RFユニット     
ジャンル:ハードウェア
媒体:周辺機器
発売元:NECホームエレクトロニクス
発売:1989年11月22日
価格:4980円
商品番号:PI-AN3


外見◆その昔、TVにはAV端子はついてなかった

 現在、TVには黄、赤、白のAV入力端子が必ずどこかについている。しかも複数装備されているものがザラにあるぐらいだ。ビデオやゲーム、DVDなど多くの映像機器がこの端子を使って信号を伝達する。色分けがなされていることから誰もほとんど迷わず接続することが出来る。
 しかし、僕ぐらいから上の世代はよく覚えているはず。AV入力端子なんてものが標準装備で登場してきたのはファミコン全盛時代以後のことなのだ(ビデオ普及が一気に進んでいく時期とも重なる)。ファミコンもビデオもRF出力といってTVと同様のアンテナ線を使って信号を送り、TVの1チャンネルか2チャンネル(空いているチャンネル)に映していたのだ。実はPCエンジンも87年発売の初代白PCではファミコンと同様のつくりになっていて、AV出力なんぞは標準装備になっていなかった。まだ80年代末当時はAV入力端子を持たないTVが多かったのだ。一応「AVブースター」というRF出力をAV出力に変換する周辺機器が直後に発売されているが、PCエンジン本体にAV出力が標準装備されるのは89年年末の「シャトル」や「コアグラ」の登場を待たなくてはならない。そういえばファミコンも93年なんて時期にAV出力標準装備のニューファミコンになるんだよな。

 さて、この「RFユニット」は今の話に出てきた「AVブースター」と逆のコンセプトの商品。前述のように89年年末にPCエンジンはAV出力標準装備の本体が売り出されるようになったが、まだまだ世間にはAV入力端子を持たないTVが多かった。そんなTVを持つ人への救済策として出されたのがこのハード。つまりAV出力をRF出力に変換する機器なのである。この手の細かい周辺機器って中小のゲーム機器メーカーが製造・販売しているものだが、主宰ハードメーカー自らこんな商品を製造・販売してしまうあたりが家電メーカー出であるNEC-HEらしいところ。

 ついでに個人的な関連ばなしを。
 我が家にPCエンジンが導入されたとき(93年秋)、僕の部屋にはAV端子を持たないお古のTVしかなかった(70年代製造のソニー製である!)。最初に買ったPCエンジンハードは「DUO-R」であったため当然AV出力。買ってみてからさてどうしたものか、と考えた。当時はRFユニットなんてものの存在は知らなかったしな。そこで結局TVとビデオをアンテナ線でつなぎ、ビデオのAV端子にDUO-RからのAVケーブルを差し込んだ。つまり、PCエンジンを遊ぶときはビデオの電源も入れて外部入力にし、ビデオからTVの2チャンネルにその映像を映すというかなーり面倒なことをしていたのである(笑)。TVの映りがさすがに調子の悪いこともあり、画像が斜めになったり歪んだりしてくれることもあったが、それで「太平記」とか「天外魔境ZIRIA」とか楽しんでいたのである。それでPCエンジン世界にハマっていったんだよなぁ…。


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