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投稿時間:2002/07/15(Mon) 17:07
投稿者名:よしお
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ロボット工学第零次原則の発生時期について
わたしは、ロボット工学第零次原則発生の過程を描いた「ロボットと帝国」に大変感動しました。
その後webなどで同書の感想文を読んでいるうちに、ふと疑問が浮かびました。それは、第零次原則は完成したのだろうか?ということです。

人によっては、第零次原則が完成したのは、ソラリス人のファロムとR・ダニールの融合が行われてからと解釈する意見がありました。それまでは未完成だったということになります。

しかし、ここで思うのは、第零次原則が完成したことと、第零次原則が執行されたこととを、混同していないだろうか?ということです。確かに「ファウンデーションと地球」の中でR・ダニールは第零次原則を執行できなかったことを発言しています。でも、これが第零次原則が完成していない根拠になるのか疑問です。

自分の中では、R・ダニールがR・ジスカルドから精神探査能力をもらい受けた時点で、第零時法則は完成したと判断しています。ジルカルドが機能停止する寸前に、第零時法則の運用に関して第一条を常に尊重するよう言い残した点や、以前のR・ダニールが第零次原則に関して思考しようとするときに、三原則ロジックが激しく反応し、思考中断を余儀なくされた点などを考えると、第零次原則は「人類」を定義をすることができれば、執行を行うことができるレベルまで完成されたと考えています。ただ「人類」の定義が難しく、それを統括的に扱える論理を完成させることが難しかったと思うのです。

また、人間を自発的に殺してしまったロボット「ドース・ヴェナビリ」の存在もあります。ロボット工学第零次原則が存在しないなら、彼女の行動は説明がつきません。殺人を行った後に、彼女が機能停止したのは、電磁フィールドの作用によるものか、三原則のパラドックスによる陽電子頭脳の破壊によるものかは定かではありませんが、殺人のあとにセルダンのもとへ自力で帰りついたことを考えるに、三原則のパラドックスの影響は少なかったと考えています。セルダンプランが潰される確信を得ての、第零条の行使だったのではないかと考えます。

そして、R・ダニールとファロムの融合です。両者の脳の融合という点は、ファロムの肉体の死を意味するようにも思います。たとえファロムがそれを望もうとも、第零次原則が存在しないと実現は不可能にも感じます。

ただ、今「ファウンデーションの誕生」を一部再読して思ったんですが、R・ダニールは、自らの肉体を放棄するつもりなのではないかと考えました。R・ジスカルドが精神探査能力を使い、R・ダニールの陽電子頭脳に精神探査のロジックを刻んだように、R・ダニールもファロムの脳に、自分の陽電子頭脳の全てを精神探査能力を使い刻みこむのではないかと… これなら、第零次原則が不要かもしれないし、ロボットに対し信頼を寄せ、純真でプレーンな思考のファロムは精神探査で傷つく可能性も低いですから。だからこそ適合者として選ばれたのかもしれません。

いまだ、ゲイア&ギャラクシアの定義が難しく理解できないので、上で言ってることも見当違いな気もするのですが、他の方の意見も聞いてみたいと思いました。

長文、乱文失礼しました。
(1999年05月24日 月曜日 15時50分11秒投稿)

投稿時間:2002/07/15(Mon) 17:08
投稿者名:徹夜城
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ゼロ条私見
この質問を読んでなかなか回答できませんでした、遅れてすいません。他の方もなかなか答えにくい問題なんじゃないかな?
僕は改めて「ロボットと帝国」「ファウンデーションと地球」を読み返してみました(もっともラストだけですが)。
「第零次原則」はジスカルドが精神感応能力をもっていたために発生(発明?)された原則と言えますね。つまり「人間に危害を及ぼしてはならない」という「第一条」は、人の心を読むことができ、かつ人の心に影響を与えることができるロボットにとっては、その忠実な実行が困難となる規制であるわけです。この問題は「うそつき」で早くも発生してますね。そこでジスカルドは第一条を拡大解釈し、それに優先する「補則」(変な言葉ですが)を加えたのだと思われます。ですから「第零条」じたいの完成はジスカルドによってなされた事は確かでしょう。
で、その執行・実践ということになりますが、僕はダニールが次第に自らの能力を拡大しつつ実現していった…そんな風に考えてます。「ファロムと融合して実現」との見方もあるようですが、そもそもよく読むとダニールって何度か頭脳と体を新規に入れ替えているんですよね。そのたびに新たに改良を加えているようです。
我々が良く知る「初代ダニール」は製造後1万年で寿命を迎え、新たな電子頭脳と体に乗り換えたようです。銀河帝国が完成する頃ですね。で「今のは600年ぐらいしか持たない」とか言ってましたからファウンデーションを設立する少し前に「地球」の時のダニールが出来たってことになるのかな(ってことはあのお方は…あ、混乱するからやめた)。まぁとにかくダニール自体が次第に本隊と共に能力を拡大してきた、これは頭に入れておいた方がいいのかも。
「地球」のあのラストでダニールはさらなる段階へ乗り出そうとしてるんでしょうね…そこはもう想像するしかないわけですが。
(1999年05月29日 土曜日 00時07分43秒投稿)

