GT用TVチューナー

ジャンル:ハードウェア
媒体:周辺機器
発売元:NECホームエレクトロニクス
発売:1990年12月1日
価格:14800円
商品番号:PI-AD11


外見◆「GT」でTVが見れるぞ!

 「PCエンジンGT」は任天堂のゲームボーイ・セガのゲームギアに対抗して送り出された携帯ゲーム機。詳しい話は「PCエンジンGT」の項目で読んでいただくとして、NEC−HEとしては「GT」を便利な高級携帯マシン(実際に価格が高かった)売り込むために発売と同時にGT専用のオプション商品をあれこれと発売している。その一つがこの「GT用TVチューナー」で、GTでTVの視聴を可能にする機器である。

 「GT」の液晶画面は、今から見れば小さくて見づらいものだが、当時としてはそれなりに高画質のカラー表示が可能だった(だから価格に響いたんだが)。これならTVも十分に見れるはず!ということでこのオプションが発売されることになったんじゃないかと。
 もっとも同時期に同じくカラー携帯ゲーム機であるゲームギアを発売したセガも考えることは同じだったようで、ゲームギアも発売直後に「TVチューナーパック」というオプション商品を発売している。

 さてこのGT用TVチューナーだが、GT本体への接続はちょっと妙。GT側にある接続端子に差し込むのは分かるのだが、それだけでは固定できず、そのそばに開いているネジ穴にチューナーからネジ部分を差し入れ、、くるくるとネジをまわして固定するという、最新電気機器にしてはずいぶんレトロなやりかたをしているのだ。

接続状態 しかもGTと接続した姿がかなりのもの(左図)。GTの肩にチョコンと斜め(GTの形状からどうしても斜めになる)にくっついた、まるで親ガメ子ガメというかコバンザメ状態というか、どう見てもスッキリしない装着状態である。最初からTVチューナー装着を想定していた割にはかなりムリヤリな設計で、大きいGT本体を両手に抱えるだけでも大変なのに、そこへアンバランスなチューナーがくっつき、さらに長いアンテナを伸ばさなきゃならない。この状態でTVを見るのってかなり気合がいると思うぞ(笑)。

 使用の仕方は装着の上でHuCARDをささずに電源を入れるだけ。VHFとUHFが受信可能で、受信チャンネルはチューナー側でスライド式で調整する。当時のことだから、この小さい画面で屋外でTV視聴が可能というのは、それだけで「ハイテクマシン」を使っているような感覚はあっただろう。もっともGTは一年もしないうちに消滅状態になってしまうので実際にTV視聴に使ってた人なんてほんのわずかだろうけど。

 その失敗にも懲りず(?)、NEC−HEはこの後も「PCエンジンLT」や「DUOモニター」といった携帯・屋外向け機器にTVチューナーを内蔵させ、PCエンジンとTVを合体させた商品を展開していくのだった。


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