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投稿時間:2002/07/15(Mon) 23:35
投稿者名:オナム・バー
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ガラクシア計画に見る東洋思想
ガイア(もしくはゲイア)の体制を銀河全体に拡張し、銀河系を1個の有機体とするというガラクシア計画は、全体主義的というより、むしろ東洋思想の影響を受けているのではないだろうか?
人間中心主義の西洋思想と異なり、東洋思想においては輪廻転生、縁起を説く仏教や八百万の神を崇拝する神道など、人間を自然の一部と見なし、人間もその他の生物も無生物でさえも平等に扱う傾向が強い。このあたり、人間同士で意志を疎通するだけでなく、その他の生物や石ころまでも意志の疎通に加わり、決定に参加するというガイアの体制と非常に類似している。
更に言えば、ダニール・オリヴォーはフロムとの融合の時点で明らかに超越者となったが、ダニールの役どころは西洋的な「造物主」としての神(すなわち人間を裁く者)とは大きく異なる。むしろ、森羅万象を司り、人々を救済する「仏」のイメージに近い。よって、全銀河の管理者としてのダニールの存在も非常に東洋的といえる。
科学の信奉者であるアシモフが最終的に西洋科学の限界を感じ、東洋思想に突破口を求めたのは大いなる皮肉といえよう。アシモフは自らの迷いと悩みをトレヴィズに仮託したのではないだろうか?
と、勝手な推測をめぐらせてみましたが、いかがなものでしょう? ご意見、反論、批判、何でもお待ちしております。
(2000年07月11日 火曜日 14時39分48秒投稿)