漢族の日本人への蔑称)が中国を侵略した
        とき、あなた達は8年の抗戦を経て勝利した。我々ウイグ
        ル人もいつの日か、それに倣うだろう。

     その場の空気が一瞬にして凍りついた。

     96年にアニワルは主任医師(管理職)になるための試験を受
    けた。理論、技術などすべての科目は合格したが、外国語だけ
    は合格点に達しなかった。中国語もウイグル語も外国語とは認
    められず、もう一つの外国語で受験しなければならなかったか
    らだ。そこで外国語習得のための留学を目指した。しかしそれ
    は口実で、本音はウイグル人と同じテュルク系民族の国に渡り、
    医者を続ける道を探りたかったのだ。

     そこでトルコに渡り、3ヶ月の語学研修を受けた。トルコ語
    は同じテュルク系の言葉なので、3ヶ月ほどで日常会話は支障
    なく話せるようになった。次に、中国では学べない外科知識を
    学ぼうと、医科大学院の受け入れ先を探し始めた。
    
■7.核実験被害の潜入取材■

     そこに、ウイグル人の知人が「英国のテレビ局の記者がウイ
    グル人医師を捜している」という話を持ち込んできた。英人記
    者に会ってみると「新彊に観光客を装って潜入取材し、核実験
    被害の実態をルポしたい。ガイド兼通訳と偽って、あなたも一
    緒に行ってくれないか」と懇願された。

     アニワルは鉄道病院にいた時、鉄道局の健康調査データから、
    ウイグル人も新彊の地に長くいる漢人も、悪性腫瘍の発生率が
    他の地域に比べて35パーセントも高い、という分析をして、
    核実験被害に関する懸念を抱いていた。

     アニワルは「協力しましょう」と答えたが、もし潜入取材中
    に見つかったら、と思うと、「逮捕」「投獄」「拷問」「禁固
    20年」などの言葉が頭の中をよぎり、体にガタガタと震えが
    来た。

     98年7月に、アニワルを含む6人の取材チームは新彊に入っ
    た。チームの中でアニワルはツーリストガイドを装っていた。
    車を借りて交替で運転し、可能な限り裏道を走って、核実験基
    地のある「ロプノール」近辺の村々を回った。

■8.「お母さん、もう死にたい」■

     農民たちは「基地では、漢人の住む方向に向かって、つまり
    西から東に風が吹く時は核実験をしない。西に吹いた時に行っ
    ていた」と憤る。

     基地の西方面では、直接、放射能物質が降り注ぐ。ある村で
    は、生まれてくる赤ちゃんの8割が口唇口蓋裂(上唇や上顎が
    割れている症状)だった。別の村では、内臓異常のため腹や喉
    など身体の一部が肥大化して瘤を持った者がたくさんいた。ま
    た先天性異常で大脳未発達のため、歩けず話せない障害児ばか
    り生まれてくる村もあった。

     それでも村人たちは、貧困のために転居もできず、汚染され
    た水を飲み、「死の灰」の降った土壌を耕して生きていかねば
    ならない。

     ドキュメンタリー『シルクロードの死神』には、奇病に冒さ
    れた17歳のウイグル人少女が登場する。生まれた時には問題
    はなかったが、成長するにつれて骨が自然に折れて変形する間
    接異常を患っている。踵(かかと)の骨が飛び出て、その痛さ
    に泣き続ける。「痛い。私の足を切って。お母さん、もう死に
    たい。」 「死を待つしかない子供たちに、親は『これは神様
    の定めた運命なのだ』と説明するしかない」とナレーションが
    入る。

     一行は文献資料収集も行った。アニワルが大学や病院、図書
    館の資料を借り出し、英人記者たちが夜な夜な、ホテルでフィ
    ルム撮影を行う。収集した1966年からのデータで、核実験の開
    始と共にガンの発生率が年々上昇している事が分かった。

