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                   現代に蘇る寺子屋教育

                                                   伊勢雅臣
■転送歓迎■ No.1436 ■ H20.05.05 ■ 9,769 部 ■■■■■■■


     国際派日本人養成講座・今週号では、江戸時代の「寺子屋」
    をモデルに、子供を対象にして『論語』などの素読と習字を組
    み合わせた塾を開いている岩越豊雄さんの著書を紹介したが[a]、
    同様の取り組みが各地でなされている。その一つが、産経新聞
    で紹介されている。[1]

    「勉強忍耐は才力智徳の種子(しゅし)なり」などと、難しい
    言葉を幼稚園児がすらすら覚える。日露戦争で旅順を攻略した
    明治の陸軍大将、乃木希典(のぎまれすけ)の言葉で、「耐え
    て勉強することが才能、知識、道徳を伸ばす基になる」という
    意味である。

     福岡県久留米市の水天宮保育園での光景だ。保育士の井上里
    恵さん(29)はこう語る。

         子供たちは難しい言葉でもすぐに覚えます。ただ『がま
        んしなさい』と言うより、偉人の言葉で伝えるとよくわかっ
        てくれます。

     さらに驚くべきは、ほとんどの園児が30分間、背筋をピン
    と伸ばして、講師の話を聞き入っている姿だ。水天宮保育園が
    昨年4月からカリキュラムに取り入れた、偉人伝を語り聞かせ
    る寺子屋授業の効果である。講師は福岡市にある社員6人の企
    業「寺子屋モデル」[b]から派遣されている。

     西郷隆盛の少年時代をとりあげた授業では、西郷の評判に嫉
    妬(しっと)した少年たちが、大勢で待ち伏せして西郷を襲う
    が、西郷は一人で戦い、腕にけがを負いながらも勝つ、という
    逸話を身ぶり手ぶりで語り、子供たちの目はくぎ付けになる。

     そして偉人伝授業の最後は取り上げた人物の言葉を暗唱させ
    る。西郷伝では「幾たびか辛酸を経て志始めて堅し 丈夫玉砕
    するも甎全(せんぜん)を恥ず(立派な人は玉と砕け散っても
    何も為さないことを恥じる)」。

    「勉強忍耐は才力智徳の種子なり」「幾たびか辛酸を経て志始
    めて堅し」などという言葉を暗唱した子供は、背筋の伸びた日
    本人に成長するだろう。それは本人の生き甲斐ある人生につな
    がるだろうし、また国を興す基でもある。

■リンク■
a. JOG(546) 『論語』が深めた日本の国柄
   〜 岩越豊雄著『子供と声を出して読みたい「論語」百章』
  『論語』の説く「まごころからの思いやり」は、我が国の国柄を深めてきた。 
b. 株式会社 寺子屋モデル
■参考■
1. 産経新聞、H19.11.15「【やばいぞ日本 第4部 忘れてしまっ
たもの】(9)「勉強忍耐」乃木大将に学ぶ」、大阪朝刊、1頁
 

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