[トップページ][311 共同体]

■■■■■■■■■ JOG Wing ■ 国際派日本人の情報ファイル■

          パトリ・パトリオット・パトリオティズム

                                                   伊勢雅臣
■転送歓迎■ No.1298 ■ H19.06.11 ■ 8,795 部 ■■■■■■■

     「国際派日本人養成講座」の創刊500号を記念して「あな
    たは自分の言葉で日本を語れますか?」と題した講演録を掲載
    した。[a]

     その中で、母国を故郷にたとえて論じている部分があるが、
    このふたつは、もともとつながりのある言葉である。

     京都大学教授・佐伯啓思氏は、産経新聞4月10日の「正論」
    欄で次のように述べている。[1]

         祖先伝来の土地を、ローマ起源の言葉で「パトリ」とい
        う。「パトリ」を大事にするものが「パトリオット(愛国
        者)」である。「愛国心(パトリオティズム)」とは、ま
        ずは自分の住んでいる場所への愛着から始まる。かつては、
        祖先伝来の場所と景観を守ることは貴族の義務であった。
        「民主主義とは万人による貴族政である」と西田幾多郎は
        述べたそうであるが、もしそうなら、今日、それぞれ自分
        の住む場所を守り、誇りをもち、責任をもつということこ
        そが、人々の義務ということになろう。

    「愛国心」というと「軍国主義」に結びつけたがる輩がいるが、
    「パトリオティズム」とは、郷土愛であり、祖国愛である。そ
    して、それは具体的な故郷や国土への「愛着」である。

     そしてその郷土愛、祖国愛は「祖先伝来」の場所を「守り、
    誇りをもち、責任をもつということ」につながる。そういう人
    びとによって幸福な共同体が形成され、またその共同体のため
    に尽くす人々に生き甲斐を与える。真の民主主義は、こういう
    「パトリ」に住む「パトリオット」が生み出すものだろう。

     土地の所有を否定し、住民から「パトリ」をとりあげると、
    残るのは、イデオロギー的な「愛国教育」で扇動される根無し
    草の「人民」でしかない。今日の中華「人民」共和国や朝鮮民
    主主義「人民」共和国はその代表例だろう。

■リンク■
a. JOG(500) あなたは自分の言葉で日本を語れますか?(上)
   海外で暮らすには、心の中で自分を支えてくれる母国が必要だ。 

■参考■
1. 佐伯啓思「資本・労働・土地の市場化の意味」、産経新聞【正論】
   2007.04.10 

© 平成19年 [伊勢雅臣]. All rights reserved.