     取材を終えると、アニワルは逮捕を恐れて、ウルムチに住む
    家族に電話すらせずに、トルコに戻った。放映された番組は大
    きな反響を呼んだ。

     ようやく外科医の仕事を見つけ、これからは生活も安定する
    と思っていた矢先に、「中国とトルコが貿易関係の強化を図る
    ので、政治亡命者は身の安全を考えた方がよい」とトルコ駐在
    の台湾人記者が警告してくれた。

     せっかく見つけた外科医の仕事もなげうって、イギリス大使
    館に駆け込んだ。大使館員は、アニワルが『シルクロードの死
    神』の制作に協力したと知ると、即座にビザを発給してくれた。
    
■9.「広島の経験を新彊で活かすことができれば」■

     今はイギリスで同様に政治亡命してきた大勢のウイグル人と
    ともに狭い家で暮らすアニワルは、新彊での核実験被害につい
    て「医者としてやりきれない」と頭を抱えながら、こう語った。

         中国では被曝者が団体を作ることも抗議デモをすること
        も許されないし、国家から治療費も出ない。中国政府は
        「核汚染はない」と公言し、被害状況を隠蔽しているので、
        海外の医療支援団体は調査にも入れない。医者は病状から
        「放射能の影響」としか考えられなくとも、カルテには原
        爆症とは記載できない。学者は大気や水質の汚染調査を行
        うことを認めて貰えないから、何が起きているのか告発す
        ることもできない。このように新彊では、原爆症患者が
        30年間放置されたままなのだ。

     さらにアニワルは、日本人に向けて、こう語った。

         被爆国日本の皆さんに、特に、この悲惨な新彊の現実を
        知って欲しい。核実験のたび、日本政府は公式に非難声明
        を出してくれた。それは新彊の民にとって、本当に頼もし
        かった。日本から智恵を頂き、広島の経験を新彊で活かす
        ことができればといつも私は考えているけれども、共産党
        政権という厚い壁がある。[1,p141]
                                         (文責:伊勢雅臣)

■リンク■
a. JOG(186) 貧者の一燈、核兵器〜中国軍拡小史
    9回の対外戦争と数次の国内動乱を乗り越えて、核大国を目
   指してきた中国の国家的執念。
b. JOG(123) チベット・ホロコースト50年(上)〜アデの悲しみ
    平穏な生活を送っていたチベット国民に、突如、中共軍が侵
   略を始めた
c. JOG(124) チベット・ホロコースト50年(下)
   〜ダライ・ラマ法王の祈り〜
    アデは27年間、収容所に入れられ、故郷の文化も自然も収
   奪された

■参考■(お勧め度、★★★★:必読〜★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1. 水谷尚子『中国を追われたウイグル人 −亡命者が語る政治弾圧』
   ★★★、文春新書、H19

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ おたより _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
■「シルクロードに降り注ぐ『死の灰』」に寄せられたおたより

                                         「いまい」さんより
     新彊ウイグル自治区、というよりも東トルキスタンがどのよ
    うな状況なのかについては、数年前から関心を持ってみていま
    した。

     Death on the Silk Road は日本では公開されていませんが、
    インターネット上で公開されています。画像の質はよくありま
    せんが、どのようなことが行われたかはしっかり理解できます。

     このメールマガジンの配信と同じ日に、NHKがウイグルの
    映像を流したのは偶然でしょうか?「変わる西部国境 新疆ウ
    イグル自治区は今」というものでしたが、政府の弾圧がいかに
    ひどいのかなどと言うことは全く報道されませんでした。この
    問題に関しては、日本はまだまだ情報不足だと感じました。

     ラビィア・カーデルさんが現在来日しています。インターネッ
    トで彼女の活動が伝わってきています。一人でも多くの日本人
    がこの問題について関心を持ち、中国の行ってきたことについ
    て正しい知識を得て、これからの国交について考え直してほし
    いと思っています

                                             spinelさんより
     中国の少数民族問題といえばチベットが真っ先にあがります
    が、今回取り上げてくださったように、新疆ウイグルも過酷な
    弾圧が加えられています。