投稿時間:2002/07/15(Mon) 17:11
投稿者名:ふいごのマロウ
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精神探査能力と第零次原則
ふーむ、なかなかおもしろい問題ですね。

僕は今アシモフの本を友人に貸し出して
手元に一冊もないので、うろ覚えなのです
が、
確かにジスカルドは確かに精神探査能力を
使って第零次原則を導いていったような
記憶がします。

しかし、第零次原則を導くのに精神探査能
力が不可欠という訳ではないような気がし
ます。

何故なら、スティーブン・バイアリイが
(こればっかですみません)
”第零原則”に近い思考で行動している
ように思えるからです。

アンドリュー・マーティンがそこまで
いったかどうか定かではないですが、
何体かのロボットは独自に”第零次原則”
を導き出したのではないでしょうか?

ただ、ジスカルドのように精神探査能力を
持たなかったために、人類に対する影響
力が少なかったのではないかと思います。

第零次原則が”いつ”できたかのを厳密に
考えた場合、ダニールとジスカルドによっ
て、”ベイリの遺言”が鍵となって完成し
たのでしょう。

ただ、それ以前にも同じ位のレベルまで
達したロボットがいたのではないかと思
います。
(1999年06月26日 土曜日 14時41分35秒投稿)

投稿時間:2002/07/15(Mon) 17:12
投稿者名:だぁく・はんど
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"完成"についての2通りの考え
ロボット工学の第零条の"発見"はともかく、"完成"に関しては以下の2通りの考え方ができると思います。(両方ともかなり極端ですが)

1つは"最初から組み込まれていた"というもの
ロボット物の短編で度々強調されるように、1から3の各法則は陽電子頭脳の基礎設計であり、後から入力される様な性質の物では無いという事。当然、第零法則も誰も読み取ろうとしなかっただけで、陽電子頭脳のパターンの中に最初から存在していたと考える事ができます。多分、"ロビイ"の時代から彼らの陽電子頭脳の中には第零法則が入っていたのでしょう。
ただし、初期のロボットでは、3原則は定量的な解釈でなかったので"人類全体"という物を規定も理解もできないので、ジスカルドが第0条を実行した最初でのロボットになったのではないでしょうか。また、彼はその能力のため一度の多くの"人間"="人類全体の雛形"に与える影響とその結果を理解し、実感できたのではないでしょうか。
これは"ソラリア"(こんどこそ"オーロラ"じゃないです,きっぱり)の様な環境で使われるロボットにはたとえ、彼と同等の能力があってもできない芸当ではないでしょうか。
"マシン"などは"最終的にあるいは結果的に第1条と両立する"事を条件に何度か第0条が実行されたようですが。

長くなりましたが、2つめです
もう一つは、未だ("地球"が終わった後)完成されていないという考えです。
"レニイ"に始まった(と私は考えています)"マシン"を代表とする、3原則の定量的活用ができるロボットは自分の陽電子頭脳の回路同士をショートさせ、常に新しい回路を生成しているように思えます。
ただし、3原則を含む基礎回路は、書き替える事はできず、無理に書き替えると陽電子頭脳が止まってしまう(="機能停止"="死")筈です。
だから、第0条はそれを発見したダニールが、自分自身の陽電子頭脳の中に第0条回路を後から序々に組み上げたと、考えることができます。
だから、最初の頃に発動させたジスカルドは機能を停止し、ダニールはタゼンダが攻撃されても無事だったのではないでしょうか。
ただし、第0条はその定義のあいまいさにより常に修正が必要とされる筈です。例えば、今は"人類全体"と"惑星くん"は明らかに区別されるが、これがまとまって、"銀河くん"になった場合はどうなるのか?("銀河くん"の中にはロボットすら含まれるかも知れないですから)
この考えを取るなら、第0条の完成は多分永遠にありえない、という事になると思います。

以上 両極端な2つの意見です
(1999年09月03日 金曜日 20時00分42秒投稿)