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           国連での北朝鮮非難決議案3年連続採択
            〜 日本政府のねばり強い努力実る

                                                   伊勢雅臣
■転送歓迎■ No.1370 ■ H19.11.26 ■ 9,330 部 ■■■■■■■


     国連総会第3委員会(人権)は11月20日、北朝鮮による
    拉致を非難した決議案を3年連続で採択した。決議案は12月
    に総会本会議に上程され、本会議でも採択される見通しだとい
    う。決議案の中には、以下のような厳しい文面もある。

         強制的失踪(しっそう)という形の外国人拉致に関する
        国際社会の懸案事項が未解決であることに対する非常に深
        刻な懸念を改めて表明する。これらの諸問題は、他の主権
        国家の国民の人権を侵害している。これに関し、北朝鮮政
        府に拉致被害者の即時帰国の保証など、既存のルート活用
        を含んだ透明性を確保した形での早急な解決を強く求める。

     アメリカ政府の対北融和姿勢への転換など逆風の中であった
    が、本決議案への賛否は賛成97、反対23、棄権60と、賛
    成票が昨年よりも6票増えた。これは日本政府が拉致問題に関
    して各国に精力的に説明した成果である。その努力を産経新聞
    は、こう報じている。

         日本政府は「賛成票が減るかもしれない」との危惧(き
        ぐ)から、各国での働きかけのほか、ニューヨークでは個
        別に加盟国の大使を訪問。北朝鮮に残された日本人の情報
        が全然ないことや、横田めぐみさんのものと北朝鮮が提出
        した遺骨が偽ものだったことなどを説明した。

         高須幸雄国連大使は「『そこまで知らなかった』という
        反応が多く、(拉致問題が)全然進んでいないことへの理
        解が国連内で広まったのでは」と、逆風下での賛成票上積
        みを分析。総会決議に拘束力はないとはいえ、「国際社会
        の声は大きなインパクトを持つ」と意義を強調した。[1]

     一方、この件に関して、筆者は次のような2点の感想を持っ
    た。

     第1は、韓国は、6カ国協議の進展を踏まえて、拉致問題で
    北朝鮮の名指しを避けることを含む修正案を提示。これを日本
    や米国、欧州連合(EU)は「本質にかかわる」と拒否したた
    め、韓国は対北朝鮮決議では棄権に転じた。また中国、ロシア
    は決議に反対している。わが国はこうした国々に取り囲まれて
    いるのである。

     第2は、国連の3年連続決議にも関わらず、北朝鮮は一向に
    態度を改める気配すらない。北朝鮮代表は「決議案には邪悪な
    政治目的が込められている。断固として拒否する」と昨年同様
    の主張を行ったそうだ。国連とは町内会のようなものであり、
    町内の暴れん坊を取り締まるだけの実力はない。その暴れん坊
    がわが国に刃を向けたら、町内会で守ってくれるはずもない。
    拉致非難に反対票を投ずる中露が、役員に並んでいるのだから。

     拉致問題は、こうした過酷な国際政治の現実を垣間見させて
    くれている。真剣にこの問題に向き合うことが、日本人の健全
    な国際政治・外交感覚を取り戻すためにも不可欠である。

■参考■
1. 産経新聞、H19.11.22、「『北』非難決議案 3年連続採択 国
   連総会第3委 拉致解決へ国際的圧力」、東京朝刊、7頁
 

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