     核実験による健康被害も深刻ですが、それ以外にも多くの弾
    圧が加えられています。弾圧の犠牲者の数も相当数に上ります
    が、そのような何人死んだという分かりやすい問題よりも、文
    化的な同化政策は目に見えない分もっと恐ろしいのではないか
    と思わされます。今現地の学校では漢語による教育が行われ、
    宗教行事にも制限があります。独自に培ってきた歴史、文化、
    言語が奪われつつあります。

     日本ではあまり報道されないため今回の水谷さんの書籍は貴
    重なものですが、ウイグル問題を広めるにはネットによるとこ
    ろが大きいと思っています。
 
    「世界ウイグル会議」の日本語ページ        
    「東トルキスタンに平和と自由を」
        
 
     他にも個人のブログなどもありますが、日本語で書かれてい
    るサイトで比較的まとまっているのはこの程度しかないと思わ
    れます。

■ 編集長・伊勢雅臣より

     ウイグル問題でも、中国に不利な情報は流さないという日本
    のマスコミの偏向報道ぶりがよく現れていますね。


■「ウィグル民族の悲劇は対岸の火事ではない」
                                       岩手の頑固爺さんより

     今回の記事をみてウィグル民族の受難を改めて思った。

     私は一昨年の秋、ウィグル自治区(旧東トルキスタン)を民
    泊して個人旅行した。中国化とは本当に酷いことだと知った。

     まずは環境汚染のひどさ、北京よりはましかも知れないが旧
    首都ウルムチ空港一帯は黒煙と異様な臭気で覆われ目や鼻がお
    かしくなるほどであった。河川は至る所ゴミだらけだった。

     トルファンに向かう長距離バスでは我物顔の漢人たちがビジ
    ネスだろうか大声で携帯電話をかけまくっていたが周りのウィ
    グル人たちはじっと我慢していた。

     バスの窓からは砂漠の至る所に石油掘削機や発電用風車が林
    立していた。これらの資源の大半が上海などに送られているが
    現地経済には何の恩恵も無い。

     現地の人々の暮らしは貧しいが、どことなく日本人と同じ顔
    立ちで純朴で穏やで好感が持てた。その親日的な人々は完全に
    漢人の圧政化におかれ、観光施設、銀行、郵便局、役所など管
    理的な仕事はすべて漢人が占め、公用語は北京語である。学校
    では幼児から中国化教育が行われている。街では武装兵士を満
    載したトラックがひっきりなしに巡回し、TVには毎日四六時
    中抗日戦争ドラマが写され、反日を煽っている。

     ウィグル人には子供をつくらせず代わりに本土から漢人をど
    んどん入植させている。さらに最近ではウィグルの結婚適齢期
    の女性達40万人を中国本土へ強制移住させる計画という。ま
    さに悪魔の所業としか言い様がない。日本人観光客たちは彼ら
    の苦しみや鬱積する社会的不満やストレスにはまったく気付か
    ない。

     観光客よりもさらに鈍感なのが日本の政治家やマスコミであ
    る。かく言う私の住む岩手出身の民主党党首小沢一郎は情けな
    くも媚中外交を福田首相と競いあっている。こうした対中宥和
    政策がどれほど中国周辺の少数民族のみならず中国国内の良識
    ある人々を失望させているのかに気付こうとしない。ウィグル、
    チベットに続き台湾の独立も風前の灯である。

     このままでは中国化の恐怖はやがて日本をも襲うことになる。
    さらに地球規模の環境汚染の垂れ流しなど世界人類へのチャイ
    ナリスクがある。これらの進行を止めるには今の共産党独裁政
    治が崩壊するしか解決策は無いのだが、それを遅らせているの
    が誤った歴史認識で贖罪意識を植え付けられた愚かな日本人達
    に他ならない。伊勢さんにはこれからもどんどん啓蒙的な記事
    を期待します。

■ 編集長・伊勢雅臣より

     中国共産党の独裁政治は、周辺民族とともに、漢民族自体も
    虐げています。

 